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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100R105 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 塩野義製薬株式会社 研究開発活動 (2023年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


2022年度は、研究開発に対して積極的な投資を行うとともに、COVID-19による環境変化に柔軟に対処することでCOVID-19治療薬、ワクチンだけでなく注力プロジェクトについてもほぼ予定通り進捗させました。

(1) 研究

S-337395はRSウイルスのA型およびB型への広域かつ強力な抗ウイルス効果を有する治療薬を目指し、2022年度は非臨床試験を完了し、第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
COVID-19の次世代経口治療薬候補のS-892216は、より抗ウイルス効果が強く、患者さまが使いやすい医薬品を目指して第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
ワクチン事業への取り組みについては、次世代のCOVID-19ワクチンとして、粘膜免疫を誘導する経鼻ワクチンであるS-875670の開発に向けた取り組みを進展させ、非臨床試験を開始しました。
S-151128は高い安全性、オピオイドと同等以上の鎮痛効果が期待できる新規メカニズムの疼痛治療薬であり、第Ⅰ相臨床試験を開始しました。

(2) 開発

COVID-19の経口治療薬エンシトレルビル(日本での製品名:ゾコーバ)については、2022年度、日本国内において緊急承認制度に基づく製造販売承認を取得しましたが、グローバル展開に向けて、複数のグローバル第Ⅲ相臨床試験や予防・小児適応拡大に向けた取り組みを開始しました。韓国ではアジアでの第Ⅲ相臨床試験のデータをもとにパートナーのIldongが製造販売承認申請を実施し、台湾においてもグループ会社の台湾塩野義製薬份有限公司が緊急使用許可の承認申請を行いました。また、中国においても承認申請に向けてデータの提出を開始しました。さらに、欧米での展開に向け、第Ⅲ相臨床試験(SCORPIO-HR試験:入院を伴わないSARS-CoV-2感染患者が対象、STRIVE試験:入院を伴うSARS-CoV-2感染患者が対象)を米国NIHのサポートで開始しました。
COVID-19に対する遺伝子組み換えタンパクワクチンであるS-268019については、COVID-19の予防を適応として、国内における製造販売承認申請を行いました。また、青年・小児を対象とした第Ⅲ相臨床試験も引き続き実施中です。
レダセムチド(S-005151)については、ステムリムから導入した再生誘導医薬ペプチドであり、その作用機序から幅広い疾患への適応が期待されます。2022年度は栄養障害型表皮水疱症を対象とした追加第Ⅱ相臨床試験ならびに急性期脳梗塞を対象としたグローバル第Ⅱ相臨床試験を開始しました。また、変形性膝関節症、慢性肝疾患に対する医師主導治験についても進展しました。
S-309309については、肥満症を適応とした新規メカニズムの経口治療薬候補であり、2022年度は第Ⅰ相臨床試験の速報結果より、高い安全性および忍容性と良好なPKプロファイルが確認できたため、第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
Resiniferatoxin(GRT7039)については、Grünenthalから2022年度に導入した変形性膝関節症に対する疼痛治療薬候補であり、強い鎮痛効果とその持続性、日常生活の改善など、現在の治療では満たされない患者さまのニーズに応えることを目指しております。現在、グローバル第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
Olorofim(F901318)については、F2Gから2022年度に導入した治療選択肢が限られる侵襲性真菌感染症に対する治療薬候補です。F2Gが実施した第Ⅱ相臨床試験の中間結果にて高い有効性と忍容性を確認しており、現在第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
S-365598については、超長時間作用型(3カ月以上に1回投与)の抗HIV薬となることが期待される第3世代のインテグラーゼ阻害薬候補です。2022年度はヴィーブが第Ⅰ相臨床試験を開始しました。

こうした活動の結果、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は102,392百万円となりました。


開発品(2023年5月10日現在)

領域開発No.
(一般名)
[製品名]
作用機序
(剤型)
適応症ステージ起源開発
感染症S-649266
(セフィデロコルトシル酸塩硫酸塩水和物)
[米国:Fetroja®]
[欧州:Fetcroja®]
細胞壁合成阻害(注射)
腎盂腎炎を含む複雑性尿路感染症、院内肺炎 (米国)
治療が限定される好気性グラム陰性菌による感染症 (欧州)
カルバペネム系抗菌薬に耐性が考えられるグラム陰性菌による各種感染症(日本)
治療選択肢が限られるグラム陰性菌に感染した成人患者の治療(台湾)
グローバル:フェーズⅢ(小児)
日本:申請(2022年3月)
台湾:申請(2022年12月)



自社自社
S-033188
(バロキサビル マルボキシル)
[日本:ゾフルーザ®]
キャップエンドヌクレアーゼ阻害(経口・顆粒)
インフルエンザウイルス感染症日本:申請
(体重20kg 未満)(2018年8月)
自社自社/Roche
(スイス)
S-268019ワクチン(筋注)新型コロナウイルス感染症の予防日本:申請(2022年11月)
日本:フェーズⅢ
グローバル:フェーズⅢ
自社自社
S-268019ワクチン(筋注)新型コロナウイルス感染症の予防(青少年)日本:フェーズⅡ/Ⅲ自社自社
S-268019ワクチン(筋注)新型コロナウイルス感染症の予防(学童)日本:フェーズⅠ/Ⅱ/Ⅲ自社自社
S-217622
(エンシトレルビル フマル酸)
[日本:ゾコーバ®]
3CLプロテアーゼ阻害剤(経口)新型コロナウイルス感染症の治療(12歳以上)日本:緊急承認(2022年11月)、フェーズⅡ/Ⅲ
グローバル:フェーズⅢ
韓国:申請(2023年1月)
台湾:EUA申請(2023年3月)
自社自社
S-217622
(エンシトレルビル フマル酸)
[日本:ゾコーバ®]
3CLプロテアーゼ阻害剤(経口)新型コロナウイルス感染症の治療
(小児 5-11歳)
日本:フェーズⅢ自社自社
S-217622
(エンシトレルビル フマル酸)
[日本:ゾコーバ®]
3CLプロテアーゼ阻害剤(経口)新型コロナウイルス感染症の予防グローバル:フェーズⅢ自社自社
F901318
(Olorofim)
ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)阻害(経口)侵襲性アスペルギルス感染症グローバル:フェーズⅢF2G(英国)自社/F2G
S-8922163CLプロテアーゼ阻害剤(経口)新型コロナウイルス感染症の治療日本:フェーズⅠ自社自社
S-337395RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害(経口)RSウイルス感染症日本:フェーズⅠ自社/UBE自社/UBE



領域開発No.
(一般名)
[製品名]
作用機序
(剤型)
適応症ステージ起源開発
疼痛・神経S-297995
(ナルデメジントシル酸塩)
[日本:スインプロイク®]
[米国:Symproic®]
[欧州:Rizmoic®]
末梢性オピオイド受容体アンタゴニスト
(経口・散剤)
オピオイド誘発性便秘症(小児)欧州:フェーズⅠ/Ⅱ自社自社
S-812217
(Zuranolone)
GABAA受容体ポジティブアロステリックモジュレータ(経口)うつ病・うつ状態日本:フェーズⅢSage (米国)
自社/Sage
SDT-001

中枢作用に基づく、治療用デジタルアプリADHD患者の不注意症状(小児)日本:フェーズⅢAkili (米国)自社/Akili
BPN14770
(Zatolmilast)
PDE4Dネガティブアロステリックモジュレータ(経口)脆弱X症候群米国:フェーズⅡ/ⅢTetra (米国)自社/Tetra
BPN14770
(Zatolmilast)
PDE4Dネガティブアロステリックモジュレータ(経口)アルツハイマー型認知症米国:フェーズⅡ
日本:フェーズⅡ
Tetra (米国)自社/Tetra
GRT7039
(Resiniferatoxin)
TRPV1受容体アゴニスト(関節腔内注)変形性膝関節症に伴う疼痛グローバル:フェーズⅢGrünenthal(ドイツ)Grünenthal
S-151128新規メカニズム
(注射)
慢性疼痛日本:フェーズⅠ自社自社

フロンティア
ADR-001ヒト他家脂肪組織由来の間葉系幹細胞
(注射)
非代償性肝硬変日本:フェーズⅠ/Ⅱロート(日本)自社/ロート
S-309309モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2阻害剤(経口)肥満症米国:フェーズⅡ自社自社
S-588410がんペプチドワクチン
(注射)
食道がん日本:フェーズⅢオンコセラピー・サイエンス (日本)自社
S-588410がんペプチドワクチン
(注射)
膀胱がん日欧:フェーズⅡオンコセラピー・サイエンス (日本)自社
S-488210がんペプチドワクチン
(注射)
頭頸部がん欧州:フェーズⅠ/Ⅱオンコセラピー・サイエンス (日本)自社
S-588210がんペプチドワクチン
(注射)
固形がん英国:フェーズⅠオンコセラピー・サイエンス (日本)自社
S-222611
(Epertinib)
HER2/EGFRデュアル阻害薬(経口)悪性腫瘍欧州:フェーズⅠ/Ⅱ自社自社
SR-0379肉芽形成促進作用
(外用)
皮膚潰瘍(褥瘡、糖尿病性潰瘍)日本:フェーズⅢファンぺップ (日本)自社/ファンペップ
S-005151
(レダセムチドトリフルオロ酢酸塩)
間葉系幹細胞を末梢血に動員(注射)
脳梗塞グローバル:フェーズⅡbステムリム (日本)自社
S-005151
(レダセムチドトリフルオロ酢酸塩)
間葉系幹細胞を末梢血に動員(注射)
表皮水疱症日本:フェーズⅡステムリム (日本)自社
S-531011抗CCR8抗体(注射)固形がん日本・米国:フェーズⅠb/Ⅱ自社自社







開発No.
(一般名)
[製品名]
作用機序
(剤型)
適応症ステージ起源開発
S/GSK1265744 LAP*1
(Cabotegravir)
インテグラーゼ阻害
(注射)
HIV感染症
(治療及び予防)
(CAB*2LAP、予防適応)
グローバル:フェーズⅢ
SHIONOGI-ViiV Healthcare予防:ViiV、HPTN、NIAID、Gilead (米国)
S-0373非ペプチド型TRHミメティック(経口)脊髄小脳変性症日本:申請 (2021年12月)自社キッセイ薬品 (日本)
S-033188
(バロキサビルマルボキシル)
[米国:XofluzaTM]
キャップエンドヌクレアーゼ阻害(経口)インフルエンザウイルス感染症米国:申請 (小児、1歳以上)(2020年3月)
グローバル:フェーズⅢ (小児、1歳未満)
グローバル:フェーズⅢ (伝播抑制)
自社自社/Roche
(スイス)
S-555739
(Asapiprant)
プロスタグランジンD2 DP1受容体拮抗
(経口)
COVID-19の重症化抑制米国:フェーズⅡ自社BioAge (米国)
S-723595
アセチルCoAカルボキシラーゼ2阻害(経口)非アルコール性脂肪肝炎日本:フェーズⅠ自社OrsoBio
(米国)
S-365598インテグラーゼ阻害
(超長時間作用型注射)
HIV感染症米国:フェーズⅠ自社SHIONOGI-ViiV Healthcare

*1 Long acting parenteral formulation、*2 Cabotegravir

事業等のリスク株式の総数等


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