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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QFQ7 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 ネクセラファーマ株式会社 研究開発活動 (2022年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、製品開発型のバイオ医薬品企業として、経営資源を医薬品の研究開発活動に集中しています。研究開発費は、当社グループが保有する開発品の開発費、次期開発候補品の探索及び創薬基盤技術の研究に係る費用で構成されています。
当連結会計年度における、IFRSに基づく当社グループの研究開発費は7,454百万円となりました。
研究開発活動の具体的な内容は、以下のとおりです。

(1) 世界をリードするStaR®及びSBDD創薬力の拡大・強化

① Verily Life Sciences LLC-免疫疾患関連の新規ターゲット同定と新薬候補創出
2022年1月6日、当社グループは、Alphabet傘下のプレシジョン・ヘルス企業であるVerily Life Sciences LLC(以下「Verily社」)と戦略的研究開発提携を締結したことを発表しました。本研究開発提携では、Verily社の持つ免疫プロファイリング能力と、当社グループの持つGPCR構造ベース創薬技術を集約します。本提携の目的は以下の通りです。

・特に免疫疾患、消化器疾患、がん免疫疾患、及びその他の免疫防御性あるいは免疫病原性疾患における、免疫細胞内でのGPCRの機能解明
・創薬ターゲットとして有望なGPCRの抽出、優先順位付け及び検証
・これらのGPCRに作用する新薬候補の創出と開発

Verily社独自のImmune Profilerは、Verily社の研究所で行われる免疫細胞の精密な表現型の分析と、それらの膨大なデータを処理する高度なコンピュータ技術を組み合わせた、未だ十分に解明されていない免疫機能の全体像を解き明かす、次世代の免疫解析プラットフォームです。本プラットフォームは、免疫機能を調節し、疾患を改善する可能性のある創薬ターゲットとして有望なGPCRの特定に利用されます。今後本提携では、当社グループが有する世界最先端のStaR®技術とSBDDに関する専門知識を活用して、創薬ターゲットとして有望なGPCRの優先順位を明確化し、さらなる開発または導出のためのリード化合物の創出を目指します。本提携開始から半年でターゲットの特定と優先順位付けという最初のマイルストンを達成し、ヒットの検証・生成、リード選定に入りました。

② Kallyope Inc.-消化器疾患関連の複数のGPCRの同定と検証
2022年5月17日、当社グループは、腸脳軸に着目した創薬のパイオニアであるKallyope Inc.(以下「Kallyope社」)と、消化器疾患領域における創薬プログラム創出に向け、新規GPCRターゲットの同定と検証を目的とした戦略的研究開発提携を締結したことを発表しました。本提携により、当社グループのGPCRに特化した化合物ライブラリー及び専門知識と、シングルセル解析、回路マッピングに関する計算生物学、及び表現型スクリーニングを組み合わせたKallyope社の革新的な脳腸軸におけるプラットフォームを活用します。これにより両社は、新規の消化器疾患治療薬ターゲットとなるGPCRの優先順位付けと検証を行い、これらのターゲットに作用する新規低分子化合物の開発を進めます。

③ オックスフォード大学及びルーヴェン大学-消化器疾患と免疫疾患に関わるGPCR発掘のための共同研究契約
2022年12月8日、当社グループは、英国オックスフォード大学のMRCウェザーオール分子医学研究所及びベルギーのルーヴェン・カトリック大学とトランスレーショナルメディシン及び共同研究に関する契約を締結したことを発表しました。本共同研究では、それぞれの学術グループの革新的なテクノロジーと研究力を応用し、炎症性腸疾患を含む消化器疾患及び免疫疾患を引き起こす主要なGPCRの同定、バリデーション及びSBDDのターゲットとしての優先順位付けに注力します。

(2) 大手グローバル製薬企業との既存の提携の推進及び継続的な収益確保への取り組み

① AbbVie Inc.との提携
2022年8月1日(英国時間)、当社グループは、研究開発型のバイオ医薬品企業であるアッヴィ社と新規創薬提携及びライセンスのオプション契約を締結したことを発表しました。この契約により両社は、神経疾患を対象に、GPCRに作用する低分子の研究開発と商品化を目指します。本提携は、当社グループのStaR®技術及びSBDDプラットフォームと、アッヴィ社の神経科学及び治療領域に関する広範な専門知識を活用するものです。本契約は、2020年6月に両社が締結した炎症性疾患及び自己免疫疾患を標的とした最初の複数ターゲットを対象とする創薬提携契約の範囲を、さらに拡大するものです。

本契約に基づき、当社グループは、新薬臨床試験開始申請(以下「IND」)までの研究開発活動を行い、研究開発資金を負担します。アッヴィ社は、現段階で最大3つのプログラムについて独占的なライセンスオプションを有し、その後の臨床試験、申請・承認、商業化を担います。当社グループは、契約締結時に40百万米ドルを受領し、今後3年間で最大40百万米ドルの初期開発マイルストンを受領する権利を有しており、さらにオプション、開発・販売の達成に応じた、最大12億米ドルのマイルストンに加えて、グローバルでの販売高に応じた段階的ロイヤリティを受領する権利を有しています。本契約一時金は2022年第3四半期に一括で受領しましたが、IFRSの収益認識に関する会計基準に基づき、当社の履行義務の充足に応じ認識した収益計上額につき、2022年第3四半期、第4四半期に計上され、またそれ以降の一定期間にわたり計上される予定です。

2022年12月13日、当社グループは、アッヴィ社との炎症性疾患及び自己免疫疾患を対象とした創薬提携において、研究段階における重要なマイルストンを達成したことを発表しました。この成果により、当社グループは10百万米ドルを受領しました。

② Neurocrine Biosciences, Inc.との提携
2022年8月4日(英国時間)、当社グループは、提携先であるニューロクライン社から、統合失調症の成人を対象としたNBI-1117568の第Ⅱ相臨床試験のINDが米国食品医薬品局(以下「FDA」)に受理され、試験開始可能になったことが通知されたと発表しました。この臨床開発におけるマイルストンの達成により、当社グループはニューロクライン社から30百万米ドルを受領しました。NBI-1117568は、統合失調症及びその他の精神神経疾患治療薬として開発中の経口の選択的ムスカリンM4受容体作動薬です。本候補化合物は、選択的なM4オルソステリック作動薬であることから、非選択的なムスカリン作動薬では必要とされる、副作用を最小限に抑えるための併用療法を用いることなく治療効果を発揮する可能性があり、また、ポジティブ・アロステリック・モジュレーターと比較してアセチルコリン(ACh)の協同作用を必要としない点が特徴です。これまでの臨床試験で、NBI-1117568は一般的に良好な忍容性を示すことが確認されています。NBI-1117568は、当社グループが見出し、ニューロクライン社が主要な神経疾患の治療のために開発中であり、臨床及び前臨床段階にある新規サブタイプ選択的ムスカリンM4、M1及びM1/M4デュアル受容体作動薬の広範なポートフォリオの中で最も開発段階が進んだ候補化合物です。また、ニューロクライン社は、前臨床試験が完了次第、M1/M4デュアル及び選択的M1受容体作動薬の第Ⅰ相臨床試験を開始する予定です。これらの化合物の臨床試験開始に伴い、当社グループはニューロクライン社から、さらなるマイルストンを受領する権利を有しています。

2022年10月28日、当社グループは、提携先であるニューロクライン社が、統合失調症の成人を対象としたNBI-1117568の有効性、安全性、忍容性及び薬物動態を評価する、無作為化、プラセボ対照第Ⅱ相臨床試験を開始したことを発表しました。NBI-1117568の第Ⅱ相臨床試験は、約200名の成人を対象とし、米国内の15施設で実施されます。この試験では、NBI-1117568の複数の投与量を評価します。主要評価項目は、6週目までの陽性・陰性症状評価尺度(PANSS:Positive and Negative Syndrome Scale)の総スコアの、ベースラインからの変化です。なお、本件によるマイルストンの支払いは発生しません。

③ Eli Lilly and Companyとの提携
2022年12月16日、当社グループは、グローバルなバイオ医薬品企業であるイーライリリー社と新規創薬提携契約を締結したことを発表しました。本契約により両社は、糖尿病及び代謝性疾患を対象に、GPCRに作用する低分子の研究、開発及び商業化を目指します。本提携は、当社グループのStaR®技術及びSBDDプラットフォームと、イーライリリー社の医薬品開発、商業化、加えて糖尿病・代謝性疾患における専門知識を活用するものです。当社グループは、イーライリリー社が選定する複数のGPCRターゲットに対して、研究開発・商業化に向けた、選択性の高い新規の低分子化合物の創出に注力します。本契約に基づき、当社グループは、契約一時金37百万米ドルを受領し、さらに開発・販売に応じた最大694百万米ドルのマイルストンに加えて、段階的ロイヤリティを受領する権利を有しています。本契約一時金は2022年第4四半期に一括で受領しましたが、IFRSの収益認識に関する会計基準に基づき、2022年第4四半期、またそれ以降の一定期間にわたり計上される予定であり、収益計上額は当社の履行義務の充足に応じ認識してまいります。

④ Pfizer Inc.との提携
2022年12月21日、当社グループは、ファイザー社から、ファイザー社の新薬開発候補品であるPF-07081532の第Ⅱ相臨床試験において最初の被験者への投与が行われたことが通知されたと発表しました。このマイルストンの達成により、当社グループはファイザー社から10百万米ドルを受領しました。PF-07081532は、2型糖尿病及び肥満症の治療薬として開発中で、1日1回の経口投与を可能とする次世代の低分子GLP-1受容体作動薬です。PF-07081532 は、ファイザー社が当社グループ独自のStaR®技術を利用し、複数のターゲットを対象とした研究開発提携においてファイザー社の研究者が見出したものです。ファイザー社が実施したPF-07081532の第Ⅰ相臨床試験は、成功裏に完了しています。PF-07081532は、当社グループとの複数のターゲットを対象とした研究開発提携においてファイザー社が選定した3品目の新薬開発候補品のうちの1つであり、現在、以下に示す他の2品目についても、第Ⅰ相臨床試験が進行中です。

・PF-07054894(炎症性腸疾患におけるCCR6受容体拮抗薬)
・PF-07258669(拒食症におけるMC4受容体拮抗薬)

(3) 生産性と付加価値、そして成功確率を高めるために、研究開発体制をプログラム重視型モデルに転換

① Weatherden Limited-アジャイル開発の導入とトランスレーショナルメディシン機能の強化のための戦略的提携
2022年4月26日、当社グループは、研究開発及び臨床開発を専門とするコンサルティンググループであるWeatherden Limited(以下「Weatherden社」)と戦略的提携を締結したことを発表しました。本提携により、当社グループの世界最先端のGPCR構造ベース創薬プラットフォーム及び専門知識と、Weatherden社のトランスレーショナルメディシン及び医薬品開発の専門知識を活用し、業界最高レベルの創薬・開発チームに支えられたアジャイル開発モデルの構築を目指します。その目的は、複数のプログラムの優先順位付けと開発の加速により、迅速に第Ⅰb/Ⅱa相臨床試験での臨床コンセプトを実証(POCの取得)することにあります。臨床コンセプトの実証は、価値の高いグローバルでのライセンス及び研究開発契約の締結を推進し、大きな利益を上げ、当社グループの成長を長期的に加速させるための重要な転換点です。当社グループは、Weatherden社の豊富な経験、科学的専門知識、データに基づくアプローチに加え、医薬品アセットの評価・開発の商業化についての重点的な取り組みを活かし、パイプライン強化のために、より明確に選択と集中を進める体制と技術的専門知識を融合します。当社グループは以下により、意思決定と価値創出の最適化を目指します。

・新しい効率的な創薬・開発方法を創出すること
・世界をリードする科学技術の、患者さまの生活を一変させる治療薬への変換を加速すること
・厳選した自社開発プログラムを臨床試験段階に進めることにより、提携の機会を最大化すること

② 英国ケンブリッジの研究開発拠点の拡大
2022年5月26日、当社グループは、ケンブリッジのグランタ・パーク内にある研究開発拠点を、同パーク内の2つ目の施設に拡大したことを発表しました。この研究開発機能の拡大は、当社グループが複数プログラムの自社開発を実施し、加えて大手企業の研究開発パートナーとしてのポジションをより強固にするものです。

③ 自社開発品3品目を臨床試験に進めるための取り組み
プログラム重視型モデルへの転換、ターゲットの機能への深い理解、トランスレーショナルメディシンへの注力という新たな方針に基づき、以下の3つの候補品を筆頭に、迅速な臨床POC確立を目指していきます。

・経口EP4受容体拮抗薬(HTL0039732) - 固形がんに対するがん免疫療法薬候補であり、2022年7月22日、世界最大の民間がん研究基金であるCancer Research UK(英国王立がん研究基金)と、初の臨床試験(FIH試験)の実施契約の締結を発表。
・経口GPR52受容体作動薬 - 統合失調症及び精神疾患における陽性症状、陰性症状、認知機能障害を、既存の抗精神疾患薬に見られるような副作用なしに治療できる可能性を持つ。
・経口EP4受容体作動薬 - 炎症性腸疾患治療薬候補であり、消化管に限定的に作用し、抗炎症作用と粘膜治癒を促進することによる腸管バリアー保護作用を併せ持つ。様々な前臨床モデルにおいて良好な有効性を示す。

(4) 日本における有数の商業化ビジネスの構築
2022年、当社グループは、日本での臨床開発~販売体制をアジャイルかつ拡大可能な形で構築し、日本という大きく魅力的な市場で、見逃されている市場の発掘に取り組むことを発表しました。今後、数年間でこれらのビジネス構築に取り組んでまいります。この背景としては、日本が米国、中国に次ぐ第3位の医薬品市場であり、高齢化が進み、国民皆保険制度を備えているためです。当社グループは、まずは、開発リスクの低い、海外で承認済あるいは後期臨床開発段階の開発品の導入を行い、中長期的には自社品の開発により、さらなるパイプラインの拡充を図ります。

事業等のリスク株式の総数等


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