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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QGUV (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 住友ゴム工業株式会社 研究開発活動 (2022年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループにおいては、当社の研究開発組織・施設を核として世界各地に所在する子会社・関連会社群との密接な連携のもと、タイヤ・スポーツ・産業品他事業、幅広い領域・分野で研究開発を推進しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、27,259百万円であります。
セグメント別の主要な研究開発活動は、次のとおりであります。

(1)タイヤ事業
当社グループのタイヤ技術研究開発は、神戸本社に隣接したタイヤテクニカルセンターを中心に、欧州・米国のテクニカルセンターと連携して「タイヤが地球環境の為に貢献できること」をテーマに、「原材料」「低燃費性」「省資源」の3つの方向性で環境配慮商品の開発に取り組んでおります。社会の持続的発展と企業の成長を同時に実現することを目指し、地球環境にやさしい商品開発を推進しています。
また、当社はCASE/MaaSなどの自動車業界の変革に対応するためのタイヤ開発及び周辺サービス展開のコンセプトである「SMART TYRE CONCEPT」を掲げております。例えば、タイヤの摩耗、経年による性能低下を抑制し、新品時の性能を長く持続させる「性能持続技術」や、商品ライフサイクル全体で環境性能を高めて循環型社会の実現に寄与する「ライフサイクルアセスメント(LCA)」の考え方を採り入れた商品開発を推進するとともに、デジタルツールを用いて得られるさまざまなデータを利用した新たなソリューションサービスの展開を目指しております。

ソリューションサービスの分野では、当社はオリックス自動車株式会社のレンタカー事業で、スローパンク※1検知機能を新たに備えたタイヤの空気圧や温度をリモート監視する「空気圧・温度管理サービス」の実証実験を開始しました。当社が開発したスローパンク検知のアルゴリズムに基づき、空気圧・温度の変化をTPMSが監視し、異常発生時に管理者にアラートを通知する仕組みになっています。目視点検や運転中の違和感では発見することが非常に難しいスローパンクを早期に見つけることでタイヤトラブルを未然に防ぐことを可能にします。この実証実験を通して、レンタカー事業の安全運行をサポートするサービスとして、タイヤトラブルの未然防止や点検作業の効率化・工数削減、燃費改善などの具体的な効果を検証し、更なる価値の提供及びサービスの向上に取り組みます。
また、2022年3月には関西大学と共同でタイヤの回転によって電力を発生させ、タイヤ周辺に搭載されたセンサーにバッテリーレスで電源供給できる発電デバイス(エナジーハーベスト)を利用し「タイヤ摩耗状態及び接地面形状測定方法」を開発しました。この開発で新たに、タイヤ回転接地時にそれぞれの発電デバイスから得られる電圧波形からタイヤ接地長や回転周期、電圧値を算出することができ、これらを計算することでタイヤの摩耗量を推定できます。また、小型化した発電デバイスをタイヤ内に複数個装着することでタイヤ接地面の幅方向の情報を取得しタイヤ接地面形状を測定する方法を開発しました。これらの技術はタイヤソリューションサービスに活用できると同時に、今後のタイヤ開発にもつながる知見を得られることが期待されます。

材料開発の分野では東北大学、金沢大学、埼玉大学と共同で、夢の低燃費タイヤの開発につながるバイオポリマーの合成に成功しました。独自に開発した改変トマト由来酵素を触媒とすることで、ポリマー※2の先頭モノマー※3を選択できることを発見しました。今後研究を進めることで2040年代を目標に更なる低燃費タイヤを開発し、持続可能な社会の発展に貢献します。
また、トヨタ自動車株式会社が事業化に向けて実証実験を進めているクラウド材料解析プラットフォームサービス「WAVEBASE (ウエイブベイス)」を活用し、データサイエンスを駆使することで、ゴム材料開発に重要な先端研究施設から得られるデータの解析プロセスを効率化し、解析時間を100分の1以下に短縮することに成功しました。今後当社では「WAVEBASE」を活用し、最先端実験施設での現場でリアルタイム解析を行うほか、さまざまな実験室系分析装置で得られるデータを統合し、ビッグデータとして解析することで、研究開発の効率化・高速化・省力化に繋げます。また従来は気づくことができなかった新たな着眼点を得ることで、独自の材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN(アドバンスド フォーディー ナノ デザイン) 」を進化させ、さらに安全性能と環境性能を備えたタイヤの開発を目指します。

当社は設計や材料開発などのタイヤ開発の様々な業務でAI活用の取り組みを進めています。製造業では生産年齢人口の減少による人手不足や、熟練技術者・設計者の高齢化が進む中、技術・経験・ノウハウを次世代に伝承するとともにデジタル技術を活用し、これらを見える化することが急務となっています。当社と日本電気株式会社(以下NEC)は協業で、タイヤ開発における匠(熟練設計者)のノウハウのAI化に成功しました。官能評価の解釈に関するコミュニケーションをAIが学習できるデータに体系化することで、官能評価の解釈及び改良案考案のAI化を実現しました。また、これまではOJTによる属人的な伝承が中心だった匠の思考プロセスを見える化し、経験が浅い設計者への改良案考案過程やノウハウなどの技能伝承も可能にします。当社は今後、本AIの活用により若手設計者をより高度な技術開発に集中させてまいります。
当事業に係る研究開発費は22,229百万円であります。
※1 ごく小さい穴や亀裂、リムとタイヤビード間からのエア漏れ、エアバルブからの漏れなどにより徐々
に空気が抜けていく状態。
※2・3 モノマーは単量体、ポリマーは重合体を指す。モノマーが重合反応することによりポリマーとなる。

(2)スポーツ事業
スポーツ事業本部並びに米国のRoger Cleveland Golf Company, Inc.に研究開発部門を設置しており、コンピューターシミュレーション技術等を用いて新技術・新商品の開発並びに評価、試験に取り組んでおります。兵庫県丹波市の「ゴルフ科学センター」では、スイングマシーンによるテストに加え、トッププロからアベレージゴルファーまでの様々な方のヒューマンテストを行い、クラブやボールの特性に加え、スイングとクラブの関係など、膨大なデータを集積し、総合的に測定・解析・評価を行っております。
これらの技術により、ゴルフクラブでは「スリクソンZX(ゼットエックス)」の後継モデルとなる「スリクソンZX MkⅡ(マークツー)シリーズ」を開発し、2022年11月に発売しました。クラウン部分にフルチタン構造を採用し、大きなたわみを生み出す剛性の低いエリアと、パワーを逃がさずしっかりと受け止める剛性の高いエリアを交互に配置し、飛距離性能を向上させました。
ゴルフボールでは、NEW「スリクソン Z-STAR(ゼットスター)シリーズ」3機種を開発し、商品化しました。ボールコア中心付近の硬度変化をより大きくし、ドライバーショットでの高初速化、アイアンショットでのスピン量増加を実現する一方、コア表面付近の硬度変化を緩やかにすることで、優れたアプローチショットスピン性能も同時に実現しています。また、コーティングについても配合を一新し、インパクト時のボールの滑りを抑制し、フェースに食いつくような打感を実現しました。3機種展開で、「スリクソン Z-STAR XV(エックスブイ)」ではドライバーでの飛距離を、「スリクソンZ-STAR」ではソフトなフィーリングとアプローチスピンを、「スリクソンZ-STAR ◆(ダイヤモンド)」は、ロング・ミドルアイアンでのスピン性能を優先するゴルファー向けに、それぞれ専用の技術を搭載しています。
テニスラケットでは、しなやかな打球感と更なるパワーアップを実現したダンロップのパワー系テニスラケット「FX(エフエックス)」シリーズを開発し、商品化しました。グロメット下の中央に小溝を設け、フレームとストリングのたわみ量を増加させ、反発性の向上とスイートエリアの拡大を実現しました。また、フレーム形状は従来モデルのまま、フレームの硬さを部分的に調整することで、ユーザーの求める、よりしなやかな打球感を実現しています。
当事業に係る研究開発費は2,974百万円であります。

(3)産業品他事業
ハイブリッド事業本部では、高減衰ゴムを用いた制振部材、医療用ゴム製品、ヘルスケア用品等、安全・安心・快適をテーマとする事業活動に積極的に取り組んでおります。
手袋事業では、昨年12月に「樹から生まれた手袋 シンプルカラーズ」を発売いたしました。当商品は、蛋白質を通常の天然ゴムよりも少なくした素材を使用した手肌にやさしい家庭用ゴム手袋となります。内面には綿製の裏毛が使用され、スムースな脱着にも配慮されています。今後もお客様のニーズにお応えしながら、安心で快適な暮らしに貢献する商品をお届けしてまいります。手袋のみならず、カーボンニュートラル、プラスチック削減等、社会課題の解決を目指し、より安心・安全・快適な毎日に貢献できる研究開発を行っていきます。
当事業に係る研究開発費は2,056百万円であります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01110] S100QGUV)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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