有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100R0XL (EDINETへの外部リンク)
ニッコー株式会社 事業等のリスク (2023年3月期)
当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があるリスクには、以下のようなものが想定されます。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。これらのリスクについては、単にマイナスの側面からではなく、「機会」としてのプラスの側面からも捉えたうえで、様々な対応を行っていきます。
(1) 経済状況の変化による影響
2020年初頭より全世界で発生している新型コロナウイルス感染拡大に加え、2022年初頭に勃発したロシア・ウクライナ情勢に起因した原油価格や為替相場の急激な変動等は、依然として先行き不透明な状況が続いており、今後の動向によっては、当社グループにおいても大きく影響を及ぼす可能性があります。住設環境機器事業においては、経済活動の停滞による住宅着工の減少、施工中現場の工事中断、個々の案件の延期、中止が見込まれます。機能性セラミック商品事業においては部品調達の遅れが見込まれます。陶磁器事業においては、主要販売先であるホテル、レストランの業績悪化による受注の減少が見込まれます。新型コロナウイルス感染症については、感染症法上の位置づけが5類感染症に変更となることが決定し、日常生活の制約や経済活動への制限も緩和され、経済回復への期待もありますが、ロシア・ウクライナ情勢とともに完全な終息時期については現時点では判断ができない状況であり、これらにより経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクは、トップリスクとして認識しており、その対策として、当社グループは、経済状況の変化に対応すべくビジネスモデルの変革に取り組んでいます。世界各国での開発・生産活動の分散化や輸入から国内調達へのシフト、サステナブルな活動の高まりなどは、国内生産にこだわっている当社グループにとっての絶好の機会と捉え、新商品の開発やサービスの充実に取り組みます。また、資金繰りを精査し、関係金融機関と状況を共有し、必要に応じて資金確保を依頼しています。
(2) 感染症による影響
当社グループは、感染症が拡大することで製造および営業活動が停滞する可能性があり、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクは、新型コロナウイルス感染拡大により顕在化しており、その対策として、当社グループは、感染予防のため、営業、管理部門において一部テレワーク勤務を実施し、テレワーク勤務者とはWeb会議方式で情報を共有しながら業務ができる体制を整備しています。また、テレワークできない従業員は時差出勤、交代勤務により感染防止対策を実施しています。現在は収束傾向にありますが、再拡大に備え各拠点にアルコール消毒液、マスクを常備するとともに、感染症が発生した場合の出勤停止や事後措置等の対応も継続していきます。
営業面においては、テレワーク普及による在宅時間の長期化により、住設環境機器事業においては、浴室やディスポーザーなど住宅設備の充実や浄化槽エリアでの郊外型一戸建住宅のニーズが増加しており、陶磁器事業においては、オンライン消費が増加していることなどを機会と捉え、営業面やECの強化に取り組みます。
(3) 原材料の調達状況による影響
当社グループでは、原材料の一部を複数の国から調達しています。これらの調達に当たっては、世界的な需要構造変化に伴い、調達価格の急激な上昇や供給不足または供給停止等が発生した場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクは、ロシア・ウクライナ情勢により一部顕在化しており、その対策として、白山購買部、埼玉購買部が窓口となり、原材料の調達について各事業部と必要な原材料の情報を常に共有しています。また、調達が困難な場合を想定して、可能な限り複数の購買先の確保と新たな購買先の確保を図っています。
(4) 余剰在庫の滞留による影響
当社グループでは、顧客需要の変動に合わせて生産調整等を行い、余剰在庫の発生を抑制するよう対策を講じています。経済状況や製品市場の急激な変化等により、需要が販売予想を大幅に下回り、余剰在庫が滞留した場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
その対策として、大量な余剰在庫が発生しないように、各事業セグメントにおいて生産計画を見直しています。また、余剰在庫については、評価の見直しを図っています。
(5) 為替レートの変動による影響
当社グループでは、在外連結子会社による売上、費用および資産等の現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算しています。従って、円換算時の為替レートにより、これらの円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、当該リスクは、社会情勢に応じて、為替予約取引を利用することでリスク軽減を図っていますが、急激な為替レートの変動は当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。(6) 製造拠点への自然災害等による影響
当社グループのうち、機能性セラミック商品事業および陶磁器事業は、当社本店所在地である石川県で製造活動を行い、住設環境機器事業は埼玉県で製造活動を行っています。当該製造拠点や製造委託先等において、地震・暴風雨などの自然災害あるいは不慮の事故などにより、生産設備等が何らかの損害を受け、製品の製造・販売が遅延もしくは停止する場合には、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクが顕在化する蓋然性は、工場所在地のリスクマップにおいて低い状況にありますが、大地震や超大型台風などによる想定を超える被害の発生に備えるための対策として、被害を最小限に留めることと、事業の継続および早期復旧を目的としたBCP(事業継続計画)を策定しました。当社グループは、石川県および埼玉県において毎年定期的に防災訓練を実施し、かつ、拠点ごとに生産技術部において生産設備や工場建屋について、免震対応、豪雨等による修繕を適宜実施しています。今後も、災害により製造に影響が及ぶと想定される設備機器等については、都度対応します。
(7) 人財確保および育成による影響
当社グループのさらなる拡大および企業価値の継続的な向上のためには、人財の確保や育成が重要な課題と認識しています。国内の労働人口の減少により労働需給がさらに逼迫し、人財を確保できない場合や、人財獲得競争が激化し、コストが大幅に増加した場合、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の影響等により各事業での売上高が低迷し、2021年3月期および2022年3月期と継続して営業損失を計上する結果となりました。2023年3月期において、売上高は前期比14億14百万円の増加と好調でしたが、原材料、工事原価の高騰に加え電力費、燃料費の高騰が影響し、陶磁器事業の業績回復の一方で住設環境機器事業、機能性セラミック商品事業はその影響を大きく受け、営業損失2億10百万円(2022年3月期は1億74百万円の損失)が計上されました。一方、営業キャッシュ・フローは2億93百万円のプラス(2022年3月期は2億55百万円のプラス)と引き続きプラスとなっています。営業損失計上の主要因としては、住設環境機器事業の小型浄化槽の販売において原材料高騰に対する値上げ浸透の遅れによる利益率の低下、バンクチュール®(システムバス)の特に大型物件の施工費用等の増加による利益率の低下によるものです。
2024年3月期においては小型浄化槽については、値上げの効果が見込まれること、バンクチュール®(システムバス)においても施工管理方法等を見直すことで、利益率の改善が見込まれます。機能性セラミック商品事業では計画に対しOA機器用基板の販売拡大が見込まれることから2024年3月期に向けた安定的な営業利益を確保するための体制づくりが着実に進展し、従前の中期経営計画で取り組んでいた「収益力の向上」について2024年3月期では一定の成果が見込まれます。また、陶磁器事業においても、海外市場は好調を維持しつつ、新型コロナウイルス感染症の影響も徐々に和らぎ、国内市場は回復傾向にあります。また、付加価値の高い製品の受注に応じた製造体制への転換を進めており、需要量に応じた製造水準維持による製造費用の削減や製品在庫数量の減少が進展したことで陶磁器事業におけるコスト体質の改善が見られ、赤字幅が縮小しており、一定の成果が得られつつあります。
なお、2023年3月期末の受注残高は前期末比で増加しており、当該受注残高は2024年3月期における売上高に結びつくことが見込まれます。
次に、資金計画の前提として、当社グループでは2022年3月に2023年3月期を初年度とする3ヶ年中期経営計画を策定しました。当該中期経営計画の中では、当社グループの各事業が安定的な営業利益を確保するための施策を講じており、特に当面の資金繰りに関連する2024年3月期の計画においても、主に次の施策の実行により営業利益の計上を見込んでおり、資金計画の達成に資するものと考えています。
・住設環境機器事業では、小型浄化槽「水創り王®」の拡販、新中型浄化槽「NSA型」の拡販に加え、自社製ディスポーザー「CIALAC®」の交換需要に対応すること、またバンクチュール®の大型案件を予定どおり進捗させることで安定した利益確保に向け、売上高、営業利益の積み上げを行います。
・機能性セラミック商品事業では、各種基板の値上げ対応に加え、OA機器用基板の販売拡大に向けて、増産に対応するための新たな設備投資が2024年3月期上半期に完了することで、売上高、営業利益の積み上げを行います。
・陶磁器事業では、引き続き製造原価低減を推進しつつ、付加価値の高い製品の販売比率を高めることで、営業利益の改善を行います。
当社では、必要となる運転資金の確保のために、取引金融機関と当座貸越契約を締結して必要な資金枠を確保しています。
以上の状況により、継続した営業損失の計上を踏まえ、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況は存在していると認識しているものの、その不確実性の解消に向け、新たに策定された中期経営計画の内容を踏まえて当面の資金繰りへの不安が解消されてきていることから、当社グループは継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01135] S100R0XL)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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