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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100FH4E

有価証券報告書抜粋 株式会社竹中工務店 研究開発活動 (2018年12月期)


経営上の重要な契約等メニュー株式の総数等

当社グループは、持続的成長と新たなグループブランドの確立に向けて、お客様満足と収益力の向上に貢献する技術開発はもとより、未来のサステナブル社会の実現を先導する新たなソリューションの創出を目指して研究開発に取り組んでいる。
重点的に取り組むべき領域として、設計・生産の高度化・効率化、安全・安心で活力・魅力あるスマートコミュニティの実現、まちや建物の環境負荷の低減、成長産業を支える建築の高機能化を設定し、全社的に技術開発活動を遂行している。
当連結会計年度における研究開発に要した費用の総額は84億円余であり、このうち当社が取り組んだ主な技術開発事例は次のとおりである。
(建設事業)

(1) 設計・生産の高度化・効率化

①鋼管柱とH形鋼大梁の新たな接合工法を開発
鋼管柱とH形鋼大梁の新たな接合工法である「四つ葉プレート工法」を開発した。当工法は、安定した品質の確保と省人化工法の推進を目的としており、工場における超音波探傷検査が不要となるショートブラケットを採用していること、作業所での溶接作業が不要であること、製作性・運搬に優れていることが特徴である。
②高所作業車予約管理アプリを開発
建築工事における高所作業車の予約管理をモバイル端末で簡単に実行できる予約管理アプリ「高車予約」を開発した。2016年に開発した「位置プラス®探(たん)」と組み合わせることで、モバイル端末上で高所作業車の位置情報と予約状況を随時確認できるようになり、元請会社、協力会社とレンタル会社それぞれの作業時間を削減できた。
③四足歩行ロボットの建設現場における実証実験を実施
当社と、ソフトバンクロボティクス㈱、ソフトバンク㈱は、最先端のロボット技術を保有するBoston Dynamics社の四足歩行型ロボット「SpotMini」を、世界に先駆けて建設現場で活用すること、建設業界における生産性向上や業務効率化に寄与することを目指し、ビル新築工事において実証実験を実施した。
④3Dモデルを活用した杭の設計・施工管理システム「ANAGO」を開発
直接見ることができない地中の支持層を、BIMおよびICTを活用して3Dモデル化することで、必要な杭の長さを可視化する設計・施工管理システム「ANAGO(アナゴ)」(Analysis for Geologic Optimum)を開発し、愛知県大規模展示場建設工事の杭工事に初適用した。このシステムの活用により、杭工事に係る品質を確保しながら設計・施工各業務の大幅な効率化を実現した。「ANAGO」は、ボーリングデータと杭の施工結果から判明した支持層の深さや傾斜を日々追加される最新データを基に補正し、3次元で可視化するとともに、今後打設する杭の支持層までの長さを自動的に判定するシステムである。

(2) 安全・安心で活力・魅力あるスマートコミュニティの実現

①混構造を可能にする接合工法を開発
高層部をRC造、低層部をS造(柱CFT・梁S)の混構造を可能にする接合工法である「iRSシステム」を開発し、当システムを、超高層集合住宅と柱間隔を広く取った自由通路を持つ商業施設からなる複合用途建築に適用した。当工法を採用することで最適な構造種別を選択でき、高層部の居住性と低層部の空間の自由度を両立する混構造が可能となった。
②日本初の最高強度を持つコンクリートの生産技術証明を取得
超高性能コンクリート「APC®」において、日本初となる最高強度Fc300N/mm2までの生産技術証明を取得した。また、この強度のAPCコンクリートを用いた直径195mmのコンクリート極細柱「ペンカラム」を開発し、集合住宅に初適用した。集合住宅高層階の見晴らし確保、大スパン化、柱の増設による安全性の確保などを目的に、デザインと安全性を両立する超高強度コンクリートの適用を広げていく。

③吊り下げ式免震構造を採用した「手術エリア免震システム」を開発
天井内蔵型の免震装置を介して手術エリア(手術室・器材室)を一体的に吊り下げ、床・壁・天井すべてを免震化する「手術エリア免震システム」を開発した。地震時の手術エリアの健全性を確保することで、地震直後からの医療の継続を可能にする。「手術エリア免震システム」は、手術エリアの床だけでなく壁・天井のすべてを一体的に免震化することで室内全体の地震被害や医療機器の損傷を防ぎ、器材室などの必要諸室も守ることによって地震直後から早急な手術や医療提供の継続を可能にする。免震装置を天井内スペースに設置するため床段差が小さく抑えられ、一体構造により手術室の清浄度や気密性も確保できる。
④巨大地震に高い免震性能を発揮するアイソレーターを開発
設計想定外の巨大地震時にも高い免震性能を発揮するアイソレーター「QTB(Quake-Thru Bearing)」をオイレス工業㈱と共同で開発した。QTBは、高い信頼性と豊富な適用実績を有するアイソレーター「鉛プラグ入り積層ゴム(Lead Rubber Bearing)」に、フッ素樹脂系すべり材とステンレスすべり板で構成する高摩擦すべり機構を直列に配置するものである。設計想定外の巨大地震の際には、地震の動きに追随する箇所が積層ゴム部からすべり機構部に切り替わり、上部建物への過大な地震力の伝達を防ぐ。

(3) まちや建物の環境負荷の低減

①2時間の耐火構造部材「燃エンウッド®」を開発・実用化
耐火集成木材「燃エンウッド®」の柱および梁の開発において、2時間耐火構造部材の国土交通大臣認定を取得した。当社ではこれまで1時間耐火構造部材である「燃エンウッド®」を2013年の竣工プロジェクトから8件に適用しており、同仕様では4階建てもしくは最上階から数えて4階層までを木造とする建物の建設に限られていたが、2時間の耐火構造部材「燃エンウッド®」を開発・実用化し、14階建て、もしくは建物の最上階から14層までを木造とする建物への使用が可能となった。
②「I.SEM®」展開のため㈱日立製作所と協業契約を締結
独自開発したエネルギーマネジメントシステム「I.SEM®」を幅広く展開することを目的に、オープンイノベーションの一環として㈱日立製作所との協業契約を締結した。当システムがもつ機能のうち、太陽光発電と蓄電池を組み合わせて複数台の電気自動車充放電を最適に制御する機能に関して、システム構築や運用上のノウハウを㈱日立製作所に提供し、同社が海外での展開を検討しているビルやインフラにおけるV2Xシステムの構築を支援するとともに、両社の協業を通して、建物と車の連携を発展させるエネルギーソリューションの海外展開を目指す。

(4) 成長産業を支える建築の高機能化

①人工知能を活用した構造設計支援システムを強化
ベンチャー企業等とのオープンイノベーション活動により、建設産業を支える最先端技術の活用を推進している。HEROZ㈱との協業では、人工知能を使って2020年までに過去のノウハウを元に構造設計支援システムの強化を図り、よりクリエイティブな設計環境の構築とワークライフバランスの向上を目指していく。
②産学連携による宇宙滞在技術の研究開発に着手
東京理科大学が設立した「スペース・コロニー研究センター」に参画し、2030年以降の宇宙滞在に必要な技術の研究開発に着手した。本研究センターは、人類のフロンティアである宇宙開発に不可欠な、閉鎖環境で人間が長期滞在するための技術を研究する開発拠点である。当社は、本研究センター設立の準備段階から参画しており、高度な宇宙滞在技術の研究を進め、産学連携で社会実装に向けた取り組みを行っていく。
③「『健康への気づき』を促す空間デザイン・プログラム」の実現と効果検証の実施
イオンモール㈱、千葉大学予防医学センターと協働し、ゼロ次予防の視点を活かした「『健康への気づき』を促す空間デザイン・プログラム」をイオンモール宮崎に実現し、その効果検証を実施した。日常生活のなかで『健康への気づき』を得ることにより、健康維持・増進のための行動を促すことが目的で、実施プログラムの効果検証によるフィードバックを今後の計画に活かし、健康長寿社会の実現に貢献する。
④より現実に近い空間の明るさ感を体感できるVRツールを開発
輝度分布に基づく空間の明るさ感を設計段階で光シミュレーションし、VRで体感できる視環境設計支援ツールを東京工業大学の特許技術を使用して、共同開発した。このツールはBIMデータによる建築モデルをベースに空間の輝度画像を作成し、明るさ感再現画像に変換する。これによりリアルな明るさ空間を実現し、建築前と建築後における明るさ感の違いを防ぐことで、設計者と建築主との早期合意が可能になる。

⑤施工性と環境性に優れた放射線遮蔽ボード「RadBoard®-X」を開発
吉野石膏㈱と共同で、せっこうを主成分に天然鉱物を添加した無機材料から成る放射線遮蔽ボード「RadBoard®-X」を開発した。このボードは、主にγ線、X線に対して優れた遮蔽性能を発揮する内装材である。放射線治療を実施する高度先進医療施設や最先端の研究施設の壁・天井・床面に適用でき、一般のせっこうボードと同様に内装工事としての施工にも対応する。また、市販の遮蔽材である鉛ボードなどに比べ、環境に優しい天然素材から構成されており、分別処理をせずにリサイクルが可能である。医療関連施設や放射線関連施設の新築・リニューアル工事に適用を図っていく。

また、子会社における研究開発の主なものは次のとおりである。
㈱竹中土木(1) 安全安心技術格子状地盤改良面外壁の曲げの影響を考慮した「疑似3次元解析手法を用いた格子状地盤改良設計技術」の研究
(2) 品質管理技術トンネル切羽の変状を計測しその安全性を監視・発信する手法
「Face Condition Viewer(切羽変状可視化システム)」の開発


(開発事業及びその他)

研究開発活動は特段行われていない。

経営上の重要な契約等株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00169] S100FH4E)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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