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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QYVI (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社アイシン 事業等のリスク (2023年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

(1) 基本的な考え方
当社グループは、持続的成長と安定を目指す上で、リスクマネジメントを重要な経営課題と認識しています。大規模地震や気象変動に伴う河川氾濫などの自然災害、半導体や材料などの逼迫、工業用水や電力、通信ネットワークなどインフラ停止やサイバー攻撃、さらには米中対立などの地政学に起因するリスクといった外部環境に起因するリスクは非常に多様化しており、自社への影響はより甚大になってきています。そのような成長を阻害する可能性のある「リスク」を常に把握し、被害の最小化と事業継続の両面から、リスクマネジメントに取り組んでいます。

(2) リスクマネジメントの体制と取り組み
当社グループは、当社の社長をはじめCxO、監査役、本部長及びグループ各社の社長が参加するリスクマネジメント委員会のもと、リスク対策における平時及び有事の対応に取り組んでいます。平時対応では、各機能部門がリスクの洗い出し、分析・評価、優先付けを行い、リスクマネジメント委員会で重点リスクとして決定しています。重点リスクは各種委員会・リスク機能主管部署がリスク対策(抑止・軽減)、教育訓練・標準化を行っています。これらリスク対策の実施状況は、リスクマネジメント委員会が進捗を管理しています。有事対応では、危機レベルに応じた対策本部を立ち上げ、初動対応から復旧対応等の手順を計画し、早期復旧への対応力を強化しています。

リスクマネジメントプロセス リスクマネジメント体制図
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(3)重点リスクの選定
リスクレポート件数、リスクアセスメントインタビュー結果などの内部環境変化、またESG投資家や専門機関のリスク評価などの外部のリスク評価を加味し「重点リスク」を選定しています。また、影響度、発生確率をマッピングし、その上で経営層及び実務責任者の認識をもとに当社グループ経営において極めて重要度が高いリスクを「最重点リスク」と設定しています。リスクは取り巻く環境変化と対応策の進捗について随時モニタリングし、年2回定期的に実施されるリスクマネジメント委員会で見直されます。

重点リスク選定フロー
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(4) 事業等のリスク
当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクのうち、投資家の判断に重要な影響を 及ぼす可能性のあると考えられる主な事項を以下に記載しています。なお、以下は当社グループに関するすべてのリ スクを網羅したものではなく、記載した以外にも投資家の判断に影響を及ぼす事項が発生する可能性があります。また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

①社会的課題への対応
当社グループは、自動車部品関連、エナジーソリューション関連などの事業領域で多様な製品・サービスを提供していますが、国際社会で持続可能な社会を目指す動きが加速する中で、気候変動、資源枯渇、環境汚染、事故・災害、人権保護など将来予想される社会課題に対する意識の高まりは、市場動向や顧客ニーズに変化をもたらす可能性があります。こうした事業環境の変化に適切に対応できない場合、競争力や企業価値の低下などにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは2021年4月の経営統合を機に策定したグループ経営理念「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」に基づき、私たちの商品・サービスによって、環境・社会課題に具体解を示し、人々の笑顔あふれる持続可能な社会をつくっていきたいと考えています。このような価値観・取り組みを軸に社会の一員として社会課題の解決に寄与するため、経営課題や重要性からマテリアリティ(優先課題)を絞り込み、解決に向けた具体解としてSDGs2030年目標・KPIを設定した活動へと落とし込んでいます。目標値・KPIに関してはサステナビリティ会議を通じ、取締役社長を議長としてフォローを行っています。また、変化の激しいサステナビリティを巡る課題についても共有を行い、適切な対応に向けた議論を行っています。これらの目標値・KPIは2021年4月の経営統合を機に策定したアイシングループビジョン2030とも連動しています。このような長期ビジョンの実現に向けては、人的資本、知的財産、研究開発費をはじめとする経営資源の適正な配分や事業ポートフォリオに関する戦略策定を中期計画検討会にて議論し、中期経営計画に落とし込んでいます。各年度では、中期経営計画を踏まえた経営方針及び利益計画の達成状況を、取締役会・執行会議等で監督・進捗確認しています。
このような取り組みを通じて、より大きく進化した価値を社会に提供し、事業を通じたサステナビリティ課題に対して適切な対応を行って貢献していきます。

②経済状況
当社グループの連結売上収益のうち、重要な部分を占める自動車関連製品の需要は、当社グループが製品を販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。したがって、日本、北米、欧州、中国、タイ、インドネシア、インドなど当社グループの主要市場における経済や景気及びそれに伴う自動車需要の縮小は、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクに対処するために、当社グループでは、グローバルでの経済状況の変化や自動車需要の動向を常に注視するとともに、需要変動に対応した柔軟な生産体制づくりの推進や、材料・エネルギーの使用量削減など、中長期目線で外部環境の変化に強い収益体質とするべく、構造改革・原価低減活動を加速させています。
また、アイシングループの中核2社の経営統合によるグループ共同活動、効率化の成果をさらに拡大するとともに、恒久的に効果の発生する仕組みにしていきます。

③為替レートの変動
当社グループは、海外連結子会社の財務諸表を連結財務諸表作成のため円貨換算しており、現地通貨建ての項目は、現地通貨における価値に変動がない場合も、換算時の為替レートにより円貨換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当社グループが行う外貨建取引から生ずる費用・収益及び外貨建債権・債務の円換算額は、為替レートの変動の影響を受ける場合があり、当社グループが日本で生産し、輸出する取引における他の通貨に対する円高は、当社グループ製品のグローバルベースでの相対的な価格競争力を低下させるなど、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、通貨別に為替リスクを測定したうえでヘッジ効果とヘッジコストを勘案し、許容可能な為替リスク量まで為替リスクを軽減するため、資金事務手続規定におけるデリバティブ取扱要領に従い、為替予約、通貨スワップ、通貨オプションを利用してヘッジをしています。

④金融市況の変動
株式市況の低迷等により当社グループの保有する株式等の価値変動が生じ、当社グループの財政状態や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは純投資目的での株式は保有しておらず、また、当社グループの企業価値向上に必要不可欠と認められる場合を除き、原則として政策保有株式を保有しない方針です。政策保有株式については、毎年の取締役会で保有の適否を判断しており、中長期的な企業価値の維持・向上に不可欠と認められない株式がある場合は、対象企業との対話を通じて継続的に縮減を進めています。
また、市場の金利状況により、資金運用・資金調達の受取・支払利息が増減し、当社グループの経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、資産と負債の統合管理をはかるとともに、金利スワップ等により金利変動によるリスクを軽減するための対策を講じています。
当社グループの確定給付制度債務の算出において前提条件とした割引率・制度資産などについて、金融市況の悪化により、実際の結果が前提条件よりも低下・減少することで当社グループの確定給付制度債務が増加するなど、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、企業年金の積立金の運用が、従業員の安定的な資産形成に加えて自らの財政状態にも影響を与えることを踏まえ、運用にあたる適切な資質を持った人材の計画的な登用・配置などの人事面や運営面における取り組みにより、企業年金が運用の専門性を高めてアセットオーナーとして期待される機能を発揮できるよう努めています。また、政府の規制や人材戦略・人事制度を踏まえ、適宜制度の見直しを検討、実施しています。

⑤原材料や部品の調達
当社グループは、製品の製造に必要な原材料や部品を国内・海外の複数のグループ外供給元から調達しています。これらのグループ外供給元とは、取引基本契約を結び、安定的な取引を行っていますが、昨今の半導体部品に代表されるように需給バランスの急激な変化や、地政学の影響や需要の急激な変化、供給元が災害等により被災するなど供給能力の制約により、当社グループの生産に必要な量を確保することが困難となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、資源やエネルギー費などの高騰により当社グループが調達している原材料や部品の価格が上昇し、内部努力や販売価格への転嫁などにより影響を吸収できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、得意先への製品の継続的な供給要請に応えられるよう、供給元とのコミュニケーションを強化し、確実な納期の確保、安定的かつ柔軟な供給体制の構築に努めています。安定的な生産や調達活動に影響を及ぼす自然災害や火災などへの対応として、平時から災害に備えるとともに、サプライチェーン情報管理システムを整備するなど有事の際の迅速な初動・復旧を確実に実行できるよう取り組んでいます。また、供給元と一体になった新材料・新工法開発や徹底的なムダ排除を観点とした工程改善による原価低減活動を積極的に推進することなどにより、最適な価格の維持に努めています。

⑥得意先への依存
当社グループの連結売上収益の大部分を占める自動車部品事業は、世界の主要自動車メーカーを得意先としています。当社グループの業績は、各自動車メーカーの業績や販売・生産動向の変動など当社グループが管理できない要因により影響を受ける可能性があります。また、当社グループの連結売上収益に占めるトヨタグループに対する連結売上収益の割合は、当連結会計年度において64.6%を占めており、トヨタグループの事業戦略や購買政策等は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これまで培ってきた専門性の高い技術をベースとして、電動化や自動運転をはじめとする次世代・新規領域を中心とした社会課題の解決に貢献するソリューション型商品の開発や世界のどの地域でも高品質な製品を生産できるグローバル生産体制の整備を推進し、新興国での新たな需要の発掘や世界中の自動車メーカーへの拡販活動を強化しています。

⑦価格競争
当社グループの連結売上収益の大部分を占める自動車部品事業におけるグローバルでの価格競争は、大変厳しいものとなっています。得意先からの価格引き下げ要請や自動車メーカーによる部品の内製化、新しい競合先の台頭や既存の競合先間の提携などにより、価格競争力や製品の優位性が維持できない場合には、当社グループ製品に対する需要の低下及び製品価格の低下を通じて、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、高い技術開発力、圧倒的なものづくり力、グループの総合力により、高品質で高い付加価値を有する自動車関連製品をグローバルで供給し続けることで優位性を確保するとともに、事業環境を見極めたグローバルでの効率的な事業体制の構築やIoTやAIを活かした生産性向上・原単位改革による商品競争力・低コスト競争力の強化など既存事業の更なる競争力向上に取り組んでいます。

⑧新商品開発
当社グループは、新しい価値を提供し豊かな社会づくりに貢献できるよう、未来を見据えた新商品開発に努めています。今後も、環境・燃費、安全・安心、快適・利便を追求した独創的な魅力ある新商品を開発できると考えていますが、最先端の新商品開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。
(ⅰ)新商品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できる保証はありません。
(ⅱ)長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新商品又は新技術の創造へつながる保証はありません。
(ⅲ)当社グループが市場からの支持を獲得できる新商品又は新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれら
の商品の販売が成功する保証はありません。
(ⅳ)新たに開発した商品又は技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。
(ⅴ)技術の急速な進歩と市場ニーズの変化により、当社グループの商品が時代遅れになる可能性があります。
(ⅵ)現在開発中の新技術の商品化遅れにより、市場の需要についていけなくなる可能性があります。
上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新商品のタイムリーな開発と市場への投入ができない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、持続的な成長と持続可能な社会の実現に向け、社会課題の解決に貢献するソリューション型商品の拡充に取り組んでいます。電動駆動ユニットや駐車支援システムなど、商品ラインアップの拡充に向けて、競争力が弱く、成長が望めない商品への開発リソーセスを次世代・新規領域へシフトするとともに、デジタル開発による効率化をはかり、商品開発を加速していきます。また、あらゆる領域で自前主義にこだわらずパートナーとの技術連携を積極的に取り入れ、新規事業の開拓も加速していきます。
さらに、カンパニー・グループ会社横断での電気自動車(BEV)向け商品の開発強化に向け2022年4月に設置した「EV推進センター」を中心に、車両全体目線で新たな製品の開発を強化しており、当社グループの持つ様々な技術を結集し、さらに機動的な社外連携も実施しながら、圧倒的に高効率・小型なeAxleなど、アイシンらしい魅力あるBEV向け商品の開発を強力に進めていきます。

⑨海外事業展開
当社グループは、世界の主要自動車メーカーの近くで多様なニーズに対応し、高い付加価値を有する製品を開発、提供できるよう、グローバルな供給体制を構築しています。当社グループが事業を展開している国又は地域における事業運営には以下のようなリスクが内在しており、これらの事象が発生した場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ⅰ)予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更
(ⅱ)社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの活動への悪影響
(ⅲ)不利な政治的又は経済的要因の発生
(ⅳ)人材の採用と確保の難しさ
(ⅴ)テロ、戦争、疾病その他の要因による社会的混乱
当社グループは、国内グループ会社に加え、北中南米、欧州、中国、アセアン・インドを統括する各地域統括本部長が、グループに共通する経営上のリスクと国や地域によって異なるリスクの情報を共有することによって効果的な対策を推進し、グローバルな視点でリスクマネジメントを強化しています。2022年4月には地政学リスクの高まりや複雑化を踏まえ、全社横断的な会議体として「経済安全保障委員会」を設置し、経営トップを中心にレピュテーションを踏まえた高度な判断を必要とする経済安全保障リスクに対応していく体制を構築しています。また、当社グループが事業展開する国又は地域の経済・政治・社会的状況に加えて、事業に関連する各国の環境関連規制、製品の安全性・品質関連規制、輸出入関連規制の情報をタイムリーに収集し、適時適切な対応をとっています。

⑩事業投資
当社グループは、グローバルでの事業拡大に向け、成長領域や需要の拡大が見込まれる事業への設備投資等の事業投資を行い、更なる企業価値の向上に努めています。しかしながら、投資判断時に想定していなかった水準で、市場環境や経営環境が悪化し、事業計画との乖離等により期待されるキャッシュ・フローが創出できない場合、設備投資により計上した有形固定資産の減損処理などにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社連結子会社において経営環境の著しい悪化や収益状況の悪化等が将来にわたって見込まれる場合、繰延税金資産の回収可能性の判断などに影響を及ぼす可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、変化の激しい事業環境の中、成長領域へ戦略的に資源配分を行い、既存領域事業では集中と選択によって競争力を高め、持続的な成長に向けた事業ポートフォリオ構築に努めています。具体的には、事業軸での6つのカンパニーが、グループ全体視点から将来を見据えた開発のさらなる加速や持続的な事業価値の最大化、重点事業課題への対応等を担っており、中長期目線で事業の方向性を示すプレジデント及び統括役員が意思決定を行っています。また、当社グループの中長期の方向性及びグループを含めた意思決定については、取締役会運用基準に則り、取締役会にて審議・決議するとともに経営会議、執行会議、各種機能会議等で、当社グループ各社の業績や重要な投資に対してのモニタリングを実施し、今後の方向性や業績改善のための対策を検討しています。

⑪製品の欠陥
当社グループは、お客様に高い品質を確保した商品を提供するため、厳格な品質管理体制や品質管理基準に従い、グローバルで各種製品を製造しています。しかしながら、すべての製品について欠陥がなく、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入していますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、徹底したTQM(Total Quality Management 総合的品質管理)活動を続け、開発から生産にいたるまで、厳格な品質保証体制を構築しています。企画、製品設計、生産準備から量産にいたる各階段の節目管理にて、お客様の要求や法規動向及び、未然防止事項の盛り込みを審議・評価するとともに、サイマルテニアス・エンジニアリング(SE)活動により製品設計段階から、技術、生産技術、工場、仕入先企業が一体となって品質の向上につなげています。量産にあたっては、「ジャストインタイム」と「自働化」によるトヨタ生産方式に基づいた生産を行うとともに、各種品質管理手法を用いて工程を維持・管理し、お客様の信頼に応えるものづくりを実践しています。また、仕入先企業に対するリスク評価及びモニタリング、仕入先企業の能力向上に向けた様々な取り組みにより、仕入先企業の品質レベル向上をはかっています。

⑫災害等による影響
当社グループは、大規模地震、自然災害、火災・爆発等の事故、感染症、災害等の発生により、グループ会社に人的・物的被害が生じるリスクを想定しており、これらリスクの発生による操業停止で、顧客への製品供給に支障をきたした場合、財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。特に当社グループの工場や取引先は、国内外に所在しており、これらの地域で大規模な災害等が発生した場合、生産・納入活動が遅延・停止する可能性があります。
こうしたリスクに対処するために、当社グループ全てを対象としたリスクマネジメント委員会においてリスクの顕 在化と未然防止をはかり、危機に強い企業づくりに取り組んでいます。当社グループでは、平時(リスク発生前)か ら緊急時(リスク発生時)の対応に関する実践要領をまとめた「危機管理ガイド」に基づき、一人ひとりの従業員が リスク発生時に的確な行動をとれるよう教育・訓練を実施するなど啓発活動に取り組み、災害に強い企業づくりをグループ一体となって推進しています。また、地震など大規模災害に備えて、1.「人命・安全」、2.「地域貢献」、3.「生産復旧」を 基本方針として、災害発生時の対応力を強化しています。
働く人々とその家族、顧客を始めとする全てのステークホルダーの皆さまの健康と安全確保を最優先に考え、様々なリスクに対し代替生産やバックアップなどあらゆる手段で顧客への製品・サービスの供給継続に努めています。

⑬気候変動
当社グループは全世界で事業を展開しているため、中長期にわたり様々な気候変動に関する影響を受けると認識し、「気候変動への対応」をマテリアリティ(優先課題)の1つとして選定しました。また、TCFD提言に沿ってシナリオを分析し、その対応策を事業戦略に組み込み推進しています。主な脱炭素社会への移行リスクとして、
(ⅰ)自動車業界でのガソリン車から電動車へのシフトといった市場・顧客ニーズに適切に対応できない
ことによる競争力の低下
(ⅱ)燃費・CO₂規制を導入する国や地域の増加に伴う、カーボンプライシング政策の導入による
コストの増加
(ⅲ)政策や顧客ニーズ等により、CO₂排出削減や再生可能エネルギーへの代替などに伴う設備投資や
エネルギーコストの増加
につながる可能性があります。
こうしたリスクへの対策として、「カーボンニュートラル推進センター」にて、
(ⅰ)グループ全体のカーボンニュートラル戦略の立案と再生エネルギーの導入や調達
(ⅱ)生産CO₂削減に向けたテーマの積み上げと実行
(ⅲ)社外との連携を通じた技術開発や事業化
などのCN関連活動をすべて集約し、強力に推進しています。
また、電気自動車(BEV)への移行が加速する中、当社グループの持つ様々な技術を結集し、さらに機動的な社外連携も実施しながら、圧倒的に高効率・小型なeAxleなど、アイシンらしい魅力あるBEV向け商品の開発を強力に進めていくため、2022年4月に「EV推進センター」を設置しました。
高効率な電動ユニット、回生協調ブレーキ、熱マネジメントや空力など、幅広い製品によるモビリティの電動化とエネルギーソリューションでカーボンニュートラルへ貢献する取り組みを強化しています。

⑭知的財産権
当社グループは、新価値を創造して提供する将来事業の優位性・安全性を確保するため、独自の技術とノウハウ等を蓄積し知的財産を戦略的に獲得するとともに、第三者の知的財産権侵害のリスク軽減に努めています。なお、特定の国及び地域においては、法的要件により、知的財産の完全な保護が不可能又は限定的にしか保護されない可能性があります。また、保有する知的財産権が無効となる可能性があります。そのため、第三者による当社グループの知的財産権の不正使用あるいは権利侵害を防ぐための手段が有効に機能しない可能性があります。また、当社グループの製品は広範囲にわたる技術を利用しているため、将来的に知的財産権を侵害したとして第三者から訴訟を提起されることにより訴訟費用が発生する可能性があります。
こうしたリスクに対処するために、当社グループでは、知的財産管理の専門部署を設け、関係部門と連携して、特許をはじめとする各種知的財産権により技術と知的財産を戦略的に領域を定めて保護するとともに特許調査等を行い第三者の知的財産権の侵害予防に努めています。

⑮情報セキュリティ
当社グループでは、日々巧妙化するサイバー攻撃等の脅威や「会社情報」「得意先・お客様情報」等の情報漏洩から守る事は、リスク管理上の重要課題と捉え、情報セキュリティの強化に取り組んでいます。しかしながら、サイバー攻撃を含む意図的な行為や過失等により、情報システム等に障害が生じる場合や、機密情報及び個人情報が外部に流出する可能性があります。また、サプライチェーン等の事業活動が一時的に中断する可能性があります。このような事象が発生した場合、当社グループの事業活動の停滞や社会的信用の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「アイシングループ情報セキュリティ基本方針」を基本に、お客様や取引先からお預かりした、又は当社グループが保有する事業活動に関わる情報資産は、当社グループの重要な資産であるとの認識に立ち、組織的かつ継続的に情報セキュリティ対策に取り組んでいます。また、アイシングループ全体のサイバー攻撃や内部不正等のリスクから企業を守るため、2020年4月よりアイシングループ全体のコーポレートセキュリティガバナンスを強化しました。CSDO(Chief Software Digital Officer)の任命とセキュリティ専門組織情報セキュリティ推進室を設置し、情報セキュリティ推進室ではアイシングループ全体からセキュリティ関連情報の収集・展開とインシデント対応を行い、早期検知と迅速な対応に努めています。

⑯コンプライアンス
当社グループは、事業活動を遂行するうえで、コンプライアンスを基本においていますが、規制当局による措置その他の法的手続きに関するリスクを有しています。これらのリスクにより、当社グループに対して損害賠償請求や規制当局による金銭的な賦課を課され、又は事業の遂行に関する制約が加えられる可能性があります。また、社会情勢の変化、価値観や働き方などの多様化に伴い、ハラスメント等のリスクが増加する可能性があります。当社グループが重大なコンプライアンス違反を起こした場合は、当社グループの社会的信用の失墜による事業への悪影響などにより、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、グループ全役職員の行動規範となる「アイシングループ企業行動憲章」及びその具体的な行動基準となる「社会的責任を踏まえた行動指針」を策定しています。また、コンプライアンスに関わる方針・体制を決める会議体として、「企業行動倫理委員会」を設置し、グループ主要12社の取締役社長、担当役員、常勤監査役が、法令遵守を含むコンプライアンスの活動状況及び当社グループの課題を確認すると共に、次年度の活動方針、実施事項を承認しています。さらに、コンプライアンス活動を推進するのはあくまで人であると考え、各種教育活動を継続的に行い、従業員一人ひとりのコンプライアンス意識向上に努めています。また、問題の早期発見・是正のため、コンプライアンスに関する内部通報窓口を社内外に設置しています。

⑰人権
当社グループは、国内・海外に多くの拠点を保有し、グローバルな事業活動を実施しています。事業活動を遂行するうえで、人権の尊重を基本として活動していますが、サプライチェーンを含めた事業活動が各国・各地域において潜在的又は実際に、人権へ影響を及ぼすリスクがあると認識しています。これらのリスクの顕在化や取組み不足によっては、社会的信用の失墜により、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、グループ全社員の行動規範となる「アイシングループ企業行動憲章」及びその具体的な行動基準となる「社会的責任を踏まえた行動指針」の中で、人権の尊重を明確に宣言しています。加えて、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき「アイシングループ人権方針」を策定し、アイシングループの事業活動における人権尊重へのコミットメントを行うとともに、サプライチェーンに対しても「仕入先サステナビリティガイドライン」を通じて「アイシングループ人権方針」への理解・支持を求め、人権侵害の未然防止に努めています。また、「人権専門委員会」を設置し、グループ主要12社の取締役社長と担当役員が、主要人権リスク分野のセルフチェック結果等の人権デュー・ディリジェンスの進捗を確認すると共に、今後の活動計画、重点分野(強制労働、海外・サプライチェーンへの展開強化など)を承認しています。さらに、相談窓口の設置・運用、各階層への教育・定着活動や外部専門家との対話、「責任ある外国人労働者受け入れプラットフォーム」の活動への参画等、総合的・継続的に人権への取組みを推進しています。

従業員の状況研究開発活動


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