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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100VWHX (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 テルモ株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当連結会計年度の研究開発費は742億円(売上収益比率7.2%)となりました。

心臓血管カンパニー
インターベンショナルシステムズ事業では、薬剤溶出型冠動脈ステント「Ultimaster Nagomi」及び「Ultimaster Tansei」について、適応範囲拡大に関するMDR承認を取得しました。この承認は、心臓カテーテル治療(PCI)患者の約45%を占める出血性合併症リスクの高い患者さんへの適応を拡大するもので、1カ月という短期間の二剤抗血小板療法(DAPT)適応対象者を含みます。今回の適応拡大は、主要な臨床課題に対応する重要なマイルストーンとなり、出血性合併症リスクの高い患者さんの1カ月DAPTにおいてUltimasterが長期間の薬剤療法よりも安全なものであることを示唆しています。
アオルティック事業では、グループ会社のバスクテック社が「英国王賞(企業部門)」(The King's Awards for Enterprise)を受賞しました。同賞は、「イノベーション」、「国際貿易」、「持続可能な開発」などのカテゴリーにおいて卓越した成果をあげた英国企業に贈られる賞であり、バスクテック社はイノベーションカテゴリーで受賞しました。既製の製品では対応が困難な複雑な病変の場合、欧州など法令で許可されている一部の国や地域では、医療従事者の指示のもとで製品のサイズや形状などを調整したカスタムメイド製品も提供しています。今回、カスタムメイド製品の提供に関するサービスが高く評価され、受賞となりました。このサービスでは、クラウド上に登録された患者さんの症例情報やCT画像などのデータをもとにカスタムメイド製品を製造するほか、患者さんの大動脈の立体モデルを3Dプリンターで作成することも可能です。これにより、医療従事者が立体モデルを使ってカスタムメイド製品が患部に適合するかを確認したり、手術前にトレーニングを行ったりすることで、複雑な病変への対処を入念に準備することができるようになりました。
当事業に係る研究開発費は509億円となりました。

メディカルケアソリューションズカンパニー
ホスピタルケアソリューション事業では、医療用ポータブル体成分分析装置「ラチェッタ」を販売開始しました。このデバイスは、術前・術中・術後(周術期)の患者さんの管理における重要なパラメーターを測定できる体成分分析装置(体組成計)です。周術期の患者さんの筋肉量や水分量を知ることは、栄養状態を把握し、経腸からの栄養剤の投与や静脈からの点滴など、個々の患者さんに適した栄養介入を行うことに役立ちます。また、筋肉量や筋肉機能が低下した状態であるサルコペニアは、術後の合併症発生率の増大や化学療法の継続率低下といったリスクにつながります。医療現場では体組成を簡単かつ正確に測定して患者さんの栄養状態を適切に評価し、治療に役立てるニーズが高まっています。「ラチェッタ」は小型・軽量のため医療従事者が容易に持ち運ぶことができ、様々な患者さんや場面への対応が可能です。また、付属のデータ管理用PCソフトをダウンロードして使用することによって、PC上でのデータの保存等を容易に行うことができ、患者さんへの外来栄養指導などで活かすことが期待されます。
ファーマシューティカルソリューション事業では、丸石製薬株式会社と共同開発したプレフィルドシリンジ製剤「スガマデクス静注液200mgシリンジ『マルイシ』」が同社から発売されました。本製品は、麻酔による筋弛緩状態からの回復のために投与する医薬品(筋弛緩回復剤)であり、全身麻酔を伴う手術などの際に使用します。プレフィルドシリンジ製剤は、薬液があらかじめシリンジに充填された状態で出荷され、医療現場において迅速な投与ができることに加え、薬剤の取り違えリスクの低減にもつながります。テルモでは、プレフィルドシリンジの開発で培った独自の技術を生かし、薬剤に適した素材技術を組み合わせたデバイスの開発や、医薬品と医療機器のコンビネーションプロダクトの設計・製造を製薬企業と共同で行う事業を展開しています。
当事業に係る研究開発費は103億円となりました。

血液・細胞テクノロジーカンパニー
鎌状赤血球症(SCD)患者における急性胸部症候群(ACS)治療について、ARCAD試験という新たな臨床試験への支援を発表しました。この試験は、自動赤血球交換を用いたACSの早期治療が、手動交換と比較して、ACSの早期回復及び極めて脆弱な患者さんの入院中における有害事象の減少につながることの確認を目的としています。ACS治療の迅速化は、成人SCD患者の罹患率と死亡率の減少、入院費用の削減などに貢献し、自動赤血球交換が重症ACSの標準治療の一部になる可能性をもたらします。SCDは、形の悪い赤血球が血管に詰まり、血管閉塞による激しい痛みやその他の重篤な合併症を引き起こす遺伝子疾患です。急速に進行する可能性があり、迅速な治療が必要です。赤血球交換は、損傷した細胞を健康な細胞と交換するもので、手動交換と自動交換がありますが、手動の赤血球交換には時間がかかります。自動赤血球交換は、より迅速かつ定量的に治療を行うことを可能にします。
また、FUJIFILM Irvine Scientific社と共同で、テルモBCTの細胞増殖システム「Quantum Flex」と同社のシステムを連携させることにより、T細胞培養の加速を目的とした提携を発表しました。この提携は、連携するシステムを使用することで、T細胞培養における障壁を軽減することを目指しています。細胞治療開発では、製造プロセスの拡張に大きな課題を抱えることが多く、T細胞増殖のための独自の方法を開発するのに大規模な投資が必要となります。テルモBCTのプロトコールは、同社が市販している化学的に定義されたGMP準拠の培地を用いて試験されており、T細胞増殖に関連する時間、コスト、自社プロセス構築の複雑さなどの課題を軽減するのに役立ちます。今回の提携により、プロセスの標準化が進み、実証済みの統合ソリューションを通じて治療開発におけるリスクが軽減され、T細胞増殖の規模拡大に向けて実現性のある可能性を提供するものとなります。
当事業に係る研究開発費は122億円となりました。

その他
経営戦略と連携した研究開発を行うために、グル―プR&D全体像を可視化し、最適なポートフォリオと成長パイプラインを構築しています。中長期的な研究開発を担うコーポレートR&Dでは、新領域の創出を加速する体制への変更や、規模の大きな研究テーマへのアロケーションシフトを実施しました。また、米国カリフォルニア州に新たなR&D拠点「Discovery and TEchnology Center of Terumo (D-TECT)」を開設しました。この拠点では、米国という大市場の中で活動し、現地の医療機関との連携を深め、アカデミアやスタートアップの動向を把握しながら探索活動を行うことができます。これにより、コーポレートR&D活動のグローバル展開を一層加速させることを目指しています。さらに、医療機器スタートアップとの連携強化を通じてイノベーション創出を加速させることを目的として、米国にコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)部門であるテルモベンチャーズを設立しました。今後5年間で75百万米ドルの投資枠を設け、循環器疾患治療や慢性疾患治療、デジタル技術などの領域の企業に投資を始めました。
デジタルトランスフォーメーション(DX)は、イノベーションの一翼としての位置づけを明確化し、R&Dと同様に規模の大きなテーマへのアロケーションシフトや活動のグローバル展開を図っています。米国拠点を設けて、活動の重点を最先端市場である米国に移し、デジタルヘルスのスタートアップを探索するとともに、現地事業部のデジタルソリューション開発を支援するほか、戦略的商品向けの内製AI開発を行っています。本社内でも分散していたデジタル人財を統合し、生成AIを含むAI、クラウド、セキュリティ、及びコネクティビティの能力強化にも取り組んでいます。

なお、当連結会計年度の研究開発費総額には、各事業分野に配分できない基礎研究費用9億円が含まれております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01630] S100VWHX)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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