有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W11V (EDINETへの外部リンク)
株式会社酉島製作所 研究開発活動 (2025年3月期)
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動は、当社研究開発部ほか技術部門が中心となり、ポンプ事業、新エネルギー・環境事業に係る市場ニーズに応えるため、当連結会計年度の研究開発関連費用としては総額804百万円を投入しております。
研究開発活動の実績としましては、2023年10月に市場に投入した「スーパーエコポンプ」が、一般財団法人 省エネルギーセンター主催の2024年度「省エネ大賞-製品・ビジネスモデル部門」において、その省エネ性が高く評価され、当社は、省エネ大賞の電気需要最適化分野で最高位の「経済産業大臣賞」を受賞しました。この受賞を機に、より多くのお客様に当社が世界一省エネにこだわるポンプメーカーであることを知っていただき、さらなる省エネに貢献するため、受注実績を積み上げてまいります。
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、当社は、エネルギーキャリアとして注目される液体アンモニアおよび液体水素を大量に輸送・昇圧するポンプの開発に鋭意取り組んでおります。
液体アンモニア用ポンプに関しては、世界初となる大型商用石炭火力発電機における燃料アンモニア転換の大規模実証試験(熱量比20%)の払い出しポンプに、弊社立軸多段ポンプが採用されたことは前会計年度にご報告済みです。今年度においては、2024年4月~6月に実証試験が行われ、当該ポンプがトラブルなく要求される機能を満足することを確認し、さらに今後の製品高機能化に資する知見を得ることができました。
加えて、将来のアンモニア貯蔵タンク大型化を見越し、インタンク型ポンプシステムの開発を進めてまいりました。2025年5月20日に当社ホームページ上でも情報開示させて頂いた通り、同年1~2月に弊社子会社であるインドネシアのP. T. TORISHIMA GUNA ENGINEERINGの工場内にてアンモニアの実液を用いた運転試験を実施し、想定通りの性能を確認することができました。アンモニアは毒性が強いため、高い安全性が求められますが、特にメンテナンス時の拡散を抑えることが重要になります。当社のシステムでメンテナンス時の安全性を確保されることを、液化アンモニア実液を用いて確認することができ、画期的な成果となりました。
今後は、お客様のニーズに柔軟に対応し、様々な場面で利用いただけるよう、ポンプの高圧化および大流量化を進めていく計画です。
液体水素を取り扱うポンプについては、水素サプライチェーン構築実現に向けて重要な役割を担う液化水素昇圧ポンプに着目し、開発を進めてまいりました。本ポンプにつきましては製品化実現においてキーとなる技術に関して、学術機関および先端技術企業との協業体制を構築して、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より助成金を受けております。
既に情報開示している通り、2024年3月に国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の能代ロケット実験場(秋田県)において商用化実証に適用可能なポンプの試験は完了し、製品として市場に提供できる状態です。2024年11月~12月には追加検証試験を実施し、さらなるポンプの高圧・大流量化設計開発に資するデータを得ることができました。
なお、当社ホームページですでに情報開示させて頂いた通り、本ポンプには高温超電導モータを採用しており、国立大学法人 京都大学と共同研究により開発を進めております。-253℃の液化水素により極低温環境を具備できるため、液化水素昇圧ポンプと高温超電導モータは、技術的に非常に親和性の高い組合せとなります。超電導モータの特徴である高効率を利用し、モータ発熱を最大限抑制することで液化水素のガス化を抑制し、効率的な液化水素昇圧を可能とする点が本ポンプの最大の特徴です。
将来のサプライチェーンの大型化を想定し、ポンプの高圧・大流量化および超電導モータの大容量化を計画通り進めている状況です。
気候変動対策向けポンプによる減災技術の推進において、維持管理の簡素化(モータの冷却方式を水冷から空冷に変更)を図った改良型「耐水モータ一体型ポンプ(浸水してもポンプ運転が可能)」については、下水処理場向け立軸ポンプを市場に投入し、排水機場向け立軸ポンプも含め順調に受注台数を伸ばしています。また、排水機場向け横軸ポンプに対しての開発も完了し、すでに販売を開始し、適用範囲を拡大しています。
さらに下水処理場向け立軸ポンプについては国土交通省が行う2024年度、下水道技術の海外実証事業「WOW TO JAPANプロジェクト」に、トリシマの提案した「熱帯地域での空冷式耐水モータ 一体型ポンプに係る実証事業」が採択され、パキスタンにおいて実証試験を開始しました。本実証試験を通じて浸水被害が常態化している南アジアを含む熱帯地域において、本ポンプが現地条件へ適応し、長期運転による信頼性を示すことが期待されています。
加えて、防災・減災に寄与する当社技術のひとつである「二重ラッパカン及び渦対策リング」については、機能および組立・メンテナンス性を向上させた改良型の開発が完了し、販売開始に向けて動き出しています。今後も防災・減災という観点でさらなる貢献を目指します。
海水淡水化分野においては、世界最高水準の効率を有するRO(逆浸透)法海水淡水化プラント向け高圧ポンプについてさらなる大流量・高圧ニーズに応えるために、ラインナップを拡充し、順調に受注台数を伸ばしております。
またノルウェーのWaterise社が開発を行っている従来のRO法よりも環境負荷が低い、深海での静水圧を利用したROシステムに用いられるポンプの開発を進めてまいりました。プロトタイプ検証が完了し、良好な結果が得られております。本ポンプは深海で用いられるポンプであるため、高いメンテナンス性と長寿命が求められており、これらのニーズに応えるために、改良設計を進めています。
省エネルギー需要の高まりから、ポンプの高性能・高速化をより早く実現することが社会ニーズとなっています。このニーズに対応していくため、人工知能(AI)技術を取り入れた新たな水力開発システムと3D プリンティング技術を組み合わせ、設計開発から製品化までのシームレス化実現に向けてシステム開発を行ってきました。試験的に設計開発プロセスに組み込みながら、評価を実施しています。今後はさらにデータベースを増強し、本システムの柔軟性を向上してまいります。
また、ロータダイナミクス、構造および材料関連の各ポンプ要素に関連する技術については、大学やコンサルタント等の外部機関を積極的に活用することで、基礎的研究を共同で実施中であります。
今後も多様な社会ニーズに応えるべく、新技術および新製品の開発に努めてまいります。
研究開発活動の実績としましては、2023年10月に市場に投入した「スーパーエコポンプ」が、一般財団法人 省エネルギーセンター主催の2024年度「省エネ大賞-製品・ビジネスモデル部門」において、その省エネ性が高く評価され、当社は、省エネ大賞の電気需要最適化分野で最高位の「経済産業大臣賞」を受賞しました。この受賞を機に、より多くのお客様に当社が世界一省エネにこだわるポンプメーカーであることを知っていただき、さらなる省エネに貢献するため、受注実績を積み上げてまいります。
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、当社は、エネルギーキャリアとして注目される液体アンモニアおよび液体水素を大量に輸送・昇圧するポンプの開発に鋭意取り組んでおります。
液体アンモニア用ポンプに関しては、世界初となる大型商用石炭火力発電機における燃料アンモニア転換の大規模実証試験(熱量比20%)の払い出しポンプに、弊社立軸多段ポンプが採用されたことは前会計年度にご報告済みです。今年度においては、2024年4月~6月に実証試験が行われ、当該ポンプがトラブルなく要求される機能を満足することを確認し、さらに今後の製品高機能化に資する知見を得ることができました。
加えて、将来のアンモニア貯蔵タンク大型化を見越し、インタンク型ポンプシステムの開発を進めてまいりました。2025年5月20日に当社ホームページ上でも情報開示させて頂いた通り、同年1~2月に弊社子会社であるインドネシアのP. T. TORISHIMA GUNA ENGINEERINGの工場内にてアンモニアの実液を用いた運転試験を実施し、想定通りの性能を確認することができました。アンモニアは毒性が強いため、高い安全性が求められますが、特にメンテナンス時の拡散を抑えることが重要になります。当社のシステムでメンテナンス時の安全性を確保されることを、液化アンモニア実液を用いて確認することができ、画期的な成果となりました。
今後は、お客様のニーズに柔軟に対応し、様々な場面で利用いただけるよう、ポンプの高圧化および大流量化を進めていく計画です。
液体水素を取り扱うポンプについては、水素サプライチェーン構築実現に向けて重要な役割を担う液化水素昇圧ポンプに着目し、開発を進めてまいりました。本ポンプにつきましては製品化実現においてキーとなる技術に関して、学術機関および先端技術企業との協業体制を構築して、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より助成金を受けております。
既に情報開示している通り、2024年3月に国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の能代ロケット実験場(秋田県)において商用化実証に適用可能なポンプの試験は完了し、製品として市場に提供できる状態です。2024年11月~12月には追加検証試験を実施し、さらなるポンプの高圧・大流量化設計開発に資するデータを得ることができました。
なお、当社ホームページですでに情報開示させて頂いた通り、本ポンプには高温超電導モータを採用しており、国立大学法人 京都大学と共同研究により開発を進めております。-253℃の液化水素により極低温環境を具備できるため、液化水素昇圧ポンプと高温超電導モータは、技術的に非常に親和性の高い組合せとなります。超電導モータの特徴である高効率を利用し、モータ発熱を最大限抑制することで液化水素のガス化を抑制し、効率的な液化水素昇圧を可能とする点が本ポンプの最大の特徴です。
将来のサプライチェーンの大型化を想定し、ポンプの高圧・大流量化および超電導モータの大容量化を計画通り進めている状況です。
気候変動対策向けポンプによる減災技術の推進において、維持管理の簡素化(モータの冷却方式を水冷から空冷に変更)を図った改良型「耐水モータ一体型ポンプ(浸水してもポンプ運転が可能)」については、下水処理場向け立軸ポンプを市場に投入し、排水機場向け立軸ポンプも含め順調に受注台数を伸ばしています。また、排水機場向け横軸ポンプに対しての開発も完了し、すでに販売を開始し、適用範囲を拡大しています。
さらに下水処理場向け立軸ポンプについては国土交通省が行う2024年度、下水道技術の海外実証事業「WOW TO JAPANプロジェクト」に、トリシマの提案した「熱帯地域での空冷式耐水モータ 一体型ポンプに係る実証事業」が採択され、パキスタンにおいて実証試験を開始しました。本実証試験を通じて浸水被害が常態化している南アジアを含む熱帯地域において、本ポンプが現地条件へ適応し、長期運転による信頼性を示すことが期待されています。
加えて、防災・減災に寄与する当社技術のひとつである「二重ラッパカン及び渦対策リング」については、機能および組立・メンテナンス性を向上させた改良型の開発が完了し、販売開始に向けて動き出しています。今後も防災・減災という観点でさらなる貢献を目指します。
海水淡水化分野においては、世界最高水準の効率を有するRO(逆浸透)法海水淡水化プラント向け高圧ポンプについてさらなる大流量・高圧ニーズに応えるために、ラインナップを拡充し、順調に受注台数を伸ばしております。
またノルウェーのWaterise社が開発を行っている従来のRO法よりも環境負荷が低い、深海での静水圧を利用したROシステムに用いられるポンプの開発を進めてまいりました。プロトタイプ検証が完了し、良好な結果が得られております。本ポンプは深海で用いられるポンプであるため、高いメンテナンス性と長寿命が求められており、これらのニーズに応えるために、改良設計を進めています。
省エネルギー需要の高まりから、ポンプの高性能・高速化をより早く実現することが社会ニーズとなっています。このニーズに対応していくため、人工知能(AI)技術を取り入れた新たな水力開発システムと3D プリンティング技術を組み合わせ、設計開発から製品化までのシームレス化実現に向けてシステム開発を行ってきました。試験的に設計開発プロセスに組み込みながら、評価を実施しています。今後はさらにデータベースを増強し、本システムの柔軟性を向上してまいります。
また、ロータダイナミクス、構造および材料関連の各ポンプ要素に関連する技術については、大学やコンサルタント等の外部機関を積極的に活用することで、基礎的研究を共同で実施中であります。
今後も多様な社会ニーズに応えるべく、新技術および新製品の開発に努めてまいります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01636] S100W11V)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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