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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W55I (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社大気社 研究開発活動 (2025年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当連結会計年度における研究開発費は1,312百万円であります。
当社は、技術開発センター「TAIKISHA INNOVATION SITE AIkawa」(神奈川県)、テクニカルセンター(神奈川県)の2研究開発組織において、空調設備及び塗装設備の各分野における技術開発を前期に引き続き精力的に実施し、多くの成果を得ました。

セグメントごとの研究開発は以下のとおりであります。

(1)環境システム事業

当連結会計年度における研究開発費の金額は620百万円であります。

① 技術開発センター「TAIKISHA INNOVATION SITE AIkawa」開設
当社では「技術の大気社の強化」のため、さらなる顧客との接点の増加、ニーズや課題などの把握、開発促進などを目指し、技術開発センター「TAIKISHA INNOVATION SITE AIkawa」を開設いたしました。旧技術開発センター内の、研究棟をADVANCED PLAZA(以下AP棟)として建て替えを行い、旧音響棟、生産技術棟をTECHICAL LAB(以下TL棟)、SOLUTION LAB(以下SL棟)としてリニューアルいたしました。エリア全体をTAIKISHA INNOVATION SITE AIkawa(以下TISA)と命名し、AP棟、TL棟、SL棟を活用しながら、顧客との協創、共同により、社会のニーズを先取りした付加価値創造の実現を目指し、今まで以上に技術開発に取り組んでまいります。
TISAには昨年度開設した「TAIKISHA INNOVATION GATE Shinjuku(以下TIGS)」や今後設置を検討している「(国内外)拠点INNOVATION GATE」につながる会議室や、検証設備、顧客との議論をするスペースなどを設け、技術開発を促進するとともに、エリア全体を研究検証の場として活用していきます。
AP棟は大きなガラスファサードを採用し、眺望と外光を有効活用するとともに、コミュニケーションが活発となるようなレイアウトを採用いたしました。省エネ性能においてもZEBの認証をうけており、CASBEEスマートウェルネスオフィスのSランク認定も合わせて受けました。AP棟自体を実験の場として活用し、運用ZEB検証、開発品である直膨式輻射空調設備の快適性検証や設備チューニングを行い、その検証結果を社会に発信し、当社の技術PRを行うとともに、社会に対して脱炭素社会へ向けた技術の発信を行っていきます。
当連結会計年度は、TISAとTIGS、顧客事業所訪問での開発技術の紹介など、顧客との協創関係構築へ向けての活動を強化し、延べ117件の技術提案を実施し、24件の顧客との協創(技術導入、評価、フィールドテストなど)に向けて協議を始めております。今後もこの活動をさらに活発化させ、カーボンニュートラルや快適で安全な環境構築など社会が求める課題への対応を実施いたします。

② CO2分離回収
当社では、カーボンニュートラル(以下C/N)への取り組みとして、自然エネルギー活用や省エネルギーでは対応しきれない部分の対策としてCO2吸脱着技術の開発に取り組んでおります。
当連結会計年度は、かねてより開発を進めてきたCO2吸脱着システムの検証用装置を作成し、お客様の協力を得て、実際の会議室で性能検証を行いました。検証結果については取りまとめ中ですが、実環境での計測は同装置の性能や課題を明確にすることができ、実用化へ向けて大きく進むことができると考えております。CO2吸脱着装置と空調換気設備を組み合わせることで、換気を補助するシステムとして顧客C/Nへ貢献できると考えております。現在は室内空気や外気のような常温、低濃度の空気を対象にしていますが、この技術は吸着剤を変えることで様々な条件のCO2吸脱着に活用できる技術と考えております。また、近年の外気CO2濃度の高まりに対しても、有効に活用できる技術と考えております。今後は今回の計測結果をもとに、エネルギー効率の改善、濃縮CO2の濃度向上、運転方法最適化などの改良を実施していき、早期実用化を目指して取り組んでまいります。合わせて、回収CO2の活用先についても検討してまいります。


③ DXの活用(現場巡回ロボット、試運転支援)
当社では、DXを活用した働き方改革へ向けた取り組みとして、ロボットによる試運転計測、現場巡回記録技術の開発を行っております。
当連結会計年度は、現場巡回記録技術の実用化に向け、昨年度実施した内容(4足ロボットに360度カメラを搭載し位置情報と合わせて画像を記録)を基に、取得した情報の処理及び活用について開発・検証を実施いたしました。360度カメラに加え、3Dスキャン情報から取得した情報を、BIM(Building Information Modeling)と比較、連携することで工事進捗の把握などの開発・検証を行いました。また、画像情報より機器や弁類などの位置を把握し、それが何の設備であるか、正しい位置にあるかの判断手法についても開発・検証も合わせて行いました。認識率はまだ低く実用化には多くの開発が必要ですが、これらの技術は施工品質/工程管理などへ展開が可能であり、将来的には発注や請求システムなどとも連携が可能であることがわかりました。早期実用化を目指して今後も開発に取り組んでまいります。
また、試運転計測においても一昨年度実施した自動性能検証ロボット(電子デバイス工場などのクリーンルームの温湿度やクリーン度を自動で計測、記録する装置)の性能向上を実施し、BIMとの連携による準備作業の簡略化や計測位置精度の向上をすることができ、実用化の段階まで到達いたしました。今後は実際のプロジェクトにて数件の検証(従来方式との比較)を実施したのち、自動性能検証ロボットによる検証作業の標準化に向けて取り組んでまいります。同時に、すでに開発が完了している、フィルターリーク試験ソフト(VA-M及びVA-M改)の活用と合わせて、性能検証作業の効率化・DX化をはかり、働き方改革を実現してまいります。

(2)塗装システム事業

当連結会計年度における研究開発費の金額は691百万円であります。

① フィルム加飾(ドライ加飾)システムの開発
世界規模でのカーボンニュートラル社会の実現が加速し、かつEVの登場に伴う生産プロセスの変化を背景に、自動車業界は100年に1度といわれる大変革期を迎えています。当社では、カーボンニュートラルの実現に向け、自動車メーカー各社と連携し、CO2排出量をゼロとするような塗装プロセスの開発・提供に取り組んでいます。
その一例が、ウェット塗装からドライ加飾への生産技術革新です。ドライ加飾とは、従来のスプレー塗装(ウェット塗装)に代わり、フィルムを真空吸引・加熱・圧空によって貼付けることで、自動車の外装をフィルム加飾(ドライ加飾)する技術です。
重ね塗りの過程で塗装と乾燥を繰り返すウェット塗装に対して、フィルム加飾(ドライ加飾)では、従来の塗料を使用した塗装に比べて省エネを実現し、50%以上の大幅なCO2削減を達成しています。またフィルムの多機能化によりウェット塗装では出し得ない色彩や質感を表現することも可能です。当社のドライ加飾システムは、従来システムでは高さ200mm以下の被塗物にしかフィルムを加飾(貼付け)することができませんでしたが、3次元真空圧空成形(TOM)工法を採用することで、高さ700mm以上の曲率が大きい被塗物に対しても、フィルムを加飾することができ、幅広いお客さまへのご提案が可能なシステムとなっております。
当連結会計年度は、当社の研究開発施設であるテクニカルセンター(神奈川県座間市)へのドライ加飾デモライン設置が完了し、クリーンでコンパクトなドライ加飾システムの革新性をお客様に体感頂くことが可能となりました。除塵・検査、フィルム加飾、UV照射硬化、トリミング、端材回収工程から成るデモラインは、実生産ラインへの導入に向けた実証の場として既にお客様とのテストを開始しており、実ライン導入に向けた運用・品質面の検証を進めております。今後顧客との活動を活発化し、生産技術革新への対応技術の提供を推進してまいります。

② 汎用性段ボールフィルタの開発
自動車塗装の分野において、塗装ブース内で自動車ボディに塗着しなかった塗料ミストを系外に排出しないように集塵する技術は極めて重要になります。当社では、1980年代から湿式スクラバー方式を主力商品として拡販して参りましたが、省エネルギー効果およびCO2排出削減効果が得られる乾式方式へと市場のニーズが変わってきております。当社では、この乾式方式に応えるべく、2012年にプレコート剤と高性能フィルタを併用したプレコート式システムを商品化しており、数多くの採用をいただいております。近年では、乾式方式の中でも導入費用が削減できメンテナンスも容易なフィルタで集塵する段ボールフィルタ式システムへの変革が進んでおり、当社でも段ボールフィルタ式システムの開発に注力しております。特にシステム集塵部の段ボールフィルタについては消耗品であることからランニングコストを削減するためにも、捕集能力向上とコスト低減が求められています。
そのために当社では自社製段ボールフィルタ「i-TCF v01」を開発しました。「i-TCF v01」は、従来推奨していたフィルタと比較して約15%の長寿命化を実現しており、特に処理風量が増加するとその性能差はより顕著になります。フィルタの長寿命化により、ランニングコスト削減およびCO2低減にも寄与する商品となっております。段ボールフィルタには、塗料種類と段ボールフィルタの相性の良し悪しがあり、一つの課題となりますが、「i-TCF v01」の開発により、顧客が採用できるフィルタの選択肢を広げました。また、当社は従来、設備導入後の継続的な物納にはあまり注力してきませんでしたが、今後はこの分野にも力を入れ、当社のポートフォリオを拡充してまいります。今後の継続利用や販路拡大のため、さらなる自社設計フィルタのラインナップ拡充活動を行い、顧客の利益に繋がる開発活動を進めてまいります。以上の取り組みにより、当社は自動車塗装分野における集塵技術の向上と市場ニーズへの対応を図り、持続可能な成長を目指してまいります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00183] S100W55I)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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