有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W6MU (EDINETへの外部リンク)
ダイダン株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)
当社は、高度化・多様化するお客さまのニーズに応え、サステナブルな社会の実現に貢献するための研究開発を推進しております。また、継続的な成長を目指し、総合設備工事業の枠にとらわれない事業創出に向けた研究開発にも取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発の主な成果は以下のとおりです。子会社においては、研究開発活動は行われておりません。なお、研究開発費は1,467百万円でした。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(研究開発の内容)
(1)カーボンニュートラル社会の実現に貢献する研究
当社はCSV事業戦略のひとつとして、カーボンニュートラル社会を実現するZEB※1の普及に取り組んでいます。
ZEB技術を磨き、時代と地域特性に合った設備提案ができるよう、これまでに自社の九州支社、四国支店、北海道支店、北陸支店、新潟支店をZEB化し、運用状況の検証と成果の公開を実施してきました。2024年3月に完成した新潟支店では水害等の自然災害に対する強靭性を評価頂き、不動産レジリエンス認証制度※2「ResReal(水害版)認証」において「GOLD」を取得しました。
また、北陸支店において空調立ち上げ時間の最適化を目的とし、クラウド型自動制御システム「リモビス®」にAI※3を搭載しました。これにより、従来よりも省エネルギーで快適なZEBとして運用することができています。
当社はZEB化のみならず働き易さや自然災害への強靭性など時代の要請に応える設計・施工プロセスから運用フェーズに至るまでのノウハウを蓄積しています。今後は、培ったノウハウを提案・設計・施工に活かし、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
※1 ZEB:net Zero Energy Buildingの略。建物で消費するエネルギーを再生可能エネルギーでまかなう建物。
※2 不動産レジリエンス認証:自然災害に対する不動産のレジリエンスを定量化・可視化する認証制度。
※3 AI:Artificial Intelligenceの略。これまで人間にしかできなかった知的行為を機械に代行させるためのアルゴリズム(人工知能)
(2)材料視点による設備品質向上に向けた新たな取り組み
空調用冷温水を作り出す冷凍機には、熱交換用の銅コイルが使用されています。銅コイルの製造時に付着するカーボン被膜量が適切でない場合、比較的早く劣化・腐食することをこれまでの防食研究から見出すことができました。この課題に対処するため、冷凍機の製造時にカーボン被膜の量を検査することで、設備器材の品質維持と設備の寿命延長に貢献することが期待されます。
そこで、当社が主導して大学や企業に参加を呼びかけて研究部会を設立し、カーボン被膜の検査要領について実証を踏まえた文書を作成、規格化に取り組んでいます。今後は規格化された検査手順を普及させ、サプライチェーンと連携した業界全体の品質向上に貢献していく方針です。
また、空調用冷媒配管工事における接合作業時の効率化及び品質確保を目指し、局所窒素置換治具の開発を行っています。これまでは窒素ブローにおける作業性、及び配管内の酸化被膜防止のために使用される窒素量に問題があり、その省力化及び窒素使用量削減に伴う品質確保が求められていました。
そこで、この課題に対処するため窒素ブローに代わって局所的に窒素置換を行うことにより、冷媒配管溶接作業の効率化を図れるようになりました。また、局所窒素置換治具を使用し溶接した冷媒配管の品質は、従来の溶接方法と同等の品質を確保できます。今後も材料の品質向上、長寿命化を目指した材料視点での研究開発を進めてまいります。
(3)DXによる現場の施工効率化に関する研究
改修工事の計画は、現地の状況を正確に把握することから始まります。当社では改修現場の現地測量や施工の確認に対し、レーザー測量や写真測量を使った現場状況の3次元モデル構築技術の導入を進めています。複雑に入り組んだ熱源機器の配管やダクトを各所から撮影することでCAD図として構築可能です。例えば、短時間しか立ち入れない重要施設の機械室でも迅速にCAD図を作成でき、精密な機器更新計画の作成などにも有効活用が可能です。また、現場状況の3次元モデルを用いて、資機材の搬入過程や施工結果をアニメーション化することも可能で、お客さまとの工事計画の共有にも本モデルの有効性が発揮されています。
(4)再生医療分野向け独自技術開発
再生医療は、これまで治療が困難であった病気や怪我に対する新しい医療として注目されています。しかし、治療用細胞の開発や製造には多大なコストがかかるため、再生医療が手の届く医療として普及するにはまだ時間がかかります。再生医療の社会実装を早期に実現するためにCSV事業創出の一環として、設備(ハード)と運用支援(ソフト)を組み合わせた当社独自の開発技術やサービスの展開に取り組んでいます。
当社が得意とするエアバリア技術を採用した「セラボ殿町(川崎市殿町)」は、製造時の安全性と作業効率性及び運用コスト低減を両立した細胞培養加工施設(CPF※4)で、子会社のセラボヘルスケアサービス社が製造所として再生医療等製品製造業許可を取得し、治験薬の製造受託を開始しました。
また、これから治験薬製造を目指すアーリーフェーズの企業を対象とした小規模製造向けレンタルCPF「セラボ川崎」を殿町に整備しました。顧客ニーズが高い、運用支援や教育支援もセラボヘルスケアサービス社が合わせて提供いたします。開発から治験薬製造へのスムーズな移行を設備(ハード)と運用支援(ソフト)の両面から手厚くサポートすることで、再生医療業界の持続的な成長に貢献してまいります。
※4 CPF:Cell Processing Facilityの略。再生医療における細胞の調製に係る一連の工程を行うための施設。
(5)サステナブル社会実現に貢献する研究
当社はSDGsの達成に貢献する廃棄物削減の取り組みとして、超臨界二酸化炭素※5を洗浄媒体とする半導体産業用ケミカルエアフィルタの再生技術に関する研究開発を行い、その成果を活かしたフィルタ再生事業(リユース事業)に取り組んでいます。
また、超臨界二酸化炭素利用技術は様々な用途で利用できる可能性があり、当社はケミカルフィルタの再生で培った技術を他用途で利用するための検討も進めています。今後も、サステナブルな社会の実現に貢献する研究を推進します。
※5 超臨界二酸化炭素:加圧・加熱により、超臨界状態になった二酸化炭素。液体と気体の両方の性質を持つ超臨界二酸化炭素は産業用ケミカルフィルタの洗浄に効果的。
(6)設備品質と設備機能の向上に関する研究
当社は建築設備に欠かせない光・空気・水に関する技術をコアとして、イノベーション力とエンジニアリング力を結集し、建物のライフサイクルを通した空間価値を提供しています。時代と共に変わる顧客ニーズに応えて、高品質で機能性の高い建築設備を提供し続けるための技術開発は、永遠の命題となっています。
データセンター、クリーンルームのような特殊生産設備、音楽ホールや劇場のような大空間などに対しては、CFD(Computational Fluid Dynamics)による気流シミュレーションを活用した最適化提案を実施しています。気流分布や温度分布を可視化して、設計要件を満たす設備条件を施工前にコンピュータ上で確認し、その結果に基づいて着実な施工を行っています。建築設備技術の高度化・多様化に伴い、CFDの研究・活用はますます重要になっています。
また、設備の運転管理の省力化、設備運用の最適化によるエネルギー使用量低減に対する顧客ニーズは、以前に増して高まっています。そこで、設備の運転管理の効率化、エネルギー使用状況や設備稼働状況の見える化を可能とするリモビス®の導入提案を積極的に行うとともに、次世代のスマートビル実現に向けてリモビスの機能改良、設備運用におけるAIの活用に関する研究を推進しています。
当連結会計年度における研究開発の主な成果は以下のとおりです。子会社においては、研究開発活動は行われておりません。なお、研究開発費は1,467百万円でした。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(研究開発の内容)
(1)カーボンニュートラル社会の実現に貢献する研究
当社はCSV事業戦略のひとつとして、カーボンニュートラル社会を実現するZEB※1の普及に取り組んでいます。
ZEB技術を磨き、時代と地域特性に合った設備提案ができるよう、これまでに自社の九州支社、四国支店、北海道支店、北陸支店、新潟支店をZEB化し、運用状況の検証と成果の公開を実施してきました。2024年3月に完成した新潟支店では水害等の自然災害に対する強靭性を評価頂き、不動産レジリエンス認証制度※2「ResReal(水害版)認証」において「GOLD」を取得しました。
また、北陸支店において空調立ち上げ時間の最適化を目的とし、クラウド型自動制御システム「リモビス®」にAI※3を搭載しました。これにより、従来よりも省エネルギーで快適なZEBとして運用することができています。
当社はZEB化のみならず働き易さや自然災害への強靭性など時代の要請に応える設計・施工プロセスから運用フェーズに至るまでのノウハウを蓄積しています。今後は、培ったノウハウを提案・設計・施工に活かし、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
※1 ZEB:net Zero Energy Buildingの略。建物で消費するエネルギーを再生可能エネルギーでまかなう建物。
※2 不動産レジリエンス認証:自然災害に対する不動産のレジリエンスを定量化・可視化する認証制度。
※3 AI:Artificial Intelligenceの略。これまで人間にしかできなかった知的行為を機械に代行させるためのアルゴリズム(人工知能)
(2)材料視点による設備品質向上に向けた新たな取り組み
空調用冷温水を作り出す冷凍機には、熱交換用の銅コイルが使用されています。銅コイルの製造時に付着するカーボン被膜量が適切でない場合、比較的早く劣化・腐食することをこれまでの防食研究から見出すことができました。この課題に対処するため、冷凍機の製造時にカーボン被膜の量を検査することで、設備器材の品質維持と設備の寿命延長に貢献することが期待されます。
そこで、当社が主導して大学や企業に参加を呼びかけて研究部会を設立し、カーボン被膜の検査要領について実証を踏まえた文書を作成、規格化に取り組んでいます。今後は規格化された検査手順を普及させ、サプライチェーンと連携した業界全体の品質向上に貢献していく方針です。
また、空調用冷媒配管工事における接合作業時の効率化及び品質確保を目指し、局所窒素置換治具の開発を行っています。これまでは窒素ブローにおける作業性、及び配管内の酸化被膜防止のために使用される窒素量に問題があり、その省力化及び窒素使用量削減に伴う品質確保が求められていました。
そこで、この課題に対処するため窒素ブローに代わって局所的に窒素置換を行うことにより、冷媒配管溶接作業の効率化を図れるようになりました。また、局所窒素置換治具を使用し溶接した冷媒配管の品質は、従来の溶接方法と同等の品質を確保できます。今後も材料の品質向上、長寿命化を目指した材料視点での研究開発を進めてまいります。
(3)DXによる現場の施工効率化に関する研究
改修工事の計画は、現地の状況を正確に把握することから始まります。当社では改修現場の現地測量や施工の確認に対し、レーザー測量や写真測量を使った現場状況の3次元モデル構築技術の導入を進めています。複雑に入り組んだ熱源機器の配管やダクトを各所から撮影することでCAD図として構築可能です。例えば、短時間しか立ち入れない重要施設の機械室でも迅速にCAD図を作成でき、精密な機器更新計画の作成などにも有効活用が可能です。また、現場状況の3次元モデルを用いて、資機材の搬入過程や施工結果をアニメーション化することも可能で、お客さまとの工事計画の共有にも本モデルの有効性が発揮されています。
(4)再生医療分野向け独自技術開発
再生医療は、これまで治療が困難であった病気や怪我に対する新しい医療として注目されています。しかし、治療用細胞の開発や製造には多大なコストがかかるため、再生医療が手の届く医療として普及するにはまだ時間がかかります。再生医療の社会実装を早期に実現するためにCSV事業創出の一環として、設備(ハード)と運用支援(ソフト)を組み合わせた当社独自の開発技術やサービスの展開に取り組んでいます。
当社が得意とするエアバリア技術を採用した「セラボ殿町(川崎市殿町)」は、製造時の安全性と作業効率性及び運用コスト低減を両立した細胞培養加工施設(CPF※4)で、子会社のセラボヘルスケアサービス社が製造所として再生医療等製品製造業許可を取得し、治験薬の製造受託を開始しました。
また、これから治験薬製造を目指すアーリーフェーズの企業を対象とした小規模製造向けレンタルCPF「セラボ川崎」を殿町に整備しました。顧客ニーズが高い、運用支援や教育支援もセラボヘルスケアサービス社が合わせて提供いたします。開発から治験薬製造へのスムーズな移行を設備(ハード)と運用支援(ソフト)の両面から手厚くサポートすることで、再生医療業界の持続的な成長に貢献してまいります。
※4 CPF:Cell Processing Facilityの略。再生医療における細胞の調製に係る一連の工程を行うための施設。
(5)サステナブル社会実現に貢献する研究
当社はSDGsの達成に貢献する廃棄物削減の取り組みとして、超臨界二酸化炭素※5を洗浄媒体とする半導体産業用ケミカルエアフィルタの再生技術に関する研究開発を行い、その成果を活かしたフィルタ再生事業(リユース事業)に取り組んでいます。
また、超臨界二酸化炭素利用技術は様々な用途で利用できる可能性があり、当社はケミカルフィルタの再生で培った技術を他用途で利用するための検討も進めています。今後も、サステナブルな社会の実現に貢献する研究を推進します。
※5 超臨界二酸化炭素:加圧・加熱により、超臨界状態になった二酸化炭素。液体と気体の両方の性質を持つ超臨界二酸化炭素は産業用ケミカルフィルタの洗浄に効果的。
(6)設備品質と設備機能の向上に関する研究
当社は建築設備に欠かせない光・空気・水に関する技術をコアとして、イノベーション力とエンジニアリング力を結集し、建物のライフサイクルを通した空間価値を提供しています。時代と共に変わる顧客ニーズに応えて、高品質で機能性の高い建築設備を提供し続けるための技術開発は、永遠の命題となっています。
データセンター、クリーンルームのような特殊生産設備、音楽ホールや劇場のような大空間などに対しては、CFD(Computational Fluid Dynamics)による気流シミュレーションを活用した最適化提案を実施しています。気流分布や温度分布を可視化して、設計要件を満たす設備条件を施工前にコンピュータ上で確認し、その結果に基づいて着実な施工を行っています。建築設備技術の高度化・多様化に伴い、CFDの研究・活用はますます重要になっています。
また、設備の運転管理の省力化、設備運用の最適化によるエネルギー使用量低減に対する顧客ニーズは、以前に増して高まっています。そこで、設備の運転管理の効率化、エネルギー使用状況や設備稼働状況の見える化を可能とするリモビス®の導入提案を積極的に行うとともに、次世代のスマートビル実現に向けてリモビスの機能改良、設備運用におけるAIの活用に関する研究を推進しています。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00194] S100W6MU)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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