有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100XT0V (EDINETへの外部リンク)
株式会社福田組 研究開発活動 (2025年12月期)
当社グループの研究開発活動は、「価値創造」の経営理念のもと、生産性向上・品質向上・自然環境の保全に加え、新たな分野への市場参入を目的とした新工法の実証実験等を中心に取り組んでおります。
また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。
なお、当連結会計年度は研究開発費として、162百万円を投入しております。
当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。
(建設事業)
協力業者とのモデルデータ統合を実施し、干渉チェックや統合モデルを用いた打合せを行うことで、設計・施工間の情報共有を一層強化してまいります。
また、BIMから現場で活用できるレベルの施工図出力に取り組むとともに、現場担当者を対象としたBIM操作講習を実施するなど、現場側での活用浸透と技能向上にも注力しております。これらの取り組みにより、全国の現場における施工段階でのBIM活用がさらに広がり、モデル品質の向上と業務効率化の両立につながる体制が強化されました。
当社は今後も、モデル作成の標準化やルール整備を進めるとともに、現場ニーズに即した施工BIMの高度化を推進し、業務支援の幅をさらに拡大してまいります。
従来、設計の基本計画には多くの時間と経験が必要でしたが、生成AIの活用により、必要な書類検索・法令調査・イメージパースの作成を短時間で実施できるようになりました。これにより、事業主様への提案力の強化、イメージのすり合わせの迅速化、複数の内外装イメージの検討・提案が可能となり、業務効率化と品質向上が期待されています。
弊社は2023年より継続して参加し、施工現場における生産性向上やロボット技術等の情報収集に努めております。
当期は「給排水設備・濁水処理設備モニタリングシステム」の開発に取り組んでおります。室内での試運転を終えましたので、順次必要な機器の現場実装を行っております。現場実証を通して職員の声をフィードバックし、実用化を目指してまいります。
今後は機械設備を使用する工事現場が増加すると考えられますので、幅広い工種で利用できるように発展させてまいります。
当期は、i-Construction 2.0への本格対応と建設DXの実装加速を図るべく、ドローンによる施工管理の内製化・水平展開・用途拡大、施工管理書類電子化の全社展開、生成AIの活用と学術機関との共同研究等、より多方面の展開を進めることにより、さらなる受注競争力と生産性の向上を図ってまいります。
開発は2024年に完了し、その後は実際の工事で運用しております。これまで2工事が無事完成し、システムの精度の証明に寄与いたしました。現在1工事で運用中です。
機械の操作を覚えれば、経験の浅い若手職員でもベテラン職員と同等の測量精度と作業効率を発揮することができ、今やデュアルシールドの工事には欠かせないものとなっております。
また、工事を経験して運用のノウハウも積み重なっており、現場から一部改善の要望も上がってきていることから、次年度ではフィードバックを反映したシステムの改良に着手したいと計画しております。
2025年6月 EE東北出展
2025年10月 けんせつフェア北陸
2025年10月 建設技術展近畿出展
2025年11月 建設技術展関東出展
2025年11月 ハイウェイテクノ出展
2025年12月 建設技術フェアーIN中部出展
日本道路会議 報文発表5篇、ポスターセッション1篇
北陸道路舗装会議 報文発表4編 ポスターセッション2篇
土木学会 舗装工学講演会 1編
土木学会 年次学術講演会 1編
博士学位論文 1編
BIM/CIM関連では、国土交通省北陸地方整備局発注業務で3Dモデルを活用した取り組みが評価され、地質調査業務では初めてとなる「2020年度i-Construction大賞優秀賞」を受賞しました。2023年には国土交通省に対し、効率的な法枠の出来形管理手法としてiPhoneを活用した3次元計測手法を提案し、翌年の基準改定を実現するなど、3D計測の効率化を進めております。2025年のBIM/CIM活用業務として、国土交通省発注の2業務(地質調査、地すべり調査)を行いました。
伐採木等の活用については、2024年より伐採竹をパウダーにした土壌改良資材の緑化促進効果の研究をしております。吹付工法に使用する植生基材の補完資材としての利用と法面工事で発生する現場発生廃材の処分量減を想定し、竹パウダーの混合割合を変えた場合の植物育成状況の調査を開始いたしました。2025年の試験結果では、緑化促進効果は見られなかったものの、斜面緑化を満足する育成ができることが確認されました。下水汚泥は、鉱物資源を原料とする化学肥料に代わる肥料として、2024年より緑化試験棟で緑化促進効果の調査を開始いたしました。2025年の試験結果では、下水汚泥肥料のみでは一般化成肥料と同等の育成状況であること、カリウム肥料と混合することで緑化促進効果がみられることがわかりました。
伐採木は基盤材として、下水汚泥は肥料として有効活用できれば運搬等にかかるCO2削減に寄与するものと考えられるため、今後も技術開発を通じて、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。
誘導ロボットは隊列を先導する先導車と、隊列についていく後続車で構成されます。先導車は事前に機械学習されたデータをもとに、搭載されたカメラにより消雪ノズルをAIにより検知して、消雪パイプに沿って自律走行を行います。後続車は、最後尾の作業員をカメラで検知し追従します。先導車・後続車共に矢印版や電光板を搭載し、通行車両に注意喚起を促します。衝突回避のためのソフト・ハード的な安全対策も装備しております。
誘導ロボットは、労働力不足と作業員の安全確保を目的として開発を進めていますが、片側1車線の道路中央での安定走行にはまだまだ課題がある状況です。一方で、ノズルを検知できる搭載カメラの映像を利用することで、ノズル劣化度をAI判定することに活用できる可能性もあります。消雪パイプの維持管理の将来を見据えた有効な技術になり得ると考え、開発に取り組んでおります。
降雪検知制御の一方で、道路の積雪を検知して散水制御する積雪検知制御は、降雪検知制御よりも節水・節電効果が高いことを研究しておりましたが、道路上の積雪を安価に確実に検知するには技術的なハードルが降雪検知よりも高く、普及が進んでおりませんでした。このような背景から、道路画像から積雪をAIで判定して制御するAI積雪深制御の開発に取り組んでおります。道路上に積雪がない状態の画像を正常画像とし、それに対して残雪がある状況を異常な状態として認識するAIを使い、散水が必要な「異常な」状況を判定する制御方法とする技術として開発することを2024年に整理し、特許出願の準備を進めております。2025年には長岡技術科学大学の技術開発センタープロジェクトの中で、長岡技術科学大学及び長岡高等専門学校との共同研究を開始し、AI以外の積雪深制御とともに研究開発を進めております。
節水ノズルは、地下水節水に加えて、ポンプ容量減少による節電効果が見込まれます。また、ノズル孔数が、現行の4孔に対して1~2孔になることから、ノズル洗浄作業の短縮効果も見込まれます。SDGsにマッチした開発であると考えています。
1.インフラメンテナンス技術の開発
材料メーカー2社との共同研究により2018年に開発され、Made in 新潟 新技術普及制度(2019D102)、国土交通省NETIS(HR-220007-A)に登録され、特許(特許第6861190号)も取得しております。現在、全国の橋梁補修・補強工事で活用されております。
② デュアル防食プロテクト工法
本工法は、塩害や中性化により劣化した鉄筋コンクリート構造物に対し、内部鉄筋の防食と外部からの塩分侵入抑制を同時に実現する補修技術です。靭性モルタルNAの高い遮塩性と犠牲陽極材の即効的な防食効果が相互に干渉せず、相乗的に長期の防食性能を確保できる点に新規性があります。共同研究により2025年に開発し、技術登録と現場適用を進めております。
2.レンタル保安用品の開発
①高輝度・LED矢印板「TWIN・VISION」
LED矢印板に高輝度反射シートを付加し、夜間を含むあらゆる条件下で視認性・安全性を向上させた製品です。バッテリー切れや故障等によるLED消灯時でも視認性低下を防ぎます。
2021年にMade in 新潟新技術普及制度に登録(2021D105)、及びレンタル事業・販売を通じて提供し、高い評価を頂いております。
② 蓄光コーンバー
コーンバー端部のリング部材に蓄光材料を混入し、薄暮時の視認性・安全性を向上させた製品です。パイプ部材にポリカーボネートを採用することで、軽量化と耐久性を両立し、現場での安全性と作業性向上が期待できます。
2024年にMade in 新潟新技術普及制度に登録(2023D202)、及びレンタル事業・販売を通じて提供され、類のない製品として活用されております。
3.その他、経営目標に沿った技術開発
① DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した生産性向上技術
現場作業の効率化・省力化に資するデジタル技術の導入検討
② GX(グリーントランスフォーメーション)、脱炭素を含むサステナビリティ関連技術の検討
環境負荷低減や資源循環に寄与する工法・製品の研究
③ 新規事業領域への参入に向けた技術検討
既存事業の枠を超えた新たな価値創出に向けた技術探索
(不動産事業及びその他)
研究開発活動は、特段行われておりません。
また、現場に密着した研究開発ニーズと独創的なアイディアの発掘を目的として、広く社員から意見を募り研究開発活動に反映させております。
なお、当連結会計年度は研究開発費として、162百万円を投入しております。
当連結会計年度の主な研究テーマは次のとおりであります。
(建設事業)
(1) 当社
① BIMに対する取り組み
BIMについては、昨年まで継続して取り組んできた部分納まり検討や施工ステップの可視化に加え、他社作成データとの連携や施工段階での活用範囲の拡大により、活用レベルの向上を進めてまいりました。協力業者とのモデルデータ統合を実施し、干渉チェックや統合モデルを用いた打合せを行うことで、設計・施工間の情報共有を一層強化してまいります。
また、BIMから現場で活用できるレベルの施工図出力に取り組むとともに、現場担当者を対象としたBIM操作講習を実施するなど、現場側での活用浸透と技能向上にも注力しております。これらの取り組みにより、全国の現場における施工段階でのBIM活用がさらに広がり、モデル品質の向上と業務効率化の両立につながる体制が強化されました。
当社は今後も、モデル作成の標準化やルール整備を進めるとともに、現場ニーズに即した施工BIMの高度化を推進し、業務支援の幅をさらに拡大してまいります。
② 生成AIに対する取り組み
生成AIについては、建設業向け生成AIや画像生成AIを導入し、設計部門において活用を開始いたしました。従来、設計の基本計画には多くの時間と経験が必要でしたが、生成AIの活用により、必要な書類検索・法令調査・イメージパースの作成を短時間で実施できるようになりました。これにより、事業主様への提案力の強化、イメージのすり合わせの迅速化、複数の内外装イメージの検討・提案が可能となり、業務効率化と品質向上が期待されています。
③ 建設RXコンソーシアムについて
建設RXコンソーシアムは、作業所におけるさらなる高効率化や省人化を目指し、建設業界全体の生産性及び魅力向上を推進するため、施工段階で必要となるロボット技術やIoT関連アプリケーション等について、公平な立場で技術連携を進めることを目的として設立された団体です。各種分科会において、建設関連の生産性向上に向けた取り組みが行われております。弊社は2023年より継続して参加し、施工現場における生産性向上やロボット技術等の情報収集に努めております。
④ 建物解体工事での解体物落下振動・騒音低減技術
当社は建物解体工事を行っていますが、高層階からの解体破砕物の落下における振動・騒音の低減方策が必要と考えております。当期は、数値シミュレーションで確認した解体破砕物落下振動の低減方法・防振材による振動レベル抑制効果について、実証実験により効果を確認いたしました。今後、同種工事における技術提案に活用いたします。⑤ 生成AI活用による環境技術課業務改善
業務の省人化・効率化のため生成AIの活用は不可欠と考えております。当期は、難解な土壌汚染対策業務に関する生成AIの開発に取り組みました。土壌汚染対策に関する質疑に柔軟に対応するChatbot、及び土壌汚染調査計画と概査見積書作成の自動化の来期実用化を目指しております。⑥ 給排水設備・濁水処理設備モニタリングシステムの開発
工事現場の機械設備の状態や稼働状況を事務所や本社で可視化する技術開発を進めております。現場職員の省力化と設備トラブルの防止・早期発見・早期対応を目的としております。外注せずに社内で設計・制作・設置まで取り組むことにより、開発費削減とシステムの修正や改善を迅速に行うことを可能とします。当期は「給排水設備・濁水処理設備モニタリングシステム」の開発に取り組んでおります。室内での試運転を終えましたので、順次必要な機器の現場実装を行っております。現場実証を通して職員の声をフィードバックし、実用化を目指してまいります。
今後は機械設備を使用する工事現場が増加すると考えられますので、幅広い工種で利用できるように発展させてまいります。
⑦ 建設DXへの取り組み
これまで当社では、i-Constructionへの取り組みとして、各種機器・ソフトの運用検証や三次元設計データの活用等、デジタル技術の積極的な活用を図ってまいりました。また、今後必要となるi-Construction 2.0への対応を見据え、建設DXの観点から社内体制の整備、優先課題の抽出と対応準備を段階的に進めてまいりました。当期は、i-Construction 2.0への本格対応と建設DXの実装加速を図るべく、ドローンによる施工管理の内製化・水平展開・用途拡大、施工管理書類電子化の全社展開、生成AIの活用と学術機関との共同研究等、より多方面の展開を進めることにより、さらなる受注競争力と生産性の向上を図ってまいります。
⑧ デュアルシールド工法の自動測量システム「Dual-Shot」の実用
「Dual-Shot」は、当社の保有技術「デュアルシールド工法」用の自動測量システムとして、測量作業の省力化、効率化、精度向上の目的で開発いたしました。開発は2024年に完了し、その後は実際の工事で運用しております。これまで2工事が無事完成し、システムの精度の証明に寄与いたしました。現在1工事で運用中です。
機械の操作を覚えれば、経験の浅い若手職員でもベテラン職員と同等の測量精度と作業効率を発揮することができ、今やデュアルシールドの工事には欠かせないものとなっております。
また、工事を経験して運用のノウハウも積み重なっており、現場から一部改善の要望も上がってきていることから、次年度ではフィードバックを反映したシステムの改良に着手したいと計画しております。
(2) 福田道路㈱
1.技術開発
① 「マルチファインアイ(路面損傷診断システム)」のバージョンアップ
マルチファインアイは従来技術の課題であった、わだち掘れ量の精度向上とIRIの計測機能を付加するバージョンアップに取り組み、システムが完成したことから国土交通省が公募する舗装点検支援技術に応募いたしました。その結果、わだち掘れ量、IRIの両指標とも高い精度が確認され、従来技術で精度が確認されているひび割れ率も併せて路面性状3要素でカタログに掲載されました。さらに、国土交通省新潟国道事務所管内の路面点検業務を地元大手コンサルタントに協力することで参画し、長距離(延長約300km)での調査実績をあげることができました。実績を積むことで更なる課題も見えてきており、今後も精度や利便性の向上を目指した改良を進めていく予定です。② 「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)」の取り組み
SIPとは、省庁横断的な戦略的イノベーション創造プログラムであり、金沢工業大学を中心とした北陸SIPの一員として活動いたしました。本年は5年計画の3年目で、桜川市と連携して舗装点検を実施し、路面損傷状況の把握と修繕区間の抽出を行いました。また、路面性状とは別に修繕箇所の優先順位を決定するパラメータとしてパトロール結果や苦情要望箇所に着目し、それらの効率的で実用的な記録システムの試作を行いました。本年は、これらのシステムを路面性状結果と統合して効率的な補修計画支援システムの試作を行い、システム実装の準備を行います。③ 「ファインテープクリア」の開発
白線の上からでも貼れる透明の止水用テープ「ファインテープクリア」は、視認性・滑り抵抗性・接着性等の素材としての検証が終わり、実用化に向けた試作品を作成いたしました。本年は、実道での試し張りを実施して機能性、耐久性の検証を行い、製品販売に向けたデータ取りを実施いたします。④ 景観舗装への取り組み
ウッドチップ舗装のバインダーの入手が困難となり、新たに接着剤メーカーと共同で汎用性のあるウッドチップ舗装を開発、公共の公園で試験施工を実施いたしました。また、派生品としてもみ殻舗装も開発し、良好な結果を得ていることから2026年に製品化する予定です。今後は、砂・砂利やクルミ殻などの検討も行い、ラインナップを広げる予定です。⑤ 開発技術の広報活動
開発した技術のアピールと新たな技術開発の促進を行うために、報文発表や技術フェアーに参加して成果を普及しております。2025年6月 EE東北出展
2025年10月 けんせつフェア北陸
2025年10月 建設技術展近畿出展
2025年11月 建設技術展関東出展
2025年11月 ハイウェイテクノ出展
2025年12月 建設技術フェアーIN中部出展
日本道路会議 報文発表5篇、ポスターセッション1篇
北陸道路舗装会議 報文発表4編 ポスターセッション2篇
土木学会 舗装工学講演会 1編
土木学会 年次学術講演会 1編
博士学位論文 1編
(3) ㈱興和
① ICT施工、BIM/CIMへの取り組み
2016年に国土交通省でi-Constructionが提唱されました。従前からドローン写真測量等、最新技術の習得に取り組み、ICT工種拡大、3Dデータを活用するBIM/CIMに備えてまいりました。2019年には、国土交通省の「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(PRISM)」に採択された「小出維持管内防災工事施工現場における労働生産性の向上を図る技術の試行業務」において、3D計測が非常に困難な自然斜面現場でのICT法面工の試行に取り組みました。2020年に制定されたICT法面工(吹付法枠工)の基準に従い、同年、国土交通省発注法面工事において八木山現場でICT施工を実施し、北陸地方整備局主催の現場見学会を開催するなど、技術力をPRしてまいりました。その後、国土交通省及び新潟県の法枠工を中心にICT施工及び簡易型ICT施工に取り組んでおり、2025年は5件実施いたしました。BIM/CIM関連では、国土交通省北陸地方整備局発注業務で3Dモデルを活用した取り組みが評価され、地質調査業務では初めてとなる「2020年度i-Construction大賞優秀賞」を受賞しました。2023年には国土交通省に対し、効率的な法枠の出来形管理手法としてiPhoneを活用した3次元計測手法を提案し、翌年の基準改定を実現するなど、3D計測の効率化を進めております。2025年のBIM/CIM活用業務として、国土交通省発注の2業務(地質調査、地すべり調査)を行いました。
② 集水井点検カメラ
集水井工は、地すべり深層の地下水排除を目的とした重要施設です。従来の点検ではクレーンによる上蓋の取外しや昇降施設の設置、有毒ガスの排除や酸素の供給が必要であり、コストが過大となる課題がありました。そこで、経済的かつ安全・正確に立坑内の状況や機能の確認が可能な「立坑(集水井工)内の点検装置(集水井点検カメラ)」を開発し、2件の特許を取得いたしました。この技術により、国土交通省の直轄地すべり防止区域及び新潟県所管の地すべり防止区域を中心に、900基超の集水井で点検を実施しております。また、県外においても岩手、山形、福島、群馬、高知、宮崎で実績を積んでおります。この功績が認められ、2021年に砂防分野では初の快挙となる「第4回インフラメンテナンス大賞特別賞」を受賞いたしました。また受賞をきっかけに、弊社を中心としたコンサルタント業者4社で「集水井点検カメラ研究会」を立ち上げました。2023年度には、当技術がNETISに登録されたことを受け、九州(熊本)でも当技術が採用され実施されています。2024年には、集水井点検カメラの映像から3次元点群データを取得する改良を行い、2025年は、集水井の変形などの変状の検出を3次元で行うことを目的に計測精度の検証を進めております。③ 廃材活用による緑化技術の開発
農林水産省・国土交通省が下水汚泥や伐採木等の廃材を加工することで資材として有効活用しようとする動きが活発化してきていることから、2023年に緑化試験棟を完成させ、緑化工における廃材利用技術の開発を進めております。伐採木等の活用については、2024年より伐採竹をパウダーにした土壌改良資材の緑化促進効果の研究をしております。吹付工法に使用する植生基材の補完資材としての利用と法面工事で発生する現場発生廃材の処分量減を想定し、竹パウダーの混合割合を変えた場合の植物育成状況の調査を開始いたしました。2025年の試験結果では、緑化促進効果は見られなかったものの、斜面緑化を満足する育成ができることが確認されました。下水汚泥は、鉱物資源を原料とする化学肥料に代わる肥料として、2024年より緑化試験棟で緑化促進効果の調査を開始いたしました。2025年の試験結果では、下水汚泥肥料のみでは一般化成肥料と同等の育成状況であること、カリウム肥料と混合することで緑化促進効果がみられることがわかりました。
伐採木は基盤材として、下水汚泥は肥料として有効活用できれば運搬等にかかるCO2削減に寄与するものと考えられるため、今後も技術開発を通じて、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。
④ 裁断芝保存法
芝による緑化工には、種子からの育成や張芝がありますが、種子からの育成では種子の流亡リスクや大量の種子が必要であること、張芝は施工に時間がかかることと潅水が必要という弱点がありました。これらに対し、ほぐした芝をまいて芝生に育成する「芝生の直播被覆工法」(有限会社アイ・ピー・エムグリーンステージ)は、少ない資材で施工が可能で潅水不要であるという利点があります。この工法について、斜面に適用できる独自性を持った新工法として確立させるべく、裁断した芝の育成方法と長期保存方法の開発を進めております。長期保存については、袋の遮光性やもみ殻の使用による工夫を行い、18週間でも保存できる手法を確立し、2025年に有限会社アイ・ピー・エムグリーンステージと共同で特許を出願いたしました。裁断した芝の育成においては、雑木チップと竹チップ、及び下水汚泥肥料による育成促進効果も調べております。また、素早く発芽する種子と遅れて成長する裁断芝を混合することで、雑草侵入防止と芝による確実な緑化を行えるように手法の改良を行っております。法面の緑化だけでなく、公園や河川敷の緑化での使用も検討しており、今後も開発を継続していく計画です。⑤ 消雪パイプノズル調整作業時の誘導ロボット
雪国の冬期道路交通確保に必要な消雪パイプは、降雪シーズン前にノズル調整作業を実施して消雪機能の維持を行っております。ノズル調整作業は数名の作業員が隊列を組み、消雪パイプに沿って移動しながら行います。車両の流れを止めずに行うために、隊列の前後に交通誘導員を配置し、矢印版や手旗で通行車両への注意喚起を行っております。ノズル調整作業は、降雪前は繁忙期であることに加え、昨今の人手不足も相まって、交通誘導員の確保が課題となっております。そこで、誘導員の代わりとなる台車型の誘導ロボットを開発し、2024年に試験走行を実施いたしました。誘導ロボットは隊列を先導する先導車と、隊列についていく後続車で構成されます。先導車は事前に機械学習されたデータをもとに、搭載されたカメラにより消雪ノズルをAIにより検知して、消雪パイプに沿って自律走行を行います。後続車は、最後尾の作業員をカメラで検知し追従します。先導車・後続車共に矢印版や電光板を搭載し、通行車両に注意喚起を促します。衝突回避のためのソフト・ハード的な安全対策も装備しております。
誘導ロボットは、労働力不足と作業員の安全確保を目的として開発を進めていますが、片側1車線の道路中央での安定走行にはまだまだ課題がある状況です。一方で、ノズルを検知できる搭載カメラの映像を利用することで、ノズル劣化度をAI判定することに活用できる可能性もあります。消雪パイプの維持管理の将来を見据えた有効な技術になり得ると考え、開発に取り組んでおります。
⑥ ノズル洗浄機の開発
消雪パイプのノズル洗浄・調整作業に、ノズルに手持ハンマー等で振動を与えて詰まった砂などを排出させる工程があります。ノズルが路面にあることから、中腰やしゃがみ姿勢をとる必要があり、作業員の体への負担が大きいという課題がありました。そこで、立ったままノズル洗浄を行えるノズル洗浄機の開発を進めました。ノズル洗浄機は、ノズルを損傷させず適切な衝撃を与える振動子を電動ハンマーの先端部に取り付けたもので、人力よりも短時間でノズル洗浄できるものです。電動ハンマーには台車を取り付け、移動と施工を効率よく行えるように工夫しております。2024年度に特許を出願、2025年度は電動ハンマーを載せる台車を改良し、消雪パイプの点検作業を4現場で試行いたしました。今後は作業時間の短縮及び作業姿勢の改善について数値化し、Made in Niigata等への登録を進めてまいります。⑦ AI積雪深制御
積雪地域に広く普及している消雪パイプは、雪国の生活に無くてはならないインフラで、長年にわたり興和では開発・施工・維持管理に取り組んでおります。消雪パイプの水源の多くは地下水に頼っており、地域によっては地下水位低下による散水不能、地盤沈下の進行がみられており、持続可能な地下水開発のためには、地下水節水が必須な状況です。現在、広く普及している消雪パイプの制御方法は、降雪を検知して、降雪時に稼働する降雪検知制御です。雪が降っているときに散水されることから、雪が積もる前から稼働し、道路ユーザーの安心感が高い方法となっております。しかしながら、道路に積もる前に止むような短時間降雪でも散水してしまうことや、設計よりも弱い降雪でも散水してしまうことがあり、節水の余地が大きい制御方法です。これまで、降雪強度や気温を検知し、必要以上に散水しないように間欠運転や少量散水運転を行う制御を開発し、地下水の節水と節電に努めてまいりました。降雪検知制御の一方で、道路の積雪を検知して散水制御する積雪検知制御は、降雪検知制御よりも節水・節電効果が高いことを研究しておりましたが、道路上の積雪を安価に確実に検知するには技術的なハードルが降雪検知よりも高く、普及が進んでおりませんでした。このような背景から、道路画像から積雪をAIで判定して制御するAI積雪深制御の開発に取り組んでおります。道路上に積雪がない状態の画像を正常画像とし、それに対して残雪がある状況を異常な状態として認識するAIを使い、散水が必要な「異常な」状況を判定する制御方法とする技術として開発することを2024年に整理し、特許出願の準備を進めております。2025年には長岡技術科学大学の技術開発センタープロジェクトの中で、長岡技術科学大学及び長岡高等専門学校との共同研究を開始し、AI以外の積雪深制御とともに研究開発を進めております。
⑧ 節水ノズルの開発
現行のノズルでは、道路へ均一に散水できないことによる雪の溶かし残しを抑えるため、降雪量以上の消雪能力分の散水が必要であり、熱量的には無駄な散水を行っている場合があります。特に幅員が狭い道路、交通量が少ない道路では無駄となる散水量が多くなります。そこで、必要な消雪能力分の散水量でなるべく均一に散水することで、地下水節水を目指すノズルの開発を進めています。2023年度冬期に試作品による消雪効果確認を実施し、節水効果が見込まれたことから2024年に特許出願しました。2025年度冬期は、現道設置に向けた改良を加えたノズルで消雪効果確認試験を実施する計画です。節水ノズルは、地下水節水に加えて、ポンプ容量減少による節電効果が見込まれます。また、ノズル孔数が、現行の4孔に対して1~2孔になることから、ノズル洗浄作業の短縮効果も見込まれます。SDGsにマッチした開発であると考えています。
(4) ㈱レックス
社会インフラのメンテナンス・老朽化対策や現場生産性向上、サステナビリティなど、建設業界が抱える課題や社会のニーズに対応した新技術や新工法等の開発を進めております。1.インフラメンテナンス技術の開発
① ハイブリッド・塩害補強工法
本工法は、塩害を受けた鉄筋コンクリート構造物に対し、シラン系含浸材による鉄筋腐食抑制と、炭素繊維シートによる補強を同時に実現する技術です。材料メーカー2社との共同研究により2018年に開発され、Made in 新潟 新技術普及制度(2019D102)、国土交通省NETIS(HR-220007-A)に登録され、特許(特許第6861190号)も取得しております。現在、全国の橋梁補修・補強工事で活用されております。
② デュアル防食プロテクト工法
本工法は、塩害や中性化により劣化した鉄筋コンクリート構造物に対し、内部鉄筋の防食と外部からの塩分侵入抑制を同時に実現する補修技術です。靭性モルタルNAの高い遮塩性と犠牲陽極材の即効的な防食効果が相互に干渉せず、相乗的に長期の防食性能を確保できる点に新規性があります。共同研究により2025年に開発し、技術登録と現場適用を進めております。
2.レンタル保安用品の開発
①高輝度・LED矢印板「TWIN・VISION」
LED矢印板に高輝度反射シートを付加し、夜間を含むあらゆる条件下で視認性・安全性を向上させた製品です。バッテリー切れや故障等によるLED消灯時でも視認性低下を防ぎます。
2021年にMade in 新潟新技術普及制度に登録(2021D105)、及びレンタル事業・販売を通じて提供し、高い評価を頂いております。
② 蓄光コーンバー
コーンバー端部のリング部材に蓄光材料を混入し、薄暮時の視認性・安全性を向上させた製品です。パイプ部材にポリカーボネートを採用することで、軽量化と耐久性を両立し、現場での安全性と作業性向上が期待できます。
2024年にMade in 新潟新技術普及制度に登録(2023D202)、及びレンタル事業・販売を通じて提供され、類のない製品として活用されております。
3.その他、経営目標に沿った技術開発
① DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した生産性向上技術
現場作業の効率化・省力化に資するデジタル技術の導入検討
② GX(グリーントランスフォーメーション)、脱炭素を含むサステナビリティ関連技術の検討
環境負荷低減や資源循環に寄与する工法・製品の研究
③ 新規事業領域への参入に向けた技術検討
既存事業の枠を超えた新たな価値創出に向けた技術探索
(不動産事業及びその他)
研究開発活動は、特段行われておりません。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00196] S100XT0V)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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