有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TOYL (EDINETへの外部リンク)
オムロン株式会社 研究開発活動 (2024年3月期)
当社グループは、技術の強化と人財の育成を目的に中長期的視野に立った技術戦略を定め、研究開発を実行しています。自社の強み、コア技術として進化させ続けている「センシング&コントロール+Think」技術を技術戦略の核として、全社的視点から当社の研究開発部門である技術・知財本部が基盤的な技術開発を担い、各事業部門がその応用技術開発や商品開発を実施しています。主力事業である制御機器事業をはじめ、ヘルスケア事業、社会システム事業、電子部品事業に重点的に研究開発費を割当て、製品開発およびものづくり技術の強化を実施しています。
(1)当社グループの研究開発への取組み
自社コア技術の注力領域としてロボティクス、センシング、パワーエレクトロニクス、AI・データ解析の4領域に対し継続的な研究開発に取組んでいます。
当社グループのコア技術に関する情報はこちらをご覧ください。
https://www.omron.com/jp/ja/technology/technology/
ロボティクスにおいては、2023年7月より中外製薬株式会社様、オムロン サイニックエックス株式会社、当社の3社による共同研究として、ラボオートメーションシステムの実現に向けた実証実験を開始しています。創薬研究の生産性向上、実験データの品質向上、ならびに新たな実験活動を実現する研究工程の自動化において、既存システムより自由度、汎用性、人との共存性の高い柔軟なラボオートメーションシステムの実現を目指しています。
パワーエレクトロニクスにおいては、技術・知財本部と社会システム事業の開発部門が連携し開発した、電気自動車を大容量の蓄電池システムと見立て住宅や施設で活用可能とするV2Xシステムを発売いたしました。同システムは、次世代半導体デバイスGaN(窒素ガリウム)をV2Xシステムに先進的に活用したことで国内最小最軽量クラス(注1)を実現し、これまで設置が難しかった狭小地等への設置が可能になりました。
(注1) EV・PHEV向けパワーコンディショナメーカー各社公開の商品情報に基づき、当社で独自調査を行ったもの(2022年12月現在)
センシングとAI・データ解析においては、継続的な研究開発活動に加え、学会等での社外発信を積極的に行い、製造現場などで扱うワイヤーなどの線形状物体が重なり合っていても輪郭を高精度に検出する手法に関する論文(注2)が、公益社団法人 精密工学会「2023年度 精密工学会髙城賞」を受賞いたしました。
(注2) 論文タイトル:「線形状物体における高精度な形状予測のためのインスタンスセグメンテーションモデル」
また、技術・知財本部に属する研究子会社であるオムロン サイニックエックス株式会社においては、ディープラーニングモデルの「トランスフォーマー」を活用した無機材料の結晶構造の生成に関する手法を提案した論文(注3)、機械学習分野のトップカンファレンスであるICLR2024で採択されました。この成果は、これまで研究者が試行錯誤により行っていた材料開発の効率化に期待されます。
(注3) 論文タイトル:「Crystalformer: Infinitely Connected Attention for Periodic Structure Encoding」
グループ全体の研究開発に関する費用の総額は、前連結会計年度は501億82百万円、当連結会計年度は501億44百万円です。なお、研究開発費には技術・知財本部で行っている技術開発費用65億10百万円が含まれています。
(2)知的財産活動
当社グループにおける知財活動は、技術・知財本部傘下の知的財産センタを中心に、長期ビジョンの実現に向けて知財・無形資産の活用と連結する価値創造ストーリーとしてビジネスモデルの具体化を進め、「独占排他型」と「共有共鳴型」を最適なバランスで組み合わせた"両利きの知財活動"を実行することを方針とし、その実践に取り組んでいます。
自社製品の売上やシェアを伸ばすことを目的として、知財を他者と共有せず独占することを原則とする知財活動のみならず、各事業の価値創造ストーリー実現に向け、パートナーとのアライアンスを重視しながら、必要な知財を相互にシェアすることで、ビジネスエコシステムを広げて市場の成長を促進しています。
その実現に向け、知的財産センタでは、知財で新たな価値を創り、届けることで当社グループを持続的な成長に導けるよう、ミッション&ビジョンを定め取り組みを進化させています。以下に、ミッションの達成に向けた具体的な知財活動事例を紹介します。
まず、事業創造の初期段階から知的財産センタが参画し、「IPランドスケープ」(注4)を通じて想定顧客のニーズ分析や技術課題を構造化しています。そして、事業仮説の具体化、開発テーマの設定において、仮説検証のサイクルを効率的に回すことで、事業・技術・知財の戦略を三位一体で策定・実行する環境を整えています。
(注4) IPランドスケープ:特許等の知財情報や非知財情報、社内情報等を俯瞰的に分析して、経営判断の戦略情報として活用するとともに、事業・技術戦略へフィードバックして戦略策定・実行を推進する手法
また、事業環境や社会環境が変化していく中で、コーポレートブランドの核である「OMRON」商標の使用範囲はグローバルに拡大しています。それに伴い、第三者によるECサイトでの模倣品販売、SNS上での偽アカウント等、巧妙な不正使用も増加しています。知的財産センタは、グローバル各国で「OMRON」商標を活用しながらブランディングを行うと共に、各拠点の知財部門と連携しながらブランド侵害のモニタリングを行い、各国の法律・制度も踏まえた対策を実施しています。2024年2月には、インドにおいて、「OMRON」が日本企業では16件目の著名商標(注5)に認定されました。今後さらに模倣品対策を強化し、オムロンブランドの維持・拡大を通じて顧客に安心・信頼を届けることに努めます。
(注5) 著名商標:対象国全土で高い認知度を有する商標として認定されるもの
このように、技術・知財本部では、磨き続けるコア技術の進化と両利きの知財活動の進化をもとに、ソーシャルニーズの創造を世に先んじて取り組んでまいります。
(3)事業セグメント別の研究開発活動
①インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)
当セグメントは、人を重労働から解放しエネルギー制御と融合させる「①人を超える自働化」、機械が人に寄り添い人の可能性を引き出し、人と機械が共に成長する「②人と機械の高度協調」、前述の2つのコンセプトを支える、現場の商品や人のナレッジ、そしてデータを繋ぎ、価値ある形に擦り合わせる「③デジタルエンジニアリング革新」のモノづくりコンセプトで研究開発に取り組んでいます。
これら3つのコンセプトを基に、デジタルデバイス、環境モビリティ、食品・日用品、医療、物流の5つの業界において、「顧客起点」で価値創造とグローバルの顧客への価値伝達を進めています。従来のモノ視点から、コト視点で俯瞰して顧客課題を捉えるようにシフトし「ソリューション」としての創出・提供に取り組んでいます。様々な先進コア技術やオムロンの幅広いFA商品群を起点にして、機能モジュールやソフトウェア、アプリケーション、サービスを体系的に構成し、各業界の顧客や工程に合わせて提供できるように技術や商品開発を強化しています。積極的に特許の出願や活用する取組みも強化し、”Top 100 Global Innovators”を8年連続で受賞しています。
加えて、新規技術獲得には、自社内だけで不足しているものは積極的にグローバルのスタートアップ企業や大学等も含めた産官学でのオープンイノベーションも進めています。
②ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)
当セグメントは、マーケティング部門と研究開発部門が一体となり、パーソナライズ医療の実現に向けて、真のユーザーニーズの把握・創出に努め、一層の開発スピードアップを目指しています。また研究開発部門は、一人ひとりの健康ですこやかな生活の実現に向け、脳・心血管疾患の発症ゼロを目指す「循環器事業」、喘息・COPD患者の重症化ゼロを目指す「呼吸器事業」、慢性痛による日常の活動制限ゼロを目指す「ペインマネジメント事業」の3事業領域において新しい価値を提供できる新商品の創出を目指しています。
当期の主な開発テーマとして、循環器事業においては、疾患の早期発見・治療に繋げることを目的として、血圧、脈拍、脈波、心電計測技術を搭載した心機能低下を捉える新たな血圧計の開発を進めるとともに、遠隔診療サービスのシステム開発・改善に取り組んでいます。
呼吸器事業においては、喘息やCOPDの患者を対象に、発作の予兆や症状を計測する機器の開発にパートナーと共に取り組んでいます。
ペインマネジメント事業においては、新たな鎮痛技術を搭載した低周波治療器の開発に取り組んでいます。
③ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)
当セグメントは、太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電システム、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、UPSなどのネットワーク保護といった、多岐にわたる端末・システムに対するお客様のニーズに応える商品開発に取り組んでいます。
エネルギーソリューション事業では、再生可能エネルギーへの一層の関心の高まりに応えるため、蓄電システムおよび太陽光発電用パワーコンディショナーを中心に高効率化や小型軽量化などの技術開発並びに発電した電力の自家消費ニーズに応える商品創出などに継続して取り組んでいます。
駅務システム事業、交通管制システム事業においては駅や道路など、公共の場における利用者の安心・安全・快適に貢献する商品として、AI技術・IoT技術を組み込んだ人や車の動きを検知するセンサー・システムの開発に取り組んでいます。
また、近年、社会課題となっている労働人口減少に対し、社会インフラにおける労働生産性を向上させる技術が求められる中、データサイエンス分野の技術力強化を進めています。
④デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)
当セグメントは、リレー、スイッチ、コネクターを中心としてエレクトロメカニカルコンポ商品および顔認証等の組込画像ソフト技術、光技術などを用いたセンシングコンポ商品、更にはモジュール化技術による高機能化を強みにお客様のニーズに応える新製品開発に取り組んでいます。モジュール化技術においてはセンサ開発を得意とするオムロンと予報精度No.1の技術を誇る株式会社ウェザーニューズの両社の強味を活かし、気温・湿度・気圧・雨量・風向・風速・照度の7つの気象要素を1分毎に観測する小型の気象IoTセンサである「ソラテナPro」を共創し開発しました。これにより現場の気象を見える化し、アプリを通して気象の変化をすばやく伝えるため、農業・建築・ドローン・物流・電力・食品小売など業界を問わず企業の安全対策や生産性向上などにご活用いただけます。また、気象における課題解決に貢献する製品として高い評価を獲得したことで、第66回「十大新製品賞」(主催: モノづくり日本会議、日刊工業新聞社)において、「日本力賞」を受賞することができました。「ソラテナPro」を通してデジタル化社会の促進や災害リスクの低減を支援することで、持続可能な社会づくりに貢献していきます。
⑤データソリューションビジネス(データソリューション事業)
当セグメントは人材やテクノロジーに積極的に投資し、医療ビッグデータを活用した新しい取組みやサービス開発にチャレンジし続けます。ヘルスケアデータの収集のためのサービス開発とヘルスケアデータの利活用方法の開発を目的にアカデミアとの連携を含めた研究開発活動を実施しています。また、ディープラーニングを中心とするAIテクノロジーを用いた診断アシストエンジンを日々の読影の中で活用できるようにする診断アシストプラットフォーム「AI-RAD」の開発に取り組んでおります。
(1)当社グループの研究開発への取組み
自社コア技術の注力領域としてロボティクス、センシング、パワーエレクトロニクス、AI・データ解析の4領域に対し継続的な研究開発に取組んでいます。
当社グループのコア技術に関する情報はこちらをご覧ください。
https://www.omron.com/jp/ja/technology/technology/
ロボティクスにおいては、2023年7月より中外製薬株式会社様、オムロン サイニックエックス株式会社、当社の3社による共同研究として、ラボオートメーションシステムの実現に向けた実証実験を開始しています。創薬研究の生産性向上、実験データの品質向上、ならびに新たな実験活動を実現する研究工程の自動化において、既存システムより自由度、汎用性、人との共存性の高い柔軟なラボオートメーションシステムの実現を目指しています。
パワーエレクトロニクスにおいては、技術・知財本部と社会システム事業の開発部門が連携し開発した、電気自動車を大容量の蓄電池システムと見立て住宅や施設で活用可能とするV2Xシステムを発売いたしました。同システムは、次世代半導体デバイスGaN(窒素ガリウム)をV2Xシステムに先進的に活用したことで国内最小最軽量クラス(注1)を実現し、これまで設置が難しかった狭小地等への設置が可能になりました。
(注1) EV・PHEV向けパワーコンディショナメーカー各社公開の商品情報に基づき、当社で独自調査を行ったもの(2022年12月現在)
センシングとAI・データ解析においては、継続的な研究開発活動に加え、学会等での社外発信を積極的に行い、製造現場などで扱うワイヤーなどの線形状物体が重なり合っていても輪郭を高精度に検出する手法に関する論文(注2)が、公益社団法人 精密工学会「2023年度 精密工学会髙城賞」を受賞いたしました。
(注2) 論文タイトル:「線形状物体における高精度な形状予測のためのインスタンスセグメンテーションモデル」
また、技術・知財本部に属する研究子会社であるオムロン サイニックエックス株式会社においては、ディープラーニングモデルの「トランスフォーマー」を活用した無機材料の結晶構造の生成に関する手法を提案した論文(注3)、機械学習分野のトップカンファレンスであるICLR2024で採択されました。この成果は、これまで研究者が試行錯誤により行っていた材料開発の効率化に期待されます。
(注3) 論文タイトル:「Crystalformer: Infinitely Connected Attention for Periodic Structure Encoding」
グループ全体の研究開発に関する費用の総額は、前連結会計年度は501億82百万円、当連結会計年度は501億44百万円です。なお、研究開発費には技術・知財本部で行っている技術開発費用65億10百万円が含まれています。
(2)知的財産活動
当社グループにおける知財活動は、技術・知財本部傘下の知的財産センタを中心に、長期ビジョンの実現に向けて知財・無形資産の活用と連結する価値創造ストーリーとしてビジネスモデルの具体化を進め、「独占排他型」と「共有共鳴型」を最適なバランスで組み合わせた"両利きの知財活動"を実行することを方針とし、その実践に取り組んでいます。
自社製品の売上やシェアを伸ばすことを目的として、知財を他者と共有せず独占することを原則とする知財活動のみならず、各事業の価値創造ストーリー実現に向け、パートナーとのアライアンスを重視しながら、必要な知財を相互にシェアすることで、ビジネスエコシステムを広げて市場の成長を促進しています。
その実現に向け、知的財産センタでは、知財で新たな価値を創り、届けることで当社グループを持続的な成長に導けるよう、ミッション&ビジョンを定め取り組みを進化させています。以下に、ミッションの達成に向けた具体的な知財活動事例を紹介します。
まず、事業創造の初期段階から知的財産センタが参画し、「IPランドスケープ」(注4)を通じて想定顧客のニーズ分析や技術課題を構造化しています。そして、事業仮説の具体化、開発テーマの設定において、仮説検証のサイクルを効率的に回すことで、事業・技術・知財の戦略を三位一体で策定・実行する環境を整えています。
(注4) IPランドスケープ:特許等の知財情報や非知財情報、社内情報等を俯瞰的に分析して、経営判断の戦略情報として活用するとともに、事業・技術戦略へフィードバックして戦略策定・実行を推進する手法
また、事業環境や社会環境が変化していく中で、コーポレートブランドの核である「OMRON」商標の使用範囲はグローバルに拡大しています。それに伴い、第三者によるECサイトでの模倣品販売、SNS上での偽アカウント等、巧妙な不正使用も増加しています。知的財産センタは、グローバル各国で「OMRON」商標を活用しながらブランディングを行うと共に、各拠点の知財部門と連携しながらブランド侵害のモニタリングを行い、各国の法律・制度も踏まえた対策を実施しています。2024年2月には、インドにおいて、「OMRON」が日本企業では16件目の著名商標(注5)に認定されました。今後さらに模倣品対策を強化し、オムロンブランドの維持・拡大を通じて顧客に安心・信頼を届けることに努めます。
(注5) 著名商標:対象国全土で高い認知度を有する商標として認定されるもの
さらに、戦略に基づき出願から活用までシームレスに繋げる「知財サイクル」を回すことで、特許等の知財権を侵害する企業に対して、国内外を問わず警告や訴訟提起を行う等の対応を徹底しています。また、事業部門がお客様に新たなソリューションを提案する中で、知財・無形資産がオムロン製品・サービスの競争力の源泉となっていることをお伝えし、お客様との共創によって、オムロンならではの価値を生み出せることをご理解いただくことにも取り組んでいます。 これらの知財活動が評価され、オムロンは、世界で最も革新的な企業・研究機関を選出する「Top100 グローバル・イノベーター」(クラリベイト社)に8年連続で選出されています。 |
(3)事業セグメント別の研究開発活動
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
金額(百万円) | |
インダストリアルオートメーションビジネス | 25,897 |
ヘルスケアビジネス | 8,273 |
ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス | 4,340 |
デバイス&モジュールソリューションズビジネス | 4,939 |
データソリューションビジネス | 185 |
本社他 | 6,510 |
合計 | 50,144 |
①インダストリアルオートメーションビジネス(制御機器事業)
当セグメントは、人を重労働から解放しエネルギー制御と融合させる「①人を超える自働化」、機械が人に寄り添い人の可能性を引き出し、人と機械が共に成長する「②人と機械の高度協調」、前述の2つのコンセプトを支える、現場の商品や人のナレッジ、そしてデータを繋ぎ、価値ある形に擦り合わせる「③デジタルエンジニアリング革新」のモノづくりコンセプトで研究開発に取り組んでいます。
これら3つのコンセプトを基に、デジタルデバイス、環境モビリティ、食品・日用品、医療、物流の5つの業界において、「顧客起点」で価値創造とグローバルの顧客への価値伝達を進めています。従来のモノ視点から、コト視点で俯瞰して顧客課題を捉えるようにシフトし「ソリューション」としての創出・提供に取り組んでいます。様々な先進コア技術やオムロンの幅広いFA商品群を起点にして、機能モジュールやソフトウェア、アプリケーション、サービスを体系的に構成し、各業界の顧客や工程に合わせて提供できるように技術や商品開発を強化しています。積極的に特許の出願や活用する取組みも強化し、”Top 100 Global Innovators”を8年連続で受賞しています。
加えて、新規技術獲得には、自社内だけで不足しているものは積極的にグローバルのスタートアップ企業や大学等も含めた産官学でのオープンイノベーションも進めています。
②ヘルスケアビジネス(ヘルスケア事業)
当セグメントは、マーケティング部門と研究開発部門が一体となり、パーソナライズ医療の実現に向けて、真のユーザーニーズの把握・創出に努め、一層の開発スピードアップを目指しています。また研究開発部門は、一人ひとりの健康ですこやかな生活の実現に向け、脳・心血管疾患の発症ゼロを目指す「循環器事業」、喘息・COPD患者の重症化ゼロを目指す「呼吸器事業」、慢性痛による日常の活動制限ゼロを目指す「ペインマネジメント事業」の3事業領域において新しい価値を提供できる新商品の創出を目指しています。
当期の主な開発テーマとして、循環器事業においては、疾患の早期発見・治療に繋げることを目的として、血圧、脈拍、脈波、心電計測技術を搭載した心機能低下を捉える新たな血圧計の開発を進めるとともに、遠隔診療サービスのシステム開発・改善に取り組んでいます。
呼吸器事業においては、喘息やCOPDの患者を対象に、発作の予兆や症状を計測する機器の開発にパートナーと共に取り組んでいます。
ペインマネジメント事業においては、新たな鎮痛技術を搭載した低周波治療器の開発に取り組んでいます。
③ソーシアルシステムズ・ソリューション&サービス・ビジネス(社会システム事業)
当セグメントは、太陽光発電用パワーコンディショナー、蓄電システム、自動改札機や券売機などの駅務システム、交通管制システム、決済システム、UPSなどのネットワーク保護といった、多岐にわたる端末・システムに対するお客様のニーズに応える商品開発に取り組んでいます。
エネルギーソリューション事業では、再生可能エネルギーへの一層の関心の高まりに応えるため、蓄電システムおよび太陽光発電用パワーコンディショナーを中心に高効率化や小型軽量化などの技術開発並びに発電した電力の自家消費ニーズに応える商品創出などに継続して取り組んでいます。
駅務システム事業、交通管制システム事業においては駅や道路など、公共の場における利用者の安心・安全・快適に貢献する商品として、AI技術・IoT技術を組み込んだ人や車の動きを検知するセンサー・システムの開発に取り組んでいます。
また、近年、社会課題となっている労働人口減少に対し、社会インフラにおける労働生産性を向上させる技術が求められる中、データサイエンス分野の技術力強化を進めています。
④デバイス&モジュールソリューションズビジネス(電子部品事業)
当セグメントは、リレー、スイッチ、コネクターを中心としてエレクトロメカニカルコンポ商品および顔認証等の組込画像ソフト技術、光技術などを用いたセンシングコンポ商品、更にはモジュール化技術による高機能化を強みにお客様のニーズに応える新製品開発に取り組んでいます。モジュール化技術においてはセンサ開発を得意とするオムロンと予報精度No.1の技術を誇る株式会社ウェザーニューズの両社の強味を活かし、気温・湿度・気圧・雨量・風向・風速・照度の7つの気象要素を1分毎に観測する小型の気象IoTセンサである「ソラテナPro」を共創し開発しました。これにより現場の気象を見える化し、アプリを通して気象の変化をすばやく伝えるため、農業・建築・ドローン・物流・電力・食品小売など業界を問わず企業の安全対策や生産性向上などにご活用いただけます。また、気象における課題解決に貢献する製品として高い評価を獲得したことで、第66回「十大新製品賞」(主催: モノづくり日本会議、日刊工業新聞社)において、「日本力賞」を受賞することができました。「ソラテナPro」を通してデジタル化社会の促進や災害リスクの低減を支援することで、持続可能な社会づくりに貢献していきます。
⑤データソリューションビジネス(データソリューション事業)
当セグメントは人材やテクノロジーに積極的に投資し、医療ビッグデータを活用した新しい取組みやサービス開発にチャレンジし続けます。ヘルスケアデータの収集のためのサービス開発とヘルスケアデータの利活用方法の開発を目的にアカデミアとの連携を含めた研究開発活動を実施しています。また、ディープラーニングを中心とするAIテクノロジーを用いた診断アシストエンジンを日々の読影の中で活用できるようにする診断アシストプラットフォーム「AI-RAD」の開発に取り組んでおります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01755] S100TOYL)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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