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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OEI0 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 オムロン株式会社 事業等のリスク (2022年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

(1) グローバルな事業活動を支える統合リスクマネジメント
当社グループでは統合リスクマネジメントというグループ共通のフレームワークでリスクマネジメントを行っています。経営・事業を取り巻く環境変化のスピードが上がり、不確実性が高くなる中で変化に迅速に対応するためには、リスクへの感度を上げ、リスクが顕在化する前に察知し、打ち手を講じていく必要があるためです。
現場だけでは対処できない環境変化から生じる問題を、現場と経営が力を合わせて解決する活きたリスクマネジメントを目指し、グローバルでPDCAサイクルを回しながら、当活動の質の向上を図っています。
長期ビジョン「SF2030」を実現していくため、企業理念やルールを守りつつ、いかに効率的、効果的で迅速なリスク判断を現場ができる仕組みを構築するかという点も重要なテーマとして、取組みを進めています。

(2) 統合リスクマネジメントの仕組みと体制
統合リスクマネジメントの枠組みは、グローバルリスクマネジメント・法務本部が主管する社内規定(オムロン統合リスクマネジメントルール)にまとめ、グループ経営におけるリスクマネジメントの位置づけを明確にしています。経営と現場が一体となってグローバルの活動を推進するため、リスクマネージャを本社部門、各事業部門、海外の地域統括本社、国内外の各グループ会社で任命(約160名)しています。
リスクマネージャを構成員とする企業倫理・リスクマネジメント委員会(原則年4回開催)や、危機発生時に設定する緊急対策本部を通じて以下の対応を実行しています。また、その実行状況は定期的に執行会議や取締役会に報告を行っています。
主な活動は次の3点です。
・環境変化をタイムリーに把握して、関係者で共有し、適時に影響評価を行うこと
・定期的に、グローバルにリスクを分析して重要リスクを洗い出し、対策をとること
・リスクが顕在化し、危機が発生した場合は、即時に報告し危機対策を講じること


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(3) 経営、事業を取り巻くリスクとその分析
当社グループでは、長期ビジョン「SF2030」において、「新たな社会・経済システムへの移行」に伴い生じる社会的課題を解決するため、社会的課題に影響を与える因子を踏まえ、「事業のトランスフォーメーション」と「企業運営・組織能力のトランスフォーメーション」に取り組んでおり、これらを遂行する中で対処すべき重要な要素を、リスクと捉えています。
当社グループは、主要なリスクに対して年1回以上定期的に、リスクへの対策の妥当性・十分性および顕在化しているリスク事案の内容を総合的に分析して、リスクのランクを設定しています。リスクのうち、当社グループを運営する上で、グループの存続を危うくするか、重大な社会的責任が生じうるリスクおよび重要なグループ目標の実現を阻害するリスクを「グループ重要リスク」に位置付け、そのうち最重要であるリスクをSランク、重要であるリスクをAランクと設定し、対策の実行状況やリスク状況の変化をモニタリングしています。
現時点で当社グループが設定するS・Aランクは以下のとおりで、以下の「グループ重要リスク」に対して適切な対策が講じられない場合、重大な社会的責任が生じたり、事業戦略の失敗につながり、結果的に企業価値が喪失する可能性があります。

製品の安定供給 *
事業継続(新型コロナウイルス感染症、自然災害)
地政学 *
サステナビリティ課題(気候変動) *
サステナビリティ課題(人権) *
ITシステム・情報セキュリティ
品質
グロ―バルコンプライアンス

会計・税務
人財・労務
M&A・投資
知的財産
新興国における事業展開 *


*…昨年度と比較して重要性が上がったテーマ


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(4) グループ重要リスクへの対応

① S 製品の安定供給
外部環境とリスクシナリオ
DX機器の普及、生産地分散の進行、地球環境保護に対する社会的な要請の高まりなどにより、グローバルで消費や投資の拡大が継続しています。
一方で、半導体等の部材不足や、コンテナ不足・通関の遅延等によるサプライチェーンの混乱は長期化しています。また、ロシア・ウクライナ情勢の悪化や中国ゼロコロナ政策による都市封鎖の影響も懸念されます。不足している部材の範囲が拡大し、調達量が必要量に届かない場合や、製品の物流リードタイムが大幅に長くなった場合、製品供給力が低下する可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループは、半導体製造、電気自動車、脱プラスチック対応、再生可能エネルギー関連などでの設備投資需要への拡大、また、高齢化の進行や健康意識の高まりにより血圧計などの健康機器への堅調な需要に応えることで、力強い成長を実現します。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
2021年度においては、部材が不足する中でも、機動的な設計変更や代替部材の調達、顧客への供給責任を果たすための航空便の拡大などにより、影響低減に努めました。
さらに、長期ビジョン「SF2030」では、半導体を中心とする調達先の拡大、設計変更による調達リスクの低い部材への切り替えを継続強化すると同時に、中長期的視点に立ち、よりレジリエンスを高めるためのサプライチェーン戦略の策定を進めます。


② S 事業継続(新型コロナウイルス感染症、自然災害)
外部環境とリスクシナリオ
事業継続リスクとして、新型コロナウイルス感染症を始めとした感染症が長期に渡って蔓延することによる集団感染の発生や、各国で感染症に対する厳格な防疫措置政策としての都市封鎖等は、事業活動へも大きく影響します。具体的には、自社工場の生産停止や、重要サプライヤーからの部品供給停止に関する情報の早期把握の遅れ等により顧客への長期にわたる製品供給が停滞する可能性があります。
また、近年の気候変動に伴う大規模な自然災害や巨大地震、取引先の大規模火災など予期できない災害等が発生した場合、社会インフラ・経済活動の大規模停止や、重要サプライヤーからの長期にわたる部品供給停止等により、事業活動の一部停止や縮小等が生じる可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループは、中国・アジアをはじめとして海外に生産拠点を持ち、各国の営業拠点等を通じて製品をグローバルの顧客に供給しています。また、当社グループの部品等のサプライチェーンは材料調達から生産組立て工程までグローバルに展開しています。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症については、2019年度から引き続き、社長を対策本部長とする対策本部を設置し、社員の健康と安全の確保、該当拠点地域への感染拡大防止を最優先とし、対応を行っています。また、新型感染症事業継続計画をもとに、各国政府・地域の法令・指導も踏まえて、感染防止措置等を継続しています。当社グループは、新型コロナウイルス感染症と共存する「ウィズ・コロナ」を前提に、オフィスワークとリモートワークを最適・柔軟に組み合わせた勤務形態に移行し、業務に応じて最も効果的・効率的な働き方の実践を進めています。
また、自然災害などに備え、必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧のため、生産はもとより、購買調達、物流、ITを含めた事業継続計画を策定し、対策を整備、強化しています。さらに、災害に備えた社員の安否確認システムの運用、事業所での非常食や飲料水の備蓄や有事を想定したシミュレーション・訓練などにより、その実効性を高めています。サプライチェーンでの有事に対しては、発災後速やかに部品供給リスクを把握する仕組みの構築や、重要度に応じた戦略的部品在庫の確保などの手立てを講じています。
[主な取組み]
・新型感染症事業継続計画に基づく対策の施行
・新型感染症発生状況・出社率等のモニタリング
・事業継続計画の策定と更新/シミュレーション・訓練の実施
・サプライヤーの生産地情報の一元管理、代替え生産拠点の評価体制整備
・第三者情報を活用した市場・部材情報の把握と分析
・重要度に応じた部品在庫の確保
・緊急時のエスカレーションルートの整備




③ S 地政学リスク
外部環境とリスクシナリオ
地政学リスクとして、米中をはじめとする二国間関係やロシア・ウクライナ情勢を巡る多国間関係など、国際関係は変化が増しています。
そのような中、各国の経済安全保障政策が強化され、最先端技術の国外への流出を阻止するための法規制や制裁・法規制の対象となった企業との輸出入取引や資金決済が停止となる可能性があります。また、各国で保護主義的な関税政策が行われた場合、価格競争力が低下する可能性があります。
また、戦争・紛争が発生した場合には、該当地域における長期事業停止や事業撤退等、その他、企業活動を行う上で予期しない政策および法規制等の変更に直面するリスクがあります。
これらの情勢変化や政策に適切に対応できない場合、法的紛争や行政罰、さらにブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループは、中国・アジアをはじめとして海外にも生産拠点を持ち、各国の営業拠点等を通じて製品をグローバルの顧客に供給しています。
長期ビジョン「SF2030」においても、中国やインド市場への強化など、更なるグローバル展開を加速します。
また、AI・IoT・ロボット等の最先端技術による新規事業の創造や社会システム事業における公共輸送や交通安全といった社会インフラに関する事業を進めています。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
地政学リスクに対しては、グローバルで政治・経済情勢や法規制の動向を定期的にモニタリングし、エリア毎の事業環境の変化や業績影響を定期的に把握しています。また最適な生産、研究開発、知的財産管理の在り方や、法規制の変化を捉えて各事業への影響を早期に分析・洞察する体制等の検討を行っています。近年影響が高まっている各国の輸出規制については、グローバルリスクマネジメント・法務本部が輸出管理全社委員会を運営し、適正な安全保障取引管理を実行しています。
2021年度においては、外部の専門家による政策動向や法規制調査の実施、ロシア・ウクライナ情勢への対応、執行会議への定期的な議論・報告や取締役会においても重点テーマとして取り上げ議論を行いました。
長期ビジョン「SF2030」においては、不確実性の高い地政学リスクに先行して対応するため、各国の情勢分析の強化等の取組みを進めます。
[主な取組み]
・主要国の関税引上げや安全保障貿易管理に基づく輸出規制、新興技術等に対する取引制限等の政策に対する分析と評価
・取引形態やサプライチェーンの見直し
・製品を複数拠点で並行して生産する体制の構築




④-1 S サステナビリティ課題(気候変動)
外部環境とリスクシナリオ
年々激甚化する自然災害や生物種の喪失などを受けて、気候変動への取組みは地球レベルでの社会課題となっており、企業に対しても脱炭素社会に向けたバリューチェーンにおける温室効果ガス排出量の削減や、製品・サービスの環境配慮につながる取組みが求められています。
一方で、欧米をはじめとして気候変動対応や環境政策に関する法規制やそれらへの取組みの開示が強化されるとともに顧客やサプライヤーを含め社会全体から脱炭素への取組みに対する要求が加速しています。
そのような中、各国の法規制強化に伴うエネルギー価格の上昇や省エネ・再エネ対応の追加設備投資、炭素税導入の影響により事業コストが増加する可能性があります。また、自社やサプライヤーにおいて顧客からの要求や法規制への適切な対応が取れない場合、顧客取引の停止や行政罰、事業機会の損失が生じる可能性があります。さらに、気候関連情報の開示への対応体制が不十分であることにより、ステークホルダーが求める要求水準を満たせず、ブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループは、グローバルに事業拠点を持ち、取引するサプライヤーも多国にわたっています。長期ビジョン「SF2030」においては、「カーボンニュートラル社会の実現」を目指し、脱炭素・環境負荷低減に向けて温室効果ガスの排出量削減に取り組んでいきます。また、資源枯渇や環境破壊の問題を解決するため「製品寿命の延長」「回収・リサイクルの拡大」などによる「循環経済への移行」や、将来世代を含めた人類の健康で文化的な活動機会を守っていくため「適正な化学物質の管理」「生物多様性の保全」などによる「自然との共生」にも取り組んでいきます。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
気候変動リスクに対して、2021年度にオムロンが取り組むべき重要な環境課題と行動指針を明示した「オムロン環境方針」を改定しました。バリューチェーンを俯瞰した責任体制としては、社長から権限委譲されたグローバル人財総務本部長、グローバル購買・品質・物流本部長、各事業部門長がそれぞれ責任を持って環境への対応を推進します。環境に関する重要な事項については、取締役会で決定します。決定された事項の執行状況を社長が取締役会に報告し、取締役会が監視・監督します。
当社グループは、2019年度に「オムロンカーボンゼロ」を宣言し、2050年に自社からの温室効果ガス排出量ゼロを目指しており、その目標達成に向けて毎年、着実に排出量を削減してきました。長期ビジョン「SF2030」においてもスコープ1・2・3(注1)ごとに数値目標を設定し、温室効果ガスの排出量削減の動きを加速させていきます。具体的には、オムロンの事業活動により排出される温室効果ガスを対象としたスコープ1・2では「省エネ・創エネの拡大」と「国内全拠点のカーボンゼロの実現」を通じて、削減に取り組んでいきます。お客様がオムロン製品を使う事で排出される温室効果ガスを対象としたスコープ3カテゴリー11(注2)では、脱炭素化に向けた製品設計の見直しや、新製品の省エネ化に各事業部門で取り組んでいきます。
なお、当社グループは、2019年にTCFD(注3)への賛同を示しており、2021年度に各事業におけるシナリオ分析を行い、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの項目に沿った当社グループの取組みを開示しております(TCFDの取組みについては(5)TCFD提言に沿った情報開示参照)。
[主な取組み]
・「オムロン環境方針」の改定
・脱炭素・環境負荷低減の実現
-「オムロンカーボンゼロ宣言」
-スコープ1・2・3ごとの温室効果ガス排出量の削減
・TCFDへの賛同と枠組みに沿ったシナリオ分析および情報開示
(注1)スコープ1・2: 自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス
スコープ3: 自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出
(注2) スコープ3カテゴリー11:スコープ3のうち製造・販売した製品・サービス等の使用に伴う排出
(注3)TCFD:Task-force on Climate-Related Financial Disclosures



④-2 S サステナビリティ課題(人権)
外部環境とリスクシナリオ
SDGsへの関心の高まりから、人権に対して十分配慮された商品やサービスを選択・購入する消費行動が広がっています。また、生命の安全や健康配慮など人権に配慮した活動は、働く人々のパフォーマンス向上にもつながります。
一方で、主に開発途上国での強制労働、児童労働、低賃金や未払い、長時間労働、安全や衛生が不十分な労働環境などの問題に対し、自社だけではなくバリューチェーンを通じて企業が一定の責任を果たすことが社会全体から求められており、人権関連法規制の制定が各国で加速しています。また、AIなど新興技術の普及が進む中、新興技術にかかる倫理的問題が社会課題となっています。
このような人権課題への対応はグローバルで社会課題を解決する企業にとって、ビジネスライセンスとなっています。
バリューチェーン上の人権課題に対し、適切な対応が取られていない場合、顧客との取引の停止や行政罰、また、ブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。また、AI等の新興技術を活用する上で法規制への対応が不十分であることなどにより、開発テーマの停止や、レピュテーションリスクが発生する可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループは、グローバルに事業拠点を持ち、取引するサプライヤーも多国にわたっています。また、長期ビジョン「SF2030」では、AI・IoT・ロボット等の最先端技術を活用した事業に積極的に取り組んでいくため、AI倫理等の人権課題が発生する可能性があります。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
人権リスクに対して、2021年度において、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」の内容に沿った「オムロン人権方針」を制定しました。バリューチェーンを俯瞰した責任体制としては、社長から権限委譲されたグローバル人財総務本部長、グローバル購買・品質・物流本部長、各事業部門長がそれぞれ責任を持って人権尊重への対応を推進します。人権尊重へのコミットメントを果たす上で重要な事項については、取締役会で決定し、決定された事項の執行状況を社長が取締役会に報告し、取締役会が監視・監督します。
また、人権関連法規制の対応としては、「英国現代奴隷法への声明」を表明しており、当社グループの人権取組みの公表を行っております。
なお、これまでも自社生産拠点および重要サプライヤーを対象にしたRBAリスク評価の実施、サプライヤーへのサステナブル調達ガイドラインに基づく適切な管理を求めること等により人権リスクへの対応を行ってきましたが、長期ビジョン「SF2030」では、対象をバリューチェーン全体に拡げ、人権デューディリジェンスの実施やグローバルにおけるバリューチェーンの人権救済メカニズムの構築に向けて、サステナビリティ推進室を中心とした全社横断プロジェクトを組成し、グローバルでの人権ガバナンス体制の確立を目指していきます。(取組の詳細は「第2事業の状況1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)SF 1st Stage中期経営計画(ⅲ)サステナビリティへの取組み強化参照)
また、「テクノロジーの倫理的な活用」を重要な人権課題と設定し、AI・ロボティクス・IoTなどのテクノロジーが人権に与える影響を理解し、テクノロジーの適切な活用を推進していきます。
[主な取組み]
・「オムロン人権方針」の策定
・英国現代奴隷法対応公表
・内部通報制度をグローバルで運用
・RBAアセスメントツールを活用したリスク評価
・サプライヤーに対するサステナブル調達ガイドラインの提示、遵守状況確認



⑤ S ITシステム・情報セキュリティ
外部環境とリスクシナリオ
社会のデジタル化が進む中、企業においてもDXとデータの利活用による生産性の向上や社会課題の解決が期待されています。
一方で、サイバー攻撃の脅威が急速に高まっており、その対策が脆弱であった場合、個人情報・秘密情報の漏えいや、サーバダウンなどによる事業停止を引き起こす可能性があります。
また、プライバシー保護の要請や各国の政策により、グローバルで個人情報・データ保護法規制の制改定や運用の強化が行われる中、事業運営において違反が発生した場合には、社会からの信頼を喪失し、事業が行えなくなったり、多額の罰金が課されたりする可能性があります。
共創等による技術開発において情報管理が不十分であった場合、不正な持ち出しや漏えいにより事業競争力が失われる可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループでは、グローバルで様々なシステムを構築・運用しております。現在はオムロン全社の最重要プロジェクトの一つとしてデータドリブンな企業運営への進化を可能とする経営システムの構築を目的とした「コーポレートシステムプロジェクト(以下 CSPJ)」を推進しています。CSPJは、IT基盤の刷新のみならず、業務プロセスの標準化や将来的なデータ活用までも視野に入れた取組みです。
また、当社グループでは、事業上重要な情報および、事業の過程で入手した個人情報や、取引先の秘密情報などを保有しています。長期ビジョン「SF2030」においては、例えば、ヘルスケア事業におけるグローバルの遠隔診療サービス展開でのデータの活用をはじめとして、「モノとサービス」を組み合わせたビジネスモデルを進化する中で、データプラットフォームの構築を推進していきます。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
ITシステム・情報セキュリティリスクに対しては、CFOを統括役員とするサイバーセキュリティ統合会議を開催し、グローバル標準のサイバーセキュリティフレームワークに基づき、セキュリティレベルを評価し、課題に対応しています。また、情報セキュリティおよび個人情報保護に関するグループルールを整備し、情報の重要度ランクに応じた取得から利用、廃棄に至る管理策を定めるとともに、インシデント発生時の円滑かつ迅速に対応可能な体制を構築し、運用しています。
2021年度においては、PCの不審な挙動を監視する対策を強化するなど、ゼロトラストモデル(注1)への移行を進めました。また、2022年4月1日に施行された改正個人情報保護法への対応として、プライバシーポリシーやルール・各種手順の見直し、および全社員教育を実施しました。
引続き、サイバー攻撃に対する危機管理体制の強化や各国個人情報・データ保護規制の変化に迅速に対応するグローバル体制の再構築を進めます。
[主な取組み]
・NIST-CSF(注2)に基づく対策の評価とゼロトラストモデルへの移行
(社内アプリ認証強化・異常の検知・分析運用の開始・インターネット通信の制限強化)
・情報セキュリティルールに基づく情報の取扱の徹底
(利用、保管、廃棄、事故発生時の対処の運用など)
・個人情報・データ保護法規制の把握と情報セキュリティルールの改正を含む個人の権利を保護するための対応実施
・情報リテラシー向上のための社員教育
・サイバーアタック訓練の実施
・Webサイトの脆弱性診断
(注1)ゼロトラストモデル:人もネットワークもデバイスも信用しない「決して信頼せず、必ず確認せよ」というコンセプトを基本としたセキュリティ・モデル。
(注2)NIST-CSF:米国国立標準研究所(NIST)が2014年に発行したサイバーセキュリティフレームワーク(CSF)。汎用的かつ体系的なフレームワークで、米国だけでなく世界各国が準拠を進めている。



⑥ S 品質
外部環境とリスクシナリオ
社会課題の解決の手段として、企業の新規性の高い製品やサービスの提供への期待が高まっています。
一方で、製品の安全性・正確性の確保に対しても高い基準が求められます。製品の不具合発生時の報告や対策、欧州のRoHS指令(注1)や米国のTSCA(注2)をはじめとする製品に含有する化学物質規制や、米国のUL認証(注3)等の製品安全関連の法規制・規格等はグローバルで厳格化しています。また、製品のネットワーク化の拡大やサイバー攻撃の脅威も高まっています。そのような中で、製品の設計・検査の不備、不適切な顧客対応や報告が行われた場合や、法規制・規格等の遵守不備があった場合、大規模リコール、ブランドに対する社会的信頼の喪失や、製品の生産・流通の停止等が生じる可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループは、センシング&コントロール+Thinkをコア技術として事業に取り組んできました。
長期ビジョン「SF2030」においても、このセンシング&コントロール+Thinkを進化させ、「モノ」だけではなく、「モノ」と「サービス」の組合せによる新たな価値の実現に取り組みます。例えば、制御機器事業における製造現場のデータ活用サービスi-BELTやヘルスケア事業におけるグローバルの遠隔診療サービスの展開などです。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
品質リスクに対しては、顧客満足の最大化を実現するため「品質第一」を基本に「品質基本方針」を定め、国際規格の要求事項をベースとした品質マネジメントシステムを確立しています。また、品質ガバナンスを推進するため、全社品質を主管するグローバル購買・品質・物流本部は全社品質長会議を運営しています。さらに、品質保証体制や品質保証活動および重大な品質問題が発生した際の管理に関するグループルールを整備し、運用しています。品質コンプライアンスに関しては、グローバルで変化する製品等に係る環境や安全関連の法規制、規格の動向を把握し、管理体制の強化を進めています。製品セキュリティに関しては、製品およびサービスについて外部からの脆弱性情報を受け付けた際の対応体制を整備してきました。
長期ビジョン「SF2030」においては、上記に加え、各事業において使用しているリチウムイオン電池、パワーデバイス等の品質リスクが高い技術について、それぞれのリスクに応じた未然防止のための品質技術の確立を目指します。また、製品セキュリティに関しては、外部コンサルティング会社を活用しながら、サプライチェーンを含む製品およびサービスのライフサイクルにおける体制の強化に取り組んでいきます。さらに、「モノ」から「モノとサービス」へのシフトも踏まえたサービス事業に適合した品質マネジメントシステムを確立し、品質感度や価値観を整合するためのナレッジ(サービス事業でのリスクマネジメントや品質取組み)の蓄積や活用のしくみ構築を目指します。
[主な取組み]
・ISO9001/ISO13485/IATF16949(注4)の取得・ビジネスカンパニーQMS(注5)監査(社内監査)と製品設計プロセスの課題解決活動
・製品等に係る環境や安全関連の法規制・規格の動向の把握、影響評価を行う管理体制の強化
・製品セキュリティの脆弱性情報管理体制 (PSIRT)の運用
(注1)RoHS指令:電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令
(注2)TSCA:有害物質の製造や輸入を規制する米国の法律
(注3)UL認証:有害米国の第三者安全科学機関であるUnderwriters Laboratoriesによる原材料や製品の信頼性・安全性に関する認証
(注4)ISO9001 :品質マネジメントシステム国際規格
ISO13485 :医療機器産業に特化した品質マネジメントシステム国際規格
IATF16949:自動車産業に特化した品質マネジメントシステム国際規格
(注5)QMS:品質マネジメントシステム



⑦ S グロ―バルコンプライアンス
外部環境とリスクシナリオ
企業の社会的影響力が強まる中、公正な取引に対する社会的要請が益々高まっています。独占禁止法令や贈収賄防止等のグローバルの法規制は厳格化するとともに、ITやAI等の進化や気候変動などの社会的課題への対応を踏まえた新たな法規制や運用の検討がされています。
これらの法規制等に違反したものと当局が発見または判断した場合には、課徴金等の行政処分、刑事処分または損害賠償訴訟の対象となり、また企業の社会的評価が悪影響を受ける可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループは、各国政府の許認可を含む製品・サービスをグローバルで展開しています。長期ビジョン「SF2030」においては、様々なビジネスパートナーとの共創によるイノベーティブな製品や、新たなビジネスモデルの開発を推進していきます。また、新興国を含むグローバルな社会課題の解決に積極的に取り組んでいきます。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、「社会的責任を果たす企業経営」において、企業倫理・コンプライアンスをその活動の重要課題の一つとして位置付けています。特にカルテル等の反競争的行為、贈賄その他重要なリスクについては、その発生を未然に防ぐための対応を重点的に実施しています。具体的には、経営の方針として「オムロングループマネジメントポリシー」を定め、さらに当社グループの役員・従業員の具体的行動指針を示したものとして「オムロングループ倫理行動ルール」を制定のうえ周知し、法令遵守の徹底を図っています。さらに企業倫理・コンプライアンスに関する推進責任者を任命し、企業倫理・コンプライアンスの推進を行うため、企業倫理リスクマネジメント委員会を設置しています。また、社長自ら企業倫理・コンプライアンスの徹底に関する指示を定期的に発信し周知徹底の機会を設けると共に、カルテル等の反競争的行為や贈賄をはじめ、企業倫理・コンプライアンスに関して、役員および従業員への定期的な研修等を行っています。
加えて、社内外に内部通報窓口を設置し、「オムロングループ倫理行動ルール」・就業規則・法令に違反する行為、またはそのおそれのある行為について、通報を受け付けています。法令・社内規定に従って通報内容を秘密として保持し、通報者に対する不利益な取扱いを行いません。
[主な取組み]
・「オムロングループ倫理行動ルール」の制定
・毎年10月のグローバル企業倫理月間等によるトップメッセージ発信と定期的なコンプライアンス教育
・グローバル内部通報制度の運用



⑧ A 会計・税務
外部環境とリスクシナリオ
社会課題の解決の手段としてのデジタル化の実現や企業の経済活動のグローバル化に伴い、今までにない財・サービスの提供や取引のボーダーレス化が加速する中、企業の税の透明性の確保や経済実態を財務諸表に正しく表すことが引続きステークホルダーから求められています。
そのような中、各国の租税法や移転価格税制、関税法、およびその他関連諸規定等の改正や当局の執行動向に適切な対応が行えなかった場合、もしくは、当局との法令等の解釈に相違が生じた場合、当局から多額の追徴や和解金の支払いが必要となる可能性があります。また、今までにないサービスや事業等を行うに際して、会計処理が適切に行われなかった場合、行政罰やブランドに対する社会的信頼の喪失につながる可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループは、グローバルに存在する顧客に対して取引を行っており、また国内外に子会社を119社(2022年3月末時点)有しており、グループ内でも相互に取引を行っております。さらに、長期ビジョン「SF2030」においては、成長戦略の一つに「モノ」だけではなく、「モノ」と「サービス」の組合せによる新たな価値の実現を目指し、コンサルティング、アフターサービス、オペレーションサービス等の多様なサービス展開を行います。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
会計・税務リスクに対しては、グローバル理財本部を中心に、グローバルで、財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムを含む会計・税務の適正性を担保するための体制・オムロングループルールを整備、運用し、外部専門家も活用しながら、各地域統括会社とも連携し対策を進めています。
税務については、「オムロングループサステナブル行動ポリシー・オムロングループ倫理行動ルール」において、税法などの法令を遵守し、適正な納税を行うことを定めています。2021年度には、「基本方針」、「適正な納税」、「移転価格税制への対応」、「タックスヘイブン対策税制」、「税務コンプライアンスの取組み」、および「税務当局との関係」について具体化した「税務方針」を取締役会で承認し、運用を行っております。
[主な取組み]
・現地法人と共に各国・地域における税制や当局の執行状況の変化への対応
・OECDの各種報告書や新しい国際課税ルールの整備状況などを踏まえた国際税務に係る方針の見直しを適宜実施
・関税コンプライアンス体制およびモニタリングの強化
・外部専門家等を活用した会計基準の定期的な情報収集と影響等の調査・対応




⑨ A 人財・労務
外部環境とリスクシナリオ
社会課題を解決するため企業が多様な人財の活躍によりイノベーションを創出することで、持続的な企業価値の向上につながることが期待されています。
一方で、高齢化に伴う労働人口の減少や、人財の獲得に向けた企業間の競争激化による専門人財の供給不足、さらには、個人のキャリアや働き方に対する価値観の多様化がより一層進み、人財の流動化が加速することが見込まれています。
そのような中、人財施策や人事制度の設計・運用が不十分である場合、適所適財で必要な人財を確保することが困難となることや、従業員のエンゲージメントの低下、更には労務トラブルの発生といったリスクが生じる可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループは、グローバルでの事業展開の加速、新事業・新技術におけるイノベーション創出のために、変化を先導するリーダーの獲得と育成、並びに各分野で必要とする高度な専門人財の獲得を行っています。長期ビジョン「SF2030」においては、人財戦略を策定し、DX等の重点分野や新規事業創造における専門人財獲得など、優秀な人財の獲得を強化し、人的創造性の向上を進めます。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
人財・労務リスクに対しては、グローバル人財総務本部が中心となり、「VOICE」(注)を通じて、グループ全体でのエンゲージメント調査を実施し、従業員の声に耳を傾け、組織課題を把握・特定し、課題解決のためのアクションを起こす取組みを実施しております。また、グローバルレベルで適所適財の配置を実施し、現場での意思決定を迅速に行うため、海外における重要ポジションの現地化推進などに取り組んできました。さらに、当社グループでは、企業倫理の浸透をモニタリングする仕組みの一つとして、内部通報制度を整備し運用しております。
長期ビジョン「SF2030」においては、事業戦略を実現するため、適正なポジションに適正な能力を持った人財を必要な人数配置する状態を目指す「人財ポートフォリオマネジメント」の導入や成長意欲ある人財への積極的な投資、市場競争力あるフェアな報酬を目指し、中期業績連動株式報酬のグローバル全マネジャーへの導入等を進めていきます。
[主な取組み]
・「VOICE」によるグループ全体でのエンゲージメント調査の実施と改善
・グローバルレベルで適所適財の配置
・海外における重要ポジションの現地化推進
・内部通報制度の運用



⑩ A M&A・投資
外部環境とリスクシナリオ
社会課題を解決する手段として、IoT、ビッグデータ、ロボット、AI等のテクノロジーの進化が求められる中、スタートアップ企業を始めとする技術力のある企業とのアライアンス、M&A、出資を通じたイノベーションの加速が期待されています。
一方で、デューディリジェンスが不十分であったり、想定した十分なシナジー効果や資本業務提携の取組が計画通り進まない場合や、PMI(Post Merger Integration)やガバナンスが適切に行われなかった場合に多額ののれんや投資の減損が発生する可能性があります。また、経済安全保障政策による投資規制やIT分野における独占禁止法の運用が強化される中、M&A、出資実行の長期化や計画の大幅な見直しが必要となる可能性もあります。
当社グループの事業と対策
当社グループでは、M&A・投資を将来の成長に必要な戦略と考えており、ポートフォリオマネジメント(注)のもとアライアンスや事業売却も進めながら、当社グループの企業価値向上を推進しています。
長期ビジョン「SF2030」においても、新規事業の創出等を行っていくため、オムロンが捉える社会的課題に共感・共鳴しあえるパートナーとの共創を重視し、積極的に実行して参ります。
なお、2021年度においては、“人と機械が協調するモノづくり現場”を創造し、製造現場における人手不足を解決するため、協調ロボットメーカーのテックマン・ロボット社への出資を実行しました。
また、ヘルスデータプラットフォームをコアに、イベントゼロをはじめとする健康増進・重症化予防ソリューションを社会実装するため、レセプト・健診などの医療データを保有するJMDC社との資本業務提携契約を締結しております。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
M&A・投資リスクに対しては、事業部門と本社部門および外部専門家から構成されるプロジェクトチームを組成し、対象企業の財務内容や契約内容の確認、経営陣との面談を通した詳細な事前審査等をもとに、当社グループとの協業によるシナジー効果とリスクを考慮した投資判断を行っています。また、買収や出資後も事業部門と本社部門が連携し、事業戦略とリスクを踏まえた計画を策定、実行しています。加えて、対象事業の業績、事業戦略の進捗、事業価値評価を取締役会において定期的にレビューしています。
[主な取組み]
・事業戦略に基づいたM&A・投資候補の探索、評価
・M&A・投資案件に応じた、デューデリジェンスや事業計画の策定
・取締役会における、買収や出資後の経済効果の具体的目標進捗のレビュー
(少なくとも年に1回)
(注)ポートフォリオマネジメント:現在約60ある事業ユニットに対して、経済価値の評価と市場価値の評価に基づいて事業を評価する取組み




⑪ A 知的財産
外部環境とリスクシナリオ
社会課題を解決する手段として、カーボンニュートラルやデジタル社会の実現が求められる中、オープンイノベーションを推進し、国際競争力の源泉となる知的財産・無形資産の活用が期待されています。
一方で、AI・IoT・ロボットなどの開発競争が激しい分野の研究を進める中で、第三者から知的財産権の侵害に対する主張を受け、事業の停止や巨額の損害賠償請求、和解のための解決金、知的財産権を使用するためのロイヤリティの支払が発生する可能性があります。
さらに、アライアンス先を含む第三者による当社の知的財産権の不正使用や侵害、またノウハウの流出を適切に防ぐことが出来なかった場合、競争力を喪失する可能性があります。
その他、ブランド管理については、第三者が当社グループのブランド名を不当に使用し、当社商品と類似した商品を製造・販売することにより損害を受ける可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループは、近未来デザインを起点としたソーシャルニーズの創造のため、知財ポリシーを定め、知財戦略を実行しています。長期ビジョン「SF2030」において、「慢性疾患の予防医療支援」、「1次・3次産業の自動化」、「カーボンニュートラルを実現するエネルギーソリューション」、「製造現場の高度化」といった新規事業創造を目指しており、その中で、他社と差異化できる技術について戦略的に特許化を行います。
また、モノ視点からコト視点への事業変化によって発明者の裾野が拡大していることから、技術者のみならず企画部門やプロダクトマネージャも対象に、顧客課題・社会課題を解決するコトビジネスの発明創出も推進しています。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
知的財産リスクに対しては、知財センタが中心となり、社内の全技術者向けの知財教育の実施や、研究開発および設計にあたって第三者の知的財産権の調査を実施しています。また、既存製品に関しても、当社グループ製品と第三者が保有する知的財産権、および第三者の製品と当社グループが保有する知的財産権との関係について分析・評価を実施しています。
一方、近年海外にて増加している、第三者による当社グループのブランド名の不当使用に対しては、定期的に模倣品摘発活動を市場やECサイトなどで実施しています。さらに、悪意を持った当社グループのブランド名と類似した商標権の取得を阻止する対応も行っています。
[主な取組み]
・第三者が保有する知的財産権への侵害調査
・当社グループ製品への第三者による知的財産権侵害の分析・評価
・模倣品のモニタリング
・類似した商標権の取得の阻止



⑫ A 新興国における事業展開
外部環境とリスクシナリオ
インド等の新興国市場においては、人口増加によって消費拡大が見込まれ、各種産業が成長している中、様々な社会課題も顕在化しています。
一方で、一部の新興国、地域においては法による統治機能が脆弱であったり、政情が不安定であることから、汚職や腐敗等が社会問題化する場合があります。これらの国、地域における事業運営において、ガバナンス不全や社内管理の不備により、法規制・コンプライアンス違反、不法行為、不正会計などが発生する可能性があります。
当社グループの事業と対策
当社グループは、グローバルに事業展開をしており、各国・地域にグループ会社を有しています。長期ビジョン「SF2030」においては、例えばヘルスケア事業において成長ポテンシャルの高いインドでの販売力強化等さらに需要の高い地域に密着した事業の拡大を推進します。
その中で、上記リスクシナリオに対して適切かつ充分な対策が取られなかった場合、長期ビジョン「SF2030」目標の実現、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、オムロングループ共通の法人運営、会計、IT統制等のルール(「オムロングループルール」)に基づくグループ会社におけるガバナンス体制の構築と運用を行っています。また、各機能主管部門におけるグローバルでの牽制とモニタリング、内部監査における改善指導等により、実効性の向上に努めております。さらに、地域統括会社毎のリスクマネジメントにより、エリア特性に応じた重要リスクへの対応を行っています。

これらのリスクは、経営・事業環境の変化が大きく、現在当社グループとして重点的に取り組んでいるテーマであり、投資家の皆様の判断にも重要な影響を及ぼす可能性がある事項と考えています。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月24日)現在において当社グループが判断したものです。



(5)TCFD提言に沿った情報開示
気候変動への対応
世界各地で異常気象による大規模な自然災害が多発する中、気候変動は当社が取り組むべき最重要課題であると捉え、2022年度からスタートした長期ビジョン「SF2030」において、「Shaping The Future 2030」というビジョンのもと、社会的課題「カーボンニュートラル社会の実現」に挑みます。
2019年2月に、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明以降、株主・投資家などのステークホルダーと当社の気候変動取組みについてのエンゲージメントを強化するため、TCFDのフレームワークに基づいた情報開示を進めています。

TCFD提言が推奨する4つの開示項目に沿った情報開示
TCFD提言は、すべての企業に対し、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの項目に基づいて開示することを推奨しています。当社グループは、TCFD提言の4つの開示項目に沿って、当社の気候関連への取組みを開示します。

①気候変動に関するガバナンス
・取締役会の役割・監視体制
当社グループでは、「オムロン コーポレート・ガバナンス ポリシー」において、TCFD等の枠組みに基づく気候変動リスクへの取組みを含むサステナビリティ方針・重要課題および目標について、取締役会が決定・開示することを明確に定めています。
気候変動に関するリスクや事業機会、目標や具体的な取組み施策については、執行会議およびサステナビリティ委員会で協議・決定・進捗管理・モニタリングを定期的に実施し、必要に応じて是正策を検討します。取締役会は、執行会議で協議・決定された内容の報告を定期的に受け、論議・監督を行っています。
また、2021年度から2024年度を対象とする社内取締役および執行役員の中長期業績連動報酬(株式報酬)(注)の評価指標の一部として、温室効果ガス排出量の削減目標、気候変動対応を含む第三者機関によるサステナビリティ指標(気候変動対応への評価含む)に基づく評価を組み込んでいます。
(注)詳細は「第4提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」参照

②気候変動に関する戦略
・短期・中期・長期の気候関連リスク・機会および対応
長期ビジョン「SF2030」および中期経営計画では、サステナビリティ重要課題「脱炭素・環境負荷低減の実現」を設定し、気候変動を「機会」と「リスク」の二側面で捉え、企業としての社会的責任の実践と更なる競争優位性の構築を図ります。
そして、気候変動による生態系および人間社会に対する深刻な影響の拡大を抑止するため、当社は「脱炭素に向けた製品・サービスの提供」、「モノとサービスを組み合わせたビジネスモデルの進化」、「パートナーとの共創」、「エネルギー効率の改善」、「再生可能エネルギーの使用拡大」などによりバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量削減に取り組んでいきます。
その中で、当社グループは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などが発表する「世界の平均気温が4℃以上上昇する」「世界の平均気温がパリ協定で合意した2℃未満の上昇に抑えられる(一部1.5℃以内)」の2つのシナリオで、リスクと機会を分析し、気候変動問題解決にはオムロンの対応が必要であると再確認しました。具体的には、インダストリアルオートメーションの分野において、i-Automation!を進化させ、地球環境との共存と、働く人々の働きがいも両立させるサステナブルな未来を支える製造現場を構築し、生産性とエネルギー効率を高めるオートメーションの実現を行います。また、ソーシャルソリューションの分野において、これまで太陽光発電や蓄電池の普及に貢献してきましたが、今後は、進化したエネルギー制御技術で発電の不安定さを解消し、再生可能エネルギーのさらなる普及に貢献します。またデバイス&モジュールソリューション分野では、製品の環境性能向上、およびカーボンフットプリント削減に係る関心の高まりによる電子部品事業部品の開発・提供も加速させます。その他にも社会と様々な接点を持つ当社グループは、社会の多くの場面でカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。シナリオ分析結果については、長期ビジョン「SF2030」および中期経営計画の戦略に反映し、対応を具体的に計画しています。

・想定期間 :SF2030期間(2030年度まで)
・採用シナリオ :・4℃シナリオ :IPCC/RCP8.5, IEA/STEPS
・1.5/2℃シナリオ:IPCC/RCP2.6, IEA/SDS(一部IEA/NZE)
・時間軸の定義 :短期:3年未満、中期:3年~10年未満、長期:10年~30年
・シナリオ分析対象:既存事業


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③気候変動に関するリスク管理
・リスクを評価・識別・管理するプロセス
当社グループは、当事業年度に各事業のシナリオ分析を実施し、気候変動影響による「移行リスク」「物理リスク」を網羅的に抽出しました。そして、抽出した気候変動に伴うリスクについて、採用シナリオごとに「顕在時期」「事業および財務への影響額」を可視化し、事業および財務への影響度を評価しました。評価を基に当社にとって重要な気候変動に伴うリスクを特定し、対応策を立案しました。リスクの特定、対応策の立案にあたっての重要事項は、取締役会へ報告しています。
また、2022年度以降も定期的にシナリオ分析を行い、リスク・対応策を更新していくとともに対応策の進捗状況のモニタリングを実施していきます。
・全社リスクマネジメントへの統合状況
当社グループは、リスクを全社的に管理する体制を構築することが重要であることを踏まえ、グループ共通のフレームワークで統合リスクマネジメントの取組みを行っています。気候変動リスクをグループ重要リスクと識別・評価し、シナリオ分析によるリスクと整合させ、取組みのモニタリングを行っています。

④気候変動に関する指標と目標
・気候変動のリスク・機会に関する指標
当社グループは、気候関連リスク・機会を管理するための指標として、Scope1・2・3(注1)の温室効果ガス排出量、および事業活動で使用する電力に占める再生可能エネルギーに関する指標を定めています。

・温室効果ガス排出量に関する目標及び実績(Scope1・2・3)
当社グループは、環境分野において、持続可能な社会をつくることが企業理念にある「よりよい社会をつくる」ことと捉え、2018年7月に、2050年にScope1・2について温室効果ガス排出量ゼロを目指す「オムロン カーボンゼロ」を設定しました。
そして2022年3月、オムロンはカーボンニュートラル社会の実現に向けて取組みを進化させ、Scope1・2については、削減シナリオを2℃シナリオからより積極的な1.5℃シナリオに変更しました 。また、Scope3カテゴリー11について、2030年に18%削減(2016年度比)という目標を新たに設定しました。これらの目標はSBTイニシアチブ(注2)の認定を受けています。
また、目標達成に向けて、オムロンは、引き続きエネルギー効率の改善を進めるとともに、自社のエネルギーソリューション事業が提供する再エネ由来のJ-クレジット(注3)や自己託送(注4)などを活用することで、2024年度にScope2についてオムロンの国内拠点のカーボンゼロ(注5)の実現を目指します。
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(注)1 Scope1・2:自社領域から直接的・間接的に排出される温室効果ガス
Scope3カテゴリー11:Scope3は自社のバリューチェーンからの温室効果ガスの排出。
そのうち、カテゴリー11は製造・販売した製品・サービス等の使用に伴う排出。
2 SBTイニシアチブ:Science Based Targets イニシアチブ:科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減の
中長期目標設定を推奨している国際的イニシアチブ
3 J-クレジット:環境価値 (CO2を排出しない効果)を国が認証する制度
4 自己託送:自家発電設備を保有する事業者が当該設備を用いて発電した電力を、一般送配電事業者の
送電網を介して遠隔地にある自社工場や事業所などに送電・供給し、電力を使用することが
可能となる電力供給制度
5 生産13拠点、非生産(本社・研究開発・販売)63拠点における自社の電力使用により排出される
GHG(Scope2)が対象
6 温室効果ガス排出量(Scope1・2)の2021年度の実績は、オムロンコーポレートサイトに掲載し、
ビューローベリタスジャパン株式会社による限定的保証業務により第三者保証を受ける予定です。
当該限定的保証業務は、いずれも国際監査・保証基準審議会の国際保証業務基準(ISAE)3000「過去
財務情報の監査又はレビュー以外の保証業務」に準拠した業務です。

従業員の状況研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01755] S100OEI0)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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