有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YBFV (EDINETへの外部リンク)
日本電気株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
NECグループは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会を目指しています。その実現に向けて、社会価値創造の軸となる既存事業を発展させる技術や、社会に新たな価値を提供しうる将来事業向けの先進的な技術を創出し、その事業化を加速することで、NECグループの持続的な発展を支えていきます。
当社は、「テクノロジー」と「イノベーション」による市場価値の創出をさらに推進する組織体制を目指して、2026年4月より、新たに「研究&事業開発関係部門」および「プロダクト&サービス関係部門」を発足させました。「研究&事業開発関係部門」は、研究開発、事業開発、知的財産の利活用等を担当し、「プロダクト&サービス関係部門」は、製品・サービスの提供、マーケティング戦略の立案、ビジネスプロセスの改革およびお客様を未来に導く価値創造モデル「BluStellar」の事業推進を担当します。今後、これらの部門を一体的に運営することにより、技術の進展が社会や産業にもたらす変化をいち早く捉え、市場のニーズに対応した製品・サービスを当社の最先端技術を用いて開発し、お客様に迅速にお届けします。さらに、NECグループでは、国内のみならず、北米や欧州等にも研究拠点を設置し、グローバルな知見を活用した研究成果を創出する体制を整えています。
研究開発については、AIやセキュリティの技術領域およびこれらを支えるプラットフォームの技術領域の強化に取り組んでいます。具体的には、AIの技術領域では、業務の自律化・高度化を担うAIエージェントの開発を進める一方で、AIの信頼性を担保する安全性・倫理性の高度な管理技術を確立し、人とAIが協調して働ける社会を推進していきます。セキュリティの技術領域では、AIを活用し、特定の業種やシステムへの攻撃傾向等をふまえて脅威情報を分析し、脅威の切迫度に応じた対処につながる知見の体系化に向けた技術開発を進めています。これにより、業種ごとに異なるリスク特性に応じた実効性の高いセキュリティ運用を支援していきます。また、高度な情報操作リスクに対処する技術の開発を通じて、デジタル社会における信頼性の確保と情報基盤の健全な発展に貢献します。プラットフォームの技術領域では、経済安全保障の観点からも重要性が高まる光海底ケーブルシステム技術や量子暗号通信などのセキュアなネットワーク技術を用いて、より信頼性と安全性の高い社会インフラの構築・維持に努めます。
当社では、これらの最先端技術を「クライアントゼロ(最初の顧客)」として自社で使いこなして知見を蓄える取り組みに活用しています。当該取り組みを通じて得られた実証的な知見は、お客様を未来に導く価値創造モデル「BluStellar」における製品・サービス群に組み込み、社会およびお客様に対する新たな価値提供へとつなげています。
NECグループにおける研究開発活動は、NECグループの競争力の源泉であり、NECグループのAIネイティブカンパニーへの変革およびBluStellarの拡大を技術面から支え、ITサービス事業および社会インフラ事業の持続的な成長に貢献しています。
NECグループの当連結会計年度における主な研究開発活動の成果は、次のとおりです。
(ITサービス事業・社会インフラ事業)
セキュリティ業務を高度化・効率化するAIエージェントの開発・提供
昨今、サイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、企業の事業継続を揺るがす深刻な問題となっています。国内外で事業展開する企業は、次々と出現する新たなサイバー攻撃や自社のITシステムの脆弱性に対してリアルタイムかつ網羅的な対応をするためのセキュリティ対策が必要です。セキュリティ専門人材が限られる中、このようなセキュリティ対策に迫られるお客様のセキュリティ業務の高度化・効率化を支援するため、当社は、当社開発の生成AI「cotomi」を活用して、システムのセキュリティリスクを診断するAIエージェントおよび情報セキュリティに関する内部監査を支援するAIエージェントを開発しました。
システムのセキュリティリスクを診断するAIエージェントは、当社独自のサイバー攻撃リスク自動診断技術を活用して、サイバー攻撃の脅威や自社システムの脆弱性のチェック、システムリスクの診断、セキュリティ対策の立案、図・イメージを含むレポート生成までをセキュリティ専門人材と同等の品質で自律的に実行します。情報セキュリティに関する内部監査を支援するAIエージェントは、生成AIの活用により、内部監査に必要なアンケート回答のチェックを行い、担当者のスキルの違いによりばらつきがあった監査品質の向上を図り、情報セキュリティ内部監査の報告書作成を支援し、報告書作成に必要な作業時間を大幅に削減することで、企業のガバナンス向上に必要な組織の情報セキュリティ内部監査を支援します。
NECグループは、当社独自のインテリジェンスとAI技術を融合した次世代サイバーセキュリティサービスの新ブランド「CyIOC(サイオック)」の下、システムのセキュリティリスクを診断するAIエージェントを組み込んだSaaS型セキュリティサービスを提供しています。
(ITサービス事業)
業務ノウハウを自動抽出し、デジタル業務の自動化を実現するAIエージェントを開発・提供
当社は、世界で初めて人間を超えるタスク成功率を実現した業務自動化AIエージェント技術「cotomi Act」(*)を開発し、2026年1月から、「cotomi Act」とソフトウェアやコンサルティング、運用保守サービスを組み合わせたソリューションの提供を開始しました。
本ソリューションでは、社員一人ひとりが日々行うWebブラウザの閲覧・操作履歴から、当社の独自技術により、業務ノウハウを自動抽出し、組織全体で活用できるデータとして蓄積し、「cotomi Act」を活用したAIエージェントが蓄積されたデータから必要な情報を的確に見分け、活用することで、従来の一般的なAIエージェントでは難しかった複雑で専門性の高い業務も高精度かつ自律的に実行することができます。
これにより、組織全体での共有や標準化が困難であった、従業員の日々の業務を通じて蓄積されるノウハウについても、その共有のための業務マニュアルの作成や、従来の一般的なAIエージェント活用時に必要な実行手順の設計、データ整備、ルール定義等の作業を行うことなく、従業員が普段どおりに業務を行うだけで自動的にデータ化され、AIエージェントによる学習や業務の遂行に活用することが可能となります。
本ソリューションによって、業務の均質化・高度化を図り、組織全体の生産性向上と業務変革に貢献していきます。
* 「cotomi Act」を活用したAIエージェントは、Webエージェントの国際的ベンチマーク「WebArena」におい
て、人間(78.2%)を上回るタスク成功率(80.4%)を実現しています。
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(ITサービス事業)
調達交渉を自動化するAIエージェントの提供
当社は、人間が行う様々な調整・交渉を人間に代わり行う当社独自のAI技術「自動交渉AI」を開発しました。本技術は、調整・交渉における必須条件と望ましい条件を自動で導き出し、当事者双方にとって受け入れ可能で最適な条件を自動で提案するもので、2024年にNECグループ会社において本技術に関する実証実験を行い、部品調達における取引先との納期・数量調整の自動化に成功しています。また、本技術はAIと人間との間だけでなく、AI間の調整・交渉も想定しています。
当社は、本技術を活用した「NEC 調達交渉AIエージェントサービス」の提供を2025年12月から開始しました。本サービスを利用することにより、製造業の調達業務における複雑な納期・数量調整交渉が自動化され、調達取引の交渉に要する膨大な時間が削減でき、業務効率の大幅な向上が期待できます。また、需要変動への迅速な対応が可能となるため、過剰在庫の抑制や欠品防止、納期遅延の回避につながり、需要変動に強いサプライチェーン体制の構築に貢献します。
(その他)
全ゲノム解析による新たな個別化ネオアンチゲンがんワクチンの開発に向けた基礎研究の成果を報告
当社と公益財団法人がん研究会は、個別化ネオアンチゲンがんワクチンの開発に向けた基礎研究において、従来はネオアンチゲン(*1)の出現頻度が比較的低いとされてきた乳がんおよび軟部肉腫(サルコーマ)の全ゲノムデータ(*2)を当社独自のAI技術を活用して解析し、通常のネオアンチゲンに加えて、機能や役割が未解明な「ダークゲノム」に由来する多数の新たなネオアンチゲンを予測することに成功しました(*3)。
本研究成果を基にワクチンの開発を進めることにより、これまで個別化ネオアンチゲンがんワクチンでの治療が難しいとされてきたがん種に対しても、新たな治療アプローチが拓かれることが期待されます。
*1 がん細胞の遺伝子変異によって新たに生じる「がん特異的な抗原(目印)」を指します。
*2 ゲノム解析には(1)コード領域と呼ばれる一部のゲノムデータのみを対象とした解析手法と、(2)コード領域
および非コード領域の両方(全ゲノムデータ)を対象とした解析手法があります。今回の研究では、がん患
者から提供を受けた検体について、(2)の解析手法で解析しています。
*3 2025年11月5日から9日に米国・メリーランド州で開催された米国がん免疫療法学会(SITC:Society for
Immunotherapy of Cancer)の年次総会において、本研究成果を発表しました。
当連結会計年度におけるNECグループ全体の研究開発費は、105,239百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。
| ITサービス事業 | 40,317百万円 |
| 社会インフラ事業 | 44,062百万円 |
| その他 | 20,860百万円 |
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01765] S100YBFV)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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