有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TOON (EDINETへの外部リンク)
沖電気工業株式会社 研究開発活動 (2024年3月期)
OKIグループ(当社及び連結子会社)は、2023年5月に発表した「中期経営計画2025」のとおり、「『進取の精神』をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する」という企業理念のもと、「社会の大丈夫をつくっていく。」のキーコンセプト実現に向けて、成長領域へ向けた研究開発と先行技術開発に集中して技術開発を取り組んでおります。
当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は12,533百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)パブリックソリューション領域における活動
OKIは、水平方向距離2kmで速度32kbps(=64kbps・km)の水中音響通信技術を開発し、一般的な性能指標40kbps・kmを超える性能を海上試験にて確認したことから、海中通信の新たな可能性を示しました。この技術は32kbpsでの高速通信を実現し、海洋資源調査や水中構造物の点検を含む広範囲の一斉探索が可能となります。今後、水中無線ネットワークの構築による効率化や新ビジネス創出を目指し、マルチホップ通信などの技術開発を進めることで、水中ドローンやロボットなどの広範囲利用を実現します。この技術は、海洋探索やインフラ点検など人類の課題解決に寄与します。
福岡県大牟田市では、OKIと大牟田市のコンソーシアムが自動運転バス「ARMA」の公道実証実験を2023年11月4日から10日に実施しました。目的は交通課題解決と自動運転技術の認知度向上であります。実験は大牟田商工会議所のイベントと連携し、試乗体験会も行いました。NAVYA社製の「ARMA」は、オペレーター同乗の下で2ルートを無料運行し、地域交通の新たな可能性を模索していきます。
当事業に係る研究開発費は、2,433百万円であります。
(2)エンタープライズソリューション領域における活動
OKIは、2024年7月の新紙幣発行に向け、富岡事業所でATM、現金処理機の組み立てを進めております。国内シェア約5割のATM約20万台のプログラム更新・新規生産が対象であります。最新の偽造防止技術が施された新紙幣を正しく識別できるようにソフトウエアのプログラムを開発設定しております。既存の機器は遠隔操作でソフトウエアのプログラムを更新可能であります。20年前に新紙幣が発行された際、新札の特質で複数枚が重なって搬送し出てしまうことがありましたため、防止用の部品を追加し機能を向上させました。
当事業に係る研究開発費は、4,007百万円であります。
(3)コンポーネントプロダクツ領域における活動
OKIは、新たに産業カメラ用MLA(マイクロレンズアレイ)技術を開発、マシンビジョンを軸に事業化を目指しております。被写界深度が±5mmと従来レンズ比で約5倍大きく、高さも3分の1と低背化可能であります。全視野で真上から見た画像を取得するテレセントリック光学系で縦横の並列化が可能であります。ラインスキャンで歪みがない画像を取得できるなどの特徴があります。社内製品への応用を検討するとともに、2026年度にもコンタクトイメージセンサー(CIS)などに外部提供を目指しております。
当事業に係る研究開発費は、2,074百万円であります。
(4)EMS領域における活動
OKIは、新宇宙時代の到来と共に宇宙産業の拡張に対応し、製造プラットフォーマーとしての役割を担うべく、宇宙向けの高品質なモノづくりに挑戦しております。特にJAXAのH3ロケット試験2号機の成功や、民間企業主導の宇宙プロジェクトNew Spaceの動向に注目が集まっております。OKIは、人工衛星向けの長尺フレキシブル基板やJAXA認定のプリント配線板など、これまでの実績を生かし、QCD課題の解決を図りながら、New Space市場への進出を目指します。
OKIのDMS(Design and Manufacturing Service)は、従来の電子機器受託製造サービス(EMS)に設計要素を加えた総合サービスで、設計から製造まで一貫して提供しております。これにより、情報通信機器や産業機器などの変種変量機器の開発支援を提供しております。DMSは、新商品開発、既存製品の改良から量産化、コスト低減まで、幅広い技術支援を行い、付加価値の高い製品を共に創出し、新たな市場への進出を支援しております。
当事業に係る研究開発費は、257百万円であります。
(5)全社共通等領域における活動
OKIは、信越化学工業株式会社と共同で、信越化学工業株式会社が独自改良したQSTTM基板(注1)からOKIのCFBTM(注2)技術を用いてGaN(窒化ガリウム)の機能層のみを剥離し、異種材料基板へ接合する技術開発に成功しました。本技術によりGaNの縦型導電が可能となり、大電流を制御できる縦型GaNパワーデバイスの実現と普及に貢献します。今後は、GaNデバイスを製造するお客様とのパートナーリングやライセンシングにより、社会実装可能な縦型GaNパワーデバイスの開発を進めます。
(注)1.QST基板:Qromis社(米国カリフォルニア州、CEO Cem Basceri)により開発されたGaN成長専用の複合材料基板。2019年に信越化学工業株式会社がライセンス取得。なお、QSTはQromis社の米国登録商標であります。
2.CFB:Crystal Film Bondingの略。OKIが開発した、結晶膜を成長基板から剥離し異種材料基板へ接合する技術。なお、CFBは沖電気工業株式会社の登録商標であります。
OKIと東北大学は、NEDOプロジェクトの一環として、パッシブ光ネットワーク(PON)の効率的運用を目的としたAIを活用した新技術を開発しました。通信量の予測と波長資源の自動調整が可能となり、消費電力を20%以上削減して、年間約2GWhの節約とCO2約920tの削減を実現しました。
OKIは、エッジデバイスを使った「遠隔作業支援システム」の無償βサービスを2023年10月から開始しました。遠隔地の熟練者が映像を通じて現場作業をリアルタイムで指導・支援できるよう設計されており、製造や保守の分野でリモートシフトを加速させてコスト削減を促進します。またWebRTCを利用し、多くのデバイスでアクセス可能であります。2025年度の商品化を目指しております。
全社共通等に係る研究開発費は、3,052百万円であります。
当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は12,533百万円であり、各事業及び全社共通等における研究開発活動の主な成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1)パブリックソリューション領域における活動
OKIは、水平方向距離2kmで速度32kbps(=64kbps・km)の水中音響通信技術を開発し、一般的な性能指標40kbps・kmを超える性能を海上試験にて確認したことから、海中通信の新たな可能性を示しました。この技術は32kbpsでの高速通信を実現し、海洋資源調査や水中構造物の点検を含む広範囲の一斉探索が可能となります。今後、水中無線ネットワークの構築による効率化や新ビジネス創出を目指し、マルチホップ通信などの技術開発を進めることで、水中ドローンやロボットなどの広範囲利用を実現します。この技術は、海洋探索やインフラ点検など人類の課題解決に寄与します。
福岡県大牟田市では、OKIと大牟田市のコンソーシアムが自動運転バス「ARMA」の公道実証実験を2023年11月4日から10日に実施しました。目的は交通課題解決と自動運転技術の認知度向上であります。実験は大牟田商工会議所のイベントと連携し、試乗体験会も行いました。NAVYA社製の「ARMA」は、オペレーター同乗の下で2ルートを無料運行し、地域交通の新たな可能性を模索していきます。
当事業に係る研究開発費は、2,433百万円であります。
(2)エンタープライズソリューション領域における活動
OKIは、2024年7月の新紙幣発行に向け、富岡事業所でATM、現金処理機の組み立てを進めております。国内シェア約5割のATM約20万台のプログラム更新・新規生産が対象であります。最新の偽造防止技術が施された新紙幣を正しく識別できるようにソフトウエアのプログラムを開発設定しております。既存の機器は遠隔操作でソフトウエアのプログラムを更新可能であります。20年前に新紙幣が発行された際、新札の特質で複数枚が重なって搬送し出てしまうことがありましたため、防止用の部品を追加し機能を向上させました。
当事業に係る研究開発費は、4,007百万円であります。
(3)コンポーネントプロダクツ領域における活動
OKIは、新たに産業カメラ用MLA(マイクロレンズアレイ)技術を開発、マシンビジョンを軸に事業化を目指しております。被写界深度が±5mmと従来レンズ比で約5倍大きく、高さも3分の1と低背化可能であります。全視野で真上から見た画像を取得するテレセントリック光学系で縦横の並列化が可能であります。ラインスキャンで歪みがない画像を取得できるなどの特徴があります。社内製品への応用を検討するとともに、2026年度にもコンタクトイメージセンサー(CIS)などに外部提供を目指しております。
当事業に係る研究開発費は、2,074百万円であります。
(4)EMS領域における活動
OKIは、新宇宙時代の到来と共に宇宙産業の拡張に対応し、製造プラットフォーマーとしての役割を担うべく、宇宙向けの高品質なモノづくりに挑戦しております。特にJAXAのH3ロケット試験2号機の成功や、民間企業主導の宇宙プロジェクトNew Spaceの動向に注目が集まっております。OKIは、人工衛星向けの長尺フレキシブル基板やJAXA認定のプリント配線板など、これまでの実績を生かし、QCD課題の解決を図りながら、New Space市場への進出を目指します。
OKIのDMS(Design and Manufacturing Service)は、従来の電子機器受託製造サービス(EMS)に設計要素を加えた総合サービスで、設計から製造まで一貫して提供しております。これにより、情報通信機器や産業機器などの変種変量機器の開発支援を提供しております。DMSは、新商品開発、既存製品の改良から量産化、コスト低減まで、幅広い技術支援を行い、付加価値の高い製品を共に創出し、新たな市場への進出を支援しております。
当事業に係る研究開発費は、257百万円であります。
(5)全社共通等領域における活動
OKIは、信越化学工業株式会社と共同で、信越化学工業株式会社が独自改良したQSTTM基板(注1)からOKIのCFBTM(注2)技術を用いてGaN(窒化ガリウム)の機能層のみを剥離し、異種材料基板へ接合する技術開発に成功しました。本技術によりGaNの縦型導電が可能となり、大電流を制御できる縦型GaNパワーデバイスの実現と普及に貢献します。今後は、GaNデバイスを製造するお客様とのパートナーリングやライセンシングにより、社会実装可能な縦型GaNパワーデバイスの開発を進めます。
(注)1.QST基板:Qromis社(米国カリフォルニア州、CEO Cem Basceri)により開発されたGaN成長専用の複合材料基板。2019年に信越化学工業株式会社がライセンス取得。なお、QSTはQromis社の米国登録商標であります。
2.CFB:Crystal Film Bondingの略。OKIが開発した、結晶膜を成長基板から剥離し異種材料基板へ接合する技術。なお、CFBは沖電気工業株式会社の登録商標であります。
OKIと東北大学は、NEDOプロジェクトの一環として、パッシブ光ネットワーク(PON)の効率的運用を目的としたAIを活用した新技術を開発しました。通信量の予測と波長資源の自動調整が可能となり、消費電力を20%以上削減して、年間約2GWhの節約とCO2約920tの削減を実現しました。
OKIは、エッジデバイスを使った「遠隔作業支援システム」の無償βサービスを2023年10月から開始しました。遠隔地の熟練者が映像を通じて現場作業をリアルタイムで指導・支援できるよう設計されており、製造や保守の分野でリモートシフトを加速させてコスト削減を促進します。またWebRTCを利用し、多くのデバイスでアクセス可能であります。2025年度の商品化を目指しております。
全社共通等に係る研究開発費は、3,052百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01767] S100TOON)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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