シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100VXL0 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日本航空電子工業株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループは、グローバルな視点での事業運営と顧客価値の追求に徹し、優れた製品をタイムリーに市場に供給するため、グローバルマーケティング力の強化及び技術開発力の強化を積極的に推進しております。これを牽引し支えるために、商品開発センターにおいては、基礎・応用技術の研究開発を主体に、各事業部の技術部門においては、所管事業に関する新製品、新製法の開発を主体に、それぞれが連携をとりながら長年にわたって培ってきた経験と実績を生かして研究開発活動を実施しております。また、各生産子会社は、所管製品に関連する事業部との密接な連携のもとに新製法の開発を主体に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の総額は11,268百万円であり、セグメント別の主な研究開発成果は次のとおりであります。

(1) 商品開発センター

IoT社会に貢献する新たな電気接続技術の構築を目指した探索的研究に取り組んでおります。具体的には柔軟性や伸縮性という新たな電気接続の市場要求に応えるべくフィルム型コネクタ(Film Type Connector:FTC)の研究を継続し、ウェアラブル用途のセンサ機器に搭載すべく、お客様と協業して製品適用を目指しております。また、このFTCは柔軟性や伸縮性による電気機器内の省スペース化に加え、はんだや接着剤レスによる省資源、省エネルギー化というカーボンニュートラル対策にも繋がるとの認識がお客様に拡がりつつあり、大面積型のセンサやフレキシブルディスプレイなどの用途でも注目を集めております。
IoT社会の鍵となるセンサ及び解析技術分野では、構造物診断市場への参入を目的として、独自に開発したMEMS加速度計を用いた高精度のセンサシステムによる橋梁の劣化診断研究を継続しております。大学や地方自治体と連携し、センサシステムを数多くの一般道と高速道路上の橋梁に設置した実証実験を行うことで、劣化診断に資するデータ取得技術を獲得しました。得られた成果の一部を土木学会にて公表し、“橋梁補修の優先順位を考える手段として、業務効率化と経費削減に繋がる有効な手段”との高評価をいただいております。
このほか、産学官連携で独自の水位計システムを山岳エリアに設置し、過疎化する山岳農村地帯の安全確保に貢献すべく地すべりセンシングの実証実験を継続しており、農地や工場内での水位計システムとしても実証実験を開始しております。さらに、将来の当社事業を支える超高感度センサシステムの構築を目指して、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の経済安全保障プロジェクトの下、資源探査や自動運転などに貢献すべく超高感度センサとそれを利用した次世代航法システム開発を推進しました。当該航法システムに必要な量子ジャイロ、重力勾配計、及び加速度計の開発を進めております。
モノづくり面では、電磁両立性(EMC)解析技術や材料分析技術による製品設計へのフィードバック強化に加え、カーボンニュートラルの実現に向け、再生材料や植物由来材料の特性把握を目指す材料分析研究も進めております。また、撥水付与・潤滑・摩耗といった現象に関する材料特性の制御技術を磨き上げ、EV充電端子などの接点部における金属めっき膜の摩耗を大幅に抑制する接点界面の設計技術を自動車関連のコネクタ端子部分に適用しました。本技術は摩耗抑制に加え、材料使用量の低減なども実現した点がお客様からも評価されております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は579百万円であります。

(2) コネクタ事業

製品開発では、自動車内でのインフォテイメントシステムが益々充実していく中で、USB3.2伝送を可能とした車内配線用コネクタ「MA07」シリーズに加え、情報量の増加に対応して、ECU基板に数個並べて搭載可能とするため、「MA07」より幅寸法を21%削減した「MA07C」シリーズを開発しました。
アジアを始めとする新興国における2輪車のUSBチャージャーでは、車載用の製造工程管理要件を満たしたIATF 16949準拠USB Type-C®コネクタの開発を行いました。既製USB Type-C®コネクタのIATF 16949対応品のバリエーションを拡充し、今後も自動車市場への展開を図ってまいります。
劣化した信号波形を再生成するリタイマ―を内蔵したUSB4®(~20Gbps)対応ハーネス付製品の開発においては、ケーブルの細径長尺化、信号線と電源の共用による省資源及び軽量化の研究を進めております。車載カメラなどの高速シリアル伝送向けハーネス製品の動作検証環境の構築及び車載イーサネット技術への製品展開の検討も進めております。
TESLAが発表した充電規格がNACS(North American Charging Standard:北米充電標準規格)として一般公開され、北米市場の主要自動車メーカーが新車にNACSを採用する意向を示しています。さらに自動車技術者協会(SAE)は、NACSを標準規格として制定を進めており、NACSに準拠した充電コネクタの市場シェアが拡大することが見込まれています。このような市場のニーズに応えるため、NACSに準拠した充電コネクタ「KW51」シリーズを開発しました。
また、従来の車載用コネクタの高い組立作業性を維持しつつ、低背・狭ピッチ化を実現した基板対ケーブルコネクタ「MB01」シリーズを開発しました。主な用途としては、BMS(Battery Management System)、カーナビゲーションシステム、オーディオ機器、エアコンなどが挙げられ、特に車内に搭載される非防水コネクタ全般に幅広く対応しています。基板に搭載する際の面積を削減したことで、機器の薄型化や軽量化に貢献できる製品となっております。
一次予防(病気の発生を防ぐ)分野のEMS(Electrical Muscle Stimulation:電気筋肉刺激)アパレル製品に採用されているスマートテキスタイル用コネクタ「RK01」シリーズについて、従来の導電繊維とは異なる金属電線との接続に対応するとともに、化粧品など薬品への耐性に優れた樹脂を採用し、さらに従来比2倍の挿抜回数を可能にした製品を開発しております。また、スポーツ・フィットネスや予防医療などの様々な用途に向けてスマートテキスタイル用コネクタの小型化と多品種化の開発を推進しております。
生産技術開発では、ICT用、車載用、インフラ用コネクタを中心に、組立工程やハーネス加工工程における自動化設備開発による省人化を進め、高品質、低価格の実現を目指しております。車載ハーネスにおいては、全自動生産を可能とするフラッグシップ生産ラインを国内に立上げて量産を開始しております。生産能力を更に増強しつつ、様々な社会情勢に柔軟に対応できるように海外の生産拠点に順次展開を図ってまいります。また、産学連携なども活用したモノづくりを推進し、自動生産化の基礎レベルや部品加工精度の引き上げも図っております。
サステナビリティに関する取り組みとして、バイオマスやリサイクル材料を活用した部品生産のノウハウ構築及び生産設備の省エネルギー化の研究を推進しております。また、ケーブルの高周波特性の検査回路を開発し、必要な機能に絞り込むことで、消費電力の抑制を目指しております。
基盤技術開発では、製品開発に関するものとして、次世代車載ネットワークの光化に向けた車載用AOC(Active Optical Cable)を試作開発しております。このほかにもデータセンター向け224G内装ケーブルの研究開発を推進しております。要素技術としては、アルミ太径電線とコンタクトの超音波結線技術、低荷重接点向け接触技術の開発を推進し、解析技術としては、車載高速伝送ケーブルの解析設計技術、100GHz伝送の解析設計技術、振動環境下での繰返荷重の解析技術、熱環境下でのゴム解析技術の他、最適化解析のコネクタ設計への応用にも取り組んでおります。
新領域のアンテナでは、PCB/FPCに接続した細線同軸ケーブルを介して、通信用回路基板から離れた場所にも配置可能な、「AP01/02」シリーズの開発が完了しました。北米の5G・LTE周波数帯に対応する為の広帯域化や広汎な使用環境での動作を保証し、高い放射効率及び金属接近時の特性向上を実現した製品となります。また、板金のアンテナについては車載用途のGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)向けに、単一の素子でL1(1.5GHz)とL5(1.1GHz)の周波数帯に対応するアンテナ構造の研究開発に取り組んでおります。このほか、アンテナを基板に搭載した無線通信モジュールの検討を行っております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は9,051百万円であります。

※USB4®、USB Type-C®はUSB Implementers Forum, Inc.の登録商標です。

(3) インターフェース・ソリューション事業

自動車市場における自動運転技術の進展に伴い、LiDARなどADASセンサの搭載が拡大しており、センサを保護するカバーには、高い透過性と雪や霜が付着した場合の素早い除去が求められております。これらの課題に対応すべくフィルムヒーター及びカバーを開発しており、お客様と製品適用に向けた評価を進めております。フィルムヒーター開発では、低抵抗且つ高精細といった特徴を持つ当社のメタルメッシュ印刷技術により均一な熱分布と迅速な昇温を実現し、素早い解氷・除霜が可能なことを実証しました。また、カバー開発では、シミュレーションを駆使した設計により、少ない表面処理回数で高い透過性を実現し、センサ性能向上に繋げたことに加え、材料や電力使用量も削減したことでサステナビリティにも対応しています。これらの技術はインフラ市場のお客様からも評価をいただいており、更なる設計改良を進めています。ADASセンサ以外の用途展開に向けては、メタルメッシュの特徴である柔軟性を活かし、3次元曲面にメタルメッシュを形成する開発を推進しています。
産機市場に向けては、静電タッチパネルと液晶を組合せた表示ユニットを開発しており、液晶の表面を覆うカバーに光の反射を低減する表面処理を行うことで、液晶本来の表示に近づけるよう取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費の金額は1,131百万円であります。


(4) 航機事業

センサ製品開発では、一般計測市場において、MEMS型と比較して精度面で優位性を持つ小型の3軸一体型のクオーツ型加速度計の開発を進めています。従来の1軸型製品の磁気回路構造を継承しながら、機構の高密度レイアウト設計や回路の高集積化、接合部へのドットコネクタの採用などにより、当初容積比で50%の小型化を実現しました。あわせて、センサ出力のデジタル化やBluetoothによる無線化などの研究も進めています。
光応用センサにおいては、将来防衛市場製品への適用も視野に入れながら、小型化とバイアス安定性などの性能及び耐環境性能向上に向け、光学部品の製造プロセス開発も含めた製品開発を継続しています。また、ガラスブロックなどキーパーツの精度向上に向けた加工プロセスの最適化や新たなデジタル制御方式の研究などによりセンサ精度の向上へ取り組んでおります。
ドローン市場製品では、より安全性を向上させたフライトコントローラの開発として冗長化機能の研究と、電波を用いたセンサとして高度計測だけでなく水平方向の障害物検知が可能な電波距離計の開発を進めております。
航機製品共通課題である安定した接着工程の確立に関し、接着剤を使用しない接合技術において、東大との産学連携で取組み、円筒形状同士の接合について、射出成型の技術を応用した研究を行いました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は506百万円であります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01828] S100VXL0)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。