有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100VH88 (EDINETへの外部リンク)
オプテックスグループ株式会社 研究開発活動 (2024年12月期)
当社グループは、「見えないものを、見るしごと。」の実現を果たすために、世の中の様々な課題やニーズに対してその解決方法を提案し、顧客満足度の向上を目指して研究開発を進めております。
センシング技術に加え、照明技術やさまざまな要素技術を取り入れ、変化や状態を「見る」、見えないものを「視る」、観察し判断する「観る」を包含した「見る」技術を進化させ、多様化するお客様に価値ある提案を行い、新たなソリューションを創造してまいります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は3,697百万円であり、対売上高比率は5.8%となっております。
(1) 防犯関連
近年、世界的な地政学的リスクの高まりや、経済の不透明感が続く中、社会の安全・安心に対するニーズが引き続き高まっております。特に、サイバー攻撃やテロリズムの脅威の増加により、重要インフラ施設の防犯対策が一層強化される傾向にあります。また、都市部を中心とした犯罪の巧妙化や、個人情報の流出リスクの増大に伴い、一般住宅や商業施設においても高度な防犯対策が求められるようになっております。
このような状況のもと、各国ではデータセンター、発電所、政府機関などの重要施設のみならず、オフィスビル、商業施設、一般住宅においても、防犯カメラシステム、侵入警戒システム、遠隔監視システムなどの導入が進んでおります。当社は、こうした社会のニーズに対応し、より高度なセキュリティソリューションを提供するため、防犯カメラシステムとの親和性が高く、高信頼性・高精度の侵入検知技術を核とした製品やシステムを開発し、社会の安全・安心の確保に貢献してまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 屋外防犯センサー付きカメラ
一般住宅、工事現場、資材置き場、店舗・事業所などの屋外警戒を目的とした、センサーとカメラを融合した防犯カメラシステムを開発いたしました。屋外専用の高信頼性センサーにより、誤報を抑えながら侵入者を検知し、その決定的瞬間の画像を遠隔監視システムや警備会社に送信することで、不審者の動向を即時に把握し、迅速かつ適切な対応をサポートいたします。さらに、電池駆動と業界トップクラスの電波到達距離・安定性を実現しており、敷地の広い現場や障害物の多い環境でも安定した運用が可能です。ワイヤレス化により配線工事を大幅に簡略化したことで、施工時間とコストを削減するとともに、メンテナンス性の向上を実現いたしました。また、屋外環境に耐え得る堅牢設計を施しているため、雨天や粉塵などの影響を最小限に抑え、長期間にわたる安定稼働が可能となりました。
本製品は多様化するセキュリティニーズに対応し、敷地全体の防犯性を高める有効なソリューションとして期待されております。
② 防犯用センサーライト「LA-11PRO」シリーズ
当社は1987年に日本で初めてセンサーと照明を一体化した製品を開発し、警備会社や防犯・電気工事店向けのプロ仕様の製品として長く販売してまいりました。防犯意識の高まりにより、一般住宅にも防犯用センサーライトが広く普及しておりますが、より広範囲を照らす照明のニーズを受け、「LA-11PRO」を開発いたしました。本製品は侵入者を検知すると同時に高輝度LEDライトを点灯し、威嚇と視認性を両立させるセンサーライト一体型の防犯システムです。
当モデルは、従来モデルの設置しやすいサイズはそのままに、1.7倍の光量を実現いたしました。また、新たにシルバー色のモデルを追加したほか、人気の高い昼白色LEDを採用したことで、様々な建築物に調和するデザインとなっております。そして、省エネルギー性を重視し消費電力を抑えながらも、十分な照度を確保しております。既存の照明設備との置き換えも容易で、工事現場や資材置き場、店舗・事業所など様々な屋外環境に導入できる設計となっております。ネットワークカメラや各種警報装置との連動にも対応しており、侵入リスクの早期発見と抑止効果を同時に高めることができます。
屋外セキュリティの重要性が増す中、当社は今後も「LA-11PRO」シリーズを通じ、多様化する防犯ニーズに応えてまいります。
(2) 自動ドア関連
自動ドア関連におきましては、公共施設、オフィス、店舗や工場施設などで人々が安全・安心・快適に通行できる自動開閉扉用センサーを開発、販売しております。創業以来培ってきた独自のセンシング技術で業界最高水準の安全性と、あらゆる設置環境下でも安定したパフォーマンスを発揮すべく研究開発を行っております。
現在、国内におきましては、自動ドアセンサー分野は約5割、工場や倉庫の高速シャッターセンサー分野は約7割と、当社は高い市場シェアを保持し、海外におきましては、開口部周辺の安全要求が各地域の法令として定義されるなか、各地域特性に応じた製品を開発し、北米、欧州、アジア地域での市場シェアも順調に伸長しております。
また、自動ドア関連事業において進めている「モノ売り」から「コト売り」への事業拡大に関しても、システム開発やアプリ開発を積極的に進め、2025年には不動産ディベロッパー各社とスマートエントランスサービスの立ち上げを予定しております。
さらに、当社が得意とする光技術に加え、二酸化炭素排出量削減や新しい付加価値創造を実現するための技術開発を積極的に進め、より快適な社会環境実現に貢献してまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 日本市場向け自動ドア用非接触スイッチ 「Clean Wave™」OMH-100D
食品工場や冷蔵冷凍倉庫、クリーンルームなどの自動ドア向けの非接触スイッチ「Clean Wave™」OMH-100Dを2024年2月に発売し、同年10月にはグッドデザイン賞を受賞いたしました。本受賞を機に大手自動ドアメーカー・ディーラーやパネルメーカーでの採用が加速し、2025年は大幅な採用台数増加が期待できます。
同製品は0℃以下の厳しい温度環境下でも使用可能な耐環境性能及び薄型のデザインを特徴とし、これまでセンサーの設置が避けられてきた冷蔵冷凍倉庫などにおける自動ドアへの普及を目指してまいります。また今後は、自動ドア以外の用途の普及に加え、北米市場への拡販も目指してまいります。
② OMNICITY新サービス 「スマートエントランス」
2020年より、日本市場において自動ドアセンサーを活用した情報シェアリングサービス「OMNICITY(オムニシティ)※」を開始し、Bluetooth機能を搭載した自動ドアメディアセンサー「OAB-215シリーズ(以下、OAB-215)」を市場投入して順調にビジネスを拡大しております。また、OMNICITYの新しいサービスとして、マンション共用部におけるドア開閉のアクセスコントロールを自動ドアセンサーOAB-215とスマートフォンアプリで実現するシステム「スマートエントランス」を開発いたしました。
従来必要であったアクセスコントロール用の制御器や無線タグなどを使用せず、既存の自動ドアセンサーを、Bluetooth機能を搭載した自動ドアセンサーOAB-215に交換し、専用のスマートフォンアプリをダウンロードするだけでハンズフリー通行や宅配業者の置き配連携が可能になります。これにより、これまでにない低コストでスマートなマンションエントランスを簡単に実現できるシステム・サービスとなります。2025年からは国内大手ディベロッパーと連携して順次サービスを開始し、また北米、欧州、アジア市場においてもサービスを立ち上げる予定です。
※OMNICITY:出入り口に設置された自動ドアセンサーにBluetooth機能を搭載することで、通行者に商品情報やクーポンの配信、病院やホテルなどで自動チェックイン・アウトが可能となるプラットフォーム
③ 客数情報カウントシステム
客数情報カウントシステムの分野では、クラウドサービスのプラットフォーム「パッサークラウド(PASSER-Cloud)」におけるデータベース拡張、他システムとのデータ連携、AI解析、セキュリティ対策など基盤整備を進めてまいりました。その結果、店舗マネジメントでの集客トレンド把握・分析などの客数指標(客数・属性・滞在時間・購買データなど)を、より便利に安全に利用できるサービスとして高評価を受け、契約数が増加いたしました。
また、ビーコンを内蔵し、無線通信で位置を特定する人数カウントセンサー「パッサービーコン」は、店舗来店時のクーポン自動発行などの販促や、顧客の回遊性を高めるデジタルマーケティングに採用されております。店舗内のみならず、店舗周辺の人流分析も含めた広域のマーケティング支援サービスとして、継続的にコンテンツ開発を進めております。
今後はAI技術の開発・活用を進めることで、センシングの検知性能を向上させ、様々な施設・場所における人流計測の精度改善に取り組んでまいります。さらに、付加価値の高い情報提供を実現するため、計測データの集計解析にクラウドを活用し、「店舗DXニーズ」に対応したソリューションの提供を拡充してまいります。
(3) 社会・環境関連
社会・環境関連におきましては、駐車場などで車を検知する車両検知用センサーと、液体の色や濁りを素早く正確に測定する水質計測用センサーの開発を行っております。
車両検知用センサーの分野では、「人」を無視(キャンセル)し、車のみを確実に検出できるセンシング技術が求められております。この分野では長年、特殊な電線を地中に埋設する「ループコイルセンサー」が世界に普及し、駐車場業界における標準となっており、施工時の作業コストや環境への負荷が大きい点が指摘されております。その課題を解決すべく、当社は業界でいち早く、マイクロウェーブを活用した高精度かつ地上設置が可能なエリアセンサーを開発し、全世界へ訴求・提案を進めてまいりました。その結果、世界的にループコイルセンサーからエリアセンサーへの転換が加速しつつあります。
水質計測用センサーの分野では、安全・品質・衛生管理の特殊な計測ニーズに対応した製品の開発を行っており、DXを活用した計測ニーズに対応し、顧客の意思決定の根拠となる高精度なデータを提供できる様々なセンサー製品の開発に取り組んでまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 車両検知用センサー「OVS-02GTシリーズ」
2017年に発売したOVS-01シリーズの高付加価値モデルを開発いたしました。市場要求が高かった「人キャンセル」性能の大幅向上、検知エリアの拡大、スマートフォンアプリによるきめ細かな機器設定や施工性の向上など様々な顧客要望を取り入れた結果、海外ではオフィスや集合住宅向けセキュリティゲートの開閉用途、国内ではコインパーキング用途向けで好評いただき、事業を拡大しております。
② 水質モニタリングサービス 「WATER it」
計測データを含むソリューションを提供する簡易水質測定システム「WATER it」の展開に引き続き注力しております。本サービスは、「水の未来をつくる」をコンセプトに、いつでも、どこでも水環境を把握できる水質管理のDXとして現場の負担を大幅に削減できるソリューションです。2022年のリリース以降、順調にご利用件数が増加しております。
また、昨今の社会を取り巻く様々な環境の変化や気候変動などにより、自然災害のリスクが高まっております。このような中、当連結会計年度には、遠隔モニタリングサービスのひとつとして、当社の環境防災機器も「WATER it」に接続することが可能となりました。これにより、冠水状況や設備の異常監視のモニタリングも水質測定と同じシステムで利用できるワンストップ化を実現いたしました。
(1) FA関連
FA関連におきましては、さまざまな製造業の工場における製造ラインの自動化・省力化に不可欠なFA用センサー(産業用センサー)の製品開発、研究に取り組んでおり、可視光や赤外光を用いた光電センサーのみならず、距離を計測する変位センサー、カメラを用いた画像センサー、LED照明機器、非接触温度計などのセンサー及び産業IoT(IIoT)※、環境の構築に貢献するIO-Link※製品など、幅広く開発しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
※産業IoT(IIoT):Industrial Internet of Thingsの略で、産業用機械や装置・設備・システムなどをネットワークで相互接続し、現場作業の効率化や見える化などを実現するもの
※IO-Link:センサーと制御システムの間で各種データ交換を行う通信技術のこと。設備の予知保全などに役立つ
① 高輝度センシングバー照明 「OPB-X 幅15mmサイズ」
従来からの独自技術であるセンシング照明を進化させた、新技術「FALUX sensing +」を搭載したセンシングLED照明シリーズのOPB-Xにおいて、従来の幅30mmに加え、幅15mmサイズを発売いたしました。多機能LED照明コントローラーOPPXシリーズと接続することでモニタリング・フィードバック制御に加え、照明個体の識別が可能で、個体ごとに異なる累積点灯時間などのデータを参照でき、予知保全に利用できます。
さらに、通常は照明延長ケーブルを使用すると、ケーブルによる電圧降下の影響で照明の明るさが低下しますが、FALUX sensing +に対応したOPB-Xシリーズは、上記OPPXシリーズに接続することで、この課題を解決する新しい調光方式L-INT※モードで点灯させることができます。
※L-INT:FALUX sensing +対応照明の内部で明るさを変更する、当社独自の調光方式です。
② IO-Link対応非接触温度計「TI-Sシリーズ」
業界初の同軸リングレーザーポインタを内蔵し、測定ポイントが一目瞭然となる非接触温度計を販売いたしました。これにより、暗く狭い場所でも、ポインタを確認しながら簡単に位置調整を行うことが可能となりました。
また、非接触温度計としては業界最高レベルの高精度測定(±1℃)を実現しており、シビアな測定要求にも対応可能です。さらに、応答時間50ms以下の高速応答にも対応し、ライン上で移動するワーク(測定対象となる物体)の温度測定などにも有効となっております。
③ レーザー変位センサー 「CD2Hシリーズ」RS485シリアル通信インターフェースモデル追加
操作性に優れた高精度小型レーザー変位センサーCD2Hシリーズに、産業分野で標準的なRS485シリアル通信インターフェースモデルを追加いたしました。既存モデルと同じくイメージセンサー「ATMOS」を搭載し、樹脂筐体ながらクラス最高レベルの測定精度と高速化を実現しております。業界で一般的なRS485通信に対応することで、現場の設備を大きく変更することなく高精度な変位センサーを導入することが可能となりました。
④ IO-Link対応高機能デジタルファイバーセンサー「D4RFシリーズ」赤外光源タイプ追加
超高速応答(16μs)、高機能デジタルファイバーセンサーD4RFシリーズに新たな機種を追加いたしました。
水分やフィルムに吸収されやすい性質を持つ1450nmの赤外光源を活用しているため、一般的な赤色光源や1,000nm以下の赤外光では検出が難しい透明体内での液体有無検知やフィルムなどの重なり検知に対応しております。同シリーズの高速応答やOLEDディスプレイ※による可読性、操作性も引き継いでおります。
※OLEDディスプレイ:Organic Electro light Luminescence Diode (有機ELダイオード)ディスプレイ
(2) MVL関連
MVL関連におきましては、お客様の困り事を解決するために光を軸としたソリューション提案を磨くことで、お客様の検査品質向上に努めてまいりました。さらに、昨今の人手不足改善へのご要望にお応えするため、カメラ、レンズ、画像処理ソフト、装置、産業ロボットなどを活用した検査・計測のトータルソリューションへ活動の幅を広げております。
そして、高度化・多様化しているお客様の課題を解決すべく、従来からの照明や関連機器の高性能化・高機能化だけではなく、生成AIなどの先進技術の積極的な利用や、光学・制御に関する研究開発、当社グループ企業間の技術連携によるシナジー効果の発現にも力を入れております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① レーザーダイオードを活用した超高出力光源製品のさらなる強化
半導体、電子部品などの製造工程で行う画像処理検査では、一部の製造ラインにて強い明るさを出力するキセノンフラッシュ光源が使用されております。しかしこのキセノンフラッシュ光源には、ランプ寿命によるランプ交換の手間や、発光抜け(信号入力時に発光しなくなる現象)が起こりやすいこと、ジッター(発光のふらつき)が発生するなどの課題があり、これらを改善した製品開発へのニーズは強く、多くのご要望をいただいておりました。
当社はこれらのご要望に対応すべく、キセノンフラッシュ光源に代わりレーザーダイオードを活用した光源の開発に取り組んでまいりました。2018年に「PFBR-600SW シリーズ」を、2022年に後継機を開発・発売し、小型電子部品などの高速かつ高精細画像が必要とされる製造ラインで多数採用されております。
当連結会計年度には、さらなる明るさを実現した超高出力光源製品「PFBR-2400SW-LL-XF」を開発・発売いたしました。「PFBR-2400SW-LL-XF」は4灯のレーザーダイオード光源を同時に発光させ、光出力を一つに集約することで明るさ1億5千万ルクス※を実現いたしました。さらに、繰り返し発光周期を最短250kHzまで高速化することが可能となり、取得画像のぶれの低減を実現いたしました。
当社はレーザーダイオードを活用した高出力技術を成長させることで、半導体、電子部品などの検査用光源としてシェア拡大を目指してまいります。
※調光最大、出射側の結束系φ10、全長1,000㎜のストレートガイド装着時
② 3次元計測技術「位相シフト法」の画像検査ソリューションへの展開
3次元計測の技術として用いられてきた位相シフト法を外観検査に用いる技術開発を行い、プロトタイプ「二軸位相シフト照明」を発表いたしました。
凹凸などの高さ方向に高い感度を持っているため、浅い打痕やヒケ(成形過程の収縮で発生する表面のくぼみ)の観察に有効であり、自動車のボディやパーツ、鋼材などの大型なワークを外観検査する手法として期待を寄せております。さらに、一般的な位相シフト照明と異なり、縦縞、横縞の二軸方向で点灯させることができるため、ワークの傷に方向性がある場合も検査の精度損失を軽減することができます。
お客様の幅広い検査ニーズに対応できるよう、発光面サイズや形状、縞パターンの幅などをカスタマイズでき、エリアカメラとラインカメラ双方に対応が可能となっております。
(3) IPC関連
IPC関連におきましては、様々な産業分野向けとして、高い品質と長期供給性を追求した組み込みボード製品の製造や、生産ライン、社会インフラ向けのシステムを構築し、CPUボード、I/Oボード、コントローラー装置など組み込み用コンピュータ構築に必要なプラットフォーム提供からアプリケーション・システムの構築、さらには最新のセンシングや制御装置の提供など、幅広くお客様のニーズに対応しております。
① 無線環境モニタリングシステムの研究
2023年11月より、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の高度通信・放送研究開発委託研究の公募で採択された「無線環境モニタリングシステムの研究開発」を行っております。製造現場や医療現場では、無線機器の活用が進む一方で、無線通信トラブル発生時に原因特定に時間がかかり、復旧が遅れる事例が多く見られることが分かってまいりました。
本研究では、現場で利用されている無線通信の潜在的な課題を見える化し、ユーザーの無線通信に関するスキルや理解度に合わせた行動示唆を行い、無線通信トラブルを未然に回避するシステムの研究を行っております。
当連結会計年度では、実際の製造現場で無線通信トラブルが発生した際の状況を把握するため、状況分析に必要なデータの種類及びデータ収集の間隔を調査・研究しました。今年度は、より適切な無線通信環境の実現を目指し、無線センサーの設置台数・設置場所の評価検証を行います。
また、ネットワーク監視の専門家に利用されるツールではなく、作業者への自動的かつリアルタイムな行動示唆ができるツールの研究開発を進めてまいります。
② 監視カメラの業界規格に対応した追尾装置の研究開発
監視カメラの業界規格(ONVIFなど)に対応した次世代追尾装置の研究開発を進めております。本装置の開発に最新のAI技術と映像解析技術を活用したことにより、監視カメラが捉えた物体の自動追跡が可能となりました。また、既存の監視ソフトウェア(例:VMS)をはじめとした様々な監視カメラ製品との高い互換性を実現したため、今後、幅広い用途での活用が期待されております。
(4) MECT関連
MECT関連におきましては、電動自動車用などの二次電池製造装置や、電気・電子・医薬品などの多様な産業分野向け自動化装置及び画像処理検査装置・非接触3次元形状測定機などを開発・製造・販売しております。高度なメカトロ技術※や画像処理技術により、ものづくりの現場の生産性向上と品質向上に貢献しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
※メカトロ技術:メカトロニクス技術の略称で、機械工学(メカニクス)と電子工学(エレクトロニクス)を融合させた技術分野のこと
① 5軸構造ダブルレーザー3次元形状測定機「DMS-800」
従来の、接触針がワークに直接触れることで測定を行う「接触式3次元測定機」とは異なり、レーザー光をワークに照射し、その反射光を観察することで、ワークに接触することなく形状を高速かつ高精度で測定できる装置を開発いたしました。
近年、自動車関連部品や様々な精密機器などに使用される鋳造品、加工品、成型品などで、接触針が入らない複雑な形状のワークが増加しており、正確な測定が困難になる課題が生じております。こうした課題に対し、当社グループで培ってきたレーザー光を用いた光測定方式を採用し、高精度かつ高速に形状測定を行う装置を開発いたしました。また当社のもう一つの強みであるメカトロ技術を活かし、機械加工装置と同じ5軸構造を実現することで、複雑な形状のワークに対しても正確な測定を可能にしました。さらに光測定方式の弱点でもある影(死角)ができる点に対して「ダブルレーザー」を搭載することで解決を図っております。
② 卓上型3次元形状測定機「新 3D-Eyeスキャナー」
試験開発や製造現場における様々な形状測定のニーズに対し、光測定方式を用いて顧客が抱える課題を解決する、卓上型非接触3次元形状測定機を開発いたしました。持ち運びが可能な卓上型でありながら、XYZ軸の調整が可能なステージを標準装備しており、高さ・面積・体積の測定を高精度に行うことができます。また、スキャンしたデータに含まれるノイズ成分を最小限に抑え、より精度の高い計測結果を導き出すことができる「サブラインスキャンテクノロジー(特許出願中)」を搭載するなど、当社グループが過去に発売した従来品から大きく進化しております。
今後は、金属加工部品、鋳造部品、樹脂成型部品製造など様々な分野に、これまで進めてきた外観検査ソリューション事業と合わせ、非接触3次元形状測定機事業を拡大展開してまいります。
センシング技術に加え、照明技術やさまざまな要素技術を取り入れ、変化や状態を「見る」、見えないものを「視る」、観察し判断する「観る」を包含した「見る」技術を進化させ、多様化するお客様に価値ある提案を行い、新たなソリューションを創造してまいります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は3,697百万円であり、対売上高比率は5.8%となっております。
(1) 防犯関連
近年、世界的な地政学的リスクの高まりや、経済の不透明感が続く中、社会の安全・安心に対するニーズが引き続き高まっております。特に、サイバー攻撃やテロリズムの脅威の増加により、重要インフラ施設の防犯対策が一層強化される傾向にあります。また、都市部を中心とした犯罪の巧妙化や、個人情報の流出リスクの増大に伴い、一般住宅や商業施設においても高度な防犯対策が求められるようになっております。
このような状況のもと、各国ではデータセンター、発電所、政府機関などの重要施設のみならず、オフィスビル、商業施設、一般住宅においても、防犯カメラシステム、侵入警戒システム、遠隔監視システムなどの導入が進んでおります。当社は、こうした社会のニーズに対応し、より高度なセキュリティソリューションを提供するため、防犯カメラシステムとの親和性が高く、高信頼性・高精度の侵入検知技術を核とした製品やシステムを開発し、社会の安全・安心の確保に貢献してまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 屋外防犯センサー付きカメラ
一般住宅、工事現場、資材置き場、店舗・事業所などの屋外警戒を目的とした、センサーとカメラを融合した防犯カメラシステムを開発いたしました。屋外専用の高信頼性センサーにより、誤報を抑えながら侵入者を検知し、その決定的瞬間の画像を遠隔監視システムや警備会社に送信することで、不審者の動向を即時に把握し、迅速かつ適切な対応をサポートいたします。さらに、電池駆動と業界トップクラスの電波到達距離・安定性を実現しており、敷地の広い現場や障害物の多い環境でも安定した運用が可能です。ワイヤレス化により配線工事を大幅に簡略化したことで、施工時間とコストを削減するとともに、メンテナンス性の向上を実現いたしました。また、屋外環境に耐え得る堅牢設計を施しているため、雨天や粉塵などの影響を最小限に抑え、長期間にわたる安定稼働が可能となりました。
本製品は多様化するセキュリティニーズに対応し、敷地全体の防犯性を高める有効なソリューションとして期待されております。
② 防犯用センサーライト「LA-11PRO」シリーズ
当社は1987年に日本で初めてセンサーと照明を一体化した製品を開発し、警備会社や防犯・電気工事店向けのプロ仕様の製品として長く販売してまいりました。防犯意識の高まりにより、一般住宅にも防犯用センサーライトが広く普及しておりますが、より広範囲を照らす照明のニーズを受け、「LA-11PRO」を開発いたしました。本製品は侵入者を検知すると同時に高輝度LEDライトを点灯し、威嚇と視認性を両立させるセンサーライト一体型の防犯システムです。
当モデルは、従来モデルの設置しやすいサイズはそのままに、1.7倍の光量を実現いたしました。また、新たにシルバー色のモデルを追加したほか、人気の高い昼白色LEDを採用したことで、様々な建築物に調和するデザインとなっております。そして、省エネルギー性を重視し消費電力を抑えながらも、十分な照度を確保しております。既存の照明設備との置き換えも容易で、工事現場や資材置き場、店舗・事業所など様々な屋外環境に導入できる設計となっております。ネットワークカメラや各種警報装置との連動にも対応しており、侵入リスクの早期発見と抑止効果を同時に高めることができます。
屋外セキュリティの重要性が増す中、当社は今後も「LA-11PRO」シリーズを通じ、多様化する防犯ニーズに応えてまいります。
(2) 自動ドア関連
自動ドア関連におきましては、公共施設、オフィス、店舗や工場施設などで人々が安全・安心・快適に通行できる自動開閉扉用センサーを開発、販売しております。創業以来培ってきた独自のセンシング技術で業界最高水準の安全性と、あらゆる設置環境下でも安定したパフォーマンスを発揮すべく研究開発を行っております。
現在、国内におきましては、自動ドアセンサー分野は約5割、工場や倉庫の高速シャッターセンサー分野は約7割と、当社は高い市場シェアを保持し、海外におきましては、開口部周辺の安全要求が各地域の法令として定義されるなか、各地域特性に応じた製品を開発し、北米、欧州、アジア地域での市場シェアも順調に伸長しております。
また、自動ドア関連事業において進めている「モノ売り」から「コト売り」への事業拡大に関しても、システム開発やアプリ開発を積極的に進め、2025年には不動産ディベロッパー各社とスマートエントランスサービスの立ち上げを予定しております。
さらに、当社が得意とする光技術に加え、二酸化炭素排出量削減や新しい付加価値創造を実現するための技術開発を積極的に進め、より快適な社会環境実現に貢献してまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 日本市場向け自動ドア用非接触スイッチ 「Clean Wave™」OMH-100D
食品工場や冷蔵冷凍倉庫、クリーンルームなどの自動ドア向けの非接触スイッチ「Clean Wave™」OMH-100Dを2024年2月に発売し、同年10月にはグッドデザイン賞を受賞いたしました。本受賞を機に大手自動ドアメーカー・ディーラーやパネルメーカーでの採用が加速し、2025年は大幅な採用台数増加が期待できます。
同製品は0℃以下の厳しい温度環境下でも使用可能な耐環境性能及び薄型のデザインを特徴とし、これまでセンサーの設置が避けられてきた冷蔵冷凍倉庫などにおける自動ドアへの普及を目指してまいります。また今後は、自動ドア以外の用途の普及に加え、北米市場への拡販も目指してまいります。
② OMNICITY新サービス 「スマートエントランス」
2020年より、日本市場において自動ドアセンサーを活用した情報シェアリングサービス「OMNICITY(オムニシティ)※」を開始し、Bluetooth機能を搭載した自動ドアメディアセンサー「OAB-215シリーズ(以下、OAB-215)」を市場投入して順調にビジネスを拡大しております。また、OMNICITYの新しいサービスとして、マンション共用部におけるドア開閉のアクセスコントロールを自動ドアセンサーOAB-215とスマートフォンアプリで実現するシステム「スマートエントランス」を開発いたしました。
従来必要であったアクセスコントロール用の制御器や無線タグなどを使用せず、既存の自動ドアセンサーを、Bluetooth機能を搭載した自動ドアセンサーOAB-215に交換し、専用のスマートフォンアプリをダウンロードするだけでハンズフリー通行や宅配業者の置き配連携が可能になります。これにより、これまでにない低コストでスマートなマンションエントランスを簡単に実現できるシステム・サービスとなります。2025年からは国内大手ディベロッパーと連携して順次サービスを開始し、また北米、欧州、アジア市場においてもサービスを立ち上げる予定です。
※OMNICITY:出入り口に設置された自動ドアセンサーにBluetooth機能を搭載することで、通行者に商品情報やクーポンの配信、病院やホテルなどで自動チェックイン・アウトが可能となるプラットフォーム
③ 客数情報カウントシステム
客数情報カウントシステムの分野では、クラウドサービスのプラットフォーム「パッサークラウド(PASSER-Cloud)」におけるデータベース拡張、他システムとのデータ連携、AI解析、セキュリティ対策など基盤整備を進めてまいりました。その結果、店舗マネジメントでの集客トレンド把握・分析などの客数指標(客数・属性・滞在時間・購買データなど)を、より便利に安全に利用できるサービスとして高評価を受け、契約数が増加いたしました。
また、ビーコンを内蔵し、無線通信で位置を特定する人数カウントセンサー「パッサービーコン」は、店舗来店時のクーポン自動発行などの販促や、顧客の回遊性を高めるデジタルマーケティングに採用されております。店舗内のみならず、店舗周辺の人流分析も含めた広域のマーケティング支援サービスとして、継続的にコンテンツ開発を進めております。
今後はAI技術の開発・活用を進めることで、センシングの検知性能を向上させ、様々な施設・場所における人流計測の精度改善に取り組んでまいります。さらに、付加価値の高い情報提供を実現するため、計測データの集計解析にクラウドを活用し、「店舗DXニーズ」に対応したソリューションの提供を拡充してまいります。
(3) 社会・環境関連
社会・環境関連におきましては、駐車場などで車を検知する車両検知用センサーと、液体の色や濁りを素早く正確に測定する水質計測用センサーの開発を行っております。
車両検知用センサーの分野では、「人」を無視(キャンセル)し、車のみを確実に検出できるセンシング技術が求められております。この分野では長年、特殊な電線を地中に埋設する「ループコイルセンサー」が世界に普及し、駐車場業界における標準となっており、施工時の作業コストや環境への負荷が大きい点が指摘されております。その課題を解決すべく、当社は業界でいち早く、マイクロウェーブを活用した高精度かつ地上設置が可能なエリアセンサーを開発し、全世界へ訴求・提案を進めてまいりました。その結果、世界的にループコイルセンサーからエリアセンサーへの転換が加速しつつあります。
水質計測用センサーの分野では、安全・品質・衛生管理の特殊な計測ニーズに対応した製品の開発を行っており、DXを活用した計測ニーズに対応し、顧客の意思決定の根拠となる高精度なデータを提供できる様々なセンサー製品の開発に取り組んでまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 車両検知用センサー「OVS-02GTシリーズ」
2017年に発売したOVS-01シリーズの高付加価値モデルを開発いたしました。市場要求が高かった「人キャンセル」性能の大幅向上、検知エリアの拡大、スマートフォンアプリによるきめ細かな機器設定や施工性の向上など様々な顧客要望を取り入れた結果、海外ではオフィスや集合住宅向けセキュリティゲートの開閉用途、国内ではコインパーキング用途向けで好評いただき、事業を拡大しております。
② 水質モニタリングサービス 「WATER it」
計測データを含むソリューションを提供する簡易水質測定システム「WATER it」の展開に引き続き注力しております。本サービスは、「水の未来をつくる」をコンセプトに、いつでも、どこでも水環境を把握できる水質管理のDXとして現場の負担を大幅に削減できるソリューションです。2022年のリリース以降、順調にご利用件数が増加しております。
また、昨今の社会を取り巻く様々な環境の変化や気候変動などにより、自然災害のリスクが高まっております。このような中、当連結会計年度には、遠隔モニタリングサービスのひとつとして、当社の環境防災機器も「WATER it」に接続することが可能となりました。これにより、冠水状況や設備の異常監視のモニタリングも水質測定と同じシステムで利用できるワンストップ化を実現いたしました。
(1) FA関連
FA関連におきましては、さまざまな製造業の工場における製造ラインの自動化・省力化に不可欠なFA用センサー(産業用センサー)の製品開発、研究に取り組んでおり、可視光や赤外光を用いた光電センサーのみならず、距離を計測する変位センサー、カメラを用いた画像センサー、LED照明機器、非接触温度計などのセンサー及び産業IoT(IIoT)※、環境の構築に貢献するIO-Link※製品など、幅広く開発しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
※産業IoT(IIoT):Industrial Internet of Thingsの略で、産業用機械や装置・設備・システムなどをネットワークで相互接続し、現場作業の効率化や見える化などを実現するもの
※IO-Link:センサーと制御システムの間で各種データ交換を行う通信技術のこと。設備の予知保全などに役立つ
① 高輝度センシングバー照明 「OPB-X 幅15mmサイズ」
従来からの独自技術であるセンシング照明を進化させた、新技術「FALUX sensing +」を搭載したセンシングLED照明シリーズのOPB-Xにおいて、従来の幅30mmに加え、幅15mmサイズを発売いたしました。多機能LED照明コントローラーOPPXシリーズと接続することでモニタリング・フィードバック制御に加え、照明個体の識別が可能で、個体ごとに異なる累積点灯時間などのデータを参照でき、予知保全に利用できます。
さらに、通常は照明延長ケーブルを使用すると、ケーブルによる電圧降下の影響で照明の明るさが低下しますが、FALUX sensing +に対応したOPB-Xシリーズは、上記OPPXシリーズに接続することで、この課題を解決する新しい調光方式L-INT※モードで点灯させることができます。
※L-INT:FALUX sensing +対応照明の内部で明るさを変更する、当社独自の調光方式です。
② IO-Link対応非接触温度計「TI-Sシリーズ」
業界初の同軸リングレーザーポインタを内蔵し、測定ポイントが一目瞭然となる非接触温度計を販売いたしました。これにより、暗く狭い場所でも、ポインタを確認しながら簡単に位置調整を行うことが可能となりました。
また、非接触温度計としては業界最高レベルの高精度測定(±1℃)を実現しており、シビアな測定要求にも対応可能です。さらに、応答時間50ms以下の高速応答にも対応し、ライン上で移動するワーク(測定対象となる物体)の温度測定などにも有効となっております。
③ レーザー変位センサー 「CD2Hシリーズ」RS485シリアル通信インターフェースモデル追加
操作性に優れた高精度小型レーザー変位センサーCD2Hシリーズに、産業分野で標準的なRS485シリアル通信インターフェースモデルを追加いたしました。既存モデルと同じくイメージセンサー「ATMOS」を搭載し、樹脂筐体ながらクラス最高レベルの測定精度と高速化を実現しております。業界で一般的なRS485通信に対応することで、現場の設備を大きく変更することなく高精度な変位センサーを導入することが可能となりました。
④ IO-Link対応高機能デジタルファイバーセンサー「D4RFシリーズ」赤外光源タイプ追加
超高速応答(16μs)、高機能デジタルファイバーセンサーD4RFシリーズに新たな機種を追加いたしました。
水分やフィルムに吸収されやすい性質を持つ1450nmの赤外光源を活用しているため、一般的な赤色光源や1,000nm以下の赤外光では検出が難しい透明体内での液体有無検知やフィルムなどの重なり検知に対応しております。同シリーズの高速応答やOLEDディスプレイ※による可読性、操作性も引き継いでおります。
※OLEDディスプレイ:Organic Electro light Luminescence Diode (有機ELダイオード)ディスプレイ
(2) MVL関連
MVL関連におきましては、お客様の困り事を解決するために光を軸としたソリューション提案を磨くことで、お客様の検査品質向上に努めてまいりました。さらに、昨今の人手不足改善へのご要望にお応えするため、カメラ、レンズ、画像処理ソフト、装置、産業ロボットなどを活用した検査・計測のトータルソリューションへ活動の幅を広げております。
そして、高度化・多様化しているお客様の課題を解決すべく、従来からの照明や関連機器の高性能化・高機能化だけではなく、生成AIなどの先進技術の積極的な利用や、光学・制御に関する研究開発、当社グループ企業間の技術連携によるシナジー効果の発現にも力を入れております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① レーザーダイオードを活用した超高出力光源製品のさらなる強化
半導体、電子部品などの製造工程で行う画像処理検査では、一部の製造ラインにて強い明るさを出力するキセノンフラッシュ光源が使用されております。しかしこのキセノンフラッシュ光源には、ランプ寿命によるランプ交換の手間や、発光抜け(信号入力時に発光しなくなる現象)が起こりやすいこと、ジッター(発光のふらつき)が発生するなどの課題があり、これらを改善した製品開発へのニーズは強く、多くのご要望をいただいておりました。
当社はこれらのご要望に対応すべく、キセノンフラッシュ光源に代わりレーザーダイオードを活用した光源の開発に取り組んでまいりました。2018年に「PFBR-600SW シリーズ」を、2022年に後継機を開発・発売し、小型電子部品などの高速かつ高精細画像が必要とされる製造ラインで多数採用されております。
当連結会計年度には、さらなる明るさを実現した超高出力光源製品「PFBR-2400SW-LL-XF」を開発・発売いたしました。「PFBR-2400SW-LL-XF」は4灯のレーザーダイオード光源を同時に発光させ、光出力を一つに集約することで明るさ1億5千万ルクス※を実現いたしました。さらに、繰り返し発光周期を最短250kHzまで高速化することが可能となり、取得画像のぶれの低減を実現いたしました。
当社はレーザーダイオードを活用した高出力技術を成長させることで、半導体、電子部品などの検査用光源としてシェア拡大を目指してまいります。
※調光最大、出射側の結束系φ10、全長1,000㎜のストレートガイド装着時
② 3次元計測技術「位相シフト法」の画像検査ソリューションへの展開
3次元計測の技術として用いられてきた位相シフト法を外観検査に用いる技術開発を行い、プロトタイプ「二軸位相シフト照明」を発表いたしました。
凹凸などの高さ方向に高い感度を持っているため、浅い打痕やヒケ(成形過程の収縮で発生する表面のくぼみ)の観察に有効であり、自動車のボディやパーツ、鋼材などの大型なワークを外観検査する手法として期待を寄せております。さらに、一般的な位相シフト照明と異なり、縦縞、横縞の二軸方向で点灯させることができるため、ワークの傷に方向性がある場合も検査の精度損失を軽減することができます。
お客様の幅広い検査ニーズに対応できるよう、発光面サイズや形状、縞パターンの幅などをカスタマイズでき、エリアカメラとラインカメラ双方に対応が可能となっております。
(3) IPC関連
IPC関連におきましては、様々な産業分野向けとして、高い品質と長期供給性を追求した組み込みボード製品の製造や、生産ライン、社会インフラ向けのシステムを構築し、CPUボード、I/Oボード、コントローラー装置など組み込み用コンピュータ構築に必要なプラットフォーム提供からアプリケーション・システムの構築、さらには最新のセンシングや制御装置の提供など、幅広くお客様のニーズに対応しております。
① 無線環境モニタリングシステムの研究
2023年11月より、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の高度通信・放送研究開発委託研究の公募で採択された「無線環境モニタリングシステムの研究開発」を行っております。製造現場や医療現場では、無線機器の活用が進む一方で、無線通信トラブル発生時に原因特定に時間がかかり、復旧が遅れる事例が多く見られることが分かってまいりました。
本研究では、現場で利用されている無線通信の潜在的な課題を見える化し、ユーザーの無線通信に関するスキルや理解度に合わせた行動示唆を行い、無線通信トラブルを未然に回避するシステムの研究を行っております。
当連結会計年度では、実際の製造現場で無線通信トラブルが発生した際の状況を把握するため、状況分析に必要なデータの種類及びデータ収集の間隔を調査・研究しました。今年度は、より適切な無線通信環境の実現を目指し、無線センサーの設置台数・設置場所の評価検証を行います。
また、ネットワーク監視の専門家に利用されるツールではなく、作業者への自動的かつリアルタイムな行動示唆ができるツールの研究開発を進めてまいります。
② 監視カメラの業界規格に対応した追尾装置の研究開発
監視カメラの業界規格(ONVIFなど)に対応した次世代追尾装置の研究開発を進めております。本装置の開発に最新のAI技術と映像解析技術を活用したことにより、監視カメラが捉えた物体の自動追跡が可能となりました。また、既存の監視ソフトウェア(例:VMS)をはじめとした様々な監視カメラ製品との高い互換性を実現したため、今後、幅広い用途での活用が期待されております。
(4) MECT関連
MECT関連におきましては、電動自動車用などの二次電池製造装置や、電気・電子・医薬品などの多様な産業分野向け自動化装置及び画像処理検査装置・非接触3次元形状測定機などを開発・製造・販売しております。高度なメカトロ技術※や画像処理技術により、ものづくりの現場の生産性向上と品質向上に貢献しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
※メカトロ技術:メカトロニクス技術の略称で、機械工学(メカニクス)と電子工学(エレクトロニクス)を融合させた技術分野のこと
① 5軸構造ダブルレーザー3次元形状測定機「DMS-800」
従来の、接触針がワークに直接触れることで測定を行う「接触式3次元測定機」とは異なり、レーザー光をワークに照射し、その反射光を観察することで、ワークに接触することなく形状を高速かつ高精度で測定できる装置を開発いたしました。
近年、自動車関連部品や様々な精密機器などに使用される鋳造品、加工品、成型品などで、接触針が入らない複雑な形状のワークが増加しており、正確な測定が困難になる課題が生じております。こうした課題に対し、当社グループで培ってきたレーザー光を用いた光測定方式を採用し、高精度かつ高速に形状測定を行う装置を開発いたしました。また当社のもう一つの強みであるメカトロ技術を活かし、機械加工装置と同じ5軸構造を実現することで、複雑な形状のワークに対しても正確な測定を可能にしました。さらに光測定方式の弱点でもある影(死角)ができる点に対して「ダブルレーザー」を搭載することで解決を図っております。
② 卓上型3次元形状測定機「新 3D-Eyeスキャナー」
試験開発や製造現場における様々な形状測定のニーズに対し、光測定方式を用いて顧客が抱える課題を解決する、卓上型非接触3次元形状測定機を開発いたしました。持ち運びが可能な卓上型でありながら、XYZ軸の調整が可能なステージを標準装備しており、高さ・面積・体積の測定を高精度に行うことができます。また、スキャンしたデータに含まれるノイズ成分を最小限に抑え、より精度の高い計測結果を導き出すことができる「サブラインスキャンテクノロジー(特許出願中)」を搭載するなど、当社グループが過去に発売した従来品から大きく進化しております。
今後は、金属加工部品、鋳造部品、樹脂成型部品製造など様々な分野に、これまで進めてきた外観検査ソリューション事業と合わせ、非接触3次元形状測定機事業を拡大展開してまいります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01998] S100VH88)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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