有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100XU36 (EDINETへの外部リンク)
オプテックスグループ株式会社 研究開発活動 (2025年12月期)
当社グループは、「見えないものを、見るしごと。」の実現を果たすために、世の中の様々な課題やニーズに対してその解決方法を提案し、顧客満足度の向上を目指して研究開発を進めております。
センシング技術に加え、照明技術やさまざまな要素技術を取り入れ、変化や状態を「見る」、見えないものを「視る」、観察し判断する「観る」を包含した「見る」技術を進化させ、多様化するお客様に価値ある提案を行い、新たなソリューションを創造してまいります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は3,760百万円であり、対売上高比率は5.7%となっております。
(1) 防犯関連
近年、地政学的リスクの高まりや社会インフラの高度化を背景に、データセンター、発電所、空港、政府関連施設などの重要インフラを対象としたセキュリティ対策の重要性が一層高まっております。これらの施設では、侵入を確実に検知する性能に加え、警備が途切れない高い信頼性や、誤警報を抑えた安定的な運用が求められております。
このような重要インフラ特有の要求に対応するため、当社グループは、屋内外の警戒用途に適した複数のセンシング技術を活用した、高精度かつ継続性の高い侵入検知ソリューションの研究開発を重点的に推進しております。特に、施工や運用の負担を抑えながら、長期間に渡り安定した警備を実現する製品の提供を目指しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① レーザースキャン侵入検知センサー「REDSCAN Lite」シリーズ
屋内向けレーザースキャン侵入検知センサー 「REDSCAN Lite」シリーズを開発し、グローバル市場に向けてリリースいたしました。本シリーズは、レーザーを用いた検知方式により人や物体の動きを高精度に捉え、誤警報を抑えながら侵入検知を可能とする製品です。
本製品は、1台で最大10m×10mの警戒エリアをカバーでき、データセンターや研究施設、倉庫など、高い安全性が求められる屋内空間での利用を想定しております。従来の高性能センサーと比較し、設置を簡易化する設計により、施工負担を軽減いたしました。
また、周囲環境に応じて検知エリアを自動的に最適化する機能を備えることで、導入後の調整作業を最小限に抑えるとともに、長期間にわたり安定した検知性能の維持を可能としております。本シリーズは、重要インフラ向け屋内セキュリティ分野における当社グループの競争力を高める戦略製品として位置づけております。
② ポイント・ロケーション侵入検知システム「Point Defender PD500」
重要施設向け外周警備市場におけるニーズの高度化に対応するため、周辺フェンス侵入検知システム「Point Defender PD500」を開発、リリースいたしました。
本製品は、フェンスに沿って設置したセンサーケーブルを用い、侵入が発生した位置を約1メートル単位で特定することが可能です。また、妨害や破壊を受けて設備の一部に損傷が生じた場合でも検知を継続できる構造を採用しているほか、システムの一部に不具合が生じた場合も、他の機器が検知機能を引き継ぐことで警備全体が停止するリスクを低減しております。加えて、フェンス全域で検知性能を自動的に均一化することにより、設置環境の差による検知のばらつきを抑え、不要な警報の低減を実現しております。空港、発電設備、データセンターなど、警備の中断が許容されない外周警備用途において、高い信頼性と実用性を備えたソリューションとなっております。
今後も、上記の屋内向けレーザースキャン方式と外周向けフェンス侵入検知を組み合わせた重要施設向け侵入検知ソリューションをさらに強化し、グローバル市場における防犯分野での競争力向上を図ってまいります。
(2) 自動ドア関連
自動ドア関連におきましては、公共施設、オフィス、店舗や工場施設などで人々が安全・安心・快適に通行できる自動開閉扉用センサーを開発、販売しております。創業以来培ってきた独自のセンシング技術で業界最高水準の安全性と、あらゆる設置環境下でも安定したパフォーマンスを発揮すべく研究開発を行っております。
現在、国内においては、自動ドアセンサー分野は約5割、工場や倉庫の高速シャッターセンサー分野は約7割と、当社グループは高い市場シェアを保持し、海外においては、開口部周辺の安全要求が各地域の法令として定義されるなか、各地域特性に応じた製品を開発し、北米、欧州、アジア地域での市場シェアも順調に伸長しております。
また、自動ドア関連事業において進めている「モノ売り」から「コト売り」への事業拡大に関しても、システム開発やアプリ開発を積極的に進め、2025年には不動産ディベロッパー各社とスマートエントランスサービスの提供を開始しました。
得意とする光技術に加え、二酸化炭素排出量削減や新しい付加価値創造を実現するための技術開発をさらに積極的に進め、より快適な社会環境の実現に貢献してまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 日本市場向け シートシャッター用センサー「OAM-EXPLORER(J)・LINK-BT2」
工場や倉庫において、夏季の暑熱環境の悪化に加え、冷暖房の効いた空気が外部に流出することによる空調効率の低下により、作業環境の悪化が加速しており、遮熱対策及び熱中症対策の重要性が高まっております。このような現場に向けて、シートシャッター用センサー「OAM-Explorer(J)」とシャッター起動用の信号を発信する小型の無線リモコン「LINK-BT2」を組み合わせた暑さ対策ソリューションを展開しております。
本ソリューションは、移動中の人や車両を捉えるマイクロウェーブ方式と、静止している対象を捉える近赤外線反射方式を装備したハイブリッド検知が特長である「OAM-EXPLORER(J)」と、無線リモコン「LINK-BT2」を組み合わせております。これにより、無駄な開閉を抑制し必要時のみシャッターを開放することが可能となりました。開閉数を最適化することで、空調効率の低下を抑制し、作業環境の改善及び安全性の向上に貢献しております。
今後もカーボンニュートラルなど、社会課題に対応したセンサーソリューションを提供してまいります。
② OMNICITY「スマートエントランス」
日本市場において自動ドアセンサーを活用した情報シェアリングサービス「OMNICITY(オムニシティ)※」を開始し、Bluetooth機能を搭載した自動ドアメディアセンサー「OAB-215シリーズ(以下、OAB-215)」を市場投入して順調にビジネスを拡大しております。特にオートロックのアクセスコントロールを実現する「スマートエントランス」は国内大手ディベロッパーと連携し、マンション共用エントランスへの導入が進んでおります。
また、スマートフォンアプリに加えてエレベーターやロボットなどの多様なハードウェアと連携することで、オートロックの解錠のみならず、ロボットが荷物を専有部まで配達するなど、人手不足の解消に貢献する取り組みを開始いたしました。現在は日本国内のみでの導入となりますが、北米、欧州、アジア市場での立ち上げに向けて準備を進めております。
今後もスマートエントランスの拡販を進めるとともに、連携可能なデバイス・サービスを拡充し、スマートフォンと自動ドアセンサーを活用した新たなサービス及びアプリケーションの構築に取り組んでまいります。
※OMNICITY:出入り口に設置された自動ドアセンサーにBluetooth機能を搭載することで、通行者に商品情報やクーポンの配信、病院やホテルなどで自動チェックイン・アウトが可能となるプラットフォーム
③ 客数情報カウントシステム
客数情報カウントシステムの分野では、クラウドサービスのプラットフォーム「パッサークラウド(PASSER-Cloud)」におけるセンサー及び位置情報データの処理基盤強化に向けたシステム開発を継続してまいりました。小売業界では、リテールメディア※による店舗集客や購買促進のDX化が進んでおり、店舗マネジメントの基礎データとなる客数情報システムにおいてもクラウドサービスへの移行が加速しております。
センサーによる客数計測に加え、無線通信でスマートフォンなどの位置情報を取得できる「パッサービーコン」をセンサーに内蔵し、店内購買利用での導線分析や来店時のクーポン発行などの購買促進にも活用できるなど、多様な店舗DXの施策に寄与するセンサーとパッサークラウドでのデータ分析が評価され契約数が増加いたしました。
また、画像処理AIを用いて人・車両(二輪・四輪)を識別し計測するセンサー・システムを開発し、施設内のみならず、屋外の人流や来店手段など、より広域かつ詳細な分析を実現しました。これにより、近隣居住者や最寄り駅利用者などの来店属性に応じた広告展開や販売促進の効率化など、顧客の課題に対しセンサーとデータによる店舗DXのソリューションに、より貢献することが可能になりました。
今後はセンシング技術の高度化及び有益なデータの拡充を進めるとともに、セキュリティ対策を強化し、安全かつ便利なセンサー・クラウドサービスを継続してまいります。
※リテールメディア:小売企業が保有する店舗・アプリ・ECサイトなどにおける顧客の購買・来店・行動データをもとに、最適な情報発信や販促を行う仕組み。
(3) 社会・環境関連
社会・環境関連におきましては、駐車場などで車を検知する車両検知用センサーと、液体の色や濁りを素早く正確に測定する水質計測用センサーの開発を行っております。
車両検知用センサーの分野では、「人」を無視(キャンセル)し、車のみを確実に検出できるセンシング技術が求められております。この分野では長年、特殊な電線を地中に埋設する「ループコイルセンサー」が世界に普及し、駐車場業界における標準となっており、施工時の作業コストや環境への負荷が大きい点が指摘されております。その課題を解決すべく、業界でいち早く、マイクロウェーブを活用した高精度かつ地上設置が可能なエリアセンサーを開発し、全世界へ訴求・提案を進めてまいりました。その結果、世界的にループコイルセンサーからエリアセンサーへの転換が加速しつつあります。また、センサー端末販売のみならず大型施設向け駐車場への車両誘導システムの導入を推進し、利用者の駐車待ち時間・ストレスの軽減や交通誘導員不足の解消など、社会課題の解決に注力しております。
水質計測用センサーの分野では、安全・品質・衛生管理の特殊な計測ニーズに対応した製品の開発を行っており、DXを活用した計測ニーズに対応し、顧客の意思決定の根拠となる高精度なデータを提供できる様々なセンサー製品の開発に取り組んでまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 車両検知用センサー「OVS-02GTシリーズ」
2023年に発売したOVS-02シリーズは人キャンセル性能の大幅向上、検知エリアの拡大、スマートフォンアプリによるきめ細かな機器設定や施工性の向上など、様々な顧客要望を取り入れてまいりました。その結果、ループコイルセンサーから当社グループ製品への置き換えが進み、北米のオフィスや集合住宅向けセキュリティゲートの開閉用途を中心に全世界で継続的に販売数量が増加いたしました。今後は欧州地区でのさらなる拡販を目指すべく、欧州安全規格に対応したOVS-02GT派生モデルの市場投入を予定しております。
② 車路管制システム(車両誘導システム)
大型商業施設や公共向け駐車場へ、車両検知センサー、誘導灯(招き灯)、表示機器、制御システム及び表示用ソフトウェアから構成される車両誘導システムの提案を推進いたしました。これにより、宮崎空港をはじめとする様々な公共施設や商業施設への導入が実現しました。
今後も交通誘導員不足などの社会課題を背景に、同分野の需要は継続すると見込んでおります。
③ 水質モニタリングサービス「WATER it」
計測データを含むソリューションを提供する簡易水質測定システム「WATER it」に、当社グループの環境防災機器を接続することが可能となりました。これにより、水環境と設備の異常の有無を同一システム上で把握することができます。本システムは、DXを活用し現場の負担を大幅に削減できるソリューションとして、近年、利用件数が順調に増加しております。
これは水質管理市場において同システムの認知度が向上してきたことに加え、ワンストップで遠隔モニタリングを迅速に利用できるという利点が評価を受けていることによるものです。今後も継続して市場への普及を目指してまいります。また気候変動による災害においては、社会的及び制度的課題として取り上げられた地下駐車場の冠水事故の影響から、当社グループの冠水センサーについて多数のお問い合わせがあり、実案件に向けた動きも見られました。引き続き「WATER it」の普及のため、市場の防災ニーズへの高まりを注視し、水質管理及び環境防災機器のモニタリング機能の充実を図ってまいります。
(1) FA関連
FA関連におきましては、さまざまな製造業の工場における製造ラインの自動化・省力化に不可欠なFA用センサー(産業用センサー)の製品開発、研究に取り組んでおります。可視光や赤外光を用いた光電センサーのみならず、距離を計測する変位センサー、カメラを用いた画像センサー、LED照明機器、非接触温度計などのセンサー、さらに産業IoT(IIoT)※、環境の構築に貢献するIO-Link※製品など、幅広く開発しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
※産業IoT(IIoT):Industrial Internet of Thingsの略で、産業用機械や装置・設備・システムなどをネットワークで相互接続し、現場作業の効率化や見える化などを実現するもの
※IO-Link:センサーと制御システムの間で各種データ交換を行う通信技術のこと。設備の予知保全などに役立つ
① 防塵防水(IP67)の高輝度センシングバー照明「OPB-X-IPシリーズ」
従来からの独自技術であるセンシング照明を進化させた新技術「FALUX sensing +」を搭載したセンシングLED照明シリーズにおけるバー照明(OPB-Xシリーズ)の防塵防水タイプとなります。
バー照明は特に水や粉塵が舞う過酷な環境下での使用用途が多いため、標準のOPB-Xシリーズと同等の明るさなどの照明性能に加え、防塵防水性能を有したモデルを追加いたしました。
② 高輝度センシングリング照明「OPR-X 32-10サイズ」
新技術「FALUX sensing +」を搭載したセンシングLED照明シリーズとして、バー照明(OPB-Xシリーズ)に続く第2弾となるリング照明をラインナップに追加いたしました。本製品では、Φ32サイズの小型リング照明に対応したローアングル用アタッチメントレンズを新たに開発し、傷などの欠陥が検出しやすい暗視野照明への対応を可能としました。
③ LED照明用電源「OPPXシリーズ」EtherNet/IPモデル追加
好評を頂いているLED照明用電源「OPPXシリーズ」に、EtherNet/IP※に対応したモデルを追加いたしました。これまでEtherNet/IPに対応したLED照明用電源は、標準的な電源とは別モデルの位置付けであり、製品仕様も異なっておりましたが、今回のOPPXシリーズでは標準電源仕様そのままにEtherNet/IPに対応しているため、ユーザーの利便性向上に貢献いたします。
※EtherNet/IP : 基本的なEthernet技術をベースに、産業用共通プロトコル(CIP)を組み合わせて使用する産業用ネットワーク規格のこと。
④ IO-Linkデバイス「UR-DS8RTD」白金測温抵抗体モデル追加
白金の電気的特性を利用して温度を測定するセンサーである白金測温抵抗体を接続し、-200℃~+1000℃の温度データをIO-Link通信に変換するユニットです。8本分の白金測温抵抗体を同時に接続することが可能です。
他のデバイスユニットと合わせて、各種データをIO-Link通信にてやり取りすることで、製造現場における温度管理の見える化をさらに推進する製品となっております。
⑤ 超小型レーザー変位センサー「CD2Sシリーズ」
超小型筐体の高精度変位センサーを開発いたしました。上位機種で採用している独自開発のイメージセンサー「ATMOS」を搭載し、堅牢な金属筐体で安定した検出性能を提供いたします。表示部には上位機種と同様のOLEDディスプレイ※を採用し、より分かりやすく直感的な操作が可能です。インターフェースはセンサー類で採用が広がるIO-Linkに対応するとともに、従来の工業用アナログ電流・電圧出力も装備しております。限られた設置スペースでも安定した測定を実現し、搭載装置の小型化及び高密度化に貢献いたします。
※Organic Electro light Luminescence Diode (有機ELダイオード)ディスプレイ
⑥ OLEDディスプレイ搭載ローコストファイバーセンサー「D12Rシリーズ」
シンプルな機能構成及び低価格を追求しながら、OLEDディスプレイの採用により直感的な操作を可能にしたデジタルファイバーセンサーD12Rを開発いたしました。上位機種と統一感のあるデザイン、操作性を維持しつつ、機能を絞り込むことで低価格を実現しております。一方で、50μsの高速応答や、異周波設定により最大4台まで同一センサーを近接設置しても誤作動しない干渉防止機能に加え、豊富な外部入力機能も装備し、利便性にもこだわりました。
⑦ IO-Link対応高機能デジタルファイバーセンサー「D4RFシリーズ」近距離・高精度タイプ追加
超高速応答(16μs)、高機能デジタルファイバーセンサーD4RFシリーズに新たな機種を追加いたしました。近距離での検出でも光量過多になることなく、スクリーンファイバ(帯状に広がる光)を使用した際に、微小な物体の通過による僅かな光量の変化を検出することが可能です。本機種は小型電子部品や錠剤の落下検出などの用途を想定しております。また、同シリーズの従来機種と同様に、高速応答やOLEDディスプレイによる可読性、操作性も備えております。
(2) 検査用照明関連
検査用照明関連におきましては、お客様の困り事を解決するために光を軸としたソリューション提案を磨くことで、お客様の検査品質向上に努めてまいりました。さらに、市場規模が拡大している半導体ウェハや二次電池部材などの検査需要にお応えするため、カメラ、レンズ、画像処理ソフト、装置、産業ロボットなどを活用した検査・計測のトータルソリューションへ活動の幅を広げております。
そして、高度化・多様化しているお客様の課題を解決すべく、従来からの照明や関連機器の高性能化・高機能化のみならず、生成AI、レーザー光源などの先進技術の積極的な利用や、光学・制御に関する研究開発、当社グループ企業間の技術連携によるシナジー効果の発現にも力を入れております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 業界最高クラスの明るさを実現したラインスキャンカメラ用照明「LN2シリーズ」の開発
独自の光学設計(特許出願済)と放熱設計により、ラインスキャンカメラ用照明にて自然空冷方式で業界最高クラスの明るさを出力する製品「LN2シリーズ」を開発いたしました。
二次電池向けの電極シートやフィルムシート市場の成長に伴い、ラインスキャンカメラを用いた検査の高精細化・高速化が求められておりますが、従来製品では明るさが不足するという課題がありました。この課題を解決すべく、光学設計を改良することで明るさを向上させるとともに、検査物の特徴に適した配光を3種類ラインナップいたしました。これにより、様々なシートやフィルムの検査シーンにて、高精度・高速化の需要に対応しております。
② 照明制御機能を拡充したデジタル電源「PD4-Aシリーズ」の開発
2022年度に発売した「PD4シリーズ」に、多彩な照明点灯制御機能などを追加した「PD4-Aシリーズ」を開発いたしました。
近年ではフォトメトリックステレオ法※などを代表とした、一回の検査において複数の照明を制御する検査ニーズが増加しており、電源においてもよりフレキシブルな点灯制御が可能となる機能の追加が求められておりました。今回の開発では、複数の照明を制御することに特化したシーケンス制御機能において多様な検査に応えるように機能を拡充いたしました。従来は使用する照明の点灯・消灯を切り替えるのみでしたが、それに加え調光値や点灯時間の設定、外部からの動作指示信号の選択、点灯順序の変更を可能とし、より細かな設定ができるようになりました。
また、検査装置の多くは電源を制御するためにプログラマブルロジックコントローラ(以降PLC)が使用され、電源と通信が行われております。PLC専用の通信機能(PLCCOM通信機能)においても利便性をさらに向上させる機能を拡充いたしました。今までは通信用のコマンド理解がユーザーに必要でしたが、それを不要とする簡単設定モードを追加し、照明制御やデータの読み取りや書き取りを容易にしております。
このように、制御及び機器接続の利便性を高めることで、複雑化・高度化する検査需要に対応してまいります。
※フォトメトリックステレオ法:検査対象物へ複数方向から照射し、撮像した画像の差分によって検査対象物の情報を抽出する手法
③ 3次元計測技術の進展
検査物の欠陥有無の検出にとどまらず、定量的に欠陥の寸法を計測できる「二光束干渉法※を用いた3次元計測装置」の開発に取り組んでまいりました。
二光束干渉法に特化した独自の光学設計により光の可干渉性(干渉のしやすさ)を高め、様々な表面状態の検査対象物にも対応が可能となりました。また、駆動部と画像処理部も自社開発することで、ミクロンからミリオーダーまでの幅広い高さ領域の計測を実現いたしました。さらに、産業用カメラにおける標準規格であるCマウントのカメラが使用可能であり、レンズ倍率や高さ分解能(測定の細かさの限界)などもカスタマイズでき、お客様の幅広い検査ニーズにも対応できます。
本技術は今後ラインカメラへの応用も検討しており、二光束干渉法を用いた高速かつ広視野な3次元計測の実現に向け、引き続き検討を進めてまいります。
※二光束干渉法:一つの光を二つの光に分離し重ね合わせ、両者の光路差(距離の差)を干渉縞の強度として検出する手法。
(3) 産業用PC関連
産業用PC関連におきましては、様々な産業分野向けとして、高い品質と長期供給性を追求した組み込みボード製品の製造や、生産ライン、社会インフラ向けのシステムを構築し、CPUボード、I/Oボード、コントローラー装置など組み込み用コンピュータ構築に必要なプラットフォーム提供からアプリケーション・システムの構築、さらには最新のセンシングや制御装置・ロボットの提供など、幅広くお客様のニーズに対応しております。
① 消防ロボット
2022年より、当社グループ会社のサンリツオートメイション㈱・愛知県豊田市消防本部・愛知工業大学と共同開発を進めてまいりました、火災及び災害現場における遠隔調査が可能な消防用ロボット(製品名:高温下作業用クローラロボットARTHUR-FireFighter <アーサー・ファイアーファイター>)が、豊田市消防本部へ導入されました。中核市での消防用ロボットの導入は全国初であり、地方においても、火災や特殊な災害現場での要救助者捜索などで、本製品の活躍が期待されております。
また、本製品の検証や改良を継続的に推進できる体制を構築するため、豊田市と「消防用ロボットの能力開発の協力に関する協定」を締結いたしました。協定を通じて、より広く活用ができ、より救命・防災・減災に役立つロボットとして、多くの自治体・機関での社会実装に向けて活動してまいります。
② 屋内マップ生成機能付き無線環境測定ツール
屋内のWi-Fiなどの無線通信は、部屋の構造や設置物の影響を受けやすく、同じ建物内でも位置によって通信品質にばらつきが生じます。エンドユーザーに通信環境をレポートするためには、屋内の構造が分かるマップを作成したうえで、電波状況をマップ上にプロット(記録・表示)する必要があり、作業に多くの時間を要します。
そこで、屋内構造のマップ作成と無線状況のプロットを同時に行うシステムの研究を行い、自動マップ生成機能を有した無線環境測定ツールを開発しました。
現状は無線研究者向けのツールとなりますが、屋内を歩いて無線の状態を計測するだけで、屋内のマップを自動作成しながら電波強度・電波混雑率をマップにプロットすることが可能となりました。
今後は、一般ユーザーでも容易に操作できる屋内マップ生成機能付き無線環境測定ツールの研究・開発を進めてまいります。
(4) 自動化装置関連
自動化装置関連におきましては、電動自動車用などの二次電池製造装置や、電気・電子・医薬品などの多様な産業分野向け自動化装置及び画像処理検査装置・非接触3次元形状測定機などを開発・製造・販売しております。高度なメカトロ技術※や画像処理技術により、ものづくりの現場の生産性向上と品質向上に貢献しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
※メカトロ技術:メカトロニクス技術の略称で、機械工学(メカニクス)と電子工学(エレクトロニクス)を融合させた技術分野のこと
① 3次元形状測定機向け紙図面自動読み込みソフトウェア
非接触3次元形状測定機「DMS-800」のオプションとして、AIを用いて部品や製品の紙図面・PDFデータを読み込み、実測データと比較できるソフトウェアを世界で初めて※開発・発売いたしました。
これまでCADデータ(コンピューター上で制作した設計図)を読み込み、実測データと比較する機能は多くの測定装置に採用されておりました。しかし、設計元が外部の加工会社に製造委託する際は、データ改ざん防止及び機密保持の観点からCADデータを提供できず、PDFデータや紙図面で発注されるケースが多数あります。この場合、加工会社が図面に記載された寸法情報などを目視で確認し、装置に手動入力した上で、実測データと比較する必要がありました。
本ソフトウェアは複数のAIエンジンを組み合わせて使用することで、図面の寸法や、設計値に対して許容される寸法の範囲を示す「公差」を、高精度かつ自動で読み込むことが可能です。これにより、検査測定箇所の図面寸法入力の時間を大幅に短縮し、生産効率向上に貢献いたします。
今後も中小規模の部品加工メーカーや、多種多様な取引先から受託する加工メーカーが効率よく検査測定を行えるよう、ユーザー視点で差別化した機能拡充を図り、さらなる事業拡大を目指してまいります。
※ミツテック㈱調べ(2025年7月24日時点、非接触3次元形状測定機向けに同様の機能を有する製品として)
センシング技術に加え、照明技術やさまざまな要素技術を取り入れ、変化や状態を「見る」、見えないものを「視る」、観察し判断する「観る」を包含した「見る」技術を進化させ、多様化するお客様に価値ある提案を行い、新たなソリューションを創造してまいります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は3,760百万円であり、対売上高比率は5.7%となっております。
(1) 防犯関連
近年、地政学的リスクの高まりや社会インフラの高度化を背景に、データセンター、発電所、空港、政府関連施設などの重要インフラを対象としたセキュリティ対策の重要性が一層高まっております。これらの施設では、侵入を確実に検知する性能に加え、警備が途切れない高い信頼性や、誤警報を抑えた安定的な運用が求められております。
このような重要インフラ特有の要求に対応するため、当社グループは、屋内外の警戒用途に適した複数のセンシング技術を活用した、高精度かつ継続性の高い侵入検知ソリューションの研究開発を重点的に推進しております。特に、施工や運用の負担を抑えながら、長期間に渡り安定した警備を実現する製品の提供を目指しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① レーザースキャン侵入検知センサー「REDSCAN Lite」シリーズ
屋内向けレーザースキャン侵入検知センサー 「REDSCAN Lite」シリーズを開発し、グローバル市場に向けてリリースいたしました。本シリーズは、レーザーを用いた検知方式により人や物体の動きを高精度に捉え、誤警報を抑えながら侵入検知を可能とする製品です。
本製品は、1台で最大10m×10mの警戒エリアをカバーでき、データセンターや研究施設、倉庫など、高い安全性が求められる屋内空間での利用を想定しております。従来の高性能センサーと比較し、設置を簡易化する設計により、施工負担を軽減いたしました。
また、周囲環境に応じて検知エリアを自動的に最適化する機能を備えることで、導入後の調整作業を最小限に抑えるとともに、長期間にわたり安定した検知性能の維持を可能としております。本シリーズは、重要インフラ向け屋内セキュリティ分野における当社グループの競争力を高める戦略製品として位置づけております。
② ポイント・ロケーション侵入検知システム「Point Defender PD500」
重要施設向け外周警備市場におけるニーズの高度化に対応するため、周辺フェンス侵入検知システム「Point Defender PD500」を開発、リリースいたしました。
本製品は、フェンスに沿って設置したセンサーケーブルを用い、侵入が発生した位置を約1メートル単位で特定することが可能です。また、妨害や破壊を受けて設備の一部に損傷が生じた場合でも検知を継続できる構造を採用しているほか、システムの一部に不具合が生じた場合も、他の機器が検知機能を引き継ぐことで警備全体が停止するリスクを低減しております。加えて、フェンス全域で検知性能を自動的に均一化することにより、設置環境の差による検知のばらつきを抑え、不要な警報の低減を実現しております。空港、発電設備、データセンターなど、警備の中断が許容されない外周警備用途において、高い信頼性と実用性を備えたソリューションとなっております。
今後も、上記の屋内向けレーザースキャン方式と外周向けフェンス侵入検知を組み合わせた重要施設向け侵入検知ソリューションをさらに強化し、グローバル市場における防犯分野での競争力向上を図ってまいります。
(2) 自動ドア関連
自動ドア関連におきましては、公共施設、オフィス、店舗や工場施設などで人々が安全・安心・快適に通行できる自動開閉扉用センサーを開発、販売しております。創業以来培ってきた独自のセンシング技術で業界最高水準の安全性と、あらゆる設置環境下でも安定したパフォーマンスを発揮すべく研究開発を行っております。
現在、国内においては、自動ドアセンサー分野は約5割、工場や倉庫の高速シャッターセンサー分野は約7割と、当社グループは高い市場シェアを保持し、海外においては、開口部周辺の安全要求が各地域の法令として定義されるなか、各地域特性に応じた製品を開発し、北米、欧州、アジア地域での市場シェアも順調に伸長しております。
また、自動ドア関連事業において進めている「モノ売り」から「コト売り」への事業拡大に関しても、システム開発やアプリ開発を積極的に進め、2025年には不動産ディベロッパー各社とスマートエントランスサービスの提供を開始しました。
得意とする光技術に加え、二酸化炭素排出量削減や新しい付加価値創造を実現するための技術開発をさらに積極的に進め、より快適な社会環境の実現に貢献してまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 日本市場向け シートシャッター用センサー「OAM-EXPLORER(J)・LINK-BT2」
工場や倉庫において、夏季の暑熱環境の悪化に加え、冷暖房の効いた空気が外部に流出することによる空調効率の低下により、作業環境の悪化が加速しており、遮熱対策及び熱中症対策の重要性が高まっております。このような現場に向けて、シートシャッター用センサー「OAM-Explorer(J)」とシャッター起動用の信号を発信する小型の無線リモコン「LINK-BT2」を組み合わせた暑さ対策ソリューションを展開しております。
本ソリューションは、移動中の人や車両を捉えるマイクロウェーブ方式と、静止している対象を捉える近赤外線反射方式を装備したハイブリッド検知が特長である「OAM-EXPLORER(J)」と、無線リモコン「LINK-BT2」を組み合わせております。これにより、無駄な開閉を抑制し必要時のみシャッターを開放することが可能となりました。開閉数を最適化することで、空調効率の低下を抑制し、作業環境の改善及び安全性の向上に貢献しております。
今後もカーボンニュートラルなど、社会課題に対応したセンサーソリューションを提供してまいります。
② OMNICITY「スマートエントランス」
日本市場において自動ドアセンサーを活用した情報シェアリングサービス「OMNICITY(オムニシティ)※」を開始し、Bluetooth機能を搭載した自動ドアメディアセンサー「OAB-215シリーズ(以下、OAB-215)」を市場投入して順調にビジネスを拡大しております。特にオートロックのアクセスコントロールを実現する「スマートエントランス」は国内大手ディベロッパーと連携し、マンション共用エントランスへの導入が進んでおります。
また、スマートフォンアプリに加えてエレベーターやロボットなどの多様なハードウェアと連携することで、オートロックの解錠のみならず、ロボットが荷物を専有部まで配達するなど、人手不足の解消に貢献する取り組みを開始いたしました。現在は日本国内のみでの導入となりますが、北米、欧州、アジア市場での立ち上げに向けて準備を進めております。
今後もスマートエントランスの拡販を進めるとともに、連携可能なデバイス・サービスを拡充し、スマートフォンと自動ドアセンサーを活用した新たなサービス及びアプリケーションの構築に取り組んでまいります。
※OMNICITY:出入り口に設置された自動ドアセンサーにBluetooth機能を搭載することで、通行者に商品情報やクーポンの配信、病院やホテルなどで自動チェックイン・アウトが可能となるプラットフォーム
③ 客数情報カウントシステム
客数情報カウントシステムの分野では、クラウドサービスのプラットフォーム「パッサークラウド(PASSER-Cloud)」におけるセンサー及び位置情報データの処理基盤強化に向けたシステム開発を継続してまいりました。小売業界では、リテールメディア※による店舗集客や購買促進のDX化が進んでおり、店舗マネジメントの基礎データとなる客数情報システムにおいてもクラウドサービスへの移行が加速しております。
センサーによる客数計測に加え、無線通信でスマートフォンなどの位置情報を取得できる「パッサービーコン」をセンサーに内蔵し、店内購買利用での導線分析や来店時のクーポン発行などの購買促進にも活用できるなど、多様な店舗DXの施策に寄与するセンサーとパッサークラウドでのデータ分析が評価され契約数が増加いたしました。
また、画像処理AIを用いて人・車両(二輪・四輪)を識別し計測するセンサー・システムを開発し、施設内のみならず、屋外の人流や来店手段など、より広域かつ詳細な分析を実現しました。これにより、近隣居住者や最寄り駅利用者などの来店属性に応じた広告展開や販売促進の効率化など、顧客の課題に対しセンサーとデータによる店舗DXのソリューションに、より貢献することが可能になりました。
今後はセンシング技術の高度化及び有益なデータの拡充を進めるとともに、セキュリティ対策を強化し、安全かつ便利なセンサー・クラウドサービスを継続してまいります。
※リテールメディア:小売企業が保有する店舗・アプリ・ECサイトなどにおける顧客の購買・来店・行動データをもとに、最適な情報発信や販促を行う仕組み。
(3) 社会・環境関連
社会・環境関連におきましては、駐車場などで車を検知する車両検知用センサーと、液体の色や濁りを素早く正確に測定する水質計測用センサーの開発を行っております。
車両検知用センサーの分野では、「人」を無視(キャンセル)し、車のみを確実に検出できるセンシング技術が求められております。この分野では長年、特殊な電線を地中に埋設する「ループコイルセンサー」が世界に普及し、駐車場業界における標準となっており、施工時の作業コストや環境への負荷が大きい点が指摘されております。その課題を解決すべく、業界でいち早く、マイクロウェーブを活用した高精度かつ地上設置が可能なエリアセンサーを開発し、全世界へ訴求・提案を進めてまいりました。その結果、世界的にループコイルセンサーからエリアセンサーへの転換が加速しつつあります。また、センサー端末販売のみならず大型施設向け駐車場への車両誘導システムの導入を推進し、利用者の駐車待ち時間・ストレスの軽減や交通誘導員不足の解消など、社会課題の解決に注力しております。
水質計測用センサーの分野では、安全・品質・衛生管理の特殊な計測ニーズに対応した製品の開発を行っており、DXを活用した計測ニーズに対応し、顧客の意思決定の根拠となる高精度なデータを提供できる様々なセンサー製品の開発に取り組んでまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 車両検知用センサー「OVS-02GTシリーズ」
2023年に発売したOVS-02シリーズは人キャンセル性能の大幅向上、検知エリアの拡大、スマートフォンアプリによるきめ細かな機器設定や施工性の向上など、様々な顧客要望を取り入れてまいりました。その結果、ループコイルセンサーから当社グループ製品への置き換えが進み、北米のオフィスや集合住宅向けセキュリティゲートの開閉用途を中心に全世界で継続的に販売数量が増加いたしました。今後は欧州地区でのさらなる拡販を目指すべく、欧州安全規格に対応したOVS-02GT派生モデルの市場投入を予定しております。
② 車路管制システム(車両誘導システム)
大型商業施設や公共向け駐車場へ、車両検知センサー、誘導灯(招き灯)、表示機器、制御システム及び表示用ソフトウェアから構成される車両誘導システムの提案を推進いたしました。これにより、宮崎空港をはじめとする様々な公共施設や商業施設への導入が実現しました。
今後も交通誘導員不足などの社会課題を背景に、同分野の需要は継続すると見込んでおります。
③ 水質モニタリングサービス「WATER it」
計測データを含むソリューションを提供する簡易水質測定システム「WATER it」に、当社グループの環境防災機器を接続することが可能となりました。これにより、水環境と設備の異常の有無を同一システム上で把握することができます。本システムは、DXを活用し現場の負担を大幅に削減できるソリューションとして、近年、利用件数が順調に増加しております。
これは水質管理市場において同システムの認知度が向上してきたことに加え、ワンストップで遠隔モニタリングを迅速に利用できるという利点が評価を受けていることによるものです。今後も継続して市場への普及を目指してまいります。また気候変動による災害においては、社会的及び制度的課題として取り上げられた地下駐車場の冠水事故の影響から、当社グループの冠水センサーについて多数のお問い合わせがあり、実案件に向けた動きも見られました。引き続き「WATER it」の普及のため、市場の防災ニーズへの高まりを注視し、水質管理及び環境防災機器のモニタリング機能の充実を図ってまいります。
(1) FA関連
FA関連におきましては、さまざまな製造業の工場における製造ラインの自動化・省力化に不可欠なFA用センサー(産業用センサー)の製品開発、研究に取り組んでおります。可視光や赤外光を用いた光電センサーのみならず、距離を計測する変位センサー、カメラを用いた画像センサー、LED照明機器、非接触温度計などのセンサー、さらに産業IoT(IIoT)※、環境の構築に貢献するIO-Link※製品など、幅広く開発しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
※産業IoT(IIoT):Industrial Internet of Thingsの略で、産業用機械や装置・設備・システムなどをネットワークで相互接続し、現場作業の効率化や見える化などを実現するもの
※IO-Link:センサーと制御システムの間で各種データ交換を行う通信技術のこと。設備の予知保全などに役立つ
① 防塵防水(IP67)の高輝度センシングバー照明「OPB-X-IPシリーズ」
従来からの独自技術であるセンシング照明を進化させた新技術「FALUX sensing +」を搭載したセンシングLED照明シリーズにおけるバー照明(OPB-Xシリーズ)の防塵防水タイプとなります。
バー照明は特に水や粉塵が舞う過酷な環境下での使用用途が多いため、標準のOPB-Xシリーズと同等の明るさなどの照明性能に加え、防塵防水性能を有したモデルを追加いたしました。
② 高輝度センシングリング照明「OPR-X 32-10サイズ」
新技術「FALUX sensing +」を搭載したセンシングLED照明シリーズとして、バー照明(OPB-Xシリーズ)に続く第2弾となるリング照明をラインナップに追加いたしました。本製品では、Φ32サイズの小型リング照明に対応したローアングル用アタッチメントレンズを新たに開発し、傷などの欠陥が検出しやすい暗視野照明への対応を可能としました。
③ LED照明用電源「OPPXシリーズ」EtherNet/IPモデル追加
好評を頂いているLED照明用電源「OPPXシリーズ」に、EtherNet/IP※に対応したモデルを追加いたしました。これまでEtherNet/IPに対応したLED照明用電源は、標準的な電源とは別モデルの位置付けであり、製品仕様も異なっておりましたが、今回のOPPXシリーズでは標準電源仕様そのままにEtherNet/IPに対応しているため、ユーザーの利便性向上に貢献いたします。
※EtherNet/IP : 基本的なEthernet技術をベースに、産業用共通プロトコル(CIP)を組み合わせて使用する産業用ネットワーク規格のこと。
④ IO-Linkデバイス「UR-DS8RTD」白金測温抵抗体モデル追加
白金の電気的特性を利用して温度を測定するセンサーである白金測温抵抗体を接続し、-200℃~+1000℃の温度データをIO-Link通信に変換するユニットです。8本分の白金測温抵抗体を同時に接続することが可能です。
他のデバイスユニットと合わせて、各種データをIO-Link通信にてやり取りすることで、製造現場における温度管理の見える化をさらに推進する製品となっております。
⑤ 超小型レーザー変位センサー「CD2Sシリーズ」
超小型筐体の高精度変位センサーを開発いたしました。上位機種で採用している独自開発のイメージセンサー「ATMOS」を搭載し、堅牢な金属筐体で安定した検出性能を提供いたします。表示部には上位機種と同様のOLEDディスプレイ※を採用し、より分かりやすく直感的な操作が可能です。インターフェースはセンサー類で採用が広がるIO-Linkに対応するとともに、従来の工業用アナログ電流・電圧出力も装備しております。限られた設置スペースでも安定した測定を実現し、搭載装置の小型化及び高密度化に貢献いたします。
※Organic Electro light Luminescence Diode (有機ELダイオード)ディスプレイ
⑥ OLEDディスプレイ搭載ローコストファイバーセンサー「D12Rシリーズ」
シンプルな機能構成及び低価格を追求しながら、OLEDディスプレイの採用により直感的な操作を可能にしたデジタルファイバーセンサーD12Rを開発いたしました。上位機種と統一感のあるデザイン、操作性を維持しつつ、機能を絞り込むことで低価格を実現しております。一方で、50μsの高速応答や、異周波設定により最大4台まで同一センサーを近接設置しても誤作動しない干渉防止機能に加え、豊富な外部入力機能も装備し、利便性にもこだわりました。
⑦ IO-Link対応高機能デジタルファイバーセンサー「D4RFシリーズ」近距離・高精度タイプ追加
超高速応答(16μs)、高機能デジタルファイバーセンサーD4RFシリーズに新たな機種を追加いたしました。近距離での検出でも光量過多になることなく、スクリーンファイバ(帯状に広がる光)を使用した際に、微小な物体の通過による僅かな光量の変化を検出することが可能です。本機種は小型電子部品や錠剤の落下検出などの用途を想定しております。また、同シリーズの従来機種と同様に、高速応答やOLEDディスプレイによる可読性、操作性も備えております。
(2) 検査用照明関連
検査用照明関連におきましては、お客様の困り事を解決するために光を軸としたソリューション提案を磨くことで、お客様の検査品質向上に努めてまいりました。さらに、市場規模が拡大している半導体ウェハや二次電池部材などの検査需要にお応えするため、カメラ、レンズ、画像処理ソフト、装置、産業ロボットなどを活用した検査・計測のトータルソリューションへ活動の幅を広げております。
そして、高度化・多様化しているお客様の課題を解決すべく、従来からの照明や関連機器の高性能化・高機能化のみならず、生成AI、レーザー光源などの先進技術の積極的な利用や、光学・制御に関する研究開発、当社グループ企業間の技術連携によるシナジー効果の発現にも力を入れております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 業界最高クラスの明るさを実現したラインスキャンカメラ用照明「LN2シリーズ」の開発
独自の光学設計(特許出願済)と放熱設計により、ラインスキャンカメラ用照明にて自然空冷方式で業界最高クラスの明るさを出力する製品「LN2シリーズ」を開発いたしました。
二次電池向けの電極シートやフィルムシート市場の成長に伴い、ラインスキャンカメラを用いた検査の高精細化・高速化が求められておりますが、従来製品では明るさが不足するという課題がありました。この課題を解決すべく、光学設計を改良することで明るさを向上させるとともに、検査物の特徴に適した配光を3種類ラインナップいたしました。これにより、様々なシートやフィルムの検査シーンにて、高精度・高速化の需要に対応しております。
② 照明制御機能を拡充したデジタル電源「PD4-Aシリーズ」の開発
2022年度に発売した「PD4シリーズ」に、多彩な照明点灯制御機能などを追加した「PD4-Aシリーズ」を開発いたしました。
近年ではフォトメトリックステレオ法※などを代表とした、一回の検査において複数の照明を制御する検査ニーズが増加しており、電源においてもよりフレキシブルな点灯制御が可能となる機能の追加が求められておりました。今回の開発では、複数の照明を制御することに特化したシーケンス制御機能において多様な検査に応えるように機能を拡充いたしました。従来は使用する照明の点灯・消灯を切り替えるのみでしたが、それに加え調光値や点灯時間の設定、外部からの動作指示信号の選択、点灯順序の変更を可能とし、より細かな設定ができるようになりました。
また、検査装置の多くは電源を制御するためにプログラマブルロジックコントローラ(以降PLC)が使用され、電源と通信が行われております。PLC専用の通信機能(PLCCOM通信機能)においても利便性をさらに向上させる機能を拡充いたしました。今までは通信用のコマンド理解がユーザーに必要でしたが、それを不要とする簡単設定モードを追加し、照明制御やデータの読み取りや書き取りを容易にしております。
このように、制御及び機器接続の利便性を高めることで、複雑化・高度化する検査需要に対応してまいります。
※フォトメトリックステレオ法:検査対象物へ複数方向から照射し、撮像した画像の差分によって検査対象物の情報を抽出する手法
③ 3次元計測技術の進展
検査物の欠陥有無の検出にとどまらず、定量的に欠陥の寸法を計測できる「二光束干渉法※を用いた3次元計測装置」の開発に取り組んでまいりました。
二光束干渉法に特化した独自の光学設計により光の可干渉性(干渉のしやすさ)を高め、様々な表面状態の検査対象物にも対応が可能となりました。また、駆動部と画像処理部も自社開発することで、ミクロンからミリオーダーまでの幅広い高さ領域の計測を実現いたしました。さらに、産業用カメラにおける標準規格であるCマウントのカメラが使用可能であり、レンズ倍率や高さ分解能(測定の細かさの限界)などもカスタマイズでき、お客様の幅広い検査ニーズにも対応できます。
本技術は今後ラインカメラへの応用も検討しており、二光束干渉法を用いた高速かつ広視野な3次元計測の実現に向け、引き続き検討を進めてまいります。
※二光束干渉法:一つの光を二つの光に分離し重ね合わせ、両者の光路差(距離の差)を干渉縞の強度として検出する手法。
(3) 産業用PC関連
産業用PC関連におきましては、様々な産業分野向けとして、高い品質と長期供給性を追求した組み込みボード製品の製造や、生産ライン、社会インフラ向けのシステムを構築し、CPUボード、I/Oボード、コントローラー装置など組み込み用コンピュータ構築に必要なプラットフォーム提供からアプリケーション・システムの構築、さらには最新のセンシングや制御装置・ロボットの提供など、幅広くお客様のニーズに対応しております。
① 消防ロボット
2022年より、当社グループ会社のサンリツオートメイション㈱・愛知県豊田市消防本部・愛知工業大学と共同開発を進めてまいりました、火災及び災害現場における遠隔調査が可能な消防用ロボット(製品名:高温下作業用クローラロボットARTHUR-FireFighter <アーサー・ファイアーファイター>)が、豊田市消防本部へ導入されました。中核市での消防用ロボットの導入は全国初であり、地方においても、火災や特殊な災害現場での要救助者捜索などで、本製品の活躍が期待されております。
また、本製品の検証や改良を継続的に推進できる体制を構築するため、豊田市と「消防用ロボットの能力開発の協力に関する協定」を締結いたしました。協定を通じて、より広く活用ができ、より救命・防災・減災に役立つロボットとして、多くの自治体・機関での社会実装に向けて活動してまいります。
② 屋内マップ生成機能付き無線環境測定ツール
屋内のWi-Fiなどの無線通信は、部屋の構造や設置物の影響を受けやすく、同じ建物内でも位置によって通信品質にばらつきが生じます。エンドユーザーに通信環境をレポートするためには、屋内の構造が分かるマップを作成したうえで、電波状況をマップ上にプロット(記録・表示)する必要があり、作業に多くの時間を要します。
そこで、屋内構造のマップ作成と無線状況のプロットを同時に行うシステムの研究を行い、自動マップ生成機能を有した無線環境測定ツールを開発しました。
現状は無線研究者向けのツールとなりますが、屋内を歩いて無線の状態を計測するだけで、屋内のマップを自動作成しながら電波強度・電波混雑率をマップにプロットすることが可能となりました。
今後は、一般ユーザーでも容易に操作できる屋内マップ生成機能付き無線環境測定ツールの研究・開発を進めてまいります。
(4) 自動化装置関連
自動化装置関連におきましては、電動自動車用などの二次電池製造装置や、電気・電子・医薬品などの多様な産業分野向け自動化装置及び画像処理検査装置・非接触3次元形状測定機などを開発・製造・販売しております。高度なメカトロ技術※や画像処理技術により、ものづくりの現場の生産性向上と品質向上に貢献しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
※メカトロ技術:メカトロニクス技術の略称で、機械工学(メカニクス)と電子工学(エレクトロニクス)を融合させた技術分野のこと
① 3次元形状測定機向け紙図面自動読み込みソフトウェア
非接触3次元形状測定機「DMS-800」のオプションとして、AIを用いて部品や製品の紙図面・PDFデータを読み込み、実測データと比較できるソフトウェアを世界で初めて※開発・発売いたしました。
これまでCADデータ(コンピューター上で制作した設計図)を読み込み、実測データと比較する機能は多くの測定装置に採用されておりました。しかし、設計元が外部の加工会社に製造委託する際は、データ改ざん防止及び機密保持の観点からCADデータを提供できず、PDFデータや紙図面で発注されるケースが多数あります。この場合、加工会社が図面に記載された寸法情報などを目視で確認し、装置に手動入力した上で、実測データと比較する必要がありました。
本ソフトウェアは複数のAIエンジンを組み合わせて使用することで、図面の寸法や、設計値に対して許容される寸法の範囲を示す「公差」を、高精度かつ自動で読み込むことが可能です。これにより、検査測定箇所の図面寸法入力の時間を大幅に短縮し、生産効率向上に貢献いたします。
今後も中小規模の部品加工メーカーや、多種多様な取引先から受託する加工メーカーが効率よく検査測定を行えるよう、ユーザー視点で差別化した機能拡充を図り、さらなる事業拡大を目指してまいります。
※ミツテック㈱調べ(2025年7月24日時点、非接触3次元形状測定機向けに同様の機能を有する製品として)
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01998] S100XU36)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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