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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100CLWB

有価証券報告書抜粋 オプテックスグループ株式会社 研究開発活動 (2017年12月期)


経営上の重要な契約等メニュー財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループは、センシングテクノロジーをベースに人々の暮らしや産業に「安全・安心・快適」の実現を果たすため、世の中の様々な課題やニーズに対してその解決方法を提案し、顧客満足度の向上を目指して研究開発を進めております。同時に、基礎研究を通してマイクロウェーブ、レーザー、加速度といったセンシングに関わる要素技術や通信技術を確立させ、それらモジュールの内製化を進めることにより、製品の差別化や付加価値を高めるなど、新たな事業機会を創出しております。また、複数の部門が共同で新製品開発を進める「コンカレント開発体制」の整備を進めるとともに、調達・設計・生産技術・品質管理、そして国内外の営業など各部門が開発情報を共有できるシステムを利用し、相互に協力することで、開発スピードを向上させ、大幅なコストダウンを実現致しました。
当社グループにおける研究開発活動は、国内関係会社であるオプテックス株式会社、オプテックス・エフエー株式会社、シーシーエス株式会社、技研トラステム株式会社、株式会社ジーニック及びジックオプテックス株式会社、海外関係会社であるFIBER SENSYS,INC.、OPTEX(DONGGUAN)CO., LTD.、RAYTEC LIMITED及びGARDASOFT VISION LIMITEDにおいて行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は27億59百万円であり、対売上高比率は7.4%となっております。


(1) 防犯関連
国内では、2020年に開催される東京オリンピックに向けて、多数の訪日客を想定し、あらゆる公共機関等での防犯対策強化が進んでいます。海外では、テロへの不安、移民問題等により社会不安は増大し続けており、如何にいち早く異常を察知し安全を維持出来るかが課題となっています。このような背景のもと、各国では空港・発電所等の重要施設のみならず事業所・商業施設等の民間施設でも防犯カメラシステム、入退室管理システム、侵入警戒システムへの投資が活発化しています。当社はこのような社会インフラと住環境への安全・安心への要求に対し、より信頼性の高いセキュリティシステムの研究、開発をベースとしたソリューションを提供しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 共連れ(※)逆行検出システムACCURANCEシリーズ
情報セキュリティ強化、テロ対策強化等のニーズ高まりを受けて、データセンターや重要施設の共連れ不正侵入の警戒を目的とした共連れ検出システム「ACCURANCE OV-102」及び空港等で一方通行通路を逆行する不審者の警戒を目的とした逆行検出システム「ACCURANCE R1002」を発売いたしました。これらは、当社独自の「ベクトル焦点法」を用いたアルゴリズム技術をベースとすることで、高い検出精度を実現いたしました。
共連れ検出システム「OV-102シリーズ」は、従来の個人認証による入退室管理システムでは不正侵入を見逃してしまいがちな「共連れ/すれ違い侵入」を高い精度で検出し、入室阻止や、警告・記録が可能な製品です。
逆行検出システム「R1002」は、一定のエリア内で決まった方向とは逆に通行する人を確実に検出することができ、空港ターミナルなどにおいて、一方通行の通路を逆行してくる不審者のみを検出することで、テロ対策の強化等が可能です。
※共連れとは、入退室管理システムにおいて、入退室権限を持たない人が持つ人に連なって出入り口等を通過することです。

② 屋外防犯センサBX-Shield
一般住宅や商業施設、事業所での外周警戒を目的とした「BX-Shield」を発売いたしました。当社は既に南欧や南アフリカにて高い市場シェアを維持しておりますが、西欧、北欧、北米、アジアでの屋外防犯のニーズの高まりを受け、2016年に発売いたしました「VX-Shield」に続き市場投入しラインナップの強化を図りました。当製品は建物の窓際や敷地の壁に設置され、建物に近づく侵入者を検知し、即座に警備会社や監視センター及び警報システムに通知し、不正侵入を早期に発見し犯罪の抑止や居住者の自衛を促すセキュリティ製品となります。

(2) 自動ドア関連
自動ドア分野におきましては、公共施設、オフィス、店舗や工場などで人が安全・安心・快適に出入りできる自動開閉扉用センサを開発、販売しております。創業以来培ってきました独自のセンシング技術で常に業界最高水準の安全性を維持しつつ、あらゆる設置環境下における安定動作を実現すべく研究開発を行っております。これにより、現在では国内の自動ドアセンサ分野におきましては、約6割のシェアを確保し、海外におきましては安全要求が各地域の法令として明確に定義されるなか、これらへの適切なアプローチを当社の得意な光技術で行うことで、シェアは堅調に増加しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 国内JIS A 4722対応センサの10機種ラインナップ
国内における安全意識の高まりにより、2017年3月、歩行者用自動ドアの安全性に関するJIS制定がなされました。制定のポイントは、稼動する自動ドアによる挟まれ回避、指詰め防止、保全点検の実施などで、センサは保護装置としての位置づけを担う場面もあり、これらが明確化されました。要求事項の大部分が欧州自動ドア市場で既に運用されている規格を引用しており、当社は欧州市場で培った技術投入によりラインナップを強化いたしました。

② 国内フラッグシップモデルe-スムースセンサ
安全要求とともに通行快適性、空調効率化の要求も自動ドアには求められます。これら相反する課題実現のため当社は長年に渡り研究開発を進めており、2017年5月、画像による人認識と動線捕捉によるセンシング技術を搭載した「e-スムースセンサ」を発売いたしました。「e-スムースセンサ」は当社が保有する通行者カウント技術を用い、ドアに入る方向と動きを見極め、検出判定を行います。これにより横切るだけの歩行者に対してはドアの開放を抑止でき、空調効率化に貢献いたします。また、動きとともに速度も認識しており、早い人には遠くから、遅い人には近くでドアを開けることができ、歩行者の動きにドアが合わせてくれる快適性を実現いたしました。
また、全世界的に欧州安全規格を意識した要求が浸透しており、この機会を確実に捉え「光を用いた検出技術」を軸にグローバル市場において、「安全」「快適」をキーワードとした継続的なセンサの投入を行い、さらなるオプテックスファンの獲得を図ってまいります。

(3) その他
その他の分野におきましては、触らず、素早く、安全に物体の表面温度を計測する非接触温度計や、液体の色や濁りを素早く正確に測定する水質計測用センサなど、安全・品質・衛生管理の特殊な計測ニーズに対応した製品の開発を行っております。
また、独自のセンシング技術に新たな要素技術を融合させた、客数情報カウントシステムの開発・販売及び画像処理技術も手掛けております。客数情報は、店舗運営や経営に必要な基礎データで、このデータに基づき、来客者の分析やイベント等の効果測定、適材適所のオペレーションなどマーケティングデータとして活用されております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 簡易水質測定システム
下水処理場や河川などあらゆる現場の水質をセンサで簡易に測定し、データ収集までを自動化する簡易水質測定システム「WATER it」を、インターネットとセンシング技術を融合したIoS(※)システムとして、2017年には東南アジア・発展途上国を中心とした全世界で展開できるようにグローバル対応を行いました。本研究開発は独立行政法人国際協力機構の中小企業海外展開支援事業において、2018年にベトナムのODA案件として導入される予定です。また、今までの下水処理場や河川の水質測定から、上水道や純水測定等、より安全・安心が重要になる分野への展開に向けた調査を行い、2018年以降、新製品を投入予定です。
※IoS(Internet of Sensing Solution)はオプテックス独自のコンセプトで、当社のセンシング技術で膨大なデータから有用な情報のみを抽出し、インターネットにつなげソリューションの提供をする考え方です。

② 客数情報カウントシステム
多店舗展開ストア向け客数情報システムのクラウド対応アプリケーションソフトウエアの開発に着手いたしました。従来の製品売り切り型ビジネスから、将来のデータ提供ビジネスへの展開を視野に入れ、顧客にとって価値あるソリューションを提供するための解析ソフトウエア、使いやすいアプリケーションデザインの開発も並行して進めてまいりました。また、ハードウェア開発においては、システム導入時のLAN工事等の負担軽減に向けたセンサの無線化を実現いたしました。

③ 画像処理技術
画像処理技術においては、リアルタイム画像鮮明化の最上位製品「FV-3011HS」を開発いたしました。当社グループ保有の鮮明化技術(ForteVisionフォルテビジョン)と新たに開発したぼやけた映像を改善する鮮鋭化技術(ForteFocusフォルテフォーカス)を同時搭載することによって、霧・モヤ・水中・煙及び水蒸気等の要因で不鮮明になった映像を、より鮮明にくっきりと改善します。さらに、グラフィカルで操作性の高い、細かな調整機能も追加されており、屋外監視市場等のより高度な視認性への要求に対応いたします。


当社グループは、さまざまな製造業の向上における製造ラインの自動化・省力化に不可欠なFAセンサ(産業用センサ)の製品開発、研究に取り組んでおり、可視光や赤外光を用いた光電センサのみならず、距離を計測する変位センサ、カメラを用いた画像センサ、LED照明機器などセンサおよびその周辺機器を幅広く開発しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 小型同軸照明OPX-S18シリーズ
狭指向角の面光源を採用し、輝度、及び均一度の向上を実現した上で、コンパクトなサイズのままにモニタリング/フィードバック機能を搭載しました。当社センシング対応LED照明コントローラとの併用で、照明の明るさ、及び温度をモニタリングでき、IoT(Internet of Things)による照明の予知保全を実現することができます。

② 高リニアリティ光学式変位計CDXシリーズ
センサヘッド単体でサブミクロンの変位量を測定できる変位計を開発いたしました。測定対象物の表面状態変化に対応するため、世界初の自動露光停止機能を搭載したイメージセンサを新開発し、従来機種から何一つ同じ部品や設計を使用せず、一から最高を求めた結果、競合品と比較しても高いリニアリティを実現いたしました。スマートフォン向けの部品、半導体、有機ELディスプレイなど先進機器の高精度な品質管理に貢献することができます。


当社グループは、LED検査用照明分野におきましては、積極的な研究開発に努めております。昨今のファクトリーオートメーションや画像検査装置の進歩には著しいものがあり、お客様のニーズの高度化・多様化が加速しております。当社グループでは、このような動向にいちはやく対応すべく、長年に亘って蓄積してきた光学技術、制御技術、評価・解析技術を駆使する事に加えて、新技術の研究開発にも積極的に取り組み、卓越した性能の製品や革新的な機能を備えた製品をお客様に提供しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① PFシリーズ ラインナップ拡充
「PFシリーズ」は、キセノンランプ置き換えを狙う、ストロボ発光の照明と電源です。発光時間は0.1μsec(1μsec は 100 万分の 1 秒)単位で設定可能です。瞬間的に極めて強力な光を照射できることから、検査対象物が高速で移動するような製造ラインにおける画像処理検査に適しております。今回この「PFシリーズ」に、2タイプ16 機種の照明を追加し、シリーズを拡充いたしました。「HPR-PF」はリング形状、「HPD-PF」はドーム形状で、両タイプとも発光色は白色と赤色の2種、サイズは4種を準備いたしました。いずれも均一な拡散光を照射することで、検査対象物の表面に光沢や凹凸などがある場合でも精細な撮像が可能であり、飲料容器、包装パッケージ、薬品、小型電子部品の外観検査や文字読み取りに適しております。

② LNISシリーズ リニューアル
「LNISシリーズ」は、従来のラインセンサ用照明では検出が困難だったストリークなどの流れ方向のキズの検出を目的に、独自の光学設計で両側斜光照射を実現した、まったく新しいコンセプトの製品です。今回リニューアルした「LNIS2シリーズ」は、従来の「LNISシリーズ」と比較して最大1.5倍の高出力を実現しており、より広い用途での利用が見込まれます。コンパクトな筐体設計で省スペースを実現するとともに、発光面を片側に寄せた筐体設計により、カメラの視野を遮ることなく検査対象物に照明を近づける事が可能となります。発光色は白色で、サイズは100mmから1,000mmの10種を用意いたしました。

③ スポット照明HLV3シリーズ
今回製品化いたしました「HLV3シリーズ」では、当社での製造時にLEDに供給する電流を個別に調整することで、明るさの個体差がない機種を用意いたしました。これにより、お客様の照明取り付けやメンテナンス時の明るさ調整の工数削減に貢献いたします。また、全機種でLEDを高出力化することで明るさを向上させ、専用電源との組み合わせで最大2倍の明るさを実現した機種もラインナップに追加いたしました。さらに、光学系について根本的に見直し、当社テレセントリックレンズと組み合わせた際の均一度は全機種で80%以上を達成しております。

以上のように、全機種の明るさと均一性を向上させることに加えて、用途に合わせた多様なタイプを追加し、全29機種を製品化いたしました。

経営上の重要な契約等財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析


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