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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100FGH4

有価証券報告書抜粋 オプテックスグループ株式会社 研究開発活動 (2018年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、「見えないものを、見るしごと。」の実現を果たすために、世の中の様々な課題やニーズに対してその解決方法を提案し、顧客満足度の向上を目指して研究開発を進めております。
センシング技術に加え、照明技術やさまざまな要素技術を取り入れ、変化や状態を「見る」、見えないものを「視る」、観察し判断する「観る」を包含した「見る」技術を進化させ、多様化するお客様に価値ある提案を行い、新たなソリューションを創造してまいります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は28億84百万円であり、対売上高比率は7.2%となっております。


(1) 防犯関連
防犯関連におきましては、国内では東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、多数の訪日客を想定し、あらゆる公共機関等での防犯対策強化が進んでおります。海外では、テロへの不安、移民問題等により社会不安は増大し続けており、如何にいち早く異常を察知し安全を維持出来るかが課題となっております。このような背景のもと、各国では空港・発電所等の重要施設のみならず事業所・商業施設等の民間施設でも防犯カメラシステム、侵入警戒システムへの投資が活発化しております。当社はこのような社会インフラと住環境の安全・安心への要求に対し、より信頼性が高く、防犯カメラシステムとの親和性も高いセキュリティシステムの研究、開発をベースとしたソリューションを提供しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 屋外防犯センサ 「WX Infinityシリーズ」
一般住宅や商業施設、事業所での屋外広域警戒を目的とした「WX Infinity 」を開発いたしました。防犯対策への要求が益々高まる屋外警戒センサ市場において、顧客ニーズは多様化しており、2017年に開発いたしました「BX-Shield」に引き続き市場投入しラインナップ強化を図りました。当製品は建物や敷地の壁に設置され、180°の広範囲を警戒し建物に近づく侵入者を検知すると同時に、警備会社や監視センター及び警報システムに通知し、不正侵入を早期に発見することで犯罪の抑止に繋げ、更に居住者の自衛を促すことができるセキュリティ製品です。監視カメラによる画像確認ニーズの高まりに対応するため、2つに分けたエリア毎に警報出力し監視カメラシステムとの連動も実現いたしました。

② 屋外レーザースキャンセンサ 「RLS-3060SHシリーズ」
重要施設の屋外における外周警戒を目的とした「RLS-3060SH Ver.8」を開発いたしました。2009年の発売以降、高評価を頂いている屋外レーザースキャンシリーズ(60m警戒)の新たなソフト開発により、長距離警戒モードによる100m警戒を実現いたしました。当製品はフェンス沿い及び建物の壁に設置され、警戒エリアに侵入する人の場所を特定する特徴を活かし監視カメラシステムと連動することで、長距離、広範囲における監視効率を更に高めることができます。

(2) 自動ドア関連
自動ドア関連におきましては、公共施設、オフィス、店舗や工場施設などで人々が安全・安心・快適に通行できる自動開閉扉用センサを開発、販売しております。創業以来培ってきた独自のセンシング技術で業界最高水準の安全性の維持と、あらゆる設置環境下でも安定したパフォーマンスを発揮すべく研究開発を行っております。
これにより現在では国内の自動ドアセンサ分野は約6割、高速シャッターセンサ分野は約7割と高い市場シェアを維持し、海外におきましては開口部周辺の安全要求が各地域の法令として明確に定義されるなか、当社の得意とする光技術を基軸としたセンサ投入により、シェアは堅調に増加しております。特に北米ではドア走行部を監視する「BLUE ZONE」機能を搭載した「X-ZONE」が高評価を頂き、大手ドアメーカのOEM認定を受けるなど、今後の拡大が期待できるものとなっております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 電池不要の無線式押しボタンスイッチ 「Energy Switch Series」
2017年に発売いたしました「e-スムースセンサー」に引き続き、環境配慮への取り組みとして北米市場向けに電池不要の無線式押しボタンスイッチを開発いたしました。当製品は、人がスイッチを押す力を電力に変換する「エネルギー・ハーヴェスティング技術」を備え、その電力で開閉信号を無線伝送するものです。従来製品とは異なり、「配線工事と電池」が共に不要な環境配慮型の無線式スイッチであり、今後は、欧州、日本などへの展開も視野に入れております。
国内における安全意識の高まりにより、2017年3月、歩行者用自動ドアの安全性に関するJIS制定がなされました。制定のポイントは、稼動する自動ドアによる挟まれ回避、指詰め防止、保全点検の実施などで、センサは保護装置としての位置づけを担う場面もあり、これらが明確化されました。要求事項の大部分が欧州自動ドア市場で既に運用されている規格を引用しており、当社は欧州市場で培った技術投入によりラインナップを強化いたしました。

② 高速開閉シャッター用起動センサ 「OAM-EXPLORER」
工場施設では搬入口や各区画間の空調効率ならびに運搬効率を上げる目的で、軽量素材を用いた高速開閉シャッターが多く設置されています。これまで当社は国内市場を中心に高速開閉シャッター用起動センサを開発してまいりましたが、欧米市場の要求に対応した「OAM-EXPLORER」を開発いたしました。当製品は、当社が得意とする近赤外線技術とマイクロ波技術を搭載し、進入・退出及びシャッター前の横切りを判別することで、不要なシャッター開放による空調効率の低下防止の実現と、シャッターへ進入・停止する車両や作業者を的確に捉え、シャッター開閉の効率化に貢献いたします。
なお、自動ドア・シャッター業界は全世界的に欧州安全規格の影響が波及しており、この機会を確実に捉え「光を用いた検出技術」を軸にグローバル市場において、「安全」「快適」の基本スローガンに加え、次の目標である「感動を共有する」フェーズに向け、継続的に新製品の投入を行い、さらなるオプテックスファンの獲得を図ってまいります。

(3) その他
その他のSS事業におきましては、液体の色や濁りを素早く正確に測定する水質計測用センサなど、安全・品質・衛生管理の特殊な計測ニーズに対応した製品の開発を行っております。
また、独自のセンシング技術に新たな要素技術を融合させた、客数情報カウントシステムの開発・販売及び画像処理技術も手掛けております。客数情報は、店舗運営や経営に必要な基礎データで、このデータに基づき、店舗経営分析や効果測定、人材不足の課題対応オペレーションなど、広範囲にご利用いただいております。近年、高精度な人数情報は、多種多様なIoT(Internet of Things)データを扱う上で、更に重要性が増してきております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 低濁度チェッカー「TC-Mi」、簡易水質測定システム「WATER it」
水質計測分野におきましては、上水道やプールなどきれいな水の濁度を簡易に測定するセンサ、低濁度チェッカー「TC-Mi」を開発し、日本のみならず中国・インド・東南アジアを中心に全世界で展開できるようになりました。今後、下水処理場など汚い水の測定から上水などのきれいな水の測定まで、より幅広い分野で水質を簡易に測定できるような製品開発をしていく予定です。
また、2017年に発売した下水処理場や河川などあらゆる現場の水質をセンサで簡易に測定し、データ収集までを自動化する簡易水質測定システム「WATER it」は、独立行政法人国際協力機構の中小企業海外展開支援事業としてベトナムのODA案件として正式に導入され、2019年から本格的な調査が開始されます。

② 客数情報カウントシステム「AIO-Air」、Cloudオペレーティング及びアプリケーションソフト
「PASSER-Cloud-AIRPORT」
客数情報カウントシステムの無線化製品「AIO-Air」と共に、Cloudオペレーティングソフト及びアプリケーションソフトの「PASSER-Cloud-AIRPORT」を開発いたしました。当製品は当社の主要顧客である長期間ご利用中の小売業界はもとより、「短期間でも情報提供が出来る・リアルタイム情報が提供出来る」特徴を活かし、公共交通機関の流動調査やスマートシティ構想の調査、各種繁忙期の混雑対応など利用範囲が広まります。
また、幅広い顧客ニーズに応えるべく、高度情報を提供できるセンサの開発に向けた研究を開始しております。

③ 画像処理技術
画像処理技術においては、電子式ブレ補正技術のハードウェア開発に着手いたしました。従来の電子式ブレ補正では捉えることのできなかった霧や暗所での特徴点を抽出することで、より高い映像安定性を提供いたします。既に有しております鮮明化技術、鮮鋭化技術と組み合わせることで、画像センシングにおいて、より高度な「見える化」への要求に対応いたします。

FA事業は、さまざまな製造業の向上における製造ラインの自動化・省力化に不可欠なFAセンサ(産業用センサ)の製品開発、研究に取り組んでおり、可視光や赤外光を用いた光電センサのみならず、距離を計測する変位センサ、カメラを用いた画像センサ、LED照明機器などセンサおよびその周辺機器を幅広く開発しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 高解像度撮像対応センシング同軸照明 「OPX-S27/35/50シリーズ」
従来はビームスプリッタを用いた小型サイズでしか実現できていなかった高解像度撮像対応照明を、新たな27㎜サイズ、及び35/50㎜サイズまで開発いたしました。構造変更、製法の見直しを図る事で業界最薄のハーフミラーを採用し、このサイズではビームスプリッタ方式以上の解像力を、従来価格のままで実現いたしました。
また、狭指向角で均一な面光源を採用しており、当社センシング対応LED照明コントローラとの併用で、照明の明るさ、及び温度をモニタリングでき、IoT(Internet of Things)による照明の予知保全を実現することができます。

② センシングリング照明 「OPR-S43-16シリーズ」
センシング対応のリング照明として、最小の外径43㎜サイズを開発いたしました。これまで最小サイズである55㎜サイズでは、小型化の進む電子部品業界としては設置できない事が多くなり、小型化が求められておりました。明るさも従来比最大4倍を実現し、よりご使用していただきやすいスペックに仕上げております。

③ 高リニアリティ光学式変位計 「CDXシリーズ 正反射・ショートレンジタイプ」
センサヘッド単体でサブミクロンの変位量を測定できる変位計CDXのショートレンジタイプ・正反射タイプを開発いたしました。開発済みのCDXで採用している測定対象物の表面状態変化に対応する自動露光停止機能の搭載はもちろん、短距離での測定に最適化した光学系を搭載し測定の難しい透明体、鏡面体等も高精度に測定が可能になっております。特にショートレンジのワイドスポットタイプは世界最高レベルの高いリニアリティを実現いたしました。更に要求の高まるスマートフォン向けの部品、半導体、有機ELディスプレイなど先進機器の高精度な品質管理に貢献することができます。

④ 透過型レーザー変位計 「TD1シリーズ」
小型高精度透過型変位計TD1シリーズを開発いたしました。平行度の高いラインビームの実現によりシート材の蛇行・巻取り制御及び位置決めや幅測定を高精度に行うことが可能です。アンプユニットCDAシリーズと接続することによりわかりやすい操作でティーチングや演算も行うことが出来ます。今後更に需要の高まるリチウムイオン電池、半導体、液晶等の製造工程の品質向上に貢献いたします。



MVL事業は、長年にわたり、さまざまな製造業の検査工程で使われるMachine Vision Lighting用LED照明や関連機器の開発・研究に取り組み、多彩な製品を提供してまいりました。
近年、人手不足解消、製造コスト低減、検査品質向上を目的として、お客様のニーズが急速に高度化・多様化しております。このような動向にいちはやく対応すべく、既存技術の進化を加速するとともに、昨今は、半導体レーザーや有機ELなどの新光源の利用、深紫外や近赤外光への波長域の拡大、寿命予測や予知保全の実現、画像解析へのAIの導入等、新しい技術の開発に取り組んでおります。これらの技術を駆使し、お客様に喜んでいただけるソリューションや今までにない画期的な製品を間断なく提供してまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。

① 大出力光源BOX 「PFBR-600シリーズ」
本製品は、世界最高クラスの明るさを実現した1,000万ルクスの光源BOXです。従来、このような大出力の光源BOXには、メタルハライドランプやキセノンランプが使われておりました。しかしながら、メタルハライドランプには、発光制御の自由度に制限がある、ON/OFFの切替えが困難である、ワーク(検査対象物)が熱せられる、消費電力が大きいといった問題がありました。また、キセノンランプには、数10kHz(キロヘルツ)以上の高速点灯が難しい、発光抜けが起きやすいといった問題がありました。発光部にLEDを採用しますと、これらランプ特有の問題は解決できるものの、小~中出力の光源BOXしか実現できませんでした。今回、半導体レーザーを使うことで、ランプ特有の問題を解決しつつ、LEDの7倍とランプに引けをとらない明るさを達成することができました。さらに、一定の明るさを保つための光量フィードバック制御機能を付加することで、長期の高信頼性も実現いたしました。

② 角型ローアングル照明 「FPQ3シリーズ」
FPQシリーズは4方向から均一な拡散光を照射する照明で、四角形状のワークの輪郭を明確に撮像できます。このため、電子部品や包装パッケージなどの検査用照明として広く使用されてまいりました。FPQ3シリーズは、第3世代の製品で、LEDの高出力化と光学設計の刷新により、全機種で従来機以上の明るさ、特に白色タイプにおいては従来機の2倍の明るさを達成いたしました。検査用カメラのシャッタースピードを高速に設定できますので、生産ラインの搬送速度を上げることが可能となり、生産性の向上に貢献いたします。筐体サイズは、従来機と同じ20x20(mm)から120x120(mm)までの8種類に100x50(mm)の長方形サイズも追加し、ワークに最適なサイズが選択できるようになっております。

③ 近赤外照明 「TH-CIR」
昨今の近赤外カメラの性能向上と低価格化に伴い、食品・医薬品・化粧品をはじめとする様々な分野において、近赤外線を利用する非破壊・非接触検査の導入が検討されております。しかしながら、近赤外カメラに最適な長波長・大出力の照明が得られないことが採用の阻害要因となっておりました。本製品は、可視光域から近赤外線までの幅広い波長の光を放射する検査用照明です。特殊ランプの採用や独自の光学設計により、ランプを光源としながらも、長寿命でワークに熱を与えにくい照明を実現することができました。本製品により、近赤外線を利用した検査の普及にはずみがつくものと期待しております。

事業等のリスク株式の総数等


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