有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100UETO (EDINETへの外部リンク)
協立電機株式会社 研究開発活動 (2024年6月期)
当社グループは経営基本方針として、FA(ファクトリーオートメーション)市場における「One Stop Shopping」を掲げております。顧客が抱えている多方面の課題や要望(提案・設計・製造・設置・工事・保守等)を一手に引き受けられるようグループの連携強化に取り組んでおります。
研究開発型企業である当社グループにとって顧客への「技術提案」が最大の付加価値であると考え、そのために市場や顧客ニーズに即したテーマを設定し、要素技術の研究と新技術のキャッチアップ等積極的な研究開発活動を行っております。
現在のテーマとしましては、主にフライングプローブテスターの開発、MWD(移動式たわみ測定装置)に搭載するセンサの開発に取り組んでおり、それに加え今後はEV(電気自動車)向けの全固体電池の製造関連に絡む技術の探求・習得を予定しております。
フライングプローブテスターは、半導体基板の検査装置の一種です。被検査基板用のフィクスチャ(ピン治具)を必要とせず、手でテスターを当てるかのようにロボットアームでプローブを当て実装部品の値を測定し、合否を判定する装置です。基板検査の課題のひとつとして部品の極小化に伴い、プロービングが難しいという課題が出て参りました。品質を維持するためには、高精度位置決めが可能なフライングプローブテスターの市場投入が最適解と考え、開発を進めております。現状、機構部分は原理試作まで行い、これから量産試作の設計に取り組む状況であります。ソフトウェアアプリケーションについては、単体機能評価まで完了しており、今後統合化・実証評価を進めて行きます。
MWDは、特殊車両の形を成し走行しながら道路のたわみ(ミリメートルオーダ)を測る車両です。道路検査事業の画期的な装置(車両)として期待されております。現在の一般的なたわみ量の計測方式は車両を停止して錘を落して測るFWDという方式です。この方式は正確ではありますが、1日に数キロメールしか測れないこと、交通規制の必要があることが悩みの種でした。その点MWDでは走行しながらの測定のため、交通規制は不要、距離も1日に100キロメートル以上測ることが可能になります。当社グループではたわみ量を測るセンサ部分の開発を行っており、現状は試作車両に搭載され、実証実験が行われております。並行して量産化を見据えた構造改良設計を行っております。道路の補修工事業務において大幅な費用低減に寄与できるため、早期完成を目指し開発を進めております。
EV関連で当社グループの参入可能なところとしては、製造・検査に関わる工程であると考えており、そのための情報収集をしております。国内ではいまだHV(ハイブリッド自動車)が主力でしたが、全固定電池のEVへの実用化が見え、EV市場に活気が出てきた感があります。全固体電池は、リチウムイオンバッテリーの短所(充電時間・寿命)を克服できることや材料となる資源が豊富に得られることから各方面より期待されております。当社グループとしては、引き続きリチウムイオンバッテリーのセパレータ検査向けの高感度異物検査装置“ミルバス”の開発と並行して全固体電池の製造・検査工程での参入を目指し、コア技術の調査・要素技術のキャッチアップを進めて行きます。
当社の研究開発体制は、研究開発本部でエレクトロニクス分野の基礎研究と応用製品開発、ロボット本部でメカトロニクス設計、第一エンジニアリング本部でソフトウェアテクノロジーに基づいた制御アプリケーション開発やネットワークアプリケーション開発を行っております。それに加えグループの中央研究所として、カナダに研究開発機関であるKyoritsu Electric Corporation (Canada)があります。同社には組み込みシステムに特化した基礎研究開発に専念させ、市場対応の強化を図っていく方針です。また、顧客満足度の向上に品質面を強化すべく品質保証部を充実し、今後とも競争力の高い新製品の開発に邁進いたします。
なお、インテリジェントFAシステム事業における当連結会計年度の研究開発費の総額は204百万円となっております。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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