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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IAXO (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 ルネサスエレクトロニクス株式会社 研究開発活動 (2019年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


(1) 研究開発活動の体制および方針
当社グループの研究開発活動は、現在必要な、または近い将来に必要となるであろうデバイス、ソフトウェアおよびシステムなどの開発につき、車載制御、車載情報に関する製品はオートモーティブソリューション事業本部が、産業、インフラストラクチャーおよびIoTに関する製品はIoT・インフラ事業本部が担当して取り組んでおります。デバイス・プロセス技術、新規実装技術、設計手法などの部門横断的な共通技術については、各事業本部と生産本部とが協力しながら担当する体制としております。
また、コンソーシアムや外部研究機関などへの研究委託や、幅広い分野やお客様へ最適なサポートを行うためのサード・パーティの活用など、自社の研究開発リソースのみならず社外のリソースも必要に応じて活用しております。
電子機器や社会インフラの急速なネットワーク化により訪れるスマート社会では、これまでマイコンが主に使われてきた制御機器と、システムLSIが主に使われてきたIT機器が急速に融合しており、マイコンを軸にした新たな制御機器市場の拡大が期待されます。当社グループは、こうした市場変化に対応するため、マイコンとアナログ&パワー半導体などを組み合わせたセットを提供するキットソリューションを強化するとともに、アプリケーションごとに共通して使用できるIP(設計資産)やOSなどのソフトウェアをプラットフォームとして提供するための研究開発活動を通じて、新市場での成長を実現してまいります。

(2) 主な研究開発の成果
① 次世代IoT機器向け32ビットマイコンのラインアップ強化の一環として、Arm® Cortex® -M搭載の新ファミリ「RAファミリ」を発表
近年、次世代のIoT機器を迅速かつ簡単に市場に投入したいというユーザのニーズが増えています。当社グループは、こうしたニーズに応えて、32ビットマイコンのラインアップを強化し、Arm® Cortex® -Mを搭載した新ファミリ「RAファミリ」の出荷を開始しました。
本製品は、次世代の組み込み機器の開発に必要な各種機能の充実・強化を図るとともに、セキュリティやコネクティビティをはじめとして当社グループが組み込みシステムについて長年培った経験とノウハウが詰まった周辺機能IPと、様々なユースケースに対応したFSP(Flexible Software Package:フレキシブルソフトウェアパッケージ)の究極の組み合わせを追求した製品になります。
本製品では、高い性能を有するArm社の先端CPUコア「Arm® Cortex® -M」を採用しており、当社グループとArm社が持つIoT分野のエコシステムを活用しながら、IA(Industrial Automation:産業自動化)、BA(Building Automation:ビル自動化)、メータ、ヘルスケア、家電をはじめとする様々なIoT機器の分野において、セキュリティ、セーフティ、コネクティビティ、HMI(Human Machine Interface:人と機械のインターフェース)などの最新技術を提供し、その開発を支援します。
また、本製品は、当社グループ独自のSCE(Secure Crypto Engine:セキュア暗号化エンジン)を搭載し、高度な暗号鍵を設定できるほか、シンプルな構成の機器から複雑なセキュリティ機能を備えた機器に至るまで広く使用することができます。
さらに、IoT機器の開発においてソフトウェアの開発負荷が課題となる中、本製品のFSPは、当社グループのエコシステムとの併用を可能にするフレキシブルなオープンアーキテクチャを採用しています。これにより、ユーザは、既存のソフトウェア資産を再利用したり、当社グループやパートナのソフトウェアと組み合わせて、複雑な機能を速やかに実装することができ、IoT機器の早期開発が可能となります。
当社グループは、市場のニーズを的確に捉え、タイムリーに新しいArmコア搭載マイコンのラインアップの強化を図ることにより、次世代IoT機器の普及・拡大に貢献します。




② ADASや自動運転に向けて複雑化する自動車の電子化に対応し、電子制御システムの統合に向けた仮想化を世界で初めて実現する車載制御用クロスドメインマイコン「RH850/U2A」を発表
近年、ADAS(Advanced Driver Assistance System:先進運転支援システム)や自動運転の実現に向け、自動車のE/E(Electrical/Electronic:電気/電子)アーキテクチャの変化に伴うECU(Electronic Control Unit:電子制御システム)の統合を早期に進めるため、複数の役割を1つのチップで実現するニーズが高まっています。
当社グループは、このニーズに対応するため、28ナノメートル(注1)プロセス技術を採用したフラッシュメモ リ内蔵の車載制御用マイコン「RH850/U2A」を開発しました。本製品は、フラッシュメモリ内蔵のシングルチップマイコンとしては世界で初めて、仮想化を実現することに成功した製品になります。
本製品の仮想化技術は、当社グループのRH850ファミリが従来備えているリアルタイム処理機能を確保しながら、自動車のシャシー用などで求められる最も高い機能安全レベル「ASIL D」(注2)の実現をサポートし、1つのマイコン上で、機能安全レベルの異なる複数のソフトウェアを同時に独立して動作させることができるため、ユーザは、既存のソフトウェア資産を効率的に活用して機能安全レベルの異なるECUの統合を図ることが可能になります。 また、本製品は、16メガバイトのフラッシュメモリと3.6メガバイトのSRAMを内蔵するとともに、強固なセキュリティ機能を搭載しているため、OTA(Over The Air)(注3)を使用して、自動車の運転中でも安全にソフトウェアを更新することができます。
本製品は、当社グループのシャシー制御用マイコンとボディ制御用マイコンの双方の機能を統合した後継モデルであり、自動車のシャシーやボディの制御だけでなく、ドメイン制御や、ローエンドからミッドレンジまでのゲートウェイ用ECUの用途にも最適です。当社グループは、様々な用途に使用できる新世代の車載制御用マイコン「クロスドメインマイコン」の第1弾として本製品を位置づけ、ソフトウェアや開発環境を整備していく計画です。
当社グループは、この「クロスドメインマイコン」を車載制御用マイコンの主力製品として、パフォーマンスの向上、セキュリティの強化、ネットワーク対応、スケーラビリティ(拡張性)の拡充を積極的に推進し、今後も、安心・安全なクルマ社会の実現に向けて業界をリードしていきます。

③ ハイブリッド車や電気自動車のバッテリ寿命と航続距離を最大化するリチウムイオンバッテリマネジメントICを発表
ハイブリッド車や電気自動車では、そこに搭載するリチウムイオン二次電池の電池寿命や航続距離の最大化が性能向上のための大きなカギを握ります。当社グループは、このニーズに応えるため、極めて高い電圧測定精度を長期にわたって保つことができるリチウムイオンバッテリマネジメントIC「ISL78714」を開発しました。
本製品は、最大14の電池セルの電圧と温度を高精度に測定し、セル電圧を調整することができます。具体的には、自動車用途で求められる温度の範囲内で±2mVの精度で電圧監視と調整を行うことができ、これにより正確な電圧レベルに基づいた判定を行うBMS(Battery Management System:バッテリ管理システム)を実現できます。さらに、BMSに求められる厳しい信頼性や性能要件を満たしており、自動車用機能安全レベル「ASIL D」に対する対応をサポートします。
また、本製品は、当社グループの車載制御用マイコンRH850ファミリと組み合わせることにより、多数のセル監視を行うBMSを構築することができます。リファレンスデザインキットとして、本製品5個と、70セルまで監視できるRH850/P1M搭載の評価プラットフォームも提供しています。このリファレンスデザインキットを使用することで、RH850マイコンファミリへのソフトウェア移植や、バッテリパックのサイズに応じたスケール変更が容易になり、BMSの開発期間の短縮に貢献します。

(注)1 ナノメートル:1ナノメートルとは、10億分の1メートルであります。
2 ASIL:「Automotive Safety Integrity Level」の略称で、自動車向け機能安全規格ISO 26262における機能安全レベルです。
3 OTA:ドライバが無線ネットワークを介して、自動車用のソフトウェアのアップデートやアップグレードが可能となる仕組みです。


(3)研究開発費
当社グループでは開発費の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当連結会計年度の研究開発費は、1,287億円となり、前連結会計年度の1,279億円と比べ9億円増加しました。これは主に、製品設計、システム開発、デバイス開発、プロセス技術開発、実装技術開発に使用しました。
なお、当社グループの研究開発は、大半が自動車向け事業および産業・インフラ・IoT向け事業の双方に係るものであるため、セグメントごとの記載は省略しております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02081] S100IAXO)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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