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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TUZE (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 曙ブレーキ工業株式会社 事業等のリスク (2024年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動


(1) リスク管理体制

当社は、リスク管理活動の推進組織として、内部統制委員会の下部組織としてリスク管理委員会を設置しています。
リスク管理委員会は、企業活動に潜在する様々なリスクに対処するため、事業環境の変化に対応して、当社に関連するリスクを洗い出し、影響度や発生頻度に応じてマッピングを行い、定期的に点検しております。事業継続マネジメントやサプライチェーンマネジメントなど、当社全体の重点リスクについて対処方針を決定し、対処策の指示やその実施状況と有効性の監視を行い、活動内容は定期的に内部統制委員会を通じて取締役会に報告しております。
体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要 ② 企業統治の体制の概要」に記載しておりますコーポレート・ガバナンス体制図をご参照ください。

(2) 事業等のリスク

当社グループの事業において、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると考えるリスクには、主として次のようなものがあり、会社運営にあたり注意を払っております。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの事業、業績及び財政状態に与える影響につきまして、合理的に予見することが困難であるものは記載しておりません。

① 技術革新・新製品開発に関するリスク

当社グループは、真のグローバリゼーションの中での事業拡大を目指し、将来のニーズを予測し、必要な経営資源を技術革新・新製品開発に投入しておりますが、市場、お客様ニーズ及び業界の技術の急激な変化等により、お客様の必要とする新技術・新製品がタイムリーに開発できなかった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
現在、急速な普及拡大がみられる電動パーキングブレーキについては当社の独自技術を活かした商用車等の高出力発生可能な重車両向け、高性能車両をターゲットとした軽量、コンパクトな電動パーキングブレーキの開発に取り組み、既存の製品ではカバーできないニーズの取り込みが可能な独自製品の商品化を目指しております。電動サービスブレーキについては競合他社に先行した市場投入を図るべく開発を進めております。これからの自動運転開発の加速も見据え、応答性の速さ、コントロール性の良さ、小型・軽量化を重点課題として電動化開発の推進を図っております。
また、従来ブレーキの改良も進めxEVへのシフトに対応していきます。航続距離に貢献するさらなる軽量化、低引き摺り化を図りつつ、xEVの特徴である回生制動に伴う摩擦ブレーキ使用頻度低下にも対応したブレーキ摩擦面の防錆技術、貼り付き抑制技術開発、また昨今のプレミアムEVで需要が旺盛な意匠性、見栄えを向上した製品の開発も進めてまいります。
摩擦材開発については銅フリー摩擦材のシェア拡大に向けた取り組みとともに積極的な持続可能資源の活用のもと、欧州EURO7にて具体的な規制が示されたブレーキ摩耗粉塵排出の抑制、xEVへのシフトで着眼されている回生ブレーキとの協調、さらには原材料や製造プロセスを抜本的に見直し製造過程でのCO2発生量を従来比で50%削減できるブレーキパッド開発を含め、今後の市場の変化に対応した次世代摩擦材の開発を推進しております。
これらに加えて、これまで当社が培ってきた技術をベースに、コンピュータシミュレーションを活用した技術開発の強化を図っております。これにより、品質向上と同時に開発リードタイムの短縮も可能となり、お客様へタイムリーに新製品を提案することで、多くのビジネスチャンスを得ることが可能となります。
当社はこのような将来の環境対応を軸として、お客様ニーズに沿った開発を進めることで、新技術、新製品で他社に先行されるというリスクを抑制しながら社会貢献を図ってまいります。


② 生産技術・設備に関するリスク

当社グループは、事業再生計画に基づく生産拠点の再編を実施しており、その基盤となっているのは最適生産への取り組みです。余剰設備の有効活用、工場間及び工場内での寄せ止め、生産設備の稼働率向上を進めており、国内は専門工場化しております。その結果として、地震、台風、洪水等の自然災害や大規模な火災・爆発などの事故等により建屋や設備の損壊が発生した場合、生産補完ができないため、顧客への製品供給に遅延や不能が生じることで当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
国内での補完はできなくとも海外工場との補完は以下のように可能となっております。補完関係にある工場が海外にあることによってリードタイムが長くなることについては、事業継続マネジメント(BCM)の危機発生時の対応として必要な措置を実行します。

海外補完体制
製品・主要部品国内生産工場海外生産工場
ディスクブレーキ岩槻製造(埼玉県)エリザベスタウン(米国)、メキシコ、
広州(中国)、チョンブリ(タイ)、インドネシア
ドラムブレーキ山陽製造(岡山県)インドネシア
ブレーキパッド山形製造(山形県)グラスゴー(米国)、蘇州(中国)、
チョンブリ(タイ)、インドネシア
ブレーキライニング福島製造(福島県)インドネシア
鋳物部品館林鋳造所(群馬県)ラチャブリ(タイ)
ピストン岩槻製造チョンブリ(タイ)、インドネシア


③ 品質に関するリスク

当社グループでは、安全・安心を支える上で品質は最も重要であると考え、常に、より高度な品質保証体制の構築を目指しております。自工程での品質保証、過去の不具合に学び失敗を繰り返さないなどの活動の浸透を進め、万全の体制をもって製品の生産に努めております。但し、当社グループの製品は直接安全に関わる製品であり、万が一、製品の欠陥等が発生し、お客様への流出が防止できなかった場合、多大な費用の発生と社会的信用の低下により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 対処すべき課題」に記載のとおり、当社国内生産子会社が製造する一部製品の定期検査報告における不適切な行為について、再発防止策を着実に実行することにより、信頼の回復に全力で取り組んでおります。

④ 災害等に関するリスク

当社グループは、国内外に多くの拠点を有しており、地震、台風、洪水等の自然災害、感染症などのパンデミック、大規模火災や爆発のような事態が発生した場合、人的資源への影響、建屋や設備の損壊、ライフラインや情報インフラの寸断などにより生産活動が困難となり、顧客への製品供給に遅延や不能が生じることで当社グループの財政状態や業績、ひいては事業の継続に悪影響を及ぼす可能性があります。
その対応策として当社グループでは、危機管理マニュアルの整備、従業員の安否確認方法の整備、事業継続マネジメント(BCM)の啓蒙活動とこれらに基づいた防災訓練、さらに、災害の未然防止や早期復旧を目的とした建屋の耐震補強、生産設備の転倒防止などを、安全・BCM推進部署を中心として独立した組織で毎年チェックと評価、改善を行っています。
危機が発生した場合は、安全・BCM推進部署が中心となって関係する国内外の拠点を網羅して速やかに対策本部を立上げ、必要な措置を実行しております。

⑤ 原材料等の調達に関するリスク
当社グループは多数の外部取引先から原材料・鋼材・部品等を調達しておりますが、市況変化による価格の高騰や品不足、取引先が製造した製品の欠陥、経営状態の悪化、不慮の事故、自然災害等に伴う原材料・鋼材・部品等の供給停滞によって、当社グループの製造コストの上昇、生産遅延・停止が起こり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、市場における電動化の促進に伴い、より高度で複雑な技術を利用する部品の取引が増えることによるサプライチェーンの複雑化や製造コストの上昇などによって当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
自然災害(地震、豪雨浸水など)や事故(火災、爆発など)による事業継続性への影響を考慮したサプライチェーンにおける適正な在庫量の再検証や、サプライヤーマップの作成など有事発生による供給影響度の確認プロセスの迅速化に取り組んでまいります。

⑥ コンプライアンスに関するリスク

当社グループでは、様々なコンプライアンス活動を通じてコンプライアンス上のリスクの回避を図っておりますが、法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合には、法令による処罰や訴訟の提起、損害賠償請求、ステークホルダーからの信頼低下などにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
その対応策として、当社グループでは、akebonoグローバル行動規範、akebonoグローバル行動基準やコンプライアンス規定等の整備によりコンプライアンス推進体制を構築するとともに、各事業部門・製造拠点が自ら施策を立案し、コンプライアンス委員会において承認されたそれぞれの年間活動計画に沿ってコンプライアンス活動を推進することを中心に、ハラスメントや長時間労働防止のための労務研修、下請法違反防止・インサイダー取引防止を目的とした各種研修を行うなど、社員のコンプライアンス意識向上のための各種施策を実施しております。
また、内部通報制度として社外相談窓口と社内相談窓口を設置しており、それぞれの窓口に寄せられた相談については、適宜必要な調査を実施し、適切に対応しております。外部相談窓口への相談については、対応部署のみならず全ての取締役が受領することとしており、その対応と進捗については毎月取締役会に報告しております。
なお、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 対処すべき課題」に記載の当社国内生産子会社が製造する一部製品の定期検査報告における不適切な行為については、再発防止策のひとつとしてコンプライアンス研修を実施済ではありますが、今後も実効性を高めるための改善を図りながら継続して実施してまいります。

⑦ 情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは製品開発や製造、経営等に関わる機密情報や個人情報等の重要情報を保有しており、サイバー攻撃や情報機器の盗難・紛失、社内における誤操作・管理ミス等によりこれら重要情報が漏洩するリスクがあります。
これらの情報が漏洩した場合、会社の信用失墜、損害賠償・法的罰則・競争力低下等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、情報セキュリティに関しての最高意思決定機関としてISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)委員会を設置し、その配下に各業務部門・製造拠点責任者及び担当者を配置し、情報システム管理部署と連携し、海外子会社とも連携して、漏洩防止等の情報管理徹底に努めております。
平時は、ネットワーク・サーバー等の物理的防御に加え、外部専門家による常時セキュリティ監視をグローバルで行うと同時に、人に対する情報セキュリティレベルの向上を行うために教育・訓練・啓発活動を行っています。
また有事の際は、ISMS委員会、各業務部門・製造拠点責任者及び担当者が情報システム管理部署と連携し、初動から封じ込め、対策までを短時間で行えるよう有事フローを作成し備えています。
新型コロナウイルス感染症の蔓延防止策として利用拡大されたテレワーク・在宅勤務は働き方のひとつとしても定着しており、これに対応するため、ソフト面ではテレワーク・在宅勤務時のガイドライン等による啓発活動を実施すると同時に、ハード面では外部からの不正アクセスを防止するための暗号化通信の必須化、セキュアなネットワーク環境の提供、会社貸与デバイス以外でのネットワークアクセスの制限等により、リスクの低減を図っております。


⑧ 環境に関するリスク
当社グループでは、持続可能な開発目標(SDGs)の推進に向けて様々な環境対策を進めておりますが、環境問題への対応の遅れや適応が難しい場合、当社グループへの社会的信頼が損なわれる可能性も想定され、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、地球環境保全の見地から環境問題への対応は企業としての重要な社会的責任であると考えており、SDGsの推進に向けて、環境に配慮した製品の開発、生産設備の改善、CO2排出量削減を始めとして様々な環境対策を進めております。
また、気候変動を含む環境に関わる課題はサステナビリティ経営推進のための重要なテーマと捉えており、カーボンニュートラルに向けた中長期目標を設定、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報を開示し、将来を見据えた取り組みを進めております。環境に関わる課題はサステナビリティ委員会にて取り組み方針・施策を策定し、事業に重要な影響を及ぼすと判断されたテーマについては、経営会議で検討の上、取締役会へ報告し監督を行っております。

⑨ 為替・金利変動に関するリスク
当社グループの事業は、地域ごとに原材料・部品の輸入、製品等の輸出の取引があります。また、当社グループの資産及び負債の一部は外貨建てであり、適宜、為替バランスの監視を行っておりますが、全てのリスクをヘッジすることは難しく、その変動は当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社の海外関係会社財務諸表は現地通貨で作成されておりますが、当社グループの連結財務諸表作成時においてこれらの財務諸表は円換算されるため、現地における通貨金額が変わらない場合においても、換算時の為替レートにより円換算後の連結財務諸表上の金額が悪影響を受けることがあります。また、金利情勢や証券市場の変動が当社グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 経済状況の変動に関するリスク
当社グループにおける営業収入は、当社グループが製品を生産・販売している国又は地域の経済状況の影響を受けます。当社グループの主要市場において、以下の事象が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・予期しない法律や規制の変更
・戦争、内乱、紛争、暴動、テロ、疾病等による社会的又は経済的混乱
・深刻な景気後退による自動車需要の減少とそれに伴う完成車メーカーの生産計画変更
また、将来の脱炭素社会を目指す各国政府方針や各完成車メーカーの「CASE」への取り組みによる業界の構図の変化等、国内外の競合他社との競争環境の変化により、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑪ 人財に関するリスク

当社グループは、人財は経営の基盤と考え様々な人事施策を行っておりますが、若手社員の人財育成・確保ができない場合や、特定のスキルを持ったベテラン社員の流出、適材適所の配置が計画どおり進まなかった場合のモチベーション低下や、急速な事業環境の変化に伴う従業員のストレス増大等による休職や退職者が増加した場合、長期的視点から当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの競争力を維持・向上し続けるためには、高度な専門技術に精通した人財、経営のマネジメント能力に優れた人財を採用し、高齢化が進む中で技術を伝承する人財を計画的に育成することが重要であると考えております。特に近年、グローバルな事業活動を一層進めるなかで、それらの環境で活躍できる人財の育成・確保が急務であり、国内外での積極的な採用活動、研修・教育の充実、コア人財の流出防止などの施策を講じています。

⑫ 知的財産に関するリスク

当社グループが事業を遂行する上で必要な技術を、他者に特許出願等されてしまうと、市場における自社事業の自由度が確保できなくなり、その結果、特定の技術、製品又はサービスを提供できなくなる可能性があります。

この対策として、当社グループの発展に寄与できるよう積極的な発明提案の発掘活動を行い特許権等の権利を確保することにより、市場における事業の自由度の確保に努めています。
また、当社グループが事業を遂行するなかで、当社グループの事業が他者の知的財産権を侵害したとして、損害賠償請求を受ける可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
この対策として製品開発時に他者の知的財産権とのクリアランスの調査が義務付けられており、他者の知的財産権を侵害しないことを確認しています。

⑬ 継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、当連結会計年度第1四半期連結会計期間末において、事業再生計画期間の末日である2024年6月30日を一括返済期日としている借入金48,513百万円が、手元流動性25,834百万円(現金及び預金)に比して高水準であり、借入金の一括での返済に困難性が生じていたことから、「継続企業の前提に関する注記」を記載いたしました。
その後、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおり、2024年6月14日付で、2024年6月28日を借入実行日とし、ドイツ銀行東京支店をアレンジャーとするリファイナンス資金の借入契約を締結したことから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は解消したと判断いたしました。

従業員の状況研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02161] S100TUZE)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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