有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100T3XF (EDINETへの外部リンク)
KHネオケム株式会社 研究開発活動 (2023年12月期)
企業使命『「化学の力」でよりよい明日を実現する。』および経営姿勢『確かな技術と豊かな発想で、夢を「かたち」にする。』を企業理念に据えVISION 2030で掲げる「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」の3分野を中心に既存事業の拡大に加えて新規事業の創出を目標に、新技術・新製品の導入により「稼ぐ力の強化」に努めています。第4次中期経営計画では、研究開発活動のマイルストーンとしてのKPIを「外部機関との協業件数10件以上/年」として設定し、自前主義にこだわることなく、外部との協創を深める取組みを加速しています。加えて、既存事業周辺および新規事業創出に向けた技術やナレッジ獲得を目的としたベンチャー及びスタートアップ企業に対する投資についても推進しています。
当社は、単に規模を追い求めるのではなく、小回りをきかせて多様な製品を上市し、お客様にとって必要不可欠な特長ある製品を提供することに注力してきました。当連結会計年度では、顧客との信頼関係と独自技術という強みを活かしてさらなる成長・価値創造を推進するため、以下の様な組織体制のもと既存事業と新規事業に求められる機能を明確化し、持続的成長に向けた新たなる価値の創出を進めています。
・事業部
既存製品の販売戦略・投資戦略立案、およびマーケティング等の事業戦略機能について一気通貫で強力に推進するなかで、既存事業の新製品開発を進めていきます。
・技術開発センター
当社競争力の源泉である生産技術力の一層の強化を図るとともに、カーボンニュートラル等に向けた新技術導入を見据え、各部署に分散していた生産技術に係る知見を集約し、製造技術向上を推進していきます。
・イノベーション戦略部
新規テーマ探索機能を集約し、新規事業創出に向けたテーマ検討を加速します。
・知的財産部
知財戦略立案機能を強化し、既存事業の競争力を高めるとともに新規事業創出を加速します。
当連結会計年度における主な研究開発活動の内容は以下のとおりであります。
(1)生産性向上、新技術開発への取り組み
当社は、コア技術である高圧法と低圧法の2種類の大規模なオキソ反応技術や、精密蒸留等の精製技術、炭酸ガス回収や高度制御による省資・省エネ技術、超高純度管理技術等を駆使し、高品質で競争力のある化学品を製造しています。技術開発センターでは、工場と連携して生産性改善、生産プロセスの改変、新製法の研究等、既存製品や開発品の競争力強化に継続的に取り組んでいます。同時に、カーボンニュートラルへの対応にも取り組んでおり、他社や大学との委託・共同研究を推進しています。
また、知的財産部では当社の技術ノウハウなどの知的資産をデータベース化して活用できる「技術プラットフォーム」の構築を進めています。研究開発を担う社員が長年蓄積された知的資産を容易に把握して活用できるようにすることで、新製法の研究や当社独自の技術を起点とした新たな価値創造などの実現性を高めていきます。
(2)既存事業周辺への取り組み
当社は、「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」分野において、幅広い開発を進めております。
当連結会計年度にて事業部が事業戦略機能を一気通貫で推進する体制へと整備したことで、顧客との対話や、展示会等での新製品候補群の提案等を通じて潜在ニーズを洞察し、仮説・検証サイクルをより早く回しながら、新製品の早期事業化を目指すことが可能となりました。
当社が培ってきた生産技術と研究開発部門が獲得した高度な各種評価技術などを組み合わせて進化させた、いわゆるシーズを起点とした新たな価値創造だけでなく、マーケティング活動から得たニーズや知見と自社の強みとの掛け合わせによる価値創造を一気通貫で進めることで、社会課題の解決に寄与する価値創出に取り組んでいきます。
(特殊脂環式モノマー[光学用途向け材料])
当社開発の特殊脂環式モノマーは、耐熱性の向上に加え、低誘電特性や低吸水性などの特徴を付与できます。車載カメラ・スマートフォンのカメラ、5G・6G通信などでは、これらへの要求性能が益々高まっています。お客様の課題を解決する次世代材料として期待されており、事業化の可能性を検証しています。
(天然高級アルコール)
開発中の高級アルコールはバイオマス度(グリーン素材比)が高く、常温液体で扱いやすさに優れる等の機能的特徴もあり、樹脂原料、インキ・コーティング剤、潤滑油等のさまざまな用途に使用可能です。当社ならではの材料により、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
(3)新規事業・新製品探索機能強化への取り組み
2019年に新川崎・創造の森(AIRBIC)に開設したオープンイノベーション拠点「KH i-Lab(KH Neochem innovation Laboratory)」では2021年4月に「オープンラボ」を開設し、スタートアップ企業や様々な研究機関との技術検証を加速させ、社会課題解決に資するマーケットイン型での新規ビジネス創出を加速させています。特に、カーボンニュートラル実現に向けたバイオ原料からの新素材開発は、当社のコア技術である化学プロセス技術と出資・共同研究により獲得したバイオプロセス技術とのシナジーを意識して進めています。
また、2022年に出資したスタートアップ企業との取り組みも加速しております。アクプランタ株式会社は独自のバイオスティミュラント資材(植物の成長促進・耐性向上に役立つ農業向け資材)でアグリバイオビジネスを展開しており、両社の技術を持ち寄った新製品の開発を進めています。また、株式会社糖鎖工学研究所は医薬等への応用が期待される素材(糖鎖)の量産化技術を有しており、量産化検討や業界関連企業・アカデミアへの共同マーケティングなど連携の幅を拡げています。これらの出資先との関係強化を通じた協創検証による新たな知見獲得も目指しながらビジネスプラン検証を進めています。今後も、新規ビジネスの創出に必須な人財の多様化を図りながら、より一層外部とのネットワークの拡大と活用による協創検証を加速して、新規事業の創出によりポートフォリオの幅を拡げる取り組みを進めて参ります。
(海洋生分解性樹脂の開発)
KH i-Labにてベンチャー企業等と共同研究を行いながら、新規技術である微生物発酵を用いて開発を進めてきました。展示会等での情報発信を継続するとともに、お客様との関係を強化しつつサンプル評価・開発を進めており、新規事業構築に向けたステージが上がってきています。
(4)黒金化成㈱での取り組み
黒金化成㈱では、受託事業に関連した研究開発活動を中心に行っています。新規受託案件を検討する「研究部」と量産化に向けた工業的製法の確立と製造担当部門への業務移管を行う「生産技術部」の2部門を設置し、開発段階に応じた業務分担により、委託者であるお客様に対して柔軟かつ迅速に対応できる体制をとっております。
半導体関連材料やディスプレイ関連材料等の電子材料分野の受託製造に関する研究活動を主に行っております。特に、2020年秋に完成した「次世代半導体向け材料設備(第Ⅰ期投資)」を活用した受託製造をはじめとする半導体関連材料の研究開発活動を精力的に推進しています。これまでの電子材料の研究開発で培った製造技術を半導体関連材料に対応可能な水準に洗練させ、高まる品質要求への対応を進めています。
また、2022年に機関決定しました第Ⅱ期投資では、大型の製造設備を増設し、拡大する需要を取り込んでいきます。これら設備投資の他、次世代半導体向けの素材需要取込みをより確実なものにするため、引き続き半導体関連材料の研究開発活動を進めていきます。
(5)当連結会計年度の研究開発活動
当連結会計年度における研究開発費の総額は939百万円となっております。
当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
当社は、単に規模を追い求めるのではなく、小回りをきかせて多様な製品を上市し、お客様にとって必要不可欠な特長ある製品を提供することに注力してきました。当連結会計年度では、顧客との信頼関係と独自技術という強みを活かしてさらなる成長・価値創造を推進するため、以下の様な組織体制のもと既存事業と新規事業に求められる機能を明確化し、持続的成長に向けた新たなる価値の創出を進めています。
・事業部
既存製品の販売戦略・投資戦略立案、およびマーケティング等の事業戦略機能について一気通貫で強力に推進するなかで、既存事業の新製品開発を進めていきます。
・技術開発センター
当社競争力の源泉である生産技術力の一層の強化を図るとともに、カーボンニュートラル等に向けた新技術導入を見据え、各部署に分散していた生産技術に係る知見を集約し、製造技術向上を推進していきます。
・イノベーション戦略部
新規テーマ探索機能を集約し、新規事業創出に向けたテーマ検討を加速します。
・知的財産部
知財戦略立案機能を強化し、既存事業の競争力を高めるとともに新規事業創出を加速します。
当連結会計年度における主な研究開発活動の内容は以下のとおりであります。
(1)生産性向上、新技術開発への取り組み
当社は、コア技術である高圧法と低圧法の2種類の大規模なオキソ反応技術や、精密蒸留等の精製技術、炭酸ガス回収や高度制御による省資・省エネ技術、超高純度管理技術等を駆使し、高品質で競争力のある化学品を製造しています。技術開発センターでは、工場と連携して生産性改善、生産プロセスの改変、新製法の研究等、既存製品や開発品の競争力強化に継続的に取り組んでいます。同時に、カーボンニュートラルへの対応にも取り組んでおり、他社や大学との委託・共同研究を推進しています。
また、知的財産部では当社の技術ノウハウなどの知的資産をデータベース化して活用できる「技術プラットフォーム」の構築を進めています。研究開発を担う社員が長年蓄積された知的資産を容易に把握して活用できるようにすることで、新製法の研究や当社独自の技術を起点とした新たな価値創造などの実現性を高めていきます。
(2)既存事業周辺への取り組み
当社は、「環境」、「ヘルスケア」、「エレクトロニクス」分野において、幅広い開発を進めております。
当連結会計年度にて事業部が事業戦略機能を一気通貫で推進する体制へと整備したことで、顧客との対話や、展示会等での新製品候補群の提案等を通じて潜在ニーズを洞察し、仮説・検証サイクルをより早く回しながら、新製品の早期事業化を目指すことが可能となりました。
当社が培ってきた生産技術と研究開発部門が獲得した高度な各種評価技術などを組み合わせて進化させた、いわゆるシーズを起点とした新たな価値創造だけでなく、マーケティング活動から得たニーズや知見と自社の強みとの掛け合わせによる価値創造を一気通貫で進めることで、社会課題の解決に寄与する価値創出に取り組んでいきます。
(特殊脂環式モノマー[光学用途向け材料])
当社開発の特殊脂環式モノマーは、耐熱性の向上に加え、低誘電特性や低吸水性などの特徴を付与できます。車載カメラ・スマートフォンのカメラ、5G・6G通信などでは、これらへの要求性能が益々高まっています。お客様の課題を解決する次世代材料として期待されており、事業化の可能性を検証しています。
(天然高級アルコール)
開発中の高級アルコールはバイオマス度(グリーン素材比)が高く、常温液体で扱いやすさに優れる等の機能的特徴もあり、樹脂原料、インキ・コーティング剤、潤滑油等のさまざまな用途に使用可能です。当社ならではの材料により、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
(3)新規事業・新製品探索機能強化への取り組み
2019年に新川崎・創造の森(AIRBIC)に開設したオープンイノベーション拠点「KH i-Lab(KH Neochem innovation Laboratory)」では2021年4月に「オープンラボ」を開設し、スタートアップ企業や様々な研究機関との技術検証を加速させ、社会課題解決に資するマーケットイン型での新規ビジネス創出を加速させています。特に、カーボンニュートラル実現に向けたバイオ原料からの新素材開発は、当社のコア技術である化学プロセス技術と出資・共同研究により獲得したバイオプロセス技術とのシナジーを意識して進めています。
また、2022年に出資したスタートアップ企業との取り組みも加速しております。アクプランタ株式会社は独自のバイオスティミュラント資材(植物の成長促進・耐性向上に役立つ農業向け資材)でアグリバイオビジネスを展開しており、両社の技術を持ち寄った新製品の開発を進めています。また、株式会社糖鎖工学研究所は医薬等への応用が期待される素材(糖鎖)の量産化技術を有しており、量産化検討や業界関連企業・アカデミアへの共同マーケティングなど連携の幅を拡げています。これらの出資先との関係強化を通じた協創検証による新たな知見獲得も目指しながらビジネスプラン検証を進めています。今後も、新規ビジネスの創出に必須な人財の多様化を図りながら、より一層外部とのネットワークの拡大と活用による協創検証を加速して、新規事業の創出によりポートフォリオの幅を拡げる取り組みを進めて参ります。
(海洋生分解性樹脂の開発)
KH i-Labにてベンチャー企業等と共同研究を行いながら、新規技術である微生物発酵を用いて開発を進めてきました。展示会等での情報発信を継続するとともに、お客様との関係を強化しつつサンプル評価・開発を進めており、新規事業構築に向けたステージが上がってきています。
(4)黒金化成㈱での取り組み
黒金化成㈱では、受託事業に関連した研究開発活動を中心に行っています。新規受託案件を検討する「研究部」と量産化に向けた工業的製法の確立と製造担当部門への業務移管を行う「生産技術部」の2部門を設置し、開発段階に応じた業務分担により、委託者であるお客様に対して柔軟かつ迅速に対応できる体制をとっております。
半導体関連材料やディスプレイ関連材料等の電子材料分野の受託製造に関する研究活動を主に行っております。特に、2020年秋に完成した「次世代半導体向け材料設備(第Ⅰ期投資)」を活用した受託製造をはじめとする半導体関連材料の研究開発活動を精力的に推進しています。これまでの電子材料の研究開発で培った製造技術を半導体関連材料に対応可能な水準に洗練させ、高まる品質要求への対応を進めています。
また、2022年に機関決定しました第Ⅱ期投資では、大型の製造設備を増設し、拡大する需要を取り込んでいきます。これら設備投資の他、次世代半導体向けの素材需要取込みをより確実なものにするため、引き続き半導体関連材料の研究開発活動を進めていきます。
(5)当連結会計年度の研究開発活動
当連結会計年度における研究開発費の総額は939百万円となっております。
当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E32642] S100T3XF)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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