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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100VGFI (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 KHネオケム株式会社 研究開発活動 (2024年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社は、企業使命“「化学の力」で、よりよい明日を実現する。”を具現化するため、積極的に研究開発を進め、既存事業の競争優位性向上と社会課題解決型の新製品・新規事業創出に取り組んでいます。
当社の創業以来のDNAは、世の中に求められる製品を開発し、より付加価値の高い製品群に発展させていくモノづくりの姿勢です。当社のコア技術である、オキソ反応を軸とする合成技術を活用し、単に規模を追い求めるのではなく、市場が抱える課題に正面から向き合うことで価値を創造してきました。これまでに蓄積した無形資産(ネットワーク、技術・ノウハウ等)を駆使し、市場ニーズに向き合う顧客起点での連続的な成長だけでなく、新たな社会課題解決型のビジネス創出をオープンイノベーション活動等も活用しながら目指す非連続的な成長にも取り組んでいます。連続的な成長は事業部、非連続的な成長はイノベーション戦略部が主に担当しています。加えて、生産技術力のさらなる強化を図る技術開発センター、新規事業を含めた知的資産の強化を担う知的財産部が連携し、事業戦略・研究開発戦略・知的財産戦略が三位一体で活動しています。
2024年は第4次中期経営計画の最終年度であり、探索により見出されたテーマを事業化に繋げるための活動を展開してきました。2025年からの第5次中期経営計画では、「探索」から「創出」ステージに移行し、事業化に向けた取り組みを加速化してまいります。

当連結会計年度における主な研究開発活動の内容は以下のとおりであります。

(1)環境

当社の冷凍機油原料事業は、グローバル市場での成長を支える核となる事業です。世界的に冷媒規制が強化される中、低GWP冷媒を使用した環境配慮型エアコンの需要が拡大しています。当社は、環境配慮型エアコンに対応可能な冷凍機油原料を製造しており、競争力のある製品の安定供給を実現しています。さらに、この冷凍機油原料の生産性を高め、変化する市場のニーズに対応するため、技術開発を進める体制を強化しています。
長年の技術蓄積がある高圧法および低圧法オキソ反応技術の継続的な進化や、炭酸ガス回収技術及び高度制御システムを用いた省資・省エネの取り組みを進め、持続可能な生産体制の構築に注力しています。
これらの技術の蓄積を生かし、2024年7月には、冷凍機油原料の生産設備増強工事が完工しました。この増強工事では、従来比1.5倍の生産能力増強を実現しています。この成果により、拡大する市場需要への迅速な対応が可能となり、当社の競争優位性がさらに高まりました。


当社は海洋プラスチック問題の解決を目指し、再生可能資源を活用した海洋生分解性樹脂(PHB)の開発を進めています。これは、グリーンケミカルを基盤として、海洋環境での生分解性を持つ材料を発酵法で製造し提供することを目指したものであります。当社では、強みである化学技術や品質管理技術、及び顧客と連携した製品開発ノウハウを活かしたうえで、大学や様々な企業の外部の力を積極的に取り入れるオープンイノベーションも推進させることで、量産化に向けた具体的な技術基盤の確立に取り組んでいます。この取り組みは、環境負荷を低減しながら新たな価値を創造する重要な分野として位置づけ、事業部、イノベーション戦略部、知的財産部が連携し進めています。
また、農業分野においては、地球温暖化に伴う気候変動が農作物の生産に与える影響に対応するため、2022年にバイオスティミュラント剤の開発を強みとするアクプランタ株式会社に出資しました。このバイオスティミュラント剤は、植物の気候変動耐性を高め、農作物の生産性向上に寄与することが期待されています。当社はアクプランタとの共同研究を深めており、当社の化学ノウハウとアクプランタの農学ノウハウのシナジー創出を進め、農業分野での新たな価値創造を目指しています。
さらに、カーボンニュートラルへの貢献が期待できる新製品の開発に取り組み、当社の生産技術を活用した量産化プロセスを検討しています。これにより、持続可能性と収益性を両立し、社会課題の解決と当社の成長を支えてまいります。

(2)ヘルスケア

当社は、化粧品原料分野において、高度な精製技術と品質管理技術の研究開発に注力しています。技術開発センターでは、最新の分析機器を活用した不純物の特定・分析技術の開発を進めており、より微細な不純物を検出・同定する技術の確立に取り組んでいます。同時に、工場における製造工程では、これらの知見を活かした不純物の抑制技術の開発や、品質管理技術に基づく厳格なモニタリング体制の整備を推進しています。特に、製造工程の各段階における不純物の挙動を詳細に解析し、その生成メカニズムを解明することで、より効率的な除去方法の開発に成功しています。これらの技術革新により、当社は化学品特有のにおいや肌への刺激が極めて少ない製品を実現してきました。開発された製品群は高い保湿性と適度な抗菌性を兼ね備えており、高級スキンケア製品をはじめとする幅広い用途で採用されています。
現在、アジアを中心とした新興国での中間所得層の拡大に伴い、高品質な化粧品原料の需要は世界的な成長が見込まれています。特に、スキンケア製品に対する品質要求の高まりや、インバウンド需要の回復により、当社の化粧品原料への期待は一層高まっています。当社はこの成長市場における競争優位性をさらに高めるため、研究開発投資を続けてまいります。また、当社の製造技術、精製技術を基盤とした新規事業創出に向けた検討も進めております。


当社はバイオ医薬品に着目し、糖鎖という人工合成が困難な生体内希少成分による創薬支援を行っている株式会社糖鎖工学研究所との取り組みを進めています。糖鎖工学研究所は糖鎖の製造技術を有している世界的に数少ない企業であり、同研究所の製造技術と当社の強みである化学技術を掛け合わせて、商業レベルの製造技術を確立することを目指しています。また、2024年12月には、独自のDRP(ジスルフィドリッチペプチド)を用いてリード化合物(創薬の種となる化合物)の探索を行うベネイノテクノロジーズ株式会社と資本・業務提携を行いました。糖鎖による薬理活性や体内動態の改善効果の実証を進め、ベネイノテクノロジーズのDRP技術とのさらなるシナジー創出およびDRP創薬の加速を進めていき、次世代の医薬品開発に寄与することを目指します。

(3)エレクトロニクス

当社は半導体および液晶ディスプレイの製造プロセスに不可欠なフォトレジスト等の原料となる高純度溶剤を提供しています。また、グループ会社の黒金化成では、次世代半導体向け材料の製造を通じて、電子材料分野での競争力を強化しています。市場から求められる超高純度化や極低金属化といった品質要求に応えるため、事業部、技術開発センター、工場が連携し、技術革新を積極的に推進しています。
2022年には、四日市工場に新たな品質管理棟を建設し、業界最高水準のクリーンルームを導入しました。この施設は、顧客からの品質に対する信頼性の向上を目的とするとともに、高度化する顧客要求に迅速かつ柔軟に対応するための重要な基盤となっています。また、EUV(極端紫外線)リソグラフィー技術の進展に対応するため、大学との共同研究を通じて、当社溶剤が最先端のプロセスにおいて果たす効果を検証し、次世代半導体製造に寄与する製品の開発を進めています。
黒金化成では、受託事業に関連した研究開発活動を中心に行っています。新規受託案件を検討する「研究部」と量産化に向けた工業的製法の確立と製造部門への業務移管を行う「生産技術部」の2部門を設置し、開発段階に応じた業務分担により、顧客の要望に対して柔軟かつ迅速に対応できる体制をとっております。また2020年秋には最初の次世代半導体向け材料設備を完工させ半導体関連材料の研究開発活動を精力的に推進すると共に2024年秋には大型の次世代半導体向け材料設備も完成させ拡大する需要の取り込みを図っております。こうした設備投資の他、高まる品質要求への対応や次世代半導体向けの素材需要の取り込みをより確実なものにするため、引き続き半導体関連材料の研究開発活動を進めていきます。
これらの研究開発活動により、高純度溶剤の品質向上や付加価値のさらなる向上を目指してまいります。今後も、当社グループは半導体産業を中心とする電子材料分野での取り組みを強化し、顧客の期待に応える製品開発を進めることで、持続可能な成長を実現してまいります。


当社は、オキソ反応技術を基盤とし、電子材料分野での新規事業開発を推進しています。その一例として、車載カメラの義務化や先進運転支援システム(ADAS)、さらには自動運転技術の進展に伴い需要が拡大している高性能センシングカメラ用のプラスチックレンズ向け素材として脂環式モノマーの開発に取り組んでいます。このモノマーは、高耐熱性、低誘電特性、低吸水性といった優れた特長を備えており、車載やスマートフォンのカメラ、さらには5G・6G通信といった次世代電子材料分野での幅広い応用が期待されています。これらの用途では、高い品質基準を満たす原料が求められることから、当社の化学品製造ノウハウを最大限に活用し、事業化に向けた取り組みを加速しています。
当社独自の技術を活用した開発品は市場で高く評価されており、これにより開発のステージが着実に進展しています。今後も、電子材料市場での成長機会を捉え、社会的需要の高い製品の開発に注力することで、当社の持続可能な成長と収益基盤の強化を実現してまいります。

(4)当連結会計年度の研究開発活動
当連結会計年度における研究開発費の総額は1,147百万円となっております。

当社グループは、化学品事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E32642] S100VGFI)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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