有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W3JI (EDINETへの外部リンク)
株式会社オカムラ 研究開発活動 (2025年3月期)
当連結会計年度の研究開発費の総額は、1,426百万円であります。
当社グループの研究開発活動は、人にとって機能的で、安全・快適な空間創造に貢献するとともに、環境問題に配慮した製品の開発を行うことをモットーに、各事業分野にわたり積極的に研究・開発に取り組んでおります。
当連結会計年度のセグメントごとの主な研究成果は以下のとおりであります。
(1)オフィス環境事業
総人口の減少をきっかけに、人件費の大幅な上昇や諸物価の高騰等で、デフレ経済からインフレ経済に転換した節目の時期となっています。その中で、オフィス環境ビジネスとしては“ワーカーのオフィス回帰”、“リクルート対策”などを背景とした、“オフィスの見直し需要”が顕著な1年になっています。また、省人化、省力化、省エネ化というキーワードは、顧客提案には外せないものになっています。
①企業の顔であるラウンジ空間は、社内外のワーカーが交流する場でもあり、この場づくりへの投資は“共に働く大切な仲間たち”という社員へのメッセージにもなり、経営者にとっては重要な視点になっています。従来は既製品ではなく、独自性のある内装造作で設える傾向にありましたが、今後は、材料費アップや職人不足による工期延長など考えられます。そこで、内装造作領域を取り込むような、デザイン性の高い場の象徴となる存在感を表現したラウンジテーブル、ソファを開発しました。「Symphonia(シンフォニア)」は、曲面を取り入れた脚が堂々とした存在感を放ち、天板と脚の素材によって印象を変えられる、空間全体と調和するラウンジテーブルです。「CLARK(クラーク)」は、空間の象徴となるような多様なレイアウトが可能なソファシリーズです。柔らかさと気高さを備えたデザインは空間を上質に仕立て、誰もが訪れ滞在したくなるような「場」を作り出します。
②近年、インバウンドの増加から、重く大きな荷物を持った旅行者が増えています。一方で、駅や空港、バスターミナルなど多くの人が集まるパブリック空間では、コインロッカーや荷物預かり所などの一時的に荷物を預ける場所が不足しています。また、ホテルや展示場などの荷物預かり業務は負荷が増え、人手不足も深刻な課題になっています。2020年に発売を開始した『BAGGAGE KEEPER(バゲッジキーパー)』は、重くて大きな荷物を自動搬送で高さ方向を活用できるため効率的に収納でき、利用者自身でタッチパネル操作により荷物の預け入れ・取り出しが可能です。優れた収納効率による省スペース化と、無人で利用時間を問わない受付対応による省人化による人手不足の解消が期待できる製品となっており、ホテルニーズにさらに特化した小型版の開発に加え、「手ぶら観光」の推進に寄与するすべく、配送サービスとのシステム連携開発を行ってまいりました。このシステムには、オカムラの金融機関向けの全自動貸金庫システムの技術や、物流倉庫における荷物の収納・搬送技術を応用しています。直感的な操作を可能にするなど体験価値向上を目指し、使い勝手・操作性の改善を継続的に行い、社会課題解決に貢献してまいります。
③大規模地震や気象変動に伴う自然災害の頻発化が印象に残るなか、災害時の避難所となる学校の昇降口向けシューズロッカー「Lumi Gate(ルミゲート)」を発売しました。平時には見通しが良く安全で明るい学校の新たなコミュニケーション空間として、災害時には掲示板や支援物資保管など避難所運営に貢献できる新しい機能を付加しています。理科・家庭科向け特別教室シリーズ「ACCIO(アクシオ)」も同時発売し調理・被服などの作業台として避難時の日々の生活をサポートします。医師の働き方改革を実践する病院では医師だけでなくすべての医療従事者の業務効率化を推進していますが、動線の無駄を省き看護の質向上を目的に病室に長時間滞在する看護方式が浸透してきています。ナースカート「Karre(カレ)」に専用折り畳みイスを積載できる新タイプを発売、イスを積載したまま移動でき、移動先でも最適な座り姿勢で様々な作業ができます。同じく病院向けには2013年に発売し新規性のある機能・デザインに高い評価を頂いた点滴スタンド「divo(ディーボ)」に省スペースで保管できるネスティング型脚の採用や多くのユーザーのご要望に応えた作業性向上の為の新機能を取り込み、引き続き「divo」ブランドを長くお使いいただけるようリニューアルしています。
④製品ライフサイクル全体でCO2排出を最小化するものづくりを継続しています。サステナブルな製品開発を加速させる考え方「カーボンニュートラルデザイン」を新たに策定しました。オカムラグループは、2050年度カーボンニュートラルの実現を目指してCO2排出量削減目標を設定し、さまざまな取り組みを展開しています。1997年よりGREEN(環境配慮)のWAVE(波)を自ら起こし、その波に乗るという「GREEN WAVE(グリーン・ウェーブ)」の考えの下に、製品に関するオカムラ独自の環境基準を策定し、環境に配慮した製品の拡充を図っています。2021年には、製品に関するオカムラ独自の環境基準の見直しを行うとともに、製品開発において、製品ライフサイクルの中で限りある資源をより長く有効に使用し、廃棄物の発生を最小化するものづくりを目指す「サーキュラーデザイン」の考え方を策定し、より環境負荷の少ない製品の提供に努めています。2022年には、製品ライフサイクルを通じてCO2の排出量を正しく計算し、排出量と同等の排出権(クレジット)付きの製品をお客さまに提供する「カーボンオフセットプログラム」を導入し、製品ライフサイクル全体でのCO2排出量を正確に計算し管理する取り組みを進めています。「カーボンニュートラルデザイン」の策定により、製品の原材料調達から製造、販売、使用、廃棄までの製品ライフサイクル全体で環境負荷を低減した製品開発をさらに推し進め、CO2排出量の削減により積極的に取り組みます。
当事業における研究開発費の金額は699百万円であります。
(2)商環境事業
人件費の高騰と物価高を背景に、小売業の業績に貢献する店内の効率化・省人化効果の高いソリューションのニーズが高まっております。特にデジタル技術によるソリューションへの投資意欲が高まっております。そのような中、当事業においては、デジタルを活用した店内の作業や、販促の効率化などのソリューションの研究開発を行ってまいりました。また、災害時のインフラ機能など、店舗が果たす社会的役割の重要性がより認識されるなか、よりサステナブルな店舗開発・運営に寄与する製品、ソリューションの研究開発も行っております。
①みらいの店舗の在り方に関する調査と研究
②デジタル技術を活用した店内販促及び作業効率の向上を行うサービスの開発
③店舗の設備機器をデジタルで管理・運用するソリューションの研究
④店舗バックヤードの効率的な運用に関する研究と開発
⑤ロボットを活用した店内作業の軽減に関する実験
⑥陳列や買い物をしやすくするための、特定の商品に特化した専用什器の研究・開発
⑦災害時に、店舗をより早く復旧できるようにするための製品の研究開発と、復旧作業体制の構築
⑧冷凍冷蔵ショーケースの消費エネルギーを低減するシステムの研究・開発
当事業における研究開発費の金額は138百万円であります。
(3)物流システム事業
EC市場の拡大に伴う取り扱い荷物の増加や人手不足など、物流に対する要求・課題は増大しており、特に物流の「2024年問題」では、荷主企業に対しても運送会社の荷待ち時間を減らすことが求められています。そのような物流効率化のニーズが高まる中、「自動化・省力化・省スペース化」を追求した、マテリアルハンドリングシステム(ハード及びソフトウェア)の研究開発を進めると共に、世界の最新技術も取り入れたお客様に最適なソリューションのご提案、導入サポートを行っております。
①AI・IoT・ロボット技術を応用した搬送台車の開発
②AI搭載ロボットと遠隔操作によるハイブリッド型自動化ソリューションの研究・開発
③物流効率化を実現する高速・高密度収納のケース系自動倉庫の開発
④省スペース化を実現させるパレット高密度保管用自動倉庫の開発
⑤省配線化、設置工事の短縮を可能とする新制御方式を採用したコンベヤシステムの開発
⑥保守IoTサービスシステムの開発・実装
当事業における研究開発費の金額は575百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02369] S100W3JI)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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