有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100VGXF (EDINETへの外部リンク)
 株式会社ノーリツ 事業等のリスク (2024年12月期)
株式会社ノーリツ 事業等のリスク (2024年12月期)
		
		有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している全社重要リスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)リスクマネジメント活動の目的
当社グループは、次期中期経営計画『Vプラン26』策定に伴い、ERM(統合的リスクマネジメント)体制を再構築しました。事業活動の継続・発展及び事業目標達成のために、ERM活動のコンセプトを取締役会にて決定し、経営戦略である『Vプラン26:Vision』と一体となったリスクマネジメント活動を進めていきます。事業活動の継続に関わるサステナビリティ経営の推進や、マテリアリティ(重点課題)に関わる新たな事業取り組みのリスクについて、ガバナンス体制(取締役会・サステナブル委員会)とERMが一体となり、リスク対応状況のモニタリングを実施します。ERMが正しく機能するために、「3つのラインモデルによる内部統制システム」を合わせて適切に運用し、経営体制として『ガバナンス-ERM-内部統制』を一体的に運用してまいります。
(2)リスクマネジメント体制について
当社グループは、サステナブル委員会にてリスクマネジメントを含むESGに関わる内容を議論しており、委員長である経営企画本部長を全社リスク統括責任者として、リスクマネジメント統轄部門である総務法務部の指示のもと、各本部の内部統制責任部門がリスクマネジメント活動を実施しています。当社の重要度の高いリスク項目はサステナブル委員会での審議を経たのち、主要なリスク項目の内容は「全社重要リスク」として、取締役会で報告しています。「全社重要リスク」は取締役会にてモニタリングを実施し、経営者が重要と認識しているリスク項目について、管轄部門の対応状況を確認することができる体制を構築しております。
(3)事業リスクマネジメントのプロセス
ERM(統合的リスクマネジメント)体制における、事業リスクマネジメント活動のプロセスは、各本部の内部統制責任部門が事業活動に影響を与えるリスク項目を特定し、特定したリスク項目を発生頻度と影響度の2つの判断基準で評価します。次に、実施した評価をもとに、「リスクマップ」を作成し、重要度の高いリスク項目についてリスク対応計画を策定します。リスクマップは発生頻度と影響度に合わせて4つのエリアに分け、リスク回避・リスク低減・リスク移転・リスク保有をガイドラインとして指示し、各部門にてリスク対応計画の策定を進めています。策定された計画内容は、サステナブル委員会で報告し実施状況をモニタリングします。モニタリングを通して、次年度のリスクマネジメント活動のリスク項目の特定へ、サイクルを回していくことが事業リスクマネジメント活動のプロセスになります。
(4)戦略リスクマネジメントのプロセス
ERM(統合的リスクマネジメント)体制における、戦略リスクマネジメント活動のプロセスは、『戦略』を「①中期経営計画にて政策的に進めていること」と「②リスクでもあるが、プラスにも働く事業機会」と定義し、全社方針における重点課題(マテリアリティ)が戦略の定義にあたると捉え、重点課題達成に向けて各事業本部が取り組む方針課題に対して、影響を与えるリスクの有無について検討をすることを、戦略リスクマネジメントのプロセスとしております。事業リスクマネジメントと合わせて、『戦略』にフォーカスした戦略リスクマネジメントのサイクルを実施することで、ERM(統合的リスクマネジメント)の体制を構築しています。
(5)全社重要リスクの決定
全社重要リスクの決定プロセスは、サステナブル委員会で報告しているリスクマネジメント活動における全社リスクマップをもとに、リスク回避エリアを中心に緊急で対応が必要となる重要リスクを抽出し、サステナブル委員会で報告、議論を経て、取締役会にて重要リスクの決定を最終決議しております。取締役会にて重要リスクへの対応状況のモニタリングは年2回実施し、当年度のリスクマネジメント活動状況の報告と合わせて行っており、重要リスクの対応状況と、当年度のリスクマネジメント活動から抽出された新たなリスク項目と合わせて、取締役会にて翌年度の重要リスクの決定決議を行います。モニタリング状況により、継続対応が必要なリスク項目は、引き続き重要リスクとしてモニタリング対象とし、対応の目途や、対応方針が固まったリスク項目については対象からは引き下げ、主管部門における通常の業務課題として対応を進めてまいります。
(6)全社重要リスク対応
経営者が連結会社の財政状態、経営成績の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している「全社重要リスク」は以下のとおりであります。
① サプライチェーンの分断
新型コロナウイルスの感染拡大による諸外国でのロックダウンや世界的な電子部品の供給不足により部品調達が困難となったことで、国内の生産活動や製品の出荷への多大な影響を経験し、サプライチェーンの再構築を優先課題として推し進めてまいりました。今後も、新型コロナウイルス感染症の様な重大な感染症が流行した場合に限らず、部品調達先での大規模な行動制限等のロックダウンの発生や世界各地での紛争の発生による地政学的リスク影響により、サプライチェーンが分断される可能性があります。また、国内外問わず、大規模な台風、地震等の自然災害が発生し、生産活動に関わる仕入先等の操業中止・被災・倒産、物流に支障が生じることによって、生産部品の調達が困難となり、製品の出荷ができなくなる可能性があり、サプライチェーンの分断は、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす重要なリスク項目として、継続し取り組んでまいります。
製品の安定供給を最優先に取り組み、部品調達体制強化するため、主要部品ごとに「複社購買」「拠点分散」「単一国供給」「生産安定性」の項目を整理し、リスクが高い部品から優先的に、新規調達先の検討と性能品質の検査を行い、複社購買化を推進しました。調達リスクの低減は順調に進められておりますが、依然として対応の必要な部品が残っており、全社重要リスクとして対応を継続し、生産部品の中長期的な安定供給へ向けた体制構築に取り組んでまいります。
② IT・情報セキュリティ
当社グループでは、事業活動の大半において情報システムを活用しており、通信ネットワークの障害やハードウェアおよびソフトウェアの不具合・欠陥、さらにはデータセンターの機能停止等が発生した場合、事業活動が一時的に停止する可能性があります。とりわけ、国内外でコンピューターウイルスやサイバー攻撃、サイバーテロ等が頻発しており、当社グループの生産に係る情報システムへの影響によっては、製品の出荷停止やサービス提供の中断など、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす重大なリスクとなり得ると認識しております。
また、情報セキュリティ上の不備により、社内の重要な機密情報が外部に流出するリスクが存在します。個人情報については、当社グループ関係者などの故意または過失による外部流出、またサイバー攻撃等により第三者へ不正取得された場合には、賠償責任の他、当社グループのブランドイメージの低下により、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。個人情報の他にも、製品情報や開発情報の漏洩、経営戦略情報や、インサイダー情報に関わる決算情報など、様々な重要情報の漏洩防止について、対応が必要となる重要なリスク項目と認識しております。
当社グループでは、これらのリスクに対応するため、IT環境の健全性確保とサイバーレジリエンスの向上に取り組んでいます。特に国内グループ会社のインターネット、ネットワーク、パソコン、メールなどに対する対策を統一し、多層的かつ一元的なセキュリティ監視体制を確立することで、より高度な対策を実現してまいりました。加えて、グループ統一のクラウドストレージを導入し、ランサムウェア等のサイバー攻撃に対する常時監視とバックアップ体制の強化を図ることで、情報資産の保護を徹底しております。さらに、個人情報および重要機密情報については、機密レベルに応じたアクセス権限を設定し、情報へのアクセスを一部の責任者に限定する仕組みを導入済みです。現在、クラウドストレージシステムの運用切り替えはグループ全体で順調に進んでおり、情報セキュリティは着実に強化されています。
今後も、サーバへのランサムウェアなどのサイバー攻撃に対する対策として、より高度なセキュリティ対策を順次展開し、全社の重要リスクとして対応を継続してまいります。
個人情報の取得・取り扱い・管理・開示・訂正・利用停止などの方法については、プライバシーポリシーを定めるとともに、社内規定の整備、個人情報の取り扱いを記した冊子の配布を実施し、個人情報の適正な管理を実施しています。また、情報セキュリティに関連する規定(「ノーリツグループ情報セキュリティ基本規程」「情報セキュリティ詳細要領」等)の整備に加えて、情報セキュリティに関するEラーニングや標的型メール訓練を役職員に実施するなど教育・研修の徹底を図っております。
③ 品質不正リスク
近年社会からの品質への要求が高まる中、企業における品質不正事例が発生しております。品質データの不正書き換えや品質検査データの改ざん、性能偽装により環境基準等の認証の不正問題などが、発生した品質不正事例と確認しております。メーカーとして品質における不正が発生してしまった場合、当社グループのブランドイメージが低下し、ステークホルダーに与える影響が大きく、製品に関わる賠償費用やリコール対応費用の他、製品販売台数減少によって、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす重要なリスクと認識しております。
品質コンプライアンスに関わる内部統制の構築を推進しています。品質を高めるためには、企画・開発・調達・製造・販売・施工・アフターサービスまで関わる全ての部門が品質に対する意識を持つことが必要となるため、ノーリツグループ『品質方針』を改定し、「品質=製品品質」という従来の考え方から脱却した、新たな『品質ガイドライン』を各部門へ展開しました。「品質コンプライアンスに関わる内部統制」を構築し、製品品質とサービス品質の両方を高め、各本部で品質不正が起こらない管理体制づくりを進めるため、グループ全体で実施している「コンプライアンス意識調査アンケート」に品質不正に関する項目を新たに追加しました。品質不正リスクに関する情報をあらかじめ収集することで、内部監査と合わせて情報連携することで、品質不正の発生を防ぐ体制を構築しました。
品質不正リスクは、全社重要リスクとして継続して対応を進め、コンプライアンス意識調査と合わせて、より品質不正に関する内容に特化した「品質不正アンケート」を実施し、品質コンプライアンス体制の強化に取り組んでまいります。
④ 人材確保難
当社グループの事業活動において、従業員は大切な資産であり、会社の発展には多様な人材が必要と捉えています。国内は、労働人口減少や求人倍率の増加を背景とした人材不足が顕在化しており、劇的に変化する社会のニーズに対応し、多様な価値観・才能・ライフスタイルを持った人材が能力を最大限発揮出来る会社・職場にしなければ、有能な社員や将来を担う若手社員などの離職により、製品・サービスの品質が落ちることで、事業活動における競争力が低下することは、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす重要なリスクと認識しております。
経営戦略と連動した人材確保に向け、新卒採用だけではなく、経験者採用や専門職の採用の比率を増やし、あるべき人材ポートフォリオの形成を進めています。また、成果創出支援だけでなく、多様化する価値観をもった従業員のやりがい創出やキャリア自立支援を目的としたマネジメントへの変革や、従業員がありたいキャリアを考える機会の提供とそれを実現できる制度の充実に取り組むことで、従業員のエンゲージメントを向上させていきます。
計画水準に合わせた人員数を確保しておりますが、経営戦略に合わせた経験者採用および専門職採用の獲得については、採用市場動向においても厳しい状況が続いているため、全社重要リスクとして対応を継続し、人的資本開発課題に取り組んでまいります。
⑤ 海外基準・法規制対応
当社グループは、中国・香港・北米・豪州にグループ会社を設置しており、中期経営計画『Ⅴプラン26』事業ポートフォリオの変革においても、海外事業の拡大は重要な課題として位置づけております。世界的にカーボンニュートラルへの対応要請が高まる中、製品に関する電力等のエネルギー使用量の認証や燃焼機器における熱効率基準の他、製品や事業活動におけるCO2排出量等の基準への対応状況により、販売活動が制限される可能性があります。海外における各国の法令や基準等の変更に対応できなければ、海外での製品販売事業に重大な影響を与えるリスクとなるため、重要なリスクとして認識しております。
各国における製品・販売基準の情報収集を進め、各種基準への対応体制構築を進めておりますが、主要国の政治体制が変更される等の影響によって、予期せず対応基準が大きく変わる可能性があり、引き続き重要リスクとして対応を継続致します。今後も、情報収集の制度を高め、各国の法令や規定、認証、販売の基準等の変更が予想される時期をロードマップとして整理し、リスクが高い項目を優先対象として進めてまいります。
⑥ 製品含有化学物質対応
当社グループは、ガス・石油機器の製造及び販売を主力事業としており、サステナブル調達への要請が高まる中、サプライヤーからの調達部品が、材質や製品含有化学物質に関する規制の基準に違反していた場合や人権侵害等による不法行為による生産部品の他、紛争地域の資金源となる鉱物などが使用されていた場合、それらを使用して製造された製品は、今後の規制強化に伴い販売ができなくなる可能性があります。海外の国基準への対応とともに、サプライヤーからの調達部品の管理を進め、法令を遵守した調達活動を実施し対応しなければ、市場から排除され、将来的な事業活動に影響を及ぼす重要なリスクと認識しております。
製品含有化学物質対応については引き続き、全社重要リスクとして取り組んでまいります。規制基準の情報収集を進めるとともに、調達部品において使用されている物質について、サプライヤーと共同で情報を管理し、基準に沿った適切な対応体制を構築するため、統一基準に基づいた製品含有化学物質(CiP)管理方針を新たに策定するとともに、同管理指針を改定し、環境法令の基準変更の時期をロードマップとして整理し、リスクが高い項目を優先対象として進めてまいります。
⑦ カーボンニュートラルへの対応
ERM(統合的リスクマネジメント)における、戦略リスクマネジメントの結果より、当社グループがガス・石油機器の製造及び販売を主力事業としていることから、各事業本部における重点課題(マテリアリティ)に対する事業活動課題の多くが、『カーボンニュートラルへの対応』に関連する内容であることを認識いたしました。個々の事業部門の活動内容は異なりますが、グループ全体を統括した戦略リスクとして『カーボンニュートラルへの対応』を新たな全社重要リスクとして特定致しました。
中期経営計画『Vプラン26』における、環境配慮型商品の販売や、次世代型給湯器開発による社会課題に向けた活動を推進し、今後進捗状況の遅れがグループの事業活動におけるリスクとならないよう、モニタリングを進めてまいります。
※ 新規国 商品展開
前事業年度において、全社重要リスクとして「新規国商品展開」を設定し、中国や北米など既存エリアでの事業拡大を継続しつつ、新規エリアの事業拡大を進めるにあたって、各国特有の規制や法令など社会情勢、市場情報および販売プロセスなどの項目から、リスク特定を実施してまいりました。
新規エリア展開に向けたリスク特定の体制については、商品開発プロセスにおけるデザインレビューを通して、当該地域に関わるリスク一覧表をもとに対策内容を検討し、承認を得る体制を構築しております。今後は、全社の重要リスクからこの項目を引き下げ、海外事業統括本部における通常業務における事業課題として、取り組みを進めてまいります。
		
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)リスクマネジメント活動の目的
当社グループは、次期中期経営計画『Vプラン26』策定に伴い、ERM(統合的リスクマネジメント)体制を再構築しました。事業活動の継続・発展及び事業目標達成のために、ERM活動のコンセプトを取締役会にて決定し、経営戦略である『Vプラン26:Vision』と一体となったリスクマネジメント活動を進めていきます。事業活動の継続に関わるサステナビリティ経営の推進や、マテリアリティ(重点課題)に関わる新たな事業取り組みのリスクについて、ガバナンス体制(取締役会・サステナブル委員会)とERMが一体となり、リスク対応状況のモニタリングを実施します。ERMが正しく機能するために、「3つのラインモデルによる内部統制システム」を合わせて適切に運用し、経営体制として『ガバナンス-ERM-内部統制』を一体的に運用してまいります。
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(2)リスクマネジメント体制について
当社グループは、サステナブル委員会にてリスクマネジメントを含むESGに関わる内容を議論しており、委員長である経営企画本部長を全社リスク統括責任者として、リスクマネジメント統轄部門である総務法務部の指示のもと、各本部の内部統制責任部門がリスクマネジメント活動を実施しています。当社の重要度の高いリスク項目はサステナブル委員会での審議を経たのち、主要なリスク項目の内容は「全社重要リスク」として、取締役会で報告しています。「全社重要リスク」は取締役会にてモニタリングを実施し、経営者が重要と認識しているリスク項目について、管轄部門の対応状況を確認することができる体制を構築しております。
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(3)事業リスクマネジメントのプロセス
ERM(統合的リスクマネジメント)体制における、事業リスクマネジメント活動のプロセスは、各本部の内部統制責任部門が事業活動に影響を与えるリスク項目を特定し、特定したリスク項目を発生頻度と影響度の2つの判断基準で評価します。次に、実施した評価をもとに、「リスクマップ」を作成し、重要度の高いリスク項目についてリスク対応計画を策定します。リスクマップは発生頻度と影響度に合わせて4つのエリアに分け、リスク回避・リスク低減・リスク移転・リスク保有をガイドラインとして指示し、各部門にてリスク対応計画の策定を進めています。策定された計画内容は、サステナブル委員会で報告し実施状況をモニタリングします。モニタリングを通して、次年度のリスクマネジメント活動のリスク項目の特定へ、サイクルを回していくことが事業リスクマネジメント活動のプロセスになります。
(4)戦略リスクマネジメントのプロセス
ERM(統合的リスクマネジメント)体制における、戦略リスクマネジメント活動のプロセスは、『戦略』を「①中期経営計画にて政策的に進めていること」と「②リスクでもあるが、プラスにも働く事業機会」と定義し、全社方針における重点課題(マテリアリティ)が戦略の定義にあたると捉え、重点課題達成に向けて各事業本部が取り組む方針課題に対して、影響を与えるリスクの有無について検討をすることを、戦略リスクマネジメントのプロセスとしております。事業リスクマネジメントと合わせて、『戦略』にフォーカスした戦略リスクマネジメントのサイクルを実施することで、ERM(統合的リスクマネジメント)の体制を構築しています。
(5)全社重要リスクの決定
全社重要リスクの決定プロセスは、サステナブル委員会で報告しているリスクマネジメント活動における全社リスクマップをもとに、リスク回避エリアを中心に緊急で対応が必要となる重要リスクを抽出し、サステナブル委員会で報告、議論を経て、取締役会にて重要リスクの決定を最終決議しております。取締役会にて重要リスクへの対応状況のモニタリングは年2回実施し、当年度のリスクマネジメント活動状況の報告と合わせて行っており、重要リスクの対応状況と、当年度のリスクマネジメント活動から抽出された新たなリスク項目と合わせて、取締役会にて翌年度の重要リスクの決定決議を行います。モニタリング状況により、継続対応が必要なリスク項目は、引き続き重要リスクとしてモニタリング対象とし、対応の目途や、対応方針が固まったリスク項目については対象からは引き下げ、主管部門における通常の業務課題として対応を進めてまいります。
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(6)全社重要リスク対応
経営者が連結会社の財政状態、経営成績の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している「全社重要リスク」は以下のとおりであります。
| 全社重要リスク | リスク概要 | 前年比較 | |
| ① サプライチェーンの分断 | 生産部品の供給停止による製品生産・販売活動の停止 | 継続 | |
| ② IT・情報セキュリティ | 機密情報の漏洩、ランサムウェアによる損害費用の発生 サイバー攻撃によるシステム障害の発生、生産・販売活動停止 | 継続 | |
| ③ 品質不正リスク | 製品品質の不正が発生する事による生産活動の停止 | 継続 | |
| ④ 人材確保難 | 人材確保難化 業務後継者不足 開発・販売競争力低下影響 | 継続 | |
| ⑤ 海外基準・法規制対応 | 海外法規制基準変化 カーボンニュートラル対応規制 製品性能基準への対応 | 継続 | |
| ⑥ 環境負荷物質対応 | 製品含有化学物質 調達部品の使用物質管理対応 | 継続 | |
| ⑦ カーボンニュートラル対応 | 環境配慮型商品販売計画への対応、次世代給湯器開発・生産体制整備への対応 | 新規 | |
| ※ 新規国 商品展開 | 国内需要の減少するリスクへ、新規市場開拓対応 | 引き下げ | |
① サプライチェーンの分断
新型コロナウイルスの感染拡大による諸外国でのロックダウンや世界的な電子部品の供給不足により部品調達が困難となったことで、国内の生産活動や製品の出荷への多大な影響を経験し、サプライチェーンの再構築を優先課題として推し進めてまいりました。今後も、新型コロナウイルス感染症の様な重大な感染症が流行した場合に限らず、部品調達先での大規模な行動制限等のロックダウンの発生や世界各地での紛争の発生による地政学的リスク影響により、サプライチェーンが分断される可能性があります。また、国内外問わず、大規模な台風、地震等の自然災害が発生し、生産活動に関わる仕入先等の操業中止・被災・倒産、物流に支障が生じることによって、生産部品の調達が困難となり、製品の出荷ができなくなる可能性があり、サプライチェーンの分断は、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす重要なリスク項目として、継続し取り組んでまいります。
製品の安定供給を最優先に取り組み、部品調達体制強化するため、主要部品ごとに「複社購買」「拠点分散」「単一国供給」「生産安定性」の項目を整理し、リスクが高い部品から優先的に、新規調達先の検討と性能品質の検査を行い、複社購買化を推進しました。調達リスクの低減は順調に進められておりますが、依然として対応の必要な部品が残っており、全社重要リスクとして対応を継続し、生産部品の中長期的な安定供給へ向けた体制構築に取り組んでまいります。
② IT・情報セキュリティ
当社グループでは、事業活動の大半において情報システムを活用しており、通信ネットワークの障害やハードウェアおよびソフトウェアの不具合・欠陥、さらにはデータセンターの機能停止等が発生した場合、事業活動が一時的に停止する可能性があります。とりわけ、国内外でコンピューターウイルスやサイバー攻撃、サイバーテロ等が頻発しており、当社グループの生産に係る情報システムへの影響によっては、製品の出荷停止やサービス提供の中断など、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす重大なリスクとなり得ると認識しております。
また、情報セキュリティ上の不備により、社内の重要な機密情報が外部に流出するリスクが存在します。個人情報については、当社グループ関係者などの故意または過失による外部流出、またサイバー攻撃等により第三者へ不正取得された場合には、賠償責任の他、当社グループのブランドイメージの低下により、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。個人情報の他にも、製品情報や開発情報の漏洩、経営戦略情報や、インサイダー情報に関わる決算情報など、様々な重要情報の漏洩防止について、対応が必要となる重要なリスク項目と認識しております。
当社グループでは、これらのリスクに対応するため、IT環境の健全性確保とサイバーレジリエンスの向上に取り組んでいます。特に国内グループ会社のインターネット、ネットワーク、パソコン、メールなどに対する対策を統一し、多層的かつ一元的なセキュリティ監視体制を確立することで、より高度な対策を実現してまいりました。加えて、グループ統一のクラウドストレージを導入し、ランサムウェア等のサイバー攻撃に対する常時監視とバックアップ体制の強化を図ることで、情報資産の保護を徹底しております。さらに、個人情報および重要機密情報については、機密レベルに応じたアクセス権限を設定し、情報へのアクセスを一部の責任者に限定する仕組みを導入済みです。現在、クラウドストレージシステムの運用切り替えはグループ全体で順調に進んでおり、情報セキュリティは着実に強化されています。
今後も、サーバへのランサムウェアなどのサイバー攻撃に対する対策として、より高度なセキュリティ対策を順次展開し、全社の重要リスクとして対応を継続してまいります。
個人情報の取得・取り扱い・管理・開示・訂正・利用停止などの方法については、プライバシーポリシーを定めるとともに、社内規定の整備、個人情報の取り扱いを記した冊子の配布を実施し、個人情報の適正な管理を実施しています。また、情報セキュリティに関連する規定(「ノーリツグループ情報セキュリティ基本規程」「情報セキュリティ詳細要領」等)の整備に加えて、情報セキュリティに関するEラーニングや標的型メール訓練を役職員に実施するなど教育・研修の徹底を図っております。
③ 品質不正リスク
近年社会からの品質への要求が高まる中、企業における品質不正事例が発生しております。品質データの不正書き換えや品質検査データの改ざん、性能偽装により環境基準等の認証の不正問題などが、発生した品質不正事例と確認しております。メーカーとして品質における不正が発生してしまった場合、当社グループのブランドイメージが低下し、ステークホルダーに与える影響が大きく、製品に関わる賠償費用やリコール対応費用の他、製品販売台数減少によって、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす重要なリスクと認識しております。
品質コンプライアンスに関わる内部統制の構築を推進しています。品質を高めるためには、企画・開発・調達・製造・販売・施工・アフターサービスまで関わる全ての部門が品質に対する意識を持つことが必要となるため、ノーリツグループ『品質方針』を改定し、「品質=製品品質」という従来の考え方から脱却した、新たな『品質ガイドライン』を各部門へ展開しました。「品質コンプライアンスに関わる内部統制」を構築し、製品品質とサービス品質の両方を高め、各本部で品質不正が起こらない管理体制づくりを進めるため、グループ全体で実施している「コンプライアンス意識調査アンケート」に品質不正に関する項目を新たに追加しました。品質不正リスクに関する情報をあらかじめ収集することで、内部監査と合わせて情報連携することで、品質不正の発生を防ぐ体制を構築しました。
品質不正リスクは、全社重要リスクとして継続して対応を進め、コンプライアンス意識調査と合わせて、より品質不正に関する内容に特化した「品質不正アンケート」を実施し、品質コンプライアンス体制の強化に取り組んでまいります。
④ 人材確保難
当社グループの事業活動において、従業員は大切な資産であり、会社の発展には多様な人材が必要と捉えています。国内は、労働人口減少や求人倍率の増加を背景とした人材不足が顕在化しており、劇的に変化する社会のニーズに対応し、多様な価値観・才能・ライフスタイルを持った人材が能力を最大限発揮出来る会社・職場にしなければ、有能な社員や将来を担う若手社員などの離職により、製品・サービスの品質が落ちることで、事業活動における競争力が低下することは、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす重要なリスクと認識しております。
経営戦略と連動した人材確保に向け、新卒採用だけではなく、経験者採用や専門職の採用の比率を増やし、あるべき人材ポートフォリオの形成を進めています。また、成果創出支援だけでなく、多様化する価値観をもった従業員のやりがい創出やキャリア自立支援を目的としたマネジメントへの変革や、従業員がありたいキャリアを考える機会の提供とそれを実現できる制度の充実に取り組むことで、従業員のエンゲージメントを向上させていきます。
計画水準に合わせた人員数を確保しておりますが、経営戦略に合わせた経験者採用および専門職採用の獲得については、採用市場動向においても厳しい状況が続いているため、全社重要リスクとして対応を継続し、人的資本開発課題に取り組んでまいります。
⑤ 海外基準・法規制対応
当社グループは、中国・香港・北米・豪州にグループ会社を設置しており、中期経営計画『Ⅴプラン26』事業ポートフォリオの変革においても、海外事業の拡大は重要な課題として位置づけております。世界的にカーボンニュートラルへの対応要請が高まる中、製品に関する電力等のエネルギー使用量の認証や燃焼機器における熱効率基準の他、製品や事業活動におけるCO2排出量等の基準への対応状況により、販売活動が制限される可能性があります。海外における各国の法令や基準等の変更に対応できなければ、海外での製品販売事業に重大な影響を与えるリスクとなるため、重要なリスクとして認識しております。
各国における製品・販売基準の情報収集を進め、各種基準への対応体制構築を進めておりますが、主要国の政治体制が変更される等の影響によって、予期せず対応基準が大きく変わる可能性があり、引き続き重要リスクとして対応を継続致します。今後も、情報収集の制度を高め、各国の法令や規定、認証、販売の基準等の変更が予想される時期をロードマップとして整理し、リスクが高い項目を優先対象として進めてまいります。
⑥ 製品含有化学物質対応
当社グループは、ガス・石油機器の製造及び販売を主力事業としており、サステナブル調達への要請が高まる中、サプライヤーからの調達部品が、材質や製品含有化学物質に関する規制の基準に違反していた場合や人権侵害等による不法行為による生産部品の他、紛争地域の資金源となる鉱物などが使用されていた場合、それらを使用して製造された製品は、今後の規制強化に伴い販売ができなくなる可能性があります。海外の国基準への対応とともに、サプライヤーからの調達部品の管理を進め、法令を遵守した調達活動を実施し対応しなければ、市場から排除され、将来的な事業活動に影響を及ぼす重要なリスクと認識しております。
製品含有化学物質対応については引き続き、全社重要リスクとして取り組んでまいります。規制基準の情報収集を進めるとともに、調達部品において使用されている物質について、サプライヤーと共同で情報を管理し、基準に沿った適切な対応体制を構築するため、統一基準に基づいた製品含有化学物質(CiP)管理方針を新たに策定するとともに、同管理指針を改定し、環境法令の基準変更の時期をロードマップとして整理し、リスクが高い項目を優先対象として進めてまいります。
⑦ カーボンニュートラルへの対応
ERM(統合的リスクマネジメント)における、戦略リスクマネジメントの結果より、当社グループがガス・石油機器の製造及び販売を主力事業としていることから、各事業本部における重点課題(マテリアリティ)に対する事業活動課題の多くが、『カーボンニュートラルへの対応』に関連する内容であることを認識いたしました。個々の事業部門の活動内容は異なりますが、グループ全体を統括した戦略リスクとして『カーボンニュートラルへの対応』を新たな全社重要リスクとして特定致しました。
中期経営計画『Vプラン26』における、環境配慮型商品の販売や、次世代型給湯器開発による社会課題に向けた活動を推進し、今後進捗状況の遅れがグループの事業活動におけるリスクとならないよう、モニタリングを進めてまいります。
※ 新規国 商品展開
前事業年度において、全社重要リスクとして「新規国商品展開」を設定し、中国や北米など既存エリアでの事業拡大を継続しつつ、新規エリアの事業拡大を進めるにあたって、各国特有の規制や法令など社会情勢、市場情報および販売プロセスなどの項目から、リスク特定を実施してまいりました。
新規エリア展開に向けたリスク特定の体制については、商品開発プロセスにおけるデザインレビューを通して、当該地域に関わるリスク一覧表をもとに対策内容を検討し、承認を得る体制を構築しております。今後は、全社の重要リスクからこの項目を引き下げ、海外事業統括本部における通常業務における事業課題として、取り組みを進めてまいります。
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