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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YDDS (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社髙松コンストラクショングループ 研究開発活動 (2026年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社では、「環境・防災技術、リニューアル、脱炭素、省力化・合理化、情報化施工」をテーマにし、「社会のニーズをふまえ、営業戦略に密着した技術の開発」に主眼をおき、髙松コンストラクショングループ技術研究所を中心に建築事業および土木事業に係る研究開発活動に取り組んでおります。髙松建設㈱および青木あすなろ建設㈱は当研究所内で、その他の子会社は自社施設で、各社が得意とする技術分野において研究開発活動をおこなっております。その主なものは次のとおりであり、当連結会計年度における研究開発費の総額は598百万円であります。なお、研究開発費につきましては各セグメントに配分しておりません。
(1) 髙松建設㈱
① 木造を活用した中層建物の開発
地球環境問題への対応と持続可能な社会の実現に向けて、木材の利活用が重要な選択肢となっています。木材は耐火性やメンテナンス面で課題があるものの、コンクリートに比べて軽量であり、建設コストの削減や基礎工事の合理化にも寄与します。髙松建設㈱では、独自の木造建築モデルの構築を目指した研究開発を進め、2026年3月期に下層2層S造・上層4層木造による混構造6階建て建物を竣工しました。木造部分には、大断面集成材による2方向ラーメン構造を採用し、実大試験体による載荷実験により構造性能の妥当性を検証しています。今後も、意匠性と構造性能を両立した、より経済的で合理的な中層木造建物の実現に取り組んでいきます。
② 新型免震構造の実用化研究
大地震に対する構造安全性と居住性を向上させる免震構造のニーズが高まっています。髙松建設㈱では、東京都市大学と共同開発した高減衰積層ゴム支承の実用化に取り組んでいます。従来の免震構造用積層ゴム支承は、建物規模や設計条件に応じて個別に製造されることが一般的でしたが、本開発品は支承の大型化ではなく、同一仕様の支承を複数配置する設計方式を採用します。このアプローチにより、「積層ゴムの製造・品質管理」と「構造設計・施工管理」の2つのプロセスの分離が可能となり、免震部材の量産化と品質管理の合理化が期待できます。本システムを「新型免震構造」と位置付けし、トータルコストの低減と実用性の高い免震構造の実現に向けて取り組んでいます。
③ コンクリートの品質向上技術に関する研究開発
猛暑日や酷暑日が増加する中、高温環境下の施工現場では、コンクリート打設時の品質確保が一層困難になっています。特に、経時によるスランプ低下は施工性を著しく悪化させ、じゃんか(豆板)やコールドジョイント等の打込み不良を引き起こす要因となっています。この課題に対し、髙松建設㈱では、JIS A 6205に適合した遅延形のあと添加型化学混和剤を活用した施工技術を導入しています。本技術は、現場到着時のアジテータ車内のコンクリートに化学混和剤を追加投入することで、スランプ低下を抑制し、施工性と品質の安定化を図るものです。施工実績に基づく性能データの蓄積を進めており、本技術の標準化を推進するとともに、より実効性の高い酷暑対策技術の開発に取り組んでいます。
④ 山留め工法の合理化・最適化研究
山留めは、掘削による地盤の崩壊や隣接構造物への影響を防止するために不可欠な仮説構造物です。しかし、一時的な構造物でありながら大量の鋼材を使用するため、工事費全体に占める割合が高く、特に都心部の狭隘な現場や軟弱地盤・複雑な地盤条件下では、不確実性に対応するため過剰設計となりやすい傾向があります。そこで、トータルステーションや三次元レーザースキャナなどによる変位計測データを蓄積・分析により現行の山留め計算手法の妥当性を検証し、安全性と経済性を両立した山留め計画の実現を目指します。
⑤ ZEB、ZEH-Mの普及促進のための研究開発
地球温暖化や資源エネルギー問題が深刻化する中、環境配慮型建築物としてZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)やZEH-M(ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)の実現が求められています。しかし、初期投資の増大や設計上の制約により、普及は十分に進んでいないのが現状です。髙松建設㈱では、ZEB・ZEH-Mの普及促進に向けて、外皮(外壁・窓・床・屋根など)の断熱性能向上や、空調・給湯・換気設備などの高効率化といった省エネルギー技術を体系的に整備し、低コストでZEB・ZEH-Mを実現する独自仕様の策定に取り組んでいます。

(2) 青木あすなろ建設㈱
(建築事業)
① 折返し機構を用いたブレース材および制震部材の開発
折返し機構は、断面の異なる3本の鋼材を一筆書きの要領で折り返して接合させた形状を有し、優れた変形性能を示すため、耐震性に優れた合理的な鉄骨造建物を建設できます。2026年3月期は、折返し機構を応用した制震部材(座屈拘束ブレース)の開発に取り組み、性能確認実験により疲労特性を評価し、日本ERI株式会社から技術性能証明を取得しました。今後は、安価で高性能な制震部材を目指して改良のための開発を進める予定です。
② 格子固定天井の吊りボルトスパン拡大に関する開発
音楽ホールなどに用いられる壁面との隙間を設けない天井として、格子固定天井を開発しました。格子固定天井は、一般的な隙間なし天井で用いる重量鉄骨を不要とし、軽量角型鋼管や吊りボルトで構成されるため、既存天井の耐震補強としても有効です。2026年3月期は、吊りボルトスパンおよび吊り長さを拡大することで、コスト削減および施工性の向上に取り組みました。今後は、強制変位実験、部材試験の成果をもって、技術評価を取得する予定です。
③ CELBIC(適用拡大・再生骨材)に関する開発
二酸化炭素排出量を削減するための環境配慮型コンクリートの開発に取り組み、2021年に建設材料技術性能証明を取得しております。2026年3月期は、適用範囲の拡大および再生骨材を用いたC種クラス(※)の実用化に向けた各種実験の実施と技術資料の作成、および技術評価(第三者機関)の申請をおこないました。今後は第三者機関の技術評価を取得する予定です。
(※)セメントの代替として使用する高炉スラグ微粉末の量に応じた分類のこと。
C種クラスでは、二酸化炭素排出量の約53~63%を削減可能。
④ 部分高強度鉄筋
基礎梁端部の過密配筋の緩和およびコスト削減(鉄筋量削減、部材断面縮減、根入れ深さ低減)をはかるため、部分高強度鉄筋を用いた外付け新定着工法の開発に取り組んでおります。2026年3月期は、実大引張要素実験を実施するための試験体を製作しました。今後は引き続き性能証明取得に向けた要素実験の実施および基礎梁接合部の実験を実施する予定です。
(土木事業)
① 既設橋梁の耐震性向上技術に関する研究
首都高速道路グループと共同研究を実施した、「摩擦ダンパーを既設橋梁の耐震性向上に応用する共同研究」の成果により、首都高速11号台場線と首都高速1号上野線の2件の耐震補強に摩擦ダンパーが採用され、設置工事が完了しております。2026年3月期は、摩擦ダンパーの現業支援の強化と販売拡大に焦点を当て、事業部門との連携をはかると共に、共同研究(名古屋工業大学、土木研究所等)を通じて適用拡大に資する実験・検討を実施しております。今後は、土木研究所等との共同研究において、世界最大級の三次元震動破壊実験施設であるE-ディフェンスでの大規模な実験を実施する予定です。
② カーボンプール(CP)コンクリートの開発
セ2021年に当社を含む企業・大学・国立研究開発法人によるコンソーシアムがNEDO(※)グリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発プロジェクト」の採択を受け、カーボンプールコンクリートの開発を進めております。カーボンプールコンクリートはコンクリート由来の産業廃棄物にCO2を吸収・固定化させた環境配慮型コンクリートです。当社はコンクリートが硬化した後のCO2固定量を最大化する技術(炭酸化養生方法)の開発を担っており、工事引き渡しまでの間にCO2固定量を最大化することを目標に取り組んでおります。2026年3月期は、滋賀県姉川護岸工事、東京都日野市公園整備工事にてCPコンクリートが試験施工で適用され、今後は若洲公園(東京都)での試験施工を予定しております。
(※)NEDOとは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の略称です。
③ 盛土の締固めの新しい管理方法の開発
建設発生土など複合的な土質特性を持つ材料を用いた盛土の締固め管理において、複合的な土質をいかに適切に管理するかという課題を解決し、その適正化をはかるため、電気的性質を利用した締固め管理手法を開発しました。これは、盛土の比抵抗値を計測し、計測した比抵抗値等から、盛土の乾燥密度を算出するものです。2026年3月期は、測定機の開発・改良をおこないました。今後は、NETIS(※)の登録に向けた現場計測をおこない早期の社会実装を目指します。
(※)New Technology Information System(国土交通省が運営する新技術情報提供システム)。

④ クリップ型ばねを応用した技術の開発
2017年より、注入方式の接着系あと施工アンカー工法におけるアンカー筋の設置補助具として「あと施工アンカー用クリップ型ばね(製品名:アンカー留太郎)」を開発・実用化しております。アンカー留太郎の適用により、当該工法の施工品質と施工効率が向上します。2026年3月期は、アンカー留太郎の適用拡大を目指し、ロックボルト工にも利用できる形状のクリップ型ばねの開発に成功しました。
⑤ AIを用いたトンネル余掘り低減技術の開発
2024年3月期に当社が北海道大学らと開発した「AIによる最適な発破を用いてトンネルの余掘り低減技術」の高度化を実施しております。施工条件と発破による掘削形状の相関にディープラーニングの一つの手法であるCNN(※)を用いることで、より精度の高いAIモデルの開発を目指しています。
(※)Convolutional Neural Network(畳み込みニューラルネットワーク)
(3) みらい建設工業㈱
① 破砕瓦の有効利用技術の開発
粘土瓦(屋根瓦)は、古来より民家をはじめとして城、寺院の屋根材として使用されています。粘土瓦はおよそ60年で葺き替えられるため、近い将来大量の廃棄瓦が発生します。また、巨大地震が発生すると住宅が被害を受け大量の被災瓦が発生します。みらい建設工業㈱では、街の強靭化や地震災害時における道路の早期復旧などを目的とし、破砕瓦の高い摩擦性、排水性、吸水性を利用した道路舗装、埋設物の埋め戻し、擁壁背面の埋め戻しを始めとして破砕瓦を有効に利用する技術の開発をしております(特許取得済み)。さらに、破砕瓦の高い嵩張り構造に着目し、ブルーカーボン技術(アマモの育成)の開発にも着手しております。
② 塩害抑制鉄筋の開発
私どもの身近にあるコンクリート構造物は、現代社会の基盤であり、港湾、道路、橋、ダム、高層ビルなど、多様な社会インフラを形成し、人々の安全な暮らしを24時間体制で支え続けています。通常、コンクリート構造物はコンクリートと内部の鉄筋により造られていますが、この鉄筋が海水や凍結防止剤などの塩分に接することにより、錆が発生し構造物にひびわれを起こしたり、耐力不足などの悪影響を及ぼし、建造物は使用できなくなります。
本技術は、鉄筋の錆の発生を抑制させることを目的として、塩分を鉄筋に接触させないため、塩分を吸着できるセメント系塗料で鉄筋をコーティングする技術の開発をしております。
(4) 東興ジオテック㈱
① 法面吹付用の大型有線給電ドローンと吹付工法「グリーンインパルス」の開発
エアロセンス株式会社と共同で、国内初となるドローンを用いた植生基材吹付工法「グリーンインパルス」を開発しました。本技術は、大型有線給電ドローンを活用することで、重機を搬入できない高所や災害復旧現場での長時間の吹付施工を可能にします。金網張りを省略できる「ノンラスグリーン工法」など当社の既存技術と組み合わせることで、危険を伴う法面作業における安全性の飛躍的な向上と、昨今の労働力不足の解消に寄与してまいります。
② 端島(軍艦島)70号棟における電気防食技術を用いた補修試験施工
世界文化遺産の構成資産である端島(軍艦島)の整備事業において、1916年に建設された国内最古級の鉄筋コンクリート造アパートである70号棟の補修試験施工に参加しました。過酷な塩害環境から建物を保護するため、外観を変えずに室内側から施工できる「チタンロッド内部挿入陽極工法」を採用し、ソーラーパネルによる電源供給と遠隔モニタリングシステムを構築しました。あわせて流電陽極方式による長期の屋外暴露試験も開始し、歴史的建造物やインフラ施設の老朽化対策に向けた技術検証を進めてまいります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00285] S100YDDS)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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