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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1004ZVK

有価証券報告書抜粋 三菱商事株式会社 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2015年3月期)


経営上の重要な契約等メニュー株式の総数等


(1) 重要な会計方針及び見積り

財務諸表の作成にあたり、経営者は、決算日における資産及び負債の報告金額、偶発資産及び負債の開示、報告期間における収益及び費用の報告金額に影響を与える様な見積りを行う必要があります。見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき行っており、他の情報源からは得られない資産及び負債の帳簿価額について当社及び連結子会社の判断の基礎となっています。ただし、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることもあります。
当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。

① 金融商品の公正価値評価
当社及び連結子会社における有価証券やデリバティブ等の公正価値で測定される金融商品の残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっています。
公正価値は、市場価格等の市場の情報や、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、コスト・アプローチ等の算出手順に基づき、決定しています。具体的には、市場性のある有価証券については活発な市場における市場価格及び活発ではない市場における同一の資産の市場価値により評価しています。市場性のない有価証券については、将来キャッシュ・フローの割引現在価値、類似取引事例との比較、1株当たり純資産価値、及び第三者による鑑定評価等により評価しています。また、デリバティブについては取引市場価格及び金利、外国為替レート等の観察可能なインプットを使用し、評価モデルにより評価しています。
経営者は、金融商品の公正価値の評価は合理的であると判断しています。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより金融商品の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来当社及び連結子会社における公正価値評価額が変動する可能性もあります。

② 償却原価で測定される債権の減損
当社及び連結子会社における売上債権、受取手形及び貸付金等の償却原価で測定される債権の残高は多額であるため、当該債権の評価は会計上の見積りにおいて重要なものとなっています。
当社及び連結子会社は、顧客の評価を継続して行っており、支払実績及び信用情報の査定に基づく現在の顧客の与信能力に基づき、顧客毎に成約限度額・信用限度額を定めると同時に、必要な担保・保証などの取り付けを行っています。当社及び連結子会社は、顧客の支払及び回収状況を常にモニタリングしており、過去の貸倒実績率及び将来倒産確率などに基づき一部の債権を集合的に評価し、適切な金額の貸倒引当金を設定しています。また当社及び連結子会社は、特定の顧客に対してその財政状態や与信の状況、債権の回収状況を個々にモニタリングしており、債権全額(元利合計)を当初の契約条件に従って回収することが出来ない可能性が高いと判断される場合には、債権の内容、回収遅延期間、格付機関による評価、割引キャッシュ・フロー法に基づく評価、担保物件の公正価値、並びにその他の情報に基づき、それぞれの顧客に対して適切な金額の貸倒引当金を設定しています。
経営者は、償却原価で測定される債権の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分に計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しています。ただし、これらの評価には経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより債権の評価に関する見積りが変化した場合には、将来当社及び連結子会社が追加で貸倒引当金を設定する可能性もあります。

③ 非金融資産の減損
当社及び連結子会社は、たな卸資産、生物資産及び繰延税金資産を除く非金融資産について、帳簿価額が回収できない可能性を示す事象や状況の変化が生じた場合に、減損の兆候があるものとして、当該資産の回収可能価額を見積っており、帳簿価額が回収可能価額を上回った場合に、減損損失を認識しています。回収可能価額は、使用価値と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。使用価値は、見積り将来キャッシュ・フローを資産固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて現在価値に割り引いて算出しており、将来の市場の成長度合、収益と費用の予想、資産の予想使用期間等の前提条件を使用しています。

経営者は、減損の事実の有無に関する判断、及び使用価値や公正価値の見積りに関する評価は合理的であると判断しています。ただし、これらの見積りには経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより非金融資産の評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来当社及び連結子会社が追加で減損損失を認識する可能性もあります。

④ 退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、割引率、昇給率、退職率、死亡率等の前提条件を用いた年金数理計算により見積られます。特に割引率は、退職給付債務及び費用を決定する上で重要な前提条件であり、測定日時点における、従業員への給付が実行されるまでの予想平均期間に応じた優良債券の利回りに基づき決定しています。
経営者は、年金数理計算上用いられる前提条件と方法は適切であると判断しています。ただし、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は前提条件の変更がある場合には、当社及び連結子会社の退職給付債務及び費用に影響を与える可能性もあります。

⑤ 繰延税金資産の回収可能性
当社及び連結子会社における繰延税金資産の残高は多額であるため、繰延税金資産の回収可能性に関する評価は会計上の見積りにおいて重要なものとなっています。
当社及び連結子会社は、税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限り繰延税金資産を認識しています。繰延税金資産の回収可能性は毎期末日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しています。
経営者は、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり行っている見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しています。ただし、これらの見積りには経営者としても管理不能な不確実性が含まれているため、予測不能な前提条件の変化などにより回収可能性の評価に関する見積りが変化した場合には、将来当社及び連結子会社が繰延税金資産を減額する可能性もあります。

(2) 当連結会計年度の業績の概況

① 収益
当連結会計年度の収益は、前連結会計年度から略横ばいの7兆6,695億円となりました。このうち、商品販売に係る収益は、前連結会計年度から361億円(1%)減少し、6兆5,980億円となり、また、サービス及びその他に係る収益は704億円(7%)増加し、1兆715億円となりました。主な増減要因(セグメント別)は以下のとおりです。

・生活産業グループの収益は、鮭鱒養殖事業など事業拡大(新規連結)の影響により、前連結会計年度から951億円(4%)増加し、2兆4,486億円となりました。

・新産業金融事業グループの収益は、販売用不動産の売却などにより、前連結会計年度から579億円(34%)増加し、2,302億円となりました。

・エネルギー事業グループの収益は、販売数量の減少及び油価の下落の影響などにより、前連結会計年度から698億円(4%)減少し、1兆8,162億円となりました。

② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度を239億円(2%)上回る1兆2,099億円となりました。

③ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、事業拡大(新規連結)の影響などにより、前連結会計年度から459億円(5%)負担増の9,988億円となりました。


④ 有価証券損益
当連結会計年度の有価証券損益は、前連結会計年度を10億円(2%)下回る454億円(利益)となりました。

⑤ 持分法で会計処理される投資の減損損失戻入益
当連結会計年度の持分法で会計処理される投資の減損損失戻入益は、生活産業グループや地球環境・インフラ事業グループで過年度減損株式の振戻しを計上したことにより942億円となりました。

⑥ 固定資産除・売却損益
当連結会計年度の固定資産除・売却損益は、前連結会計年度から160億円(268%)増加し、219億円(利益)となりました。

⑦ 固定資産減損損失
当連結会計年度の固定資産減損損失は、当連結会計年度にオセアニア・北米・欧州のガス・石油開発事業において減損損失を計上したことなどにより、前連結会計年度から947億円(462%)負担増の、1,152億円となりました。

⑧ その他の損益-純額
当連結会計年度のその他の損益は、為替関連損益の改善などにより、前連結会計年度から214億円(32%)改善し、454億円(費用)となりました。

⑨ 金融収益
当連結会計年度の金融収益は、資源関連投資先(非鉄金属)からの受取配当金の増加などにより、前連結会計年度から77億円(4%)増加し、2,049億円となりました。

⑩ 金融費用
当連結会計年度の金融費用は、支払利息の負担増加などにより、前連結会計年度から143億円(45%)負担増の、461億円となりました。

⑪ 持分法による投資損益
当連結会計年度の持分法による投資損益は、前連結会計年度から354億円(21%)増加し、2,038億円(利益)となりました。

⑫ 税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は、上記の理由から、前連結会計年度から428億円(8%)増加し、5,747億円となりました。

⑬ 法人所得税
当連結会計年度の法人所得税は、税引前利益の増加に伴い、前連結会計年度から227億円(16%)の負担増の、1,683億円となりました。

⑭ 非支配持分に帰属する当期純利益
当連結会計年度の非支配持分に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から192億円(77%)減少し、58億円となりました。

⑮ 当社の所有者に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の当社の所有者に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から392億円(11%)増加し、4,006億円となりました。


(3) 当連結会計年度のセグメント別業績概況

(以下「連結純利益」は、「当社の所有者に帰属する当期純利益」を指しています。)
① 地球環境・インフラ事業グループ
地球環境・インフラ事業グループは、電力、水、交通や、その他産業基盤となるインフラ分野における事業及び関連する取引などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から85億円(28%)増加し、392億円となりました。
売上総利益は、インフラ関連事業における取引利益の増加などにより、前連結会計年度から31億円(11%)増加し、316億円となりました。
持分法による投資損益は、FPSO事業及び米州発電事業における持分利益の増加などにより、105億円(57%)増加し、289億円となりました。
上記のほか、過年度減損株式の振戻し益による持分利益の増加や、油田の生産・開発事業向け融資・保証案件における債務保証損失引当金の計上などがあったことで、当連結会計年度の連結純利益は204億円となり、前連結会計年度と比較して42億円(26%)の増加となりました。

② 新産業金融事業グループ
新産業金融事業グループは、アセットマネジメント、インフラ向け投資、企業のバイアウト投資から、リース、不動産開発、物流などの分野において、商社型産業金融ビジネスを展開しています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から579億円(34%)増加し、2,302億円となりました。
売上総利益は、販売用不動産の売却などにより、前連結会計年度から85億円(13%)増加し、757億円となりました。
持分法による投資損益は、ファンド関連事業やリース事業における持分利益の増加などにより、169億円(104%)増加し、331億円となりました。
上記の結果、当連結会計年度の連結純利益は401億円となり、前連結会計年度と比較して104億円(35%)の増加となりました。

③ エネルギー事業グループ
エネルギー事業グループは、石油・ガスの探鉱・開発・生産事業や、天然ガス液化プロジェクトへの投資、原油・石油製品・炭素製品・LNG・LPGなどの販売取引、新規エネルギー事業の企画開発などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から698億円(4%)減少し、1兆8,162億円となりました。
売上総利益は、市況悪化に伴う取引利益の減少などにより、前連結会計年度から30億円(5%)減少し、592億円となりました。
持分法による投資損益は、円安による影響などにより、59億円(9%)増加し、716億円となりました。
上記のほか、事業環境の変化等に伴うオセアニア・北米・欧州のガス・石油開発事業における減損損失の計上などにより、当連結会計年度の連結純利益は823億円となり、前連結会計年度と比較して363億円(31%)の減少となりました。

④ 金属グループ
金属グループは、薄板・厚板などの鉄鋼製品、石炭・鉄鉱石などの鉄鋼原料、銅・アルミなどの非鉄金属原料・製品の分野において、販売取引、事業開発、投資などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から204億円(2%)減少し、8,528億円となりました。
売上総利益は、豪州石炭事業における販売価格の下落などにより、前連結会計年度から426億円(18%)減少し、1,993億円となりました。
持分法による投資損益は、資源関連投資先(非鉄金属)からの受取配当金及び持分利益の増加、並びに資源関連投資における減損計上額の減少などにより、15億円(125%)増加し、27億円となりました。
上記の結果、当連結会計年度の連結純利益は139億円となり、前連結会計年度と比較して59億円(74%)の増加となりました。

⑤ 機械グループ
機械グループは、工作機械、農業機械、建設機械、鉱山機械、エレベーター、エスカレーター、船舶、宇宙航空関連機器、自動車などの幅広い分野において、販売、金融、物流、投資などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から223億円(3%)減少し、8,067億円となりました。
売上総利益は、アジア自動車事業における販売減少があったものの、それ以外の地域における自動車事業や船舶事業、産業機械事業における取引利益の増加などにより、前連結会計年度から106億円(6%)増加し、1,973億円となりました。
持分法による投資損益は、アジア自動車事業における持分利益の増加などにより、22億円(7%)増加し、322億円となりました。
上記の結果、当連結会計年度の連結純利益は913億円となり、前連結会計年度における保有資産の評価に伴う一過性利益計上の反動などにより、前連結会計年度と比較して75億円(8%)の減少となりました。

⑥ 化学品グループ
化学品グループは、原油、天然ガス、鉱物、植物、海洋資源などより生産されるエチレン、メタノール、塩といった基礎原料から、プラスチック、電子材料、食品素材、肥料や医農薬などの川下・川中製品まで、幅広い化学品の分野において、販売取引、事業開発、投資などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から略横ばいの1兆4,623億円となりました。
売上総利益は、食品化学事業子会社の新規連結及び取引利益の増加などにより、前連結会計年度から83億円(8%)増加し1,109億円となりました。
持分法による投資損益は、メタノール事業関連会社の利益の増加などにより、15億円(9%)増加し、188億円となりました。
上記のほか、単体及びプラスチック等関連事業会社の取引利益の増加などにより、当連結会計年度の連結純利益は314億円となり、前連結会計年度と比較して97億円(45%)の増加となりました。

⑦ 生活産業グループ
生活産業グループは、食料、繊維、生活物資、ヘルスケア、流通・小売など、人々の生活に身近な分野で、原料・素材の調達から、消費市場に至るまでの幅広い領域において、商品・サービスの提供、事業開発、投資などを行っています。
当連結会計年度においては、当セグメントの収益は、前連結会計年度から951億円(4%)増加し、2兆4,486億円となりました。
売上総利益は、鮭鱒養殖事業子会社の新規連結や畜産事業における販売価格上昇などにより、前連結会計年度から445億円(9%)増加し、5,254億円となりました。
持分法による投資損益は、本邦投資先の売却などによる持分利益の減少などにより、20億円(9%)減少し、206億円となりました。
上記のほか、過年度減損株式の振戻し益などにより、当連結会計年度の連結純利益は1,205億円となり、前連結会計年度と比較して613億円(104%)の増加となりました。


地域別セグメントの状況は以下のとおりです。

① 日本
当連結会計年度の収益は、新産業金融事業グループにおいて販売用不動産の売却があったものの、エネルギー事業グループにおける販売数量の減少及び油価の下落の影響などにより、前連結会計年度から、708億円(1%)減少し、5兆3,608億円となりました。

② アメリカ
当連結会計年度の収益は、生活産業グループの連結子会社における販売価格の下落などにより、前連結会計年度から、140億円(2%)減少し、6,087億円となりました。

③ その他地域
当連結会計年度の収益は、前連結会計年度から、1,191億円(8%)増加し、1兆7,000億円となりました。

(4) 当連結会計年度のセグメント別の事業環境と翌連結会計年度以降の見通し

① 地球環境・インフラ事業グループ
当連結会計年度は、米国では堅調な景気回復が続き、欧州でも緩慢な状況ながらも全体的に景気を持ち直す動きが続きました。国内では円安・株高傾向を受けて企業業績が回復に向かうなど世界的に景況回復の兆しが見え始めた中で、当グループは、過年度減損株式の振戻し益による持分利益に加え、アジアや米国での発電事業及びFPSO事業における利益増加などが収益を押し上げました。
翌連結会計年度においても、新興・発展途上国を中心に電力、水、交通、プラントなどの社会・産業インフラに対する需要は底堅く推移すると見ており、当グループが擁する事業領域においては中長期的にも豊富なビジネスチャンスがある中、引き続き安定的な成長が見込める事業環境にあると考えています。
当グループの主な事業領域別の環境認識は以下のとおりです。
電力事業では、アジア、米州を中心に電力需要の伸びも堅調であり、再生可能エネルギーの中でも洋上風力に注力している欧州では、洋上風力発電とそれに付随する海底送電の事業機会も引き続き見込めるものと予想されます。また、国内では原子力発電所の再稼働が遅れる中、代替となる電源開発計画による新規の発電事業機会もあり発電設備商談も期待されます。
水事業では、国内では政府が重要政策として取り上げているコンセッション化に向け官民連携の流れが加速しているほか、国外ではアジア大洋州・中東・アフリカを中心に海水淡水化プラントに対する需要の高まりをはじめ、水処理インフラ関連の事業機会の増加が期待される事から引き続き良好な事業環境が維持されるものと思われます。
交通事業の分野では、スペインでのコンテナターミナル運営事業への参入、ミャンマーでの空港運営事業への参入、鉄道機器関連でも、トルコ イスタンブール、カタール ドーハ向け等の大型車輛プロジェクトの受注がありました。世界規模での物流のグローバル化、並びに新興国における著しい経済発展及び中東諸国における大規模投資による移動人口の増大や、都市部への人口集中等を背景として、引き続き交通分野の需要は旺盛であり、安定収益の確立に努める事ができる事業環境にあると考えています。
プラントエンジニアリング事業では、当連結会計年度の前半においては石油・ガス田の開発・生産設備やLNG・製油所などのプロジェクトで大型の投資決定がなされるも、後半は油価下落の影響を受けて資源国を中心に投資の伸びに鈍化がみられました。翌連結会計年度も継続して油価の動向に注視を要する状況は不変である一方、世界のエネルギー需要は引き続き堅調であることから競争力のあるプロジェクトは着実に実現していくと考えられ、全体的には底堅い新規プラント需要が見込める事業環境にあると認識しています。また、主力取扱商品である大型コンプレッサの市場は一部案件遅延等がみられるものの、需要は堅調であり、プラントのみならず設備供給を通じても市場の成長を確実に取り込める事業環境にあると認識しています。

② 新産業金融事業グループ
当連結会計年度は、先進国による金融緩和の継続等を背景に、国内及び米国、英国等で株式、不動産の市況が順調に推移しました。このような市場環境の下、当グループでは不動産関連事業、リース事業が好調に推移したことや、ファンド関連事業における好業績により、当連結会計年度の連結純利益は401億円となり、前連結会計年度から104億円の増益となりました。
翌連結会計年度は、中国の景気動向、米国の金融引き締めなど、一部懸念要素はあるものの、全体感としては当グループの対面市場の景況は底堅く推移するものと見ており、不動産やプライベート・エクイティ等のオルタナティブ資産を対象としたアセットマネジメント事業や、リース事業、国内外の不動産開発事業を中心に事業を展開していきます。
当グループの主な事業分野の環境認識については以下のとおりです。
国内不動産関連事業分野においては、当連結会計年度は、国内において前連結会計年度の4.6兆円を超える4.8兆円の不動産取引が行われました。また不動産市況の回復に加え、長期金利の低下や円安・株価高の流れのなか、東証REIT指数が年間を通じて3割近い伸びを示すなど、公募・私募ファンドともに不動産ファンド分野も活況を呈しました。翌連結会計年度も、J-REITの新規上場と増資、及び私募REITの新規立ち上げ、並びに海外資金の流入拡大を背景に、引き続き不動産及び不動産ファンド市況は好調に推移すると予想されます。
海外不動産関連事業においては、北米は人口増加、雇用回復、景気回復などファンダメンタルズは安定した改善基調にあり、不動産の売買・賃貸市場共にマーケットの回復は顕著です。中国の不動産市況は短期的には頭打ち感がありますが、中間所得者層の実需に伴う住宅購入ニーズは衰えておらず、ネット通販等の市場拡大により高機能物流施設へのニーズも持続すると予想されます。アセアンについても、堅調な経済成長、人口成長を背景に中間所得層向け分譲住宅や物流施設のニーズが増加しています。
リース事業分野においては、当連結会計年度の国内リース需要は、消費税増税に伴う影響等もあり、前年度を下回る推移となりましたが、輸出産業を中心に企業収益の改善、設備投資の拡大等も見え始めており、国内リース市場は穏やかに回復すると予想されます。航空機リース分野については、航空会社の新規参入などによる機材調達ニーズと資金ニーズの高まり、新興国需要、経済性の高い機体への切替需要に支えられ、継続的な伸長が見込まれています。

③ エネルギー事業グループ
当連結会計年度前半の原油(Brent)相場はロシアによるクリミア半島の編入や中東での地政学リスクの高まりにより断続的に上昇し、6月には110ドル超まで上伸しました。しかし7月以降は米国でのシェールオイルの増産速度が加速化する一方、中国をはじめとする新興国の景気減退やサウジアラビアを中心とするOPECの原油生産量の維持により原油価格は断続的に下落し、2015年1月には50ドルを割るレベルまで半減しました。その後、米国でのシェールオイルの減産傾向が高まる一方、世界的にも原油需要が回復傾向にあることから原油価格は再び60ドル超まで戻していますが年度前半のように100ドルといったレベルまで原油価格が急激に回復するのは難しい状況です。当連結会計年度の原油相場は、2008年のリーマンショックに次ぐレベルで原油価格が半減するという激動の1年でした。
翌連結会計年度の原油価格は当連結会計年度と同様に、不安定な動きになるものと予想されます。米国でのシェールオイルの生産は、短期的には減産傾向が継続する可能性が高く供給面での懸念材料として原油価格上昇の要素と考えられる一方、イランとP5+1の核開発枠組み合意等の動向によっては潜在的な供給余剰が発生する可能性もあり、依然として原油生産量を維持拡大しているOPECの動向も含め今後相場を軟化させる可能性があります。加えて米FRBの量的緩和の縮小やギリシャの財政破綻危機に象徴される欧州の景気回復動向、中国景気の先行不透明感といったグローバル経済の動向は原油相場の攪乱要因と考えられます。以上から引き続き上下双方向の相場変動が予想されます。中長期的には原油価格は底を打ち緩やかな回復傾向にあるとも考えられるものの、短期的には強弱材料が同時並行的に発生する可能性が高く、今後の動向には注視する必要があります。
なお、翌連結会計年度の業績見通しの算出に際しては、原油価格を、ドバイ原油1バーレル当たり65ドルを前提としています。当グループは豪州、マレーシア、ブルネイ、サハリン、インドネシア、米国・メキシコ湾、ガボン、アンゴラなどにおいて上流権益あるいはLNG液化設備を保有しており、上記の原油価格の変動により、当グループの業績は影響を受けることになりますが、原油価格1バーレル当たり1ドルの変化が、主に持分法による投資損益の変動を通して連結純利益15億円程度の変動をもたらすと試算しています。ただし、この価格変動が当グループの業績に影響を及ぼすまでにはタイムラグがあるため、この価格変動がただちに同じ連結会計年度の業績に反映されるとは限りません。

④ 金属グループ
2014年暦年の世界の粗鋼生産は約17億トンと5年連続で過去最高を記録しましたが、世界粗鋼生産のほぼ半分を占める中国においては、減産傾向にあるものの、未だ生産能力は過剰な状況にあり、鉄鋼市況並びに鉄鋼原料価格は低迷しました。また、非鉄金属価格も1年を通じ上値の重い状態が継続し、銅地金の年間平均価格は原油価格の下落等により前連結会計年度の1トン当たり7,104ドルから6,558ドルに下落しました。
このような環境のもと、豪州資源関連子会社Mitsubishi Development Pty社ではコスト削減と生産性向上の取組みの成果によりコスト単価が改善し、販売数量も増加した一方、価格が前年度から大幅に下落したこと等により、前連結会計年度と比較して減益となりました。一方、当グループの連結純利益は、資源関連投資先(非鉄金属)からの受取配当金及び持分利益の増加、並びに資源関連投資における減損計上額の減少などにより、前連結会計年度と比較して増益となりました。
中長期的には新興国の経済成長が世界経済を牽引し、金属資源・製品の需要や市況は今後堅調に推移していく見通しであり、商品市況は緩やかに回復する見込みです。
当グループの翌連結会計年度における業績見通しは、金属資源の市況回復が遅れているものの、前連結会計年度における一過性損失の反動や、足許までに実施した生産性向上及びコスト施策の効果もあり、当連結会計年度と比較して増益となる見込みです。

⑤ 機械グループ
当連結会計年度は、アジア地域における自動車需要の減少の影響を大きく受ける中で、円安や他事業の伸長などその他の利益増が収益を下支えしましたが、前連結会計年度における保有資産の評価に伴う一過性利益計上の反動により、前連結会計年度と比較して減益となりました。翌連結会計年度もアジア自動車事業や船舶市況については好転を見込む事は難しい状況ですが、引き続きその他分野における成長に向けた取組みと、中長期的な事業環境の好転に備えた事業基盤の強化を進めていきます。
当グループの主な事業分野の環境認識については以下のとおりです。
産業機械事業では、国内レンタル事業において、公共事業や東京オリンピックを契機とする建設投資が当連結会計年度に引き続き好調に推移する事が見込まれます。エレベーター事業は、アセアン諸国における旺盛な建設需要を背景に販売が好調に推移しました。翌連結会計年度以降の需要も堅調な伸びを維持すると予想しています。工作機械事業は、設備投資減税や補助金の効果もあり国内事業が伸長し、また北米市場も製造業回帰の動きから堅調に推移しました。翌連結会計年度は、中国やアセアンの一部に景気減速の影響も予想されますが、国内・北米市場では当連結会計年度と同様に好環境が続く見通しです。
船舶関連事業では、撒積船市況は低迷が続いているものの、中長期的には、世界経済の成長に沿った撒積貨物の荷動き増加、新造船竣工量の減少等による需給改善が市況回復につながると予想されます。また世界規模でのLNG需要の高まりによりガス船及び関連海洋特殊船事業は好調を維持している事もあり、事業環境は徐々に改善に向かうと予想されます。
三菱自動車関連事業では、ロシア市場が大幅に縮小し始めている等、新興市場においては厳しい状況となりましたが、成熟市場においては円安の進行などの事業環境の改善がありました。翌連結会計年度は、新興市場の環境が更に厳しくなることが想定されますが、最大の事業パートナーである三菱自動車の基本方針も踏まえ、引き続き重要市場であるインドネシア、ロシア、中国において更に事業基盤を強化するとともに、その他市場での販売拡大に注力していきます。
いすゞ自動車関連事業では、主力のタイ市場で、農作物価格の低迷などの影響により、2014年暦年の自動車需要が前年比33.8%の大幅減となりました。翌連結会計年度は、引き続き主力のタイ市場が停滞すると見られることに加え、競争激化も予想されますが、中長期的な成長を目指し、タイに加えて、インド等での取り組みも強化していきます。

⑥ 化学品グループ
当連結会計年度の化学品市況は、世界経済が緩やかな回復基調にある中で、新興国経済の成長鈍化や中国での大規模増設による供給過剰の影響等により、総じて低調に推移しました。また、年度後半には、原油価格の急落に伴い製品市況は下落し、買い控えも起こるなど需要面では全般に力強さを欠きました。
今後については、アジア市場を中心とした需要の伸張が引き続き期待される一方で、原油価格の低迷に加え、中国での設備過剰と経済成長の減速傾向は当面続くと見られ、市況は不安定な動きになることが予想されます。
中期的には、シェールガスを基調として北米での石油化学産業は競争力・供給力を増し、世界的に石油化学業界の構造変化(業界再編、設備の統廃合)や、物流・製品供給フローの変化が生じると見込まれ、当社機能を発揮する事業機会が拡大すると予想されます。
また、新興国での中間層の拡大と生活水準の向上や先進国での高齢化の流れに伴い、健康・安全・安心・おいしさに対する関心が高まっており、食品化学等の「ライフサイエンス」分野での需要は堅調な拡大が見込まれます。
当グループは、こうした事業環境やニーズの変化に対応すべく、食品化学・医農薬関連事業を推進し、国内外市場の成長を積極的に取り込んでいきます。また、サウジアラビアの石油化学事業やベネズエラのメタノール事業といった中核ビジネスの更なる強化を図りつつ、汎用化学品分野におけるトレーディング基盤を拡大すると共に、プラスチック等の機能化学品分野におけるビジネス・チェーンと連結事業強化を継続的に推進します。


⑦ 生活産業グループ
当連結会計年度の国内市場は、2014年4月の消費税率引き上げ(5%→8%)の影響等により家計消費は前年割れと低迷したものの、直近では株価上昇や景気の復調を背景に、回復の兆しが見えてきました。人口減少による市場規模の縮小傾向は今後も続くと見られますが、高齢化の進行等に伴う生活スタイルの変化によって新たな需要創出が期待できると捉えています。海外市場は、経済成長はやや鈍化したものの、アジアを中心とする新興国では所得水準の上昇による消費の質量双方の拡大が期待できます。このような事業環境を踏まえ、国内では規模化・合理化を含めた機能強化を進め、海外では市場成長取込みに向けた事業基盤の拡充を図っていきます。
原料・一次加工分野では、主要穀物等の国際価格は概ね軟化基調で推移しましたが、国内では円安に伴うコスト増により、厳しい環境となりました。一方で、海外では新興国の食肉や水産品需要が引き続き拡大しており、畜産や水産養殖事業等を含めた原料調達網拡充の重要性が益々高まっています。特に、鮭鱒は価格下落が潜在需要を喚起し、市場拡大が予想されると共に、価格も回復基調が見え始めています。
製品製造・中間流通分野では、繊維領域は、国内市場において製造小売チェーンの販売が好調で、円安によるコスト上昇等はあるものの、底堅い需要に支えられています。海外の新興国市場では、旺盛な消費による市場拡大が続いており、生産拠点の東南アジアシフト等によるコストダウンの取組等も進めながら、事業成長を図っていきます。紙・パッケージング領域は、原料価格の高騰と円安によるコスト増の影響により厳しい事業環境となりました。タイヤ領域は、ロシアの通貨安による市場縮小等が見られたものの、総じて海外市場で需要拡大が続いており、新興国での事業成長が期待できます。ヘルスケア領域は、国内外で市場拡大が予想されます。医療費抑制等の要請から病院から地域医療へと医療現場の分散が進み、ヒト、モノ、カネの全てにおいて医療機関の業態を超えた業務効率化やコスト削減、役割分担の仕組み作りへのニーズが高まっています。様々な製品・サービスの提供を行う事で、ヘルスケア分野での新たな事業機会についても検討していきます。
リテイル分野では、スマートフォンの普及等に伴い、買い物の方法も多様化しています。インターネットと店舗の垣根が低くなり、生活の様々な場面で、必要な時に必要なモノ・サービスを提供する事の重要性が高まっています。消費者の生活スタイルやニーズの変化に対応した商品開発や事業展開を図ることで、都市部だけでなく、各地方の文化に根差した地産地消の取組支援等も含めて、より豊かな消費生活に貢献していきます。

(5) 流動性と資金の源泉

① 資金調達方針と流動性マネジメント
当社では事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、コマーシャル・ペーパーや社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融とを機動的に選択・活用しており、その時々でのマーケット状況での有利手段を追求しています。当社は資本市場でのレピュテーションも高く、加えて間接金融についても、メガバンク以外に外銀・生保・地銀等の金融機関とも幅広く好関係を維持しており、調達コストは競争的なものとなっています。
当連結会計年度は、米国の緩やかな景気回復が継続した一方で、本邦及び欧州や新興国経済は力強さを欠き、また原油安の進行等不透明な金融環境が続きました。当社としても借入や国内外の社債で調達期間の長期化を進め、財務健全性の向上に努めました。
このような資金調達活動の結果、当連結会計年度末のグロス有利子負債残高は、前連結会計年度末から2,732億円増加し6兆3,490億円となり、このうち86%が長期資金となっています。尚、当社のグロス有利子負債残高は4兆631億円であり、このうち長期資金は99.5%を占め、平均残存期間は約6年となっています。
翌連結会計年度は、引き続き長期資金を中心とした資金調達を継続していく方針です。更に、将来の資金需要に備えるため、資金調達ソースを多様化するとともに、引き続き連結ベースでの資金効率の向上を図っていきます。また、金融市場の環境は、引き続き予断を許さないため、細心の注意を払って対処すべく、現預金等および銀行融資枠(コミットメントライン)を十分に確保し、流動性を維持していきます。
連結ベースでの資金管理体制については、当社を中心に国内外の金融子会社、海外現地法人等において集中して資金調達を行い、子会社へ資金供給するというグループファイナンス方針を原則としています。結果として、当連結会計年度末では、連結有利子負債のうち80%が当社、国内外の金融子会社、海外現地法人等による調達となっています。今後も、連結経営の高度化を進めるという経営方針を踏まえ、連結ベースでの資金管理体制の更なる充実を図ります。
当連結会計年度末の流動比率は連結ベースでは153%となっており、流動性の点で当社の財務健全性は高いといえます。また、当連結会計年度末時点の当社、米国三菱商事、Mitsubishi Corporation Financeでコマーシャル・ペーパー及び1年以内に償還を予定している社債を合わせた短期の市場性資金が3,340億円あるのに対して、現預金、一年以内に満期の到来する公社債、売買目的の有価証券、フィーを支払って確保しているコミットメントラインが合計で2兆2,217億円あり、カバー超過額は1兆8,877億円と十分な水準にあると考えています。なお、当社のコミットメントラインについては、円貨で5,100億円を国内主要銀行より、外貨で主要通貨10億ドル、ソフトカレンシー3億ドル相当を欧米を中心とした国内外の主要銀行より取得しています。
当社ではグローバルな資金調達とビジネスを円滑に行うため、格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムーディーズ)、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の3社から格付けを取得しています。3社の2015年5月14日時点の当社に対する格付け(長期/短期)は、R&IがAA-/a-1+(見通し安定的)、ムーディーズがA1/P-1(見通しネガティブ)、S&PがA+/A-1(見通し安定的)となっています。

② 資産及び負債・資本
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より8,732億円(5%)増加し、16兆7,744億円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末より3,386億円(5%)増加し、7兆6,087億円となりました。これは、運転資金の回収に伴い現金及び現金同等物が増加したことなどによるものです。
非流動資産は、前連結会計年度末より5,346億円(6%)増加し、9兆1,657億円となりました。これは、持分法で会計処理される投資が円安の影響や減損の戻入により増加したことや、子会社の新規連結に伴い各資産が増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末より3,571億円(3%)増加し、10兆7,188億円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末より1,264億円(3%)増加し、4兆9,790億円となりました。これは、未払輸入消費税及びリース債務が増加したことなどによるものです。
非流動負債は、前連結会計年度末より2,307億円(4%)増加し、5兆7,398億円となりました。これは、円安の影響や新規及び追加投資実行に伴う資金調達により長期借入債務が増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末から5,162億円(9%)増加し、6兆556億円となりました。
当連結会計年度末の当社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末より5,028億円(10%)増加し、5兆5,705億円となりました。これは、親会社における配当の支払いがあったものの、当期純利益の積み上がりに加え、円安に伴い在外営業活動体の換算差額が増加したことなどによるものです。
また、非支配持分は、前連結会計年度末から略横這いの4,851億円となりました。
有利子負債総額から現預金を控除した有利子負債(ネット)は、前連結会計年度末より1,334億円(3%)減少し、4兆4,677億円となりました。この結果、有利子負債(ネット)を当社の所有者に帰属する持分で除した有利子負債倍率(ネット)は0.8倍となり、前連結会計年度末より0.1ポイント減少しました。

③ キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ3,932億円増加し、1兆7,252億円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動により資金は7,983億円増加しました。これは、法人所得税の支払いなどがあったものの、営業収入や配当収入のほか、運転資金の回収などにより資金が増加したものです。
また、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、営業収入や配当収入のほか、運転資金の回収などにより、前連結会計年度と比較して4,167億円の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動により資金は1,549億円減少しました。これは、航空機などの売却や子会社での貸付金の回収、関連会社の有償減資による収入などがあったものの、鮭鱒養殖事業への投資、豪州石炭事業での設備投資などにより、資金が減少したものです。
また、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、鮭鱒養殖事業への投資があったものの、豪州石炭事業での設備投資の減少や貸付金の回収などにより、前連結会計年度と比較して、1,456億円の増加となりました。

以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは6,434億円の資金増加となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動により資金は3,053億円減少しました。これは、資産の売却や運転資金の回収に応じた借入の返済に加え、自己株式の取得や親会社における配当などにより、資金が減少したものです。
また、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、資産入替に伴う借入の返済や自己株式の取得等により、前連結会計年度と比較して、1,865億円の減少となりました。

(6) 戦略関連事項

① 経営課題と今後の方針
経営課題と今後の方針につきましては、「3. 対処すべき課題」をご覧ください。

② 利益配分に対する基本方針
配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況」の「3. 配当政策」をご覧ください。

③ 主たる投資活動
当社は、持続的な成長を目指して、今後も収益の柱として期待される金属資源・エネルギー資源分野や、将来の収益の柱として期待する全社戦略地域・分野を含め、地球環境・金融・機械・化学品・生活産業などの分野に、継続的に投資を行っていく方針としています。
当社が2013年5月に策定した「経営戦略2015」では、資産の入れ替えを一段と加速させると共に、2013年度から2015年度の向こう3年間で、計2兆~2兆5,000億円の投資を行う計画としており、当連結会計年度中は、総額7,600億円の投資を実行しました。
主な内容は、鮭鱒養殖会社Cermaq ASA(現「Cermaq Group AS」)取得の他、資源案件の拡張、船舶事業への投資となります。


(注意事項)
本資料に記載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。

経営上の重要な契約等株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02529] S1004ZVK)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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