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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S1007TOF

有価証券報告書抜粋 ソフトバンクグループ株式会社 業績等の概要 (2016年3月期)


従業員の状況メニュー生産、受注及び販売の状況

(1) 経営方針


当社は、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、企業価値の最大化を図るとともに、世界の人々が最も必要とする技術やサービスを提供する企業グループを目指し、情報産業において、さまざまな事業に取り組んでいます。


当社は、調整後EBITDA(営業利益(損失) + 減価償却費及び償却費 - 企業結合に伴う再測定による利益 ± その他の営業損益)の中長期的な成長を重視しています。


a.モバイルインターネット分野への集中
情報通信市場では、スマートフォンが急速に普及し(注1)、インターネットにアクセスするための手段がパソコン中心からモバイル端末中心へと移行しています。
当社は、この変化に伴い拡大する「モバイルインターネット」の分野で、集中的に事業展開を行うことで持続的な成長を実現していきます。具体的には、通信ネットワークの増強や高速データ通信サービスの提供、スマートフォンやタブレットの品揃えの充実、ゲームをはじめとするモバイルコンテンツの拡充、イーコマースなど各種サービスのモバイル端末への最適化、クラウドサービスの拡充などに取り組んでいます。当社全体で、モバイルインターネットの利用を促進することで、データ通信料やサービス・コンテンツ利用料などの収入を増加させていきます。

(注) 1 GSMA Intelligence

b.インターネット関連企業への積極的な投資
技術やビジネスモデル、市場ニーズの変化が早い情報産業で、世界の人々が最も必要とする技術やサービスを提供していくためには、特定の技術やビジネスモデルに固執せず、時代の変遷とともに自己変革を繰り返しつつ業容を拡大・変化させていくことが不可欠です。
こうした課題を乗り越えるために、当社は、優れた技術やビジネスモデルを持ち、大きな成長が見込まれるインターネット関連企業へ積極的に出資を行っています。当社が有する豊富な知見やネットワークを活用して投資先の成長を支援するとともに、当社の既存の強みと投資先が有する強みを有機的に組み合わせてシナジー(相乗効果)を創出することで、当社の業容を継続的に拡大・変化させ、持続的な成長の実現につなげていきます。


(2) 業績


(単位:百万円)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減増減率
継続事業

売 上 高8,504,1359,153,549649,4147.6%
営 業 利 益918,720999,48880,7688.8%
(うち)
企業結合に伴う
再測定による利益
59,44159,441
税 引 前 利 益1,213,0351,005,764△207,271△17.1%
(うち)
持 分 変 動 利 益
599,81514,903△584,912
継続事業からの
純 利 益
742,718565,209△177,509△23.9%
非継続事業

非継続事業からの
純利益(△損失)
20,964△6,968△27,932
純 利 益763,682558,241△205,441△26.9%
親会社の所有者に
帰属する純利益
668,361474,172△194,189△29.1%

参考:期中平均為替換算レート
2015年3月期2016年3月期
2014年6月
30日に終了
した3カ月間
2014年9月
30日に終了
した3カ月間
2014年12月
31日に終了
した3カ月間
2015年3月
31日に終了
した3カ月間
2015年6月
30日に終了
した3カ月間
2015年9月
30日に終了
した3カ月間
2015年12月
31日に終了
した3カ月間
2016年3月
31日に終了
した3カ月間
第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期第1四半期第2四半期第3四半期第4四半期
1米
ドル
102.14円104.35円114.39円119.56円121.34円121.91円121.07円116.95円




当期において、ガンホーは、当社が応募した同社による自己株式の公開買付けの完了、および合同会社ハーティスの保有するガンホー普通株式のうち100,000,000株についての質権(㈲孫ホールディングスを質権者とする質権)の解除に伴い、当社の子会社から新たに持分法適用関連会社となりました。これに伴い、2015年6月1日の持分法適用関連会社への異動までの期間における同社の純損益は、継続事業と区分し非継続事業として表示しています。持分法適用関連会社への異動後の期間における同社の純損益の当社持分は、継続事業の持分法による投資損益として計上しています。なお、前期における同社の純損益についても、遡及修正を行い、非継続事業として表示しています。
詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 40. 非継続事業」をご参照ください。



当期の連結経営成績の概況は、次の通りです。
なお、2015年6月30日に終了した3カ月間(以下「当第1四半期」)より報告セグメントを「国内通信事業」「スプリント事業」「ヤフー事業」および「流通事業」に変更しています。詳細は、「第1 企業の概況、3 事業の内容」をご参照ください。

(継続事業)
(売上高)
売上高は、前期から649,414百万円(7.6%)増加し、9,153,549百万円となりました。全てのセグメントで売上高が増加したことによるものです。
国内通信事業の売上高(外部顧客への売上高)は、前期から121,211百万円(4.1%)増加し、3,106,855百万円となりました。ソフトバンク㈱において通信サービス売上と物販等売上がいずれも増加したことによるものです。
スプリント事業の売上高(外部顧客への売上高)は、前期から94,331百万円(2.6%)増加し、3,688,498百万円となりました。米ドルベースの売上高は前期から減少したものの、当期における対米ドルの為替換算レートが前期よりも円安になったことによるものです。
ヤフー事業の売上高(外部顧客への売上高)は、前期から222,495百万円(52.9%)増加し、642,880百万円となりました。これは主に、2015年8月にヤフー㈱がアスクル㈱を子会社化したことによるものです。
流通事業の売上高(外部顧客への売上高)は、前期から175,419百万円(15.0%)増加し、1,345,856百万円となりました。

(営業利益)
営業利益は、前期から80,768百万円(8.8%)増加し、999,488百万円となりました。これは主に、国内通信事業において47,891百万円、ヤフー事業において29,258百万円、それぞれのセグメントの利益が増加したことによるものです。
ヤフー事業の利益には、企業結合に伴う再測定による利益59,441百万円が含まれています(前期は計上なし)。これは、ヤフー㈱がアスクル㈱を子会社化した時点で、ヤフー㈱が既に保有していた資本持分を公正価値で再測定したことにより計上されたものです。

(財務費用)
財務費用は、前期から74,244百万円(20.3%)増加し、440,744百万円となりました。これは主に、スプリントおよびソフトバンクグループ㈱の支払利息が増加したことによるものです。
(単位:百万円)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減
財 務 費 用△366,500△440,744△74,244
(うち)スプリント△236,776△278,157△41,381



(持分法による投資損益)
持分法による投資損益は、前期から298,783百万円(390.0%)増加し、375,397百万円の利益となりました。これは主に、アリババの純利益1,175,236百万円(IFRSベース)のうちの当社持分である380,655百万円(「参考:当社連結税引前利益に対するアリババの影響額」(以下「影響額表」)の(C))の投資利益を計上したことによるものです。アリババの純利益には、アリババが同社の持分法適用関連会社であったAlibaba Health Information Technology Limitedを2015年7月に子会社化した時点で、アリババが既に保有していた資本持分を公正価値で再測定したことにより計上された企業結合に伴う再測定による利益369,994百万円が含まれています(うち、当社持分に含まれる利益は119,121百万円(影響額表の(D)))。
なお、前期の持分法による投資損益が76,614百万円の利益にとどまっていたのは、主に、アリババに係る投資利益が67,460百万円(影響額表の(E))だったことによるものです。これは、同社が発行した転換優先株式(Convertible Preference Shares)の公正価値の増加に伴い認識した損失398,716百万円(うち、当社持分に含まれる損失は144,235百万円(影響額表の(F))の影響で、アリババの純利益が203,126百万円(IFRSベース)だったことによるものです。
(単位:百万円)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減増減率
持分法による
投 資 損 益
76,614375,397298,783390.0%
(うち)アリババ67,460380,655313,195464.3%


(持分変動利益)
持分変動利益は14,903百万円となり、前期と比較して584,912百万円減少しました。これは主に、2014年9月にアリババが上場したことに伴い、同社が新株発行を行ったことや、同社の転換優先株式が普通株式に転換されたことなどにより、前期に、同社に係る持分変動利益599,396百万円(影響額表の(G))を計上していたことによるものです(当期は11,992百万円(影響額表の(H))を計上)。

参考:当社連結税引前利益に対するアリババの影響額
(単位:百万円)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減
アリババに係る持分法による投資
損益(A)
(E)67,460(C)380,655313,195
転換優先株式の公正価値増加
に伴う損失(i)
(F)△144,235-144,235
企業結合に伴う再測定による
利益(ii)
-(D)119,121119,121
(i)および(ii)を除く持分法
による投資損益
211,695261,53449,839
アリババに係る持分変動利益
(純額) (B)
(G)599,396(H)11,992△587,404
(うち)
上場による持分変動利益
563,111-△563,111
当社連結税引前利益に対する
アリババの影響額(A)+(B)
666,856392,647△274,209



(その他の営業外損益)
その他の営業外損益は、前期から72,334百万円改善し、56,720百万円の利益となりました(前期は15,614百万円の損失)。その他の営業外損益の主な内訳は、次の通りです。
ⅰ.FVTPLの金融資産から生じる損益は前期から103,168百万円増加し、114,377百万円の利益となりました。これは、インドでタクシー配車プラットフォーム「Ola」を運営するANI Technologies Private Limitedや、同じくインドでイーコマースサイト「snapdeal.com」を運営するJasper Infotech Private Limitedの優先株式などのFVTPLの金融資産について、2015年3月31日(以下「前期末」)から2016年3月31日(以下「当期末」)までの公正価値の変動額を損益として計上したことによるものです。
なお、「FVTPL(Fair Value Through Profit or Loss)の金融資産」とは、IFRSにおける金融商品の分類の一つです。FVTPLの金融資産は毎四半期末に公正価値で測定し、その変動額を純損益で認識することが求められています。
ii.インドネシアのPT Trikomsel Oke Tbk.の株式や同社への投資に関連する融資などを減損処理したことによる損失が、有価証券減損損失と貸倒引当金繰入額に合計38,185百万円計上されています。現在、PT Trikomsel Oke Tbk.は、インドネシアの倒産法に定める支払猶予手続(PKPU)に基づき、再建に向けて、債務支払を一時的に停止した上で債務整理計画を策定中です。
その他の営業外損益についての詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 38.その他の営業外損益」をご参照ください。

(税引前利益)
税引前利益は前期から207,271百万円(17.1%)減少し、1,005,764百万円となりました。

(法人所得税)
法人所得税は、前期から29,762百万円(6.3%)減少し、440,555百万円となりました。当期の実際負担税率が43.8%(法定実効税率は33.1%)となったのは、主に、スプリントの損失に対して繰延税金資産を認識していないことによるものです。なお、アリババなどの関連会社に対する持分法による投資利益、およびFVTPLの金融資産から生じる利益については、原則として税効果を認識しています。

(継続事業からの純利益)
継続事業からの純利益は、前期から177,509百万円(23.9%)減少し、565,209百万円となりました。

(非継続事業)
(非継続事業からの純損益)
非継続事業からの純損益は、6,968百万円の損失となりました(前期は20,964百万円の利益)。これは、ガンホーについて、2015年4月1日から6月1日の期間における税引後利益5,632百万円を計上した一方、非継続事業の支配喪失に関連する損失12,739百万円などを計上したことによるものです。非継続事業の支配喪失に関連する損失は、ガンホーの支配を喪失した時点(2015年6月1日)の同社の連結簿価と公正価値(同日の株価(終値)と当社持ち株数の積)の差額です。

(純利益)
純利益は、前期から205,441百万円(26.9%)減少し、558,241百万円となりました。

(親会社の所有者に帰属する純利益)
ヤフー㈱、スプリントおよびスーパーセルなどの非支配持分に帰属する純損益を純利益から控除した結果、親会社の所有者に帰属する純利益は、前期から194,189百万円(29.1%)減少し、474,172百万円となりました。

(包括利益)
包括利益合計は、前期から868,670百万円(77.0%)減少し、259,592百万円となりました。このうち、親会社の所有者に帰属する包括利益は195,864百万円(前期比795,807百万円(80.2%)減少)となりました。




a.国内通信事業
(単位:百万円)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減増減率
売 上 高3,019,3933,144,650125,2574.1%
セグメント利益640,498688,38947,8917.5%
減価償却費及び償却費453,728474,94821,2204.7%
その他の営業損益
(△利益)
21,271-△21,271-
調整後EBITDA1,115,4971,163,33747,8404.3%


(注) 2 前期までEBITDAとして開示してきた額は、当期より、調整後EBITDAとして開示しています。


当事業は、ソフトバンク㈱やWireless City Planning㈱など、国内で通信事業を営む子会社により構成されています。ソフトバンク㈱は、(i)「ソフトバンク」および「Y!mobile」ブランドの移動通信サービス、(ii)「SoftBank 光(注3)」、「Yahoo! BB」などの個人向けブロードバンドサービス、(iii)データ通信や固定電話などの法人向け固定通信サービスを提供しています。Wireless City Planning㈱は、2.5GHz帯周波数を利用した「広帯域移動無線アクセスシステム(BWA)」を提供しています。
当事業の売上高は、「通信サービス売上」「物販等売上」に分類されます。通信サービス売上には、(i)~(iii)各サービスの通信料収入や、端末保証サービス収入、広告収入、コンテンツ関連収入などが含まれています。物販等売上には、移動通信サービスの携帯端末や、ブロードバンドサービスの宅内機器の販売収入などが含まれています。
今後、移動通信サービスをはじめとする国内の通信市場の成長は従来よりも緩やかになるとみられますが、こうした状況下でも国内通信事業の利益を着実に成長させていくため、収益の源泉であるスマートフォン、従来型携帯電話、タブレットおよびモバイルデータ通信端末を「主要回線」と位置付け、その獲得と維持に重点的に取り組んでいます。中でも当社が最も重視するスマートフォン契約の獲得強化と解約率の低減のために、移動通信サービスと「SoftBank 光」などのブロードバンドサービスをセットで契約する顧客に対して、移動通信サービスの通信料金を割り引くサービス「おうち割 光セット」の拡販に注力しています。
また、動画配信や電力、ロボットなどの周辺サービスの開拓を進めるとともに、2015年4月に国内通信子会社4社を合併した効果を生かし、さらなる業務の効率化とコスト削減を進めています。

(注)3 東日本電信電話株式会社(以下「NTT東日本」)および西日本電信電話株式会社(以下「NTT西日本」)の光アクセス回線の卸売を利用した光回線サービス。


(売上高の内訳)
(単位:百万円)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減増減率
売上高合計3,019,3933,144,650125,2574.1%
通信サービス売上2,329,1612,405,04775,8863.3%
移動通信サービス1,922,6401,953,36330,7231.6%
通信(注4)1,729,4231,731,9892,5660.1%
サービス(注5)193,217221,37428,15714.6%
ブロードバンド
サービス
129,762177,00947,24736.4%
固定通信サービス276,759274,675△2,084△0.8%
物販等売上690,232739,60349,3717.2%


(注)4 「ソフトバンク」および「Y!mobile」ブランドの移動通信サービスの通信料収入など。
(注)5 端末保証サービス収入、広告収入、コンテンツ関連収入など。


当事業の売上高は、前期から125,257百万円(4.1%)増加し、3,144,650百万円となりました。このうち、通信サービス売上は、前期から75,886百万円(3.3%)増加の2,405,047百万円、物販等売上は、前期から49,371百万円(7.2%)増加の739,603百万円となりました。
通信サービス売上の増加は、光回線サービス「SoftBank 光」(2015年3月提供開始)の立ち上がりに伴い、ブロードバンドサービスの売上が増加したことに加え、移動通信サービスの売上が増加したことによるものです。物販等売上の増加は、主にスマートフォンおよびブロードバンドサービス用宅内機器の売上が増加したことによるものです。スマートフォンは、単価上昇の影響が出荷台数(注6)減少の影響を上回り増収となりました。
移動通信サービスの売上は、通信売上が微増にとどまったものの、コンテンツサービスの拡大などに伴うサービス売上の増加により、前期から30,723百万円(1.6%)増加の1,953,363百万円となりました。

(注)6 ディーラーへの出荷(販売)台数。ソフトバンク㈱が運営する販売店およびオンラインショップにおいて顧客へ販売した台数も含みます。

営業費用は、前期から98,637百万円(4.2%)増加し、2,456,261百万円となりました。主な営業費用の増減は、次の通りです。
商品原価は、前期から10,488百万円(1.8%)増加しました。これは主に、携帯端末在庫の評価損が前期から改善したものの、仕入単価の高いスマートフォンの出荷台数が増加したことによるものです。
販売手数料は、前期から39,309百万円(10.6%)増加しました。これは主に、携帯電話番号ポータビリティー(以下「MNP」)制度による顧客獲得競争の激化に伴い、スマートフォンに係る販売手数料の平均単価が前期から増加したことによるものです。
販売促進費は、前期から26,640百万円(30.6%)増加しました。これは主に、光回線サービス「SoftBank 光」の拡販を強化したことによるものです。
通信設備使用料は、前期から28,479百万円(15.0%)増加しました。これは主に、2015年3月に提供を開始した光回線サービス「SoftBank 光」の光アクセス回線利用料が増加したことによるものです。また、音声通話を定額で提供する移動通信サービスの料金プラン「スマ放題」の契約数の拡大とともに、ソフトバンク㈱の移動通信サービスの契約者から他の通信事業者の契約者への通話時間が伸びた結果、他の通信事業者へ支払う接続料(アクセスチャージ)が増加したことも増加要因となりました。
業務委託費は、前期から26,623百万円(18.1%)減少しました。これは主に、ソフトバンク㈱(旧ソフトバンクモバイル㈱)が、ソフトバンクBB㈱、ソフトバンクテレコム㈱およびワイモバイル㈱を2015年4月に吸収合併し、カスタマーサービスやネットワーク保守に係る委託業務の効率化を進めたことなどによるものです。
減価償却費及び償却費は、前期から21,220百万円(4.7%)増加し、474,948百万円となりました。


その他の営業損益については、当期の計上はありませんでした。前期には、固定通信サービスに係る受注損失引当金繰入21,271百万円を計上していました。

上記の結果、セグメント利益は、前期から47,891百万円(7.5%)増加し、688,389百万円となりました。
セグメント利益に減価償却費及び償却費、およびその他の営業損益を加算した調整後EBITDAは、前期から47,840百万円(4.3%)増加し、1,163,337百万円になりました。


以下は、当事業のうち、ソフトバンク㈱の移動通信サービスおよびブロードバンドサービスに係る営業概況です。
なお、ソフトバンク㈱の契約数、ARPU、解約率の定義および算出方法については、「(参考 ソフトバンク㈱の主要事業データの定義および算出方法)」をご参照ください。


当第1四半期より、移動通信サービスの主要事業データの開示方法および定義を変更しました。主な変更内容は次の通りです。
・「ソフトバンク」「Y!mobile」両ブランドの合計契約数を「主要回線」「通信モジュール等」「PHS」に分類し、開示します。主要回線には、経営戦略上、最も重視するスマートフォン、従来型携帯電話、タブレット、モバイルデータ通信端末が含まれています。
・ARPU、販売数、解約率は、主要回線のデータを開示します。
・主要回線のARPUを「通信ARPU」と「サービスARPU」に分類し、開示します。通信ARPUは、データ関連収入、基本料・音声関連収入を稼働契約数で除して算出しています。サービスARPUは、端末保証サービス収入、広告収入、コンテンツ関連収入などを稼働契約数で除して算出しています。
・前期についても、主要回線の契約数、ARPU、販売数、解約率を表示しています。
詳細は「(参考 ソフトバンク㈱の主要事業データの定義および算出方法)」をご参照ください。


i. 移動通信サービス
・契約数(主要回線)
当期末における移動通信サービス(主要回線)の累計契約数は、前期末から488千件増加の32,038千件となりました。当期においては、従来型携帯電話が純減となったものの、スマートフォンやタブレットは純増となりました。
(単位:千件)
2015年3月31日
(前期末)
2016年3月31日
(当期末)
増減
累計契約数31,55032,038488



・「おうち割 光セット」適用件数
「おうち割 光セット」(従来の「スマート値引き」)は、移動通信サービス(主要回線のうち、スマートフォン、従来型携帯電話およびタブレットが対象)と「SoftBank 光」などのブロードバンドサービスをセットで契約する顧客に対して、移動通信サービスの通信料金を割り引くサービスです。当期末における「おうち割 光セット」の累計適用件数(注7)は、移動通信サービスが2,969千件、ブロードバンドサービスが1,438千件(注8)となりました。

(注)7 「Y!mobile」ブランドの移動通信サービスに適用される割引サービス「光おトク割」の適用件数を含みます。
(注)8 NTT東日本およびNTT西日本の局舎において光回線の接続工事が完了していない場合でも、当該光回線に紐づく移動通信サービスに対して「おうち割 光セット」の割引が既に適用されている場合には、当該光回線を「おうち割 光セット」の適用件数に含みます。

・ARPU(主要回線)
当期における移動通信サービス(主要回線)の総合ARPUは、前期から30円増加の4,700円となりました。
このうち、通信ARPUは前期から40円減少の4,150円となりました。これは主に、主要回線の累計契約数に占めるスマートフォン契約の構成比率が上昇した一方で、音声通話を定額で提供する移動通信サービスの料金プラン「スマ放題」の契約数の拡大に伴い通話料収入が減少したこと、および「おうち割 光セット」の累計適用件数の増加に伴い通信ARPUに対する割引額が増加したことによるものです。なお、2017年3月期には、「スマ放題」のマイナス影響(前の期に発生した影響額との差額)は当期に比べて縮小する一方、「おうち割 光セット」のマイナス影響は累計適用件数の増加に伴って拡大する見込みです。
一方、サービスARPUは、前期から50円増加の540円となりました。これは、「とく放題(注9)」や「App Pass(注10)」などのコンテンツサービスの加入者が順調に増加したことなどによるものです。

(注)9 食品や映画鑑賞券などを割引で購入できるサービス。
(注)10 厳選された人気のアプリケーションを利用できるサービス。

(単位:円/月)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減
総合ARPU4,6704,70030

通信ARPU4,1904,150△40
サービスARPU49054050


・販売数(主要回線)
当期における携帯端末の販売数(主要回線)(注11)は、前期から1,024千台減少の10,662千台となりました。これは主に、スマートフォンおよび従来型携帯電話の販売数がいずれも前期を下回ったことによるものです。スマートフォンの販売数については、新規契約数は前期から増加したものの、機種変更数の減少がそれを上回りました。

(注)11 新規契約数と機種変更数の合計値。MNP制度を利用して、「ソフトバンク」と「Y!mobile」の間で乗り換えが行われる際の新規契約は機種変更数に含みます。

(単位:千台)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減
販売数11,68610,662△1,024

新規契約数5,7565,441△315
機種変更数5,9305,222△708



・解約率(主要回線)
当期における移動通信サービス(主要回線)の解約率は、前期から0.01ポイント改善し、1.35%となりました。これは主に、MNP制度による顧客獲得競争が激化した影響でスマートフォンの解約率が悪化したものの、タブレットや従来型携帯電話の解約率が改善したことによるものです。なお、2016年3月31日に終了した3カ月間(以下「当第4四半期」)の移動通信サービス(主要回線)の解約率は、2015年3月31日に終了した3カ月間(以下「前年同四半期」)から0.08ポイント改善し1.49%となりました。
移動通信サービス(主要回線)の解約率を中期的に一段と改善させるため、現在、「ソフトバンクショップ」などでの接客品質の改善に取り組むとともに、「おうち割 光セット」や「おうち割 でんきセット」(注12)(2016年4月提供開始)の拡大を図っています。

(注)12 電力サービス「ソフトバンクでんき」と移動通信サービスまたは「SoftBank 光」などのブロードバンドサービスをセットで契約する顧客に対して、移動通信サービスまたはブロードバンドサービスの料金を割り引くサービス。

2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減
解約率1.36%1.35%0.01ポイント改善


ii. ブロードバンドサービス
当期末におけるブロードバンドサービスの累計契約数は、前期末から722千件増加の5,079千件となりました。これは、「Yahoo! BB 光 with フレッツ(注13)」と「Yahoo! BB ADSL(注14)」の累計契約数がそれぞれ前期末から664千件、212千件減少したものの、「SoftBank 光」が1,598千件(注15)増加したことによるものです。
2015年3月に光回線サービス「SoftBank 光」の提供を開始したことを機に、ブロードバンドサービスの軸足を「Yahoo! BB 光 with フレッツ」から「SoftBank 光」に移し、全国の家電量販店および「ソフトバンクショップ」で顧客獲得に積極的に取り組んでいます。「SoftBank 光」のARPU(注15)(当第4四半期:4,940円)は、「Yahoo! BB光 with フレッツ」(同:1,820円)、「Yahoo! BB ADSL」(同:2,590円)に比べて高いことから、同サービスの累計契約数の増加とともに、ブロードバンドサービスの通信サービス売上が着実に増加していくと見込んでいます。

(注)13 NTT東日本およびNTT西日本の光アクセス回線「フレッツ光シリーズ」とセットで提供するISP(インターネット・サービス・プロバイダー)サービス。
(注)14 ADSL回線サービスとISPサービスを統合したサービス。
(注)15 「SoftBank Air」(Airターミナル(接続機器)を介して高速無線インターネットが利用できるサービス)の契約数およびARPUを含みます。

(単位:千件)
2015年3月31日
(前期末)
2016年3月31日
(当期末)
増減
累計契約数4,3575,079722

SoftBank 光(注15)1191,7171,598
Yahoo! BB 光
with フレッツ
2,6722,008△664
Yahoo! BB ADSL1,5661,354△212



(参考 ソフトバンク㈱の主要事業データの定義および算出方法)
i. 移動通信サービス
・ 契約数
以下のカテゴリーはそれぞれ以下のサービス契約を総称します。
主要回線 :スマートフォン(注16)、従来型携帯電話、タブレット、モバイルデータ通信端末(注17)など
通信モジュール等 :通信モジュール(注18)、みまもりケータイ、プリペイド式携帯電話など
PHS :PHS

(注)16 「スマホファミリー割」適用のスマートフォンは、「通信モジュール等」に含みます。
(注)17 「データカードにねん得割」適用のモバイルデータ通信端末は、「通信モジュール等」に含みます。
(注)18 PHS回線を利用した通信モジュールは、「PHS」に含みます。

「主要回線」主要事業データ
・ ARPU
ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入
総合ARPU=(データ関連収入+基本料・音声関連収入+端末保証サービス収入、広告収入、コンテンツ関連収入など)÷ 稼働契約数(10円未満を四捨五入して開示)
通信ARPU=(データ関連収入(パケット通信料・定額料、インターネット接続基本料など)+基本料・音声関連収入(基本使用料、通話料、着信料収入など))÷ 稼働契約数(10円未満を四捨五入して開示)
サービスARPU=(端末保証サービス収入、広告収入、コンテンツ関連収入など)÷稼働契約数(10円未満を四捨五入して開示)
稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数((月初契約数+月末契約数)÷2)の合計値
着信料収入:他の通信事業者の顧客が「ソフトバンク」および「Y!mobile」携帯電話へ通話する際に、ソフトバンク㈱が役務提供している区間の料金として他の通信事業者から受け取る接続料

・ 解約率
解約率:月間平均解約率(小数点第3位を四捨五入して開示)
解約率=解約数÷稼働契約数
解約数:当該期間における解約総数。MNP制度を利用して、「ソフトバンク」と「Y!mobile」の間で乗り換えが行われる際の解約は含みません。
稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数((月初契約数+月末契約数)÷2)の合計値

ii. ブロードバンドサービス
・ 契約数
「SoftBank 光」契約数:NTT東日本およびNTT西日本の局舎において光回線の接続工事が完了している回線数。
「SoftBank Air」契約数を含みます。
「Yahoo! BB 光 with フレッツ」契約数:NTT東日本およびNTT西日本の局舎において光回線の接続工事が完了し、サービスを提供しているユーザー数
「Yahoo! BB ADSL」契約数:NTT東日本とNTT西日本の局舎においてADSL回線の接続工事が完了している回線数

・ ARPU
ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入(10円未満を四捨五入して開示)
ARPU=各ブロードバンドサービス収入÷稼働契約数
「SoftBank 光」ARPU=「SoftBank 光」収入(基本料+プロバイダー料+光BBユニットレンタル料+ホワイトひかり電話およびBBフォン通話料+オプションサービス料等)÷「SoftBank 光」稼働契約数
※「SoftBank 光」ARPU算出における収入および契約数は、「SoftBank Air」の収入および契約数を含みます。

「Yahoo! BB 光 with フレッツ」ARPU=「Yahoo! BB 光 with フレッツ」収入(プロバイダー料+光BBユニットレンタル料+BBフォン通話料+オプションサービス料等(フレッツ 光/フレッツ 光ライト利用料等を除く))÷「Yahoo! BB 光 with フレッツ」稼働契約数

「Yahoo! BB ADSL」ARPU=「Yahoo! BB ADSL」収入(基本料+プロバイダー料+モデムレンタル料+BBフォン通話料+オプションサービス料等)÷「Yahoo! BB ADSL」稼働契約数
稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数((月初累計契約数+月末累計契約数)÷2)の合計値


2015年4月1日付で、国内で通信事業を営むソフトバンクモバイル㈱が、ソフトバンクBB㈱、ソフトバンクテレコム㈱およびワイモバイル㈱を吸収合併(2015年7月1日付で社名を「ソフトバンク㈱」に変更)したことを機に、当第1四半期より、同社の移動通信サービスの主要事業データの開示方法および定義を変更しました。
主な変更内容は以下の通りです。契約数について、経営戦略上、最も重視する「主要回線」と、それ以外の「通信モジュール等」「PHS」に分類したほか、一部のサービスを契約数の算入対象から除外しました。

ⅰ.開示方法
契約数:
変更前:旧ソフトバンクモバイル㈱、旧ワイモバイル㈱それぞれの契約数を開示
変更後:ソフトバンク㈱の契約数を以下のカテゴリーで開示

カテゴリー名内容
主要回線スマートフォン(注19)、従来型携帯電話、タブレット、モバイルデータ通信端末(注20)など(注21)
通信モジュール等通信モジュール(注22)、みまもりケータイ、プリペイド式携帯電話など
PHSPHS


(注)19 「スマホファミリー割」適用のスマートフォンは、「通信モジュール等」に含みます。「スマホファミリー割」とは、既存顧客の機種変更の際に、旧機種を当該顧客の家族がそのまま利用(追加の回線契約が必要)すると料金が割り引かれるキャンペーンです。
(注)20 「データカードにねん得割」適用のモバイルデータ通信端末は、「通信モジュール等」に含みます。「データカードにねん得割」とは、契約期間が2年以上のデータカードの利用顧客に提供される、基本料が無料の従量課金制料金プランです。
(注)21 2015年12月31日に終了した3カ月間(以下「当第3四半期」)より、タブレット等と併せて販売されたSIMカード(電話番号などの契約者情報を記録したICカード)については、従来の「通信モジュール等」から「主要回線」にカテゴリーを変更しています(対象の累計契約数は16千件(2015年12月末現在))。前期、当第1四半期および2015年9月30日に終了した3カ月間(以下「当第2四半期」)についても変更後の定義に基づきデータを修正しています。
(注)22 PHS回線を利用した通信モジュールは「PHS」に含みます。

ARPU、販売数、解約率:
変更前:旧ソフトバンクモバイル㈱のARPUは、全契約数から通信モジュールに係る契約数および収入を除いたデータを開示、販売数および解約率は全契約数に基づくデータを開示
変更後:ソフトバンク㈱の主要回線に基づくデータを開示

ii. 定義
契約数の算入対象:
変更前:以下の契約数を含む
変更後:以下の契約数を除く

旧ソフトバンクモバイル㈱および旧ワイモバイル㈱の周波数に対応したモバイルデータ通信端末(注23)のうちの重複計上分など(2015年3月末の契約数:合計2,897千件)

(注)23 旧ソフトバンクモバイル㈱と旧ワイモバイル㈱が、ソフトバンク㈱(現ソフトバンクグループ㈱)による旧イー・アクセス㈱買収前の2009年2月から業務提携により提供してきた、相互の周波数を使用できるモバイルデータ通信端末。従来、当該契約は両社の契約数にそれぞれ含めていました。


b.スプリント事業
(単位:百万円)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減増減率
売 上 高3,800,0213,871,64771,6261.9%
セグメント利益66,85961,485△5,374△8.0%
減価償却費及び償却費579,152842,110262,95845.4%
その他の営業損益
(△利益)(注25)
7,02979,66872,639-
調整後EBITDA653,040983,263330,22350.6%


参考:米ドルベースの業績(IFRS) (単位:百万米ドル)
売 上 高34,53232,180△2,352△6.8%
セグメント利益643506△137△21.3%
調整後EBITDA5,9608,1722,21237.1%


(注)24 前期までEBITDAとして開示してきた額は、当期より、調整後EBITDAとして開示しています。
(注)25 当期における当事業のその他の営業損益には、連結損益計算書の「その他の営業損益」に認識した「固定資産の処分損失」37,032百万円(312百万米ドル)が含まれていません。「固定資産の処分損失」の詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 35.その他の営業損益」をご参照ください。


当事業の売上高は、前期から71,626百万円(1.9%)増加し、3,871,647百万円となりました。これは主に、米ドルベースの売上高は前期から2,352百万米ドル(6.8%)減少したものの、当期における対米ドルの為替換算レートが前期よりも円安になったことによるものです。米ドルベースの減収は主に、リースや割賦による携帯端末の販売方式と組み合わせた低料金プランへの移行が進んだことなどにより、通信サービス売上が減少したことによるものです。なお、端末売上は微増となりました。これは主に、スプリントに代わりブライトスターがベンダーから端末を購入しディーラーへ販売する商流の導入に伴いスプリントにおける端末販売数が減少したことに加え、端末販売数に占めるリース販売方式の構成比率が上昇したことにより、端末売上が減少した一方、リース販売方式の増加に伴いリース料収入が増加したことによるものです。

営業費用は、前期から77,000百万円(2.1%)増加し、3,810,162百万円となりました。これは主に、米ドルベースの営業費用は前期から2,215百万米ドル(6.5%)減少したものの、当期における対米ドルの為替換算レートが前期から円安になったことによるものです。
米ドルベースの営業費用が大幅に減少したのは、全社的なコスト削減の取り組みによるものです。まず、当期に15億米ドルの営業費用の削減目標を掲げ、さまざまな施策を行ったことにより、当期のサービス原価と販売費及び一般管理費(減価償却費及び償却費を除く)が、前期から合計で約13億米ドル減少しました。これに加えて、事業活動の抜本的改革と営業費用のさらなる削減に向けた構造改革を当期に開始しています。2017年3月末には営業費用の削減額はランレート(注26)で20億米ドル超になる見込みで、このうち、10億米ドルについては、当第4四半期の取り組みにより、すでに実現のめどが立っています。コスト削減の取り組みについての詳細は「 i. コスト削減」をご参照ください。

当期における主な米ドルベースの営業費用(減価償却費及び償却費を除く)の増減は次の通りです。
商品原価が減少しました。これは主に、当期におけるスプリント・プラットフォーム(注27)のポストペイド販売数(ホールセールを除く)は前期から減少したものの、その販売数のうち2014年9月に開始したリース販売方式の構成比率が51%(前期は17%)まで上昇したことによるものです。割賦販売方式を含む従来の携帯端末の販売においては、端末の引渡し時点で携帯端末売上とそれに伴う商品原価が計上されます。一方、リース販売方式においては、リース料収入とリース資産として計上されるリース携帯端末の減価償却費が、リース期間(主に24カ月)にわたり計上されます。
販売費及び一般管理費(減価償却費及び償却費を除く)が減少しました。主に信用力が高いと判断される顧客の構成比率の上昇に伴い料金滞納が減少し貸倒引当金繰入額が減少したほか、コスト削減の取り組みに伴い、人件費や広告宣伝費などの削減が進んだことによるものです。


減価償却費及び償却費が前期から262,958百万円(45.4%)増加し、842,110百万円となりました。これは主に、リース携帯端末の増加によるものです。
その他の営業損益は、前期から72,639百万円悪化し、79,668百万円の損失となりました。当期において発生したその他の営業損失の主な内訳は、次の通りです。
人員削減費用26,079百万円
訴訟関連費用積立金 23,437百万円
固定資産の減損損失19,881百万円


その他の営業損益の詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 35.その他の営業損益」をご参照ください。

上記の結果、セグメント利益は、前期から5,374百万円(8.0%)減少し、61,485百万円となりました。
セグメント利益に減価償却費及び償却費、およびその他の営業損益を加算した調整後EBITDAは、前期から330,223百万円(50.6%)増加し、983,263百万円となりました。

(注)26 直近の実績の傾向をもとに作成した将来予測値。
(注)27 スプリントが運営するCDMAおよびLTEネットワークにおける通信サービス。

(参考 リース携帯端末のセール・アンド・リースバック取引)
スプリントは、2015年11月に、資金調達の一環として、リース販売方式で顧客に提供されている携帯端末の一部について、ソフトバンクグループ㈱の持分法適用会社であるMobile Leasing Solutions, LLC(以下「MLS」)に13億米ドルで売却するとともに、MLSから当該端末のリースバックを受け、毎月のリース料を支払う取引(いわゆる“セール・アンド・リースバック取引”、以下「本取引」)を行いました。
本取引により、調整後EBITDAにマイナス影響が生じます。通常のリース携帯端末については有形固定資産として資産計上され、減価償却費が計上されます(下表(B))。一方、本取引の対象のリース携帯端末についてはオフバランスとなるため減価償却費は計上されず、代わりに支払リース料が商品原価として計上されるため(下表(C))、調整後EBITDAのマイナス影響となります。なお、当期においては、約4カ月分の支払リース料として277百万米ドル(326億円)が商品原価に計上されています。
本取引の詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 14.リース」をご参照ください。


通常のリース携帯端末本取引の対象の
リース携帯端末
連 結 財 政 状 態
計 算 書
オンバランス
(有形固定資産)
オフバランス


連 結 損 益 計 算 書
売 上 高(A) 顧客からのリース料収入(A) 顧客からのリース料収入
商 品 原 価(C) MLSへ支払うリース料
減価償却費(B)資産計上されたリース携帯
端末の減価償却費
セグメント利益(A)-(B)(A)-(C)
調整後EBITDA(A)-(B) + (B)(A)-(C)



以下は、当事業のうち、スプリント・プラットフォームに係る営業概況です。スプリント・プラットフォームのABPU/ARPUと解約率の定義および算出方法については、「(参考 スプリント・プラットフォームの主要事業データの定義および算出方法)」をご参照ください。

・契約数(スプリント・プラットフォーム)
当期末におけるスプリント・プラットフォームの累計契約数は、前期末から2,669千件増加し、58,806千件となりました。これは、当期において、プリペイド契約数が1,309千件の純減となったものの、ポストペイド契約数が1,245千件、ホールセール契約数が2,733千件の純増となったことによるものです。
ポストペイド契約数の純増は主に、タブレットが引き続き増加したことに加えて、携帯電話(スマートフォンおよび従来型携帯電話)が438千件の純増となったことによるものです。またホールセール契約数は、主に通信モジュールの増加により純増となりました。一方プリペイド契約数は、プリペイド市場の競争激化により純減となりました。

(単位:千件)
2015年3月31日
(前期末)
2016年3月31日
(当期末)
増減
累計契約数56,13758,8062,669
ポストペイド29,70630,9511,245
(うち)携帯電話24,87825,316438
プリペイド15,70614,397△1,309
ホールセール10,72513,4582,733


・ABPU(スプリント・プラットフォーム:ポストペイド携帯電話)
当第4四半期におけるスプリント・プラットフォームのポストペイド携帯電話ABPUは、前年同四半期から2.34米ドル増加の71.53米ドルとなりました。これは、ARPUが減少した一方、1契約当たりの月間平均端末代金請求額の増加がこれを上回ったことによるものです。
このうちARPUは前年同四半期から4.31米ドル減少の59.45米ドルとなりました。これは主に、リースや割賦による携帯端末の販売方式と組み合わせた低料金プランの構成比率が上昇したことによるものです。
一方、1契約当たりの月間平均端末代金請求額は前年同四半期から6.65米ドル増加の12.08米ドルとなりました。これは、リースによる携帯端末の販売方式の普及が一段と進んだことによるものです。


(単位:米ドル/月)
2015年3月31日に
終了した3カ月間
(前年同四半期)
2016年3月31日に
終了した3カ月間
(当第4四半期)
増減
ポストペイド携帯電話ABPU69.1971.532.34
ARPU63.7659.45△4.31
1契約当たりの端末代金
請求額
5.4312.086.65


・解約率(スプリント・プラットフォーム)
当第4四半期におけるスプリント・プラットフォームのポストペイド解約率は、前年同四半期から0.12ポイント改善し、1.72%となりました。これは、市場の競争激化による解約率悪化影響があったものの、ネットワークの改善が解約抑止につながったことに加え、2014年8月より信用力が高いと判断される顧客の獲得に注力した結果、料金滞納による強制解約数が減少したことによるものです。
2015年3月31日に
終了した3カ月間
(前年同四半期)
2016年3月31日に
終了した3カ月間
(当第4四半期)
増減
ポストペイド解約率1.84%1.72%0.12ポイント改善



スプリントは、減少傾向が続いている売上高を反転させるとともに、大規模なコスト削減と手元流動性の改善を進め、成長軌道への復帰を目指しています。売上高については、最大の収益源であるポストペイド携帯電話の契約数の拡大に注力しており、当第2四半期から3四半期連続で同契約数が純増になるなど、反転の兆しが見え始めています。コスト削減と手元流動性改善についても、それぞれ以下の通り様々な手立てを講じており、着実に成果をあげつつあります。なお、本項はスプリントが採用する米国会計基準に基づき記載していますが、IFRSにおいても重要な差異はないものと考えています(認識のタイミングが異なる可能性はあります)。

i. コスト削減
コスト削減については、当期に15億米ドルの営業費用を削減する目標を掲げ、全領域にわたってゼロベースで予算を見直し、さまざまな施策を実施した結果、当該コスト削減は目標を達成しました。削減した営業費用のかなりの部分を、販売チャネルの拡大など長期的な成長を実現するための戦略的な取り組みに再投資しましたが、それでもなお、当期におけるサービス原価と販売費及び一般管理費(減価償却費及び償却費を除く)は、前期から合計で約13億米ドル減少しました。
さらに、スプリントは、事業活動の抜本的改革と営業費用のさらなる削減に向けた構造改革(以下「本構造改革」)を当期に開始しています。本構造改革により、2017年3月末には営業費用の現行水準からの削減額はランレート(注28)で20億米ドル超に上り、2018年3月期以降もこの削減効果が継続する見込みです。なお、本構造改革のコスト削減は全領域にわたって行われますが、目標削減額20億米ドルのうち多くは販売費及び一般管理費(注29)の削減によるものと見込んでいます。
なお、当第4四半期に実施した取り組みにより、四半期で2.5億米ドルのランレートのコスト削減効果が見込めるため、これの年換算値である10億米ドルについては、すでにコスト削減実現のめどが立っていると言えます。
また、本構造改革に伴い、営業費用と設備投資額の合計で約10億米ドルのコスト(以下「本構造改革コスト」)が発生する見込みです。なお、当期において計上した約2億米ドルの人員削減費用を除き、本構造改革コストは2017年3月期および2018年3月期に発生する見通しです。削減した営業費用のかなりの部分を再投資に回した当期のコスト削減とは異なり、本構造改革によるコスト削減は、本構造改革コストを除き、利益に寄与する見込みです。

(注)28 直近の実績の傾向をもとに作成した将来予測値。
(注)29 販売、マーケティング、顧客サポート関連費用など。


ii. 手元流動性改善
上記のコスト削減によるキャッシュ・フローの改善に加えて、スプリントは、資金調達手段の多様化を進めることにより、手元流動性の改善に取り組んでいます。
当期においては、リース携帯端末のセール・アンド・リースバック取引により11億米ドルを調達するなど、手元流動性改善のための複数の取り組みを行いました。本取引の詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 14.リース」をご参照ください。
この結果、当期末におけるスプリントの手元流動性(現金および現金同等物、短期運用有価証券、リボルビング・クレジット・ファシリティ(注30)および債権流動化の未使用枠など)は、57億米ドルとなりました。
またスプリントは、2017年3月期においても、以下の取り組みを実施する予定です。
リース携帯端末のセール・アンド・リースバック取引(四半期ごとに実行予定):合計30~40億米ドル
2016年4月までの進捗:2016年4月、第2回目の取引となる約11億米ドルの資金調達契約を締結。払い込みは2016年5月に完了。
ネットワーク機器等を活用した資金調達:約22億米ドル
2016年4月までの進捗:2016年4月、既存のネットワーク機器を活用し約22億米ドルの資金を調達。
ブリッジ・ファイナンス・ファシリティ:20億米ドル
2016年4月までの進捗:2016年4月、20億米ドルを限度額とする借入契約(契約期間18カ月)を締結。


このほかスプリントは、保有する周波数の一部を活用した資金調達を検討しています。

2016年4月末までに実施した上記の取り組みによる資金調達可能額と当期末におけるスプリントの手元流動性57億米ドルの合計金額は、約110億米ドルとなりました。このほか、2.5GHz帯用ネットワーク機器の購入に際しては、ベンダーファイナンス(注31)12億米ドルが利用可能です。これらにより、スプリントは、2017年3月期に償還期限を迎える合計33億米ドルの社債の償還や事業計画の遂行に必要な資金を確保できるものと見込んでいます。

(注)30 一定の期間内において一定の融資極度額を設定し、その範囲内での借入を可能とする融資形態。
(注)31 ベンダーからのネットワーク機器購入に関連する、輸出信用機関(Export Credit Agency)からの保証が付された資金調達枠。

(参考 スプリント・プラットフォームの主要事業データの定義および算出方法)
・ ABPU/ARPU
ABPU(Average Billings Per User):1契約当たりの月間平均請求額(1セント未満を四捨五入して開示)
ABPU=(通信サービス売上+端末代金請求額)÷稼働契約数
端末代金請求額:リース販売方式におけるリース料と割賦販売方式における分割支払金の合計値

ARPU(Average Revenue Per User):1契約当たりの月間平均収入(1セント未満を四捨五入して開示)
ARPU=通信サービス売上÷稼働契約数
稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数((月初契約数+月末契約数)÷2)の合計値

※ポストペイド携帯電話のABPU/ARPUは、ポストペイド携帯電話に係る通信サービス売上および端末代金請求額を稼動契約数で除して算出しています。

・ 解約率
解約率:月間平均解約率(小数点第3位を四捨五入して開示)
解約率=解約数÷稼働契約数
解約数:当該期間における解約総数。ポストペイドおよびプリペイド間における契約変更は含みません。
稼働契約数:当該期間の各月稼働契約数((月初契約数+月末契約数)÷2)の合計値


c.ヤフー事業
(単位:百万円)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減増減率
売 上 高427,321652,031224,71052.6%
セグメント利益193,529222,78729,25815.1%
減価償却費及び償却費18,36432,69514,33178.0%
企業結合に伴う
再測定による利益
△59,441△59,441
調整後EBITDA211,893196,041△15,852△7.5%


(注)32 前期までEBITDAとして開示してきた額は、当期より、調整後EBITDAとして開示しています。


当事業の売上高は、前期から224,710百万円(52.6%)増加し、652,031百万円となりました。これは主に、2015年8月にアスクル㈱を子会社化したことに加えて、ディスプレイ広告(注33)の売上が増加したことにより広告事業が増収となったことによるものです。
セグメント利益は、前期から29,258百万円(15.1%)増加し、222,787百万円となりました。これは主に、「Yahoo!ショッピング」や「Yahoo! JAPANカード」に係る販売促進費や、減価償却費及び償却費などの営業費用が増加した一方、2015年8月にアスクル㈱を子会社化した時点で、既に保有していた資本持分を公正価値で再測定したことにより企業結合に伴う再測定による利益59,441百万円を計上(前期は計上なし)したことによるものです。減価償却費及び償却費は、前期から14,331百万円(78.0%)増加の32,695百万円となりましたが、これは主に、ビッグデータなどに係る継続的な設備投資を行ったことによるものです。
セグメント利益に減価償却費及び償却費を加算し、企業結合に伴う再測定による利益59,441百万円を減算した調整後EBITDAは、前期から15,852百万円(7.5%)減少の196,041百万円となりました。これは主に、将来的な事業基盤の強化を目的として、販売促進費や広告宣伝費などを前期から282億円積み増したことによるものです。こうした取り組みにより、イーコマース事業や決済金融事業を拡大させ、中長期の収益成長を加速させていきます。

(注)33 一定のスペースに画像や Flash®、映像を用いて表示される広告。Yahoo! JAPAN トップページに掲載される「ブランドパネル」などのプレミアム広告、ユーザーが閲覧中のページ内容や興味関心、属性や地域などをもとに、そのユーザーに最適な広告を表示する「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」を含みます。


d.流通事業
(単位:百万円)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減増減率
売 上 高1,225,1161,420,416195,30015.9%
セグメント利益
(△損失)
4,952△1,284△6,236
減価償却費及び償却費10,24810,268200.2%
その他の営業損益
(△利益)
△60716,46617,073
調整後EBITDA14,59325,45010,85774.4%


(注)34 前期までEBITDAとして開示してきた額は、当期より、調整後EBITDAとして開示しています。


当事業は、ブライトスターやソフトバンクコマース&サービス㈱などの子会社により構成されています。2014年1月30日に当社の子会社となったブライトスターは、メーカーから携帯端末を仕入れ、世界各国の通信事業者や小売業者に販売する卸売事業などを行っています。ソフトバンクコマース&サービス㈱は、日本国内において、携帯端末アクセサリーやIT関連ソフトウエアおよびハードウエアの販売などを行っています。


当事業の売上高は、前期から195,300百万円(15.9%)増加し、1,420,416百万円となりました。これは主に、アルゼンチンで行っている携帯端末のOEM事業(携帯端末メーカーからの受託製造)の縮小や米国の大手通信事業者であるVerizon Communications Inc.との携帯端末卸売取引の終了に伴い売上が減少したものの、スプリント携帯端末の売上が増加したことによるものです。従来、スプリントがディーラーへ携帯端末を直接販売していましたが、2014年9月以降、在庫の適正化や配送効率の向上などを目的として、ブライトスターがスプリントまたは端末ベンダーから携帯端末を購入してスプリントのディーラーへ販売する商流に順次切り替えられました。当期における対米ドルの為替換算レートが前期から円安になったことも、増収幅を押し上げました。
セグメント利益は前期から6,236百万円悪化し、1,284百万円の損失となりました。これは主に、スプリント携帯端末の取り扱いに紐付いて受託している流通・在庫管理のサービス収入増加に伴う利益の増加影響があったものの、中南米における有形固定資産および無形資産に係る減損損失13,633百万円をその他の営業損益に計上したことによるものです。その他の営業損益の詳細は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、連結財務諸表注記 35.その他の営業損益」をご参照ください。
セグメント利益(損失)に減価償却費及び償却費を加算し、その他の営業損益を加減算(利益は減算)した調整後EBITDAは、前期から10,857百万円(74.4%)増加の25,450百万円となりました。


(3) 財政状態に関する分析


当期末における資産、負債および資本の状況は、次の通りです。
(単位:百万円)
2015年3月31日
(前期末)
2016年3月31日
(当期末)
増減増減率
資 産 合 計21,034,16920,707,192△326,977△1.6%
負 債 合 計17,180,99217,201,92120,9290.1%
資 本 合 計3,853,1773,505,271△347,906△9.0%


参考:期末日為替レート
1米ドル120.17円112.68円△7.49円△6.2%


a. 資産の状況
(流動資産)
(単位:百万円)
科目名2015年3月31日
(前期末)
2016年3月31日
(当期末)
増減
現 金 及 び 現 金 同 等 物3,258,6532,569,607△689,046
(うち)スプリント481,891297,552△184,339
営業債権及びその他の債権1,895,6481,914,78919,141
(うち)スプリント433,013363,546△69,467
そ の 他 の 金 融 資 産197,068152,858△44,210
棚 卸 資 産351,152359,4648,312
そ の 他 の 流 動 資 産255,399553,551298,152
流 動 資 産 合 計5,957,9205,550,269△407,651


流動資産合計は、前期末から407,651百万円(6.8%)減少し、5,550,269百万円となりました。主な科目別の増減および増減理由は、次の通りです。
i.現金及び現金同等物は前期末から689,046百万円減少しました。現金及び現金同等物の増減の詳細は、「」をご参照ください。
ii.その他の流動資産は前期末から298,152百万円増加しました。これは主に、2016年7月末までに還付される見込みの、グループ会社間の配当に係る仮払い源泉所得税293,489百万円を計上したことによるものです。



(非流動資産)
(単位:百万円)
科目名2015年3月31日
(前期末)
2016年3月31日
(当期末)
増減
有 形 固 定 資 産4,317,4484,183,507△133,941
(うち)スプリント2,141,1202,055,371△85,749
の れ ん1,663,3631,609,789△53,574
(うち)スプリント353,867331,811△22,056
無 形 資 産6,903,5826,439,145△464,437
(うち)スプリント5,993,0345,468,665△524,369
FCCライセンス(注35)4,320,2964,060,750△259,546
(うち)スプリント4,320,2964,060,750△259,546
商 標 権786,834760,703△26,131
(うち)スプリント772,433722,539△49,894
顧 客 基 盤582,223439,800△142,423
(うち)スプリント496,594324,269△172,325
ソ フ ト ウ エ ア757,866782,14824,282
ゲ ー ム タ イ ト ル109,21159,844△49,367
そ の 他347,152335,900△11,252
持 分 法 で 会 計 処 理
さ れ て い る 投 資
1,102,4561,588,270485,814
そ の 他 の 金 融 資 産662,463970,874308,411
繰 延 税 金 資 産235,488172,864△62,624
そ の 他 の 非 流 動 資 産191,449192,4741,025
非 流 動 資 産 合 計15,076,24915,156,92380,674


(注)35 米国連邦通信委員会(FCC)が付与する、特定の周波数を利用するためのライセンス。

非流動資産合計は、前期末から80,674百万円(0.5%)増加し、15,156,923百万円となりました。主な科目別の増減および増減理由は、次の通りです。
i.持分法で会計処理されている投資は前期末から485,814百万円増加しました。これは主に、アリババに係る持分法による投資利益の計上により、同社に対する連結上の簿価が331,730百万円増加したことによるものです。また、ガンホーを持分法で会計処理されている投資として新たに計上したことや、米国で学資ローンのリファイナンスなどの個人向けファイナンスサービスを提供するSocial Finance, Inc.の株式を取得したことも影響しました。
ii.その他の金融資産は前期末から308,411百万円増加しました。これは主に、Forward Ventures, LLCおよび㈱ヤマダ電機への出資をはじめとする投資によるものです。このほか、ANI Technologies Private LimitedやJasper Infotech Private Limitedなどの株式の公正価値が増加したことも影響しました。


iii. 無形資産は前期末から464,437百万円減少しました。これは主に、当期末における対米ドルの為替換算レートが前期末よりも円高となったことによりFCCライセンス(会計上は非償却資産)が259,546百万円、規則的な償却と上記為替換算レートの影響などにより顧客基盤が142,423百万円、それぞれ減少したことによるものです。
iv.有形固定資産は前期末から133,941百万円減少しました。この主な内訳は、次の通りです。
・ ソフトバンク㈱の有形固定資産は、通信設備の規則的な償却が進んだことにより、前期末から105,113百万円減少しました。
・ スプリントの有形固定資産は前期末から85,749百万円減少しました。これは、米ドルベースの有形固定資産は増加したものの、当期末における対米ドルの為替換算レートが前期末よりも円高になったことによりマイナスの影響があったことによるものです。スプリントの米ドルベースの有形固定資産の増加は、規則的な償却により通信設備の残高が減少したものの、携帯端末のリース販売の拡大により、リース資産として計上されるリース携帯端末が増加したことによるものです。


b. 負債の状況
(流動負債)
(単位:百万円)
科目名2015年3月31日
(前期末)
2016年3月31日
(当期末)
増減
有 利 子 負 債1,817,4152,646,609829,194
(うち)スプリント216,247676,948460,701
短 期 借 入 金413,846515,408101,562
(うち)スプリント60,085148,46588,380
1年内返済予定の
長 期 借 入 金
525,898743,225217,327
1年内償還予定の
社 債
183,557900,685717,128
(うち)スプリント113,491431,808318,317
1年内返済予定の
リ ー ス 債 務
411,453396,992△14,461
1年内償還予定の
優 先 出 資 証 券
200,000△200,000
そ の 他82,66190,2997,638
営業債務及びその他の債務1,863,4801,621,195△242,285

(うち)スプリント741,549441,006△300,543
そ の 他 の 金 融 負 債12,9176,531△6,386
未 払 法 人 所 得 税184,175140,351△43,824
引 当 金54,99856,1201,122
そ の 他 の 流 動 負 債739,501694,965△44,536
流 動 負 債 合 計4,672,4865,165,771493,285


流動負債合計は、前期末から493,285百万円(10.6%)増加し、5,165,771百万円となりました。主な科目別の増減および増減理由は、次の通りです。
i.有利子負債は前期末から829,194百万円増加しました。この主な内訳は、次の通りです。
・ スプリントの有利子負債は前期末から460,701百万円増加しました。これは主に、1年内に償還予定となった普通社債を非流動負債から振り替えたことなどにより1年内償還予定の社債が318,317百万円増加したほか、債権(移動通信サービスに係る通信債権および割賦債権)の流動化による資金調達を行ったことにより短期借入金が88,380百万円増加したことによるものです。
・ ソフトバンクグループ㈱の有利子負債は前期末から542,161百万円増加しました。これは主に、償還期日が1年以内となった無担保普通社債および返済期日が1年以内となった長期借入金を非流動負債から振り替えたことなどにより、1年内償還予定の社債が398,911百万円、1年内返済予定の長期借入金が154,551百万円、それぞれ増加したことによるものです。
・ 子会社のSFJ Capital Limitedが、2011年9月に発行した議決権制限優先出資証券を 2015年5月に全額償還したことにより、1年内償還予定の優先出資証券が前期末から 200,000百万円減少しました。
ii.営業債務及びその他の債務は前期末から242,285百万円減少しました。これは主に、スプリントおよびソフトバンク㈱において、携帯端末の買掛金および通信設備の未払金を支払ったことによるものです。


(非流動負債)
(単位:百万円)
科目名2015年3月31日
(前期末)
2016年3月31日
(当期末)
増減
有 利 子 負 債9,789,8299,275,822△514,007
(うち)スプリント3,886,5973,297,900△588,697
長 期 借 入 金2,116,4981,785,500△330,998
社 債6,825,8686,611,947△213,921
(うち)スプリント3,813,5113,188,238△625,273
リ ー ス 債 務744,911815,19470,283
そ の 他102,55263,181△39,371
そ の 他 の 金 融 負 債27,14295,66468,522
確 定 給 付 負 債128,282123,759△4,523
引 当 金155,705118,876△36,829
繰 延 税 金 負 債2,052,6152,083,16430,549
(うち)スプリント1,748,2731,652,154△96,119
そ の 他 の 非 流 動 負 債354,933338,865△16,068
非 流 動 負 債 合 計12,508,50612,036,150△472,356


非流動負債合計は、前期末から472,356百万円(3.8%)減少し、12,036,150百万円となりました。これは主に、有利子負債が前期末から514,007百万円減少したことによるものです。有利子負債の主な増減は、次の通りです。
i.スプリントの有利子負債は前期末から588,697百万円減少しました。これは主に、償還期日が1年以内となった普通社債を流動負債に振り替えたことに加えて、当期末における対米ドルの為替換算レートが前期末よりも円高となったことによるものです。
ii.ソフトバンクグループ㈱の有利子負債は前期末から180,717百万円増加しました。これは主に、償還期日が1年以内となった無担保普通社債および返済期日が1年以内となった長期借入金を流動負債に振り替えた一方、外貨建て普通社債552,990百万円および無担保普通社債合計470,000百万円を発行したことによるものです。



c. 資本の状況
(単位:百万円)
2015年3月31日
(前期末)
2016年3月31日
(当期末)
増減
親会社の所有者に
帰 属 す る 持 分
2,846,3062,613,613△232,693
非 支 配 持 分1,006,871891,658△115,213
資 本 合 計3,853,1773,505,271△347,906


資本合計は、前期末から347,906百万円(9.0%)減少し、3,505,271百万円となりました。このうち親会社の所有者に帰属する持分は232,693百万円(8.2%)、非支配持分は115,213百万円(11.4%)減少しました。なお親会社の所有者に帰属する持分比率は、前期末から0.9ポイント減少の12.6%となりました。

(親会社の所有者に帰属する持分)
(単位:百万円)
科目名2015年3月31日
(前期末)
2016年3月31日
(当期末)
増減
資 本 金238,772238,772
資 本 剰 余 金374,845261,234△113,611
利 益 剰 余 金1,740,6862,166,623425,937
自 己 株 式△48,383△314,752△266,369
その他の包括利益累計額540,386261,736△278,650

売 却 可 能 金 融 資 産14,52432,59418,070
キャッシュ・フロー・
ヘッジ
△7,345△40,088△32,743
在 外 営 業 活 動 体
の 為 替 換 算 差 額
533,207269,230△263,977
親 会 社 の 所 有 者 に
帰 属 す る 持 分 合 計
2,846,3062,613,613△232,693


親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末から232,693百万円(8.2%)減少し、2,613,613百万円となりました。主な科目別の増減および増減理由は、次の通りです。
i.資本剰余金は前期末から113,611百万円減少しました。これは主に、子会社であるスーパーセルの株式24.1%を同社の既存株主より追加取得したこと(本追加取得後の当社の同社に対する所有割合:77.8%)に伴い、120,847百万円を「支配継続子会社に対する持分変動」として資本剰余金から控除したことによるものです。
ii.利益剰余金は前期末から425,937百万円増加しました。これは主に、親会社の所有者に帰属する純利益を474,172百万円計上したことによるものです。
iii.自己株式は前期末から266,369百万円増加しました。これは主に、株主への利益還元の強化を目的として、2015年8月に自己株式15,795,000株を120,000百万円、2016年2月から3月末までに自己株式27,071,800株を149,173百万円で取得したことによるものです。
iv.その他の包括利益累計額は前期末から278,650百万円減少しました。これは主に、当期末における対米ドルの為替換算レートが前期末よりも円高となったことなどにより、在外営業活動体の為替換算差額が263,977百万円減少したことによるものです。


(非支配持分)
非支配持分は、前期末から115,213百万円(11.4%)減少し、891,658百万円となりました。



当期におけるキャッシュ・フローの状況は、次の通りです。
なお、当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末から689,046百万円減少し、2,569,607百万円となりました。
(単位:百万円)
2015年3月31日に
終了した1年間
(前期)
2016年3月31日に
終了した1年間
(当期)
増減
営 業 活 動 に よ る
キャッシュ・フロー
1,155,174940,186△214,988
投 資 活 動 に よ る
キャッシュ・フロー
△1,667,271△1,651,68215,589
財 務 活 動 に よ る
キャッシュ・フロー
1,719,92343,270△1,676,653


(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、940,186百万円のプラスとなりました(前期は1,155,174百万円のプラス)。キャッシュ・フローの主な内訳は、次の通りです。
i. 純利益を558,241百万円計上しました。
ii. 純利益への加算項目の主なものとして、減価償却費及び償却費1,401,329百万円、法人所得税443,984百万円、財務費用440,745百万円を計上しました。
iii. 純利益からの減算項目の主なものとして、持分法による投資利益375,397百万円、企業結合に伴う再測定による利益59,441百万円、その他の営業外損益56,854百万円を計上しました。
iv. 棚卸資産の増減額は404,933百万円の増加(キャッシュ・フローのマイナス)となりました。これは主に、スプリントにおける携帯端末のリース販売の増加に伴い、棚卸資産が増加したことによるものです。本来、棚卸資産の減少はキャッシュ・フローのプラスとなりますが、スプリントが直接顧客にリース販売する取引においては、棚卸資産の減少はキャッシュ・フローのプラスになりません。同取引においては、顧客へのリース販売時にリース携帯端末が棚卸資産から有形固定資産へ振り替えられ、棚卸資産が減少しますが、これはキャッシュ・フローとして認識されない非資金取引であるためです。
v. 利息の支払額は461,217百万円となりました。
vi. 法人所得税の支払額は1,230,087百万円となりました。これには、グループ会社間の配当に係る源泉所得税の支払額904,688百万円が含まれています。このうち611,199百万円は2015年12月末までに還付されており(法人所得税の還付額646,429百万円に含まれます)、残りの293,489百万円は2016年7月末までに還付される見込みです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,651,682百万円のマイナスとなりました(前期は1,667,271百万円のマイナス)。キャッシュ・フローの主な内訳は、次の通りです。
i. 有形固定資産及び無形資産の取得による支出1,360,960百万円を計上しました。これは主に、スプリントおよびソフトバンク㈱において通信設備の取得を行ったことによるものです。
ii. 有形固定資産及び無形資産の売却による収入150,956百万円を計上しました。これは、スプリントが、有形固定資産に計上されているリース携帯端末の一部を、ソフトバンクグループ㈱の持分法適用会社であるMobile Leasing Solutions, LLCに売却したことによるものです。
iii. 投資の取得による支出407,754百万円を計上しました。これは主に、Forward Ventures, LLC、Social Finance, Inc.および㈱ヤマダ電機への出資をはじめとする投資によるものです。
iv. 短期運用有価証券の取得による支出94,349百万円、短期運用有価証券の売却または償還による収入189,844百万円をそれぞれ計上しました。これは主に、スプリントおよびブライトスターなどが短期運用のために有価証券を売買したことによるものです。


(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、43,270百万円のプラスとなりました(前期は1,719,923百万円のプラス)。キャッシュ・フローの主な内訳は、次の通りです。

(キャッシュ・フローの増加項目)
長期有利子負債の収入2,129,683百万円を計上しました。この内訳は、次の通りです。
社債の発行による収入1,053,258百万円を計上しました。これは主に、ソフトバンクグループ㈱が外貨建普通社債および無担保普通社債を発行したことによるものです。
長期借入れによる収入557,072百万円を計上しました。これは主に、ソフトバンク㈱が割賦債権流動化による借入れを行ったほか、スプリントが将来リース料収入に係る債権の流動化及びECAファイナンス(注36)による借入れを行ったことによるものです。
新規取得設備のセール・アンド・リースバックによる収入519,353百万円を計上しました。これは主に、ソフトバンク㈱においてファイナンス・リースによる通信設備などの取得に際し、セール・アンド・リースバックを行ったことによるものです。


(キャッシュ・フローの減少項目)
i. 長期有利子負債の支出1,604,768百万円を計上しました。この主な内訳は、次の通りです。

長期借入金の返済による支出684,397百万円を計上しました。これは、ソフトバンク㈱が割賦債権流動化による借入金の返済を行ったこと、およびソフトバンクグループ㈱が借入金の返済を行ったことによるものです。
リース債務の返済による支出468,061百万円を計上しました。これは主に、ソフトバンク㈱が通信設備などに係るリース債務を返済したことに加えて、2012年3月に締結された福岡 ヤフオク!ドームに関する信託受益権の売買契約に基づき、不動産管理を行う子会社の汐留エステート㈱が2015年7月に当該信託受益権を取得し、同契約に定められたリース債務の残額を支払ったことによるものです。
社債償還による支出203,281百万円を計上しました。これは主に、ブライトスターが普通社債72,642百万円、ソフトバンクグループ㈱が普通社債70,000百万円、スプリントがExport Development Canada(注37)Facilityなど60,539百万円、それぞれ償還したことによるものです。


ii. 優先出資証券の償還による支出200,000百万円を計上しました。これは、子会社のSFJ Capital Limitedが、2011年9月に発行した議決権制限優先出資証券を2015年5月に全額償還したことによるものです。非支配持分からの子会社持分取得による支出267,276百万円を計上しました。これは主に、スーパーセルおよびスプリントの株式を追加取得したことによるものです。


iii. 自己株式の取得による支出269,214百万円を計上しました。


(注)36 輸出信用機関(Export Credit Agency)の保証を活用した資金調達。
(注)37 カナダの輸出信用機関。


(4) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項


IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異の概要は次の通りです。なお、差異の概算額については、当社は日本基準に基づく連結財務諸表を作成しておらず、すべての差異を一貫性のある精度で継続的に把握し算定することが困難であるため、記載していません。

a. 連結の範囲
アスクル㈱については、議決権の44.4%を所有しているため、日本基準においては持分法を適用していますが、IFRSにおいては、議決権の分散状況および過去の株主総会の投票パターン等を勘案した結果、当社がアスクル㈱を支配していると判断し、連結しています。

b. のれん(関連会社に対する投資を含む)
のれんは、日本基準では効果が発現すると合理的に見積られる期間にわたって規則的に償却しますが、IFRSでは規則的な償却はせずに毎期減損テストを行います。同様に、持分法で会計処理されている投資に関連するのれんは、日本基準では効果が発現すると合理的に見積られる期間にわたって規則的に償却しますが、IFRSでは規則的な償却はせずにのれんを含む関連会社に対する投資全体について毎期減損テストを実施しています。

従業員の状況生産、受注及び販売の状況


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