有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W1Z6 (EDINETへの外部リンク)
株式会社ケー・エフ・シー 研究開発活動 (2025年3月期)
当社グループの研究開発は技術部を中心に行っておりますが、各事業部門、管理部門、子会社からの情報を基に各部門の担当者も研究開発活動に参加し、協力してスピーディに技術開発・改良を行い、社会的ニーズに応えることをモットーとしております。
現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新製品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。
建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは保有技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業、大学、研究機関、発注機関との技術交流・関係強化を図りつつ、製品、施工技術、点検及びモニタリング技術と建設分野のDX推進に役立つデジタル技術を組み合わせた技術開発を推進しております。
なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、132,301千円であります。
当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。
(1)ファスナー事業
あと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連機材についても保有技術を応用した研究開発を行っております。その中でもコンクリート構造物せん断補強『RMA』に注力し「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまでに積み重ねてきた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き業績に貢献しております。公益社団法人日本水道協会(JWWA)が定めた新規格に適合した上水道施設向けのせん断補強用『RMA-AFカプセル』を幅広く営業展開しております。本カプセルは水質への配慮が必要な上水道施設や水門・堰などの河川構造物、農水事業関連施設等の耐震化に今後も需要が見込め徐々に採用されています。
道路・鉄道トンネルの維持管理において、市場から求められている各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究開発とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のミスを未然に防ぐプリベンション機能付き製品の研究開発を継続しております。
アンカー点検診断機器開発においては、開発した機器による点検診断業務を鉄道事業者から継続して受注することができました。建設業界以外のお客様からも様々なお問い合わせをいただいており、ご要望にお応えするべく改良改善を進めてまいります。
高速道路の耐震強化策の一環として行われている落橋防止装置の設置に使用されている『SRインジェクションカプセル』は、2,000mlタイプが一般化し、既存のお客様からの満足度も高く継続してご使用頂いております。しかしながら、市場においてあと注入方式アンカーの採用事例が増加傾向にあることから、同方式も『SRインジェクションカプセル』の標準施工方式に加えるべく性能確認試験を進めており、2026年3月期の上市を目指しております。
コンクリート構造物の小片はく落対策製品『ガイナメッシュ』の固定用アンカーとして『ホーク・ウェッジアンカーZ』を開発し、従来のウェッジアンカーには付属できなかったゆるみ止めKナットを付属できるアンカーとして2026年3月期の上市を目指しております。また、「ホーク・ガイナフィックス」のあと注入タイプを新たに開発中であり、2026年3月期の上市を進めてまいります。ガイナメッシュは道路、鉄道など様々なコンクリート構造物に使用できるため、定着するアンカーについても様々な基準・規格に合致する製品の開発を進めてまいります。
今後もあと施工アンカーに対する市場の声をいち早く製品に反映することに傾注し、順次新製品を上市してまいります。
(ファスナー事業研究開発費 39,902千円)
(2)土木資材事業
山岳トンネル新設工事におけるロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発をプロジェクトごとの対応を中心に継続しております。これらは、施工現場のニーズに即応し、売上に直結した研究開発活動となります。
ロックボルト、補助工法の施工は、山岳トンネル新設工事において掘削断面である切羽に近い場所での作業となり、危険性が高く、作業員の高齢化や人材不足などの理由により、作業の自動化や省力化が求められております。当連結会計年度は、『プッシュコネクト』の改良を行い、補助工法資材の売上に貢献いたしました。また、湧水対策が必要な物件が多かったため、『アクアタクト』も受注し売上に貢献いたしました。
ロックボルト打設の自動化では、2023年3月期に開発した鋼管膨張型摩擦式ロックボルトの機械打設化システムに加え、汎用型である充填式ロックボルト及び孔壁が自立しない地山に対応する自穿孔型注入式ロックボルトの自動化の開発を進めております。当連結会計年度には製品コンセプトを概ね確立し、現在は実用化に向けた改良などに取り組んでおります。
トンネル工事のICT化では、防水シートの加圧試験、負圧試験の省力化と測定及び記録の自動化、無線化を目的とした『SMERTチェッカー』の開発及び試験施工を終え、上市いたしました。既に数件の採用実績を上げております。
さらに、ロックボルト用モルタル流量計の『モルサポ』も上市いたしました。これは従来、計測が困難であった低流動モルタル(固練りモルタル)の流量計測が可能なシステムで、新設トンネルのみならず補修関連の市場も含め幅広い分野での適用が期待されます。
トンネル防水シートでは、2023年3月期に上市した『インテロック』の関連部材である水膨張ゴムの改良を行い、より品質の向上に貢献する材料となっております。また、製造方法の見直しによるコストダウンを図り、新規2物件の採用が決定しております。
化学接着性防水シートである『フィットライナー®』については、その特性を活かし、吹付け技術との組合せによって立坑と横坑との接続部や断面変化部の施工など、従来、防水シートのみでの施工では止水性の確保が困難な箇所においても適用可能な高品質化の技術に取り組んでおり、独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構による整備新幹線建設プロジェクトにおける防水工の技術公募に応募し「適用の可能性が高い」というA評価を頂きました。
既設トンネルの補強工事では、定着材が不要なロックボルト『セイバーEX』の高耐力タイプ及び小断面でも打設可能な連結タイプの開発が完了し上市しました。これにより対応可能な補強工事の範囲が拡大し、受注の増加が期待できます。
新規事業分野における、重金属処理に関する分野については、問い合わせ及び採用が着実に増えております。様々な現場状況に沿った製品のニーズも増えており、『パデムシート』や『微生物処理』以外の製品開発にも取り組んでおり、数年以内の上市を目指しております。
また、斜面の防災・補強をターゲットとした研究開発では、小型の施工機械により狭隘な箇所でも施工できる工法『ホーク・ネイリング』の開発を行いました。本工法は、『IBO-Zロックボルト』を使用した自穿孔ボルトによる本設仕様の施工システムとなっております。2024年12月にはNETIS登録が完了し、新聞各社を招いてプレスリリースも行いました。また、公的機関や関連する企業への広報活動やコンサルタント等へのスペックイン活動も積極的に進めております。
今後も、各種の新設・補修補強プロジェクトにおいて求められる技術開発、既製品の改良に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。
(土木資材事業研究開発費 54,137千円)
(3)建設事業
トンネル内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修・補強工法等に適用する材料、工法、機器の改良開発、トンネル工事の安全対策製品開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムや省人化対策として補修・補強工事の自動化技術の研究開発を継続しております。
従来から保有していたフレキシブルPV(太陽電池)の各種被着体への接着技術をブラッシュアップし、『Haru-PV』として製品化しました。現在、多くのお客様から問い合わせをいただいております。引き続き、さらなる施工性の向上に向けた改善に着手しております。
2024年11月に中央自動車道のトンネルにて試験施工を実施した『水平導水樋』は、施工性と導水性の両面で高い評価を得ました。当連結会計年度に上市し、2026年3月期は本製品のスペックイン及びPR活動に積極的に取り組んでまいります。また、基板の突起部に高性能反射材を貼付した『ガイナ視線誘導ライン反射材』の開発が完了し、当連結会計年度に上市いたしました。2026年3月期より本格採用に向けて積極的なPR活動を展開してまいります。
はく落対策工法において、『ガイナメッシュD』をトンネル壁面の凹凸形状にもフレキシブルに設置することで、はく落防止性能及び漏水防止性能を向上させた製品へと改良し、2026年3月期に上市する予定であります。また、漏水防止性能に特化した『漏水対策シート』を製品化し、はく落防止性能と漏水防止性能を使い分けることでお客様の要望に寄り添った価値を提供いたします。
JR東日本の新幹線大規模改修工事に向けて、各種製品の開発を進めております。その中でも、トンネル覆工コンクリートの目地部のはく落対策製品『ガイナメッシュBT』は試験施工を無事に終了いたしました。今後は、2031年の工事に向けて付加価値を高めるなど、さらにより良い製品を目指して開発を進めてまいります。
コンクリート構造物だけでなく鋼構造物にも適用可能な高目付繊維補強工法として上市した『SHシートボード工法』は、NETIS登録が完了し、技術資料も整備しました。工事費の削減が可能であること、補強後もコンクリートのひび割れ観察を継続して実施できる点に対して高い評価をいただき、工事及び販売を受注いたしました。
また、トンネル分野以外の道路付帯施設、橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理技術、解析技術に総合的に取り組む事業体制をさらに強化するための研究開発のほか、橋梁下部工や、斜面、盛土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続しております。
既設基礎の補強や構造物の支持力対策などに適用可能な小口径鋼管杭『STマイクロパイル工法』は、国立研究開発法人 土木研究所と当社を含む民間企業との共同研究によって開発された工法です。現在も安定した売上を維持しておりますが、さらなる普及と信頼性向上のため、最新の技術動向に対応した建設技術審査証明の取得に向けて、実験や評価検討を進めてまいります。また、工法としての信頼性を一層高めるため、ICTを活用した『支持層地盤探査システム』の研究開発を実施しており、建設DXへの展開も視野に入れた取り組みを進めてまいります。
新規事業の創出として、計測事業となる橋梁を中心としたインフラ構造物のモニタリングシステムの実用化を目指しております。当モニタリングシステムは短時間での計測、分析が可能で、多数の橋梁の劣化進行状態を効率的に把握するシステムです。産官学連携による開発として取り組んでおり、地方自治体において試験計測を実施し検証を行っております。現在は、取得データの分析ソフトの開発も含め、実用化に向けた準備を進めております。本システムは、他社にはない独自の分析手法により、的確に橋梁の卓越振動数を算出、分析評価することで、橋梁の劣化進行度、メンテナンス前後での効果確認、被災した橋梁の状態把握を可能としており、2025年4月に国土交通省道路局の「橋梁・トンネル 点検支援技術 性能カタログ」に掲載されました。今後、インフラ構造物の劣化はますます進行していくことが予測されており、少ない投資で簡便、かつ効率よく維持管理できるシステムを早期に構築することが望まれています。
新工法開発、工法改良、各種安全対策ソリューション等の成果が、トンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供につながることから、今後も施工品質向上と長寿命化をキーワードに研究開発に取り組むとともに、長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術とその活用に必要なAIの適用研究にオープンイノベーションを通じて取り組み、建設分野のDX推進に貢献してまいります。
(建設事業研究開発費 38,262千円)
現在の研究開発は、ファスナー事業、土木資材事業、建設事業の3事業分野における新製品開発のみならず、新規分野も含め、材料と施工は常に一体であるとの基本理念の下で、効率的な施工方法の研究、関連する施工機器開発、点検診断機器開発にまで及んでおります。
建設投資の軸足が新設からメンテナンスへと移行しつつある現実を踏まえ、当社グループは保有技術をベースにした、将来の核となるべき新技術・新工法の開発や知的財産の有効活用等も視野に入れ、全社を挙げた総合的な取り組みを行っております。特に、技術革新の必要性がより高まっている現状に対しては、従来から推進してまいりましたオープンイノベーションの活用が極めて重要との認識の下、優れた技術を保有する異業種企業、大学、研究機関、発注機関との技術交流・関係強化を図りつつ、製品、施工技術、点検及びモニタリング技術と建設分野のDX推進に役立つデジタル技術を組み合わせた技術開発を推進しております。
なお、当連結会計年度末におけるグループ全体の研究開発費は、132,301千円であります。
当連結会計年度末における主要な研究開発課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。
(1)ファスナー事業
あと施工アンカーは、当社の基盤となる重要技術であり、アンカー単体はもとより、付属する部材や関連機材についても保有技術を応用した研究開発を行っております。その中でもコンクリート構造物せん断補強『RMA』に注力し「適用範囲を拡大し、かつ施工性や有効率を高めた」建設技術審査証明の更新取得を目指し、研究開発を継続しております。これまでに積み重ねてきた建設技術審査証明範囲の拡大によって着実に適用市場が広がり、競争力の高さも相まって、引き続き業績に貢献しております。公益社団法人日本水道協会(JWWA)が定めた新規格に適合した上水道施設向けのせん断補強用『RMA-AFカプセル』を幅広く営業展開しております。本カプセルは水質への配慮が必要な上水道施設や水門・堰などの河川構造物、農水事業関連施設等の耐震化に今後も需要が見込め徐々に採用されています。
道路・鉄道トンネルの維持管理において、市場から求められている各種の安全対策(緩み止め機能、フェイルセーフ機能等)製品の開発・改良、施工性・確実性・長期耐久性に着目した研究開発とともに、アンカー点検診断機器開発や施工上のミスを未然に防ぐプリベンション機能付き製品の研究開発を継続しております。
アンカー点検診断機器開発においては、開発した機器による点検診断業務を鉄道事業者から継続して受注することができました。建設業界以外のお客様からも様々なお問い合わせをいただいており、ご要望にお応えするべく改良改善を進めてまいります。
高速道路の耐震強化策の一環として行われている落橋防止装置の設置に使用されている『SRインジェクションカプセル』は、2,000mlタイプが一般化し、既存のお客様からの満足度も高く継続してご使用頂いております。しかしながら、市場においてあと注入方式アンカーの採用事例が増加傾向にあることから、同方式も『SRインジェクションカプセル』の標準施工方式に加えるべく性能確認試験を進めており、2026年3月期の上市を目指しております。
コンクリート構造物の小片はく落対策製品『ガイナメッシュ』の固定用アンカーとして『ホーク・ウェッジアンカーZ』を開発し、従来のウェッジアンカーには付属できなかったゆるみ止めKナットを付属できるアンカーとして2026年3月期の上市を目指しております。また、「ホーク・ガイナフィックス」のあと注入タイプを新たに開発中であり、2026年3月期の上市を進めてまいります。ガイナメッシュは道路、鉄道など様々なコンクリート構造物に使用できるため、定着するアンカーについても様々な基準・規格に合致する製品の開発を進めてまいります。
今後もあと施工アンカーに対する市場の声をいち早く製品に反映することに傾注し、順次新製品を上市してまいります。
(ファスナー事業研究開発費 39,902千円)
(2)土木資材事業
山岳トンネル新設工事におけるロックボルト、各種補助工法、防水シートの改良開発をプロジェクトごとの対応を中心に継続しております。これらは、施工現場のニーズに即応し、売上に直結した研究開発活動となります。
ロックボルト、補助工法の施工は、山岳トンネル新設工事において掘削断面である切羽に近い場所での作業となり、危険性が高く、作業員の高齢化や人材不足などの理由により、作業の自動化や省力化が求められております。当連結会計年度は、『プッシュコネクト』の改良を行い、補助工法資材の売上に貢献いたしました。また、湧水対策が必要な物件が多かったため、『アクアタクト』も受注し売上に貢献いたしました。
ロックボルト打設の自動化では、2023年3月期に開発した鋼管膨張型摩擦式ロックボルトの機械打設化システムに加え、汎用型である充填式ロックボルト及び孔壁が自立しない地山に対応する自穿孔型注入式ロックボルトの自動化の開発を進めております。当連結会計年度には製品コンセプトを概ね確立し、現在は実用化に向けた改良などに取り組んでおります。
トンネル工事のICT化では、防水シートの加圧試験、負圧試験の省力化と測定及び記録の自動化、無線化を目的とした『SMERTチェッカー』の開発及び試験施工を終え、上市いたしました。既に数件の採用実績を上げております。
さらに、ロックボルト用モルタル流量計の『モルサポ』も上市いたしました。これは従来、計測が困難であった低流動モルタル(固練りモルタル)の流量計測が可能なシステムで、新設トンネルのみならず補修関連の市場も含め幅広い分野での適用が期待されます。
トンネル防水シートでは、2023年3月期に上市した『インテロック』の関連部材である水膨張ゴムの改良を行い、より品質の向上に貢献する材料となっております。また、製造方法の見直しによるコストダウンを図り、新規2物件の採用が決定しております。
化学接着性防水シートである『フィットライナー®』については、その特性を活かし、吹付け技術との組合せによって立坑と横坑との接続部や断面変化部の施工など、従来、防水シートのみでの施工では止水性の確保が困難な箇所においても適用可能な高品質化の技術に取り組んでおり、独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構による整備新幹線建設プロジェクトにおける防水工の技術公募に応募し「適用の可能性が高い」というA評価を頂きました。
既設トンネルの補強工事では、定着材が不要なロックボルト『セイバーEX』の高耐力タイプ及び小断面でも打設可能な連結タイプの開発が完了し上市しました。これにより対応可能な補強工事の範囲が拡大し、受注の増加が期待できます。
新規事業分野における、重金属処理に関する分野については、問い合わせ及び採用が着実に増えております。様々な現場状況に沿った製品のニーズも増えており、『パデムシート』や『微生物処理』以外の製品開発にも取り組んでおり、数年以内の上市を目指しております。
また、斜面の防災・補強をターゲットとした研究開発では、小型の施工機械により狭隘な箇所でも施工できる工法『ホーク・ネイリング』の開発を行いました。本工法は、『IBO-Zロックボルト』を使用した自穿孔ボルトによる本設仕様の施工システムとなっております。2024年12月にはNETIS登録が完了し、新聞各社を招いてプレスリリースも行いました。また、公的機関や関連する企業への広報活動やコンサルタント等へのスペックイン活動も積極的に進めております。
今後も、各種の新設・補修補強プロジェクトにおいて求められる技術開発、既製品の改良に加え、新規事業分野の有望技術の研究開発に取り組んでまいります。
(土木資材事業研究開発費 54,137千円)
(3)建設事業
トンネル内装工、耐火工、背面空洞充填工、コンクリート補修・補強工法等に適用する材料、工法、機器の改良開発、トンネル工事の安全対策製品開発のほか、点検診断の省力化につながるシステムや省人化対策として補修・補強工事の自動化技術の研究開発を継続しております。
従来から保有していたフレキシブルPV(太陽電池)の各種被着体への接着技術をブラッシュアップし、『Haru-PV』として製品化しました。現在、多くのお客様から問い合わせをいただいております。引き続き、さらなる施工性の向上に向けた改善に着手しております。
2024年11月に中央自動車道のトンネルにて試験施工を実施した『水平導水樋』は、施工性と導水性の両面で高い評価を得ました。当連結会計年度に上市し、2026年3月期は本製品のスペックイン及びPR活動に積極的に取り組んでまいります。また、基板の突起部に高性能反射材を貼付した『ガイナ視線誘導ライン反射材』の開発が完了し、当連結会計年度に上市いたしました。2026年3月期より本格採用に向けて積極的なPR活動を展開してまいります。
はく落対策工法において、『ガイナメッシュD』をトンネル壁面の凹凸形状にもフレキシブルに設置することで、はく落防止性能及び漏水防止性能を向上させた製品へと改良し、2026年3月期に上市する予定であります。また、漏水防止性能に特化した『漏水対策シート』を製品化し、はく落防止性能と漏水防止性能を使い分けることでお客様の要望に寄り添った価値を提供いたします。
JR東日本の新幹線大規模改修工事に向けて、各種製品の開発を進めております。その中でも、トンネル覆工コンクリートの目地部のはく落対策製品『ガイナメッシュBT』は試験施工を無事に終了いたしました。今後は、2031年の工事に向けて付加価値を高めるなど、さらにより良い製品を目指して開発を進めてまいります。
コンクリート構造物だけでなく鋼構造物にも適用可能な高目付繊維補強工法として上市した『SHシートボード工法』は、NETIS登録が完了し、技術資料も整備しました。工事費の削減が可能であること、補強後もコンクリートのひび割れ観察を継続して実施できる点に対して高い評価をいただき、工事及び販売を受注いたしました。
また、トンネル分野以外の道路付帯施設、橋梁等の補修補強工事、点検診断維持管理技術、解析技術に総合的に取り組む事業体制をさらに強化するための研究開発のほか、橋梁下部工や、斜面、盛土等の「基礎分野」の補修補強、維持管理技術等の新規分野においても、研究開発・保有技術の応用展開を継続しております。
既設基礎の補強や構造物の支持力対策などに適用可能な小口径鋼管杭『STマイクロパイル工法』は、国立研究開発法人 土木研究所と当社を含む民間企業との共同研究によって開発された工法です。現在も安定した売上を維持しておりますが、さらなる普及と信頼性向上のため、最新の技術動向に対応した建設技術審査証明の取得に向けて、実験や評価検討を進めてまいります。また、工法としての信頼性を一層高めるため、ICTを活用した『支持層地盤探査システム』の研究開発を実施しており、建設DXへの展開も視野に入れた取り組みを進めてまいります。
新規事業の創出として、計測事業となる橋梁を中心としたインフラ構造物のモニタリングシステムの実用化を目指しております。当モニタリングシステムは短時間での計測、分析が可能で、多数の橋梁の劣化進行状態を効率的に把握するシステムです。産官学連携による開発として取り組んでおり、地方自治体において試験計測を実施し検証を行っております。現在は、取得データの分析ソフトの開発も含め、実用化に向けた準備を進めております。本システムは、他社にはない独自の分析手法により、的確に橋梁の卓越振動数を算出、分析評価することで、橋梁の劣化進行度、メンテナンス前後での効果確認、被災した橋梁の状態把握を可能としており、2025年4月に国土交通省道路局の「橋梁・トンネル 点検支援技術 性能カタログ」に掲載されました。今後、インフラ構造物の劣化はますます進行していくことが予測されており、少ない投資で簡便、かつ効率よく維持管理できるシステムを早期に構築することが望まれています。
新工法開発、工法改良、各種安全対策ソリューション等の成果が、トンネル補修補強工事の元請け受注や他社への技術提供につながることから、今後も施工品質向上と長寿命化をキーワードに研究開発に取り組むとともに、長期的なインフラ維持管理に欠かせないIoT技術とその活用に必要なAIの適用研究にオープンイノベーションを通じて取り組み、建設分野のDX推進に貢献してまいります。
(建設事業研究開発費 38,262千円)
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02876] S100W1Z6)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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