有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W4A7 (EDINETへの外部リンク)
株式会社クレディセゾン 事業等のリスク (2025年3月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 外部環境に関するリスク
a.経済環境などの変化による影響
当社グループは、日本のみならず、インド、東南アジア、ラテンアメリカ地域において事業活動を展開しております。これらの地域における経済環境の変動、為替相場の変動、政治・法令諸規制、自然災害、サイバーセキュリティ、人的資源、環境規制等のリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業を展開している各国のリスク動向を継続的に監視し、適切なリスク管理体制を構築するとともに、柔軟な事業戦略を展開することで、リスクの低減及び持続的な成長の確保に努めております。
また、海外現地法人においては、経済状況や当局規制、法令等の変化について、現地の金融機関や弁護士事務所等と緊密に連携してモニタリングし、専門的知見を活用してリスクを回避・低減しております。
b.他社との競争による影響
ペイメント事業は、規制緩和及び技術の進展に伴い、異業種からの新規参入やコード決済・スマートフォン決済などの決済手段の多様化、競合他社によるポイント活用の顧客囲い込み戦略等により、厳しい競争環境に置かれております。
このような競争環境下において、当社グループでは、DX・AIを活用した業務の省人化、コスト削減を進めるとともに、富裕層・法人マーケット(SME=Small and Medium Enterprises:中小企業)における会員構造変革、収益基盤の強化、高稼動・高単価の顧客シェア拡大などにより、安定した収益確保とさらなる利益の拡大を目指してまいります。また、競争環境の変化に対応するため、顧客基盤の拡大や新たなサービスの開発を促進しつつ、コスト競争力の強化と業務効率化を図ってまいります。
ファイナンス事業は、不動産を中心としたファイナンス事業を展開しております。かかる不動産ファイナンス市場においては、多数のノンバンクを含む金融機関が参入しており、取引条件やサービス品質等において、厳しい競争環境に置かれております。
このような競争環境下において、当社グループは、顧客との契約手続における電子契約を導入し、さらなる利便性の向上と業務効率化を図っております。今後は、DXを一層加速させ、顧客及び提携先に対するサービスの高度化・差別化を進めてまいります。
グローバル事業においては、インド・東南アジア・ラテンアメリカ地域でレンディング(貸付)事業及びインベストメント(投資)事業を展開しております。各国における金融規制の変動、為替リスク、経済・政治の不安定性に加え、これらの市場では、現地の銀行、ノンバンク金融会社、フィンテック企業等、海外からのグローバルプレイヤーがアンダーサーブド層を対象とした金融事業を展開しており、当社グループの事業発展に影響を及ぼす可能性があります。
このような競争環境下において、当社グループでは業務プロセスのデジタル化とAIの活用を進め、国ごとの市場特性に応じた柔軟な事業運営を行い、事業の多角化を図り、収益性の向上、資産効率の向上を目指します。また、IHQ(国際統括本部)を主軸として、各国のガバナンス強化を目指し、推進してまいります。これにより、持続的な成長と安定した収益基盤の確立を推進してまいります。
c.各種規制及び法制度の変更による影響
当社グループは、事業活動を行う上で、会社法をはじめとする会社経営に係る一般的な法令諸規則や、割賦販売法・貸金業法・銀行法・金融商品取引法・保険業法等の金融関連法令を含む国内外の法令諸規制、監督官庁の指針、業界団体による自主規制等の適用を受けております。特に、新興国市場においては、規制の不透明性が高く、法令遵守が事業継続に不可欠となります。各国・各地域の法令諸規制の適用を受ける中で、これらの法令が将来においての改正、解釈の変更、厳格化、あるいは新たな規制の導入によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、業界団体や各種専門機関など、幅広い情報源から法令諸規制の制定や改正動向を把握することに努めております。弁護士事務所等と連携し、規制の変更等が発生した場合は、当該変更に則った社内体制、ルール、運用の検討、整備等を行ってまいります。
d.大規模災害発生による影響
当社グループは、国内外の各地域において事業を行っておりますが、これらの地域で地震等の大規模な自然災害が発生し、保有する資産への物理的な損害、社員への人的被害があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、不測の事態に備えたBCPを策定しており、定期的に実効性の確認、教育、訓練を実施しております。特に、ペイメント事業については、社会的インフラとして継続したサービス展開が必要であることを踏まえ、オーソリゼーションシステムを関東と関西に分散することでクレジットカードが利用できる環境を整備するなどの対応を実施しております。
また、重要業務を担うプロセシングセンター(東京ユビキタス及び関西ユビキタス)は免震機能を備え、長期停電に備えた非常用電源の設置など災害対策を講じており、今後も継続的に危機管理及びリスク管理に関する各会議体を通じたリスクの棚卸とコントロールを進めてまいります。
e.気候変動による影響
当社グループは、気候変動が地球環境や経済、社会に広範な影響を及ぼす重大な課題であり、持続可能な社会の実現に向けた最優先のテーマの一つとして認識しております。気候変動への適切な対応がなされない場合、規制強化や炭素税導入などによる事業環境の変化(移行リスク)、ならびに異常気象や自然災害等による資産毀損や業務中断(物理的リスク)を通じて、与信コストやオペレーションコストの増加、資産価値の減少、さらには社会的信頼の低下につながり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクを適切に把握・管理し、中長期的なレジリエンスを確保するため、当社グループでは、経営層が関与するサステナビリティ推進委員会の下に気候変動戦略推進ワーキンググループを設置し、グループ横断的な取り組みを進めております。また、TCFD提言に基づき、気候変動への対応に関する開示内容の拡充にも努めております。
(2) 財務面に関するリスク
a.流動性リスク(資金調達に関するリスク)
当社グループの主な資金調達方法は、銀行など金融機関からの借入金のほか、社債やコマーシャル・ペーパー(CP)の発行など資本市場からの調達になります。調達方法の中には、短期借入金やCPなど調達期間が一年以内のものが相当額あり、また一年以内に返済・償還予定の長期負債もあることから、当社グループ特有の要因(業績悪化や信用格付の格下げなど)や外部要因(経済・金融危機や自然災害など)によって流動性リスクが高まると、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、資金調達のうち長期化・固定化を一定割合維持するとともに、コミットメントラインなど流動性補完枠の設定や、社債・債権流動化などによる直接調達の多様化を推進し、流動性リスクの軽減に努めております。
b.市場リスク
当社グループは上場会社・非上場会社の株式、ベンチャー企業投資ファンド、債券、不動産及び不動産ファンドなどへの投資を行っております。これらの投資資産の価格が市場において下落した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、不動産市場の悪化により、保有不動産の評価額が下落した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。資金調達においては、銀行などの金融機関からの借入れによる間接金融のほか、社債など直接金融を利用しておりますが、その中には変動金利による調達もあり、市場において金利が急激に上昇する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではRCM(リスクキャピタル・マネジメント)やALM(資産及び負債の総合的管理)を導入しており、これらの手法を活用することで、投資の方針や限度額を設けることや調達金利の長期化・固定化を一定割合に維持することで急激な金利上昇に備えることに加え、有価証券やデリバティブ取得時の事前審査、継続的なモニタリングを行っております。さらに、取締役会及びALM委員会において、短期的な視点に加え中長期的な視点から多角的な分析を行い、当社グループが保有する市場リスクを適切にコントロールしております。
c.信用リスク(金融商品の減損(貸倒引当金))
当社グループは、各事業においてさまざまな融資やその他の債権を保有し、また信用保証業務に伴う保証債務を負っております。これには、クレジットカードのショッピング利用債権、リース債権、ファイナンス関連債権などが含まれます。国内外の経済環境等の変化により、多くの顧客において契約条件に従った債権の返済がなされず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、信用リスクに関する管理諸規程に従い、債権内容の継続的健全化を図るとともに、与信限度額、信用情報管理、内部格付けなど与信管理に関する体制を整備し、運営していることに加え、月次で債権管理会議を実施するなど債権状況モニタリング等の与信管理体制を強化しております。これにより、貸出先の状況、担保価値の見積もりに基づいて金額を適切に見積もり、貸倒引当金を適切に計上しております。
なお、当社では信用リスクの低減策の一環として、クレジットカードの入会審査において機械学習モデルを活用した発行審査を導入しております。これにより、過去の取引情報や多様なリスク要因を分析し、より精緻な与信判断を行うことで、リスクの高い申込者の早期識別が可能となり、入会後の不良債権の発生を抑制しております。このような技術活用により、信用リスク管理の高度化と業務効率化を推進し、健全な債権ポートフォリオの維持に努めております。
また、グローバル事業においては、国内同様に海外現地法人各社で信用リスクに関する管理諸規程に従い債権内容の継続的健全化を図るとともに、インドやシンガポールを中心とした各国間での横断的な与信管理に関する体制の整備を進めております。さらに、その結果については、グローバル事業部が分析・確認し、月次でグローバル債権管理会議を実施するなど、各国の債権状況のモニタリングを行っております。
d.利息返還損失引当金
当社グループでは、国内において過去に弁済を受けた利息のうち、利息制限法に定められた上限金利を超過する部分について、顧客から不当利得として返還を請求される可能性があります。このリスクに備え、当社グループは利息返還損失引当金を計上しております。引当金の算定にあたっては、過去の返還実績に加え、将来の経済環境や請求動向、処理単価等の見通しも考慮しております。
ただし、今後、経済状況の大幅な変動や過払い請求件数・処理単価の想定を上回る増加、あるいは、法的規制の動向等により返還請求が想定以上に拡大した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e.のれんの減損
当社グループは、連結財務諸表についてIFRS会計基準を適用しております。日本基準ではのれんの償却が規則的に行われるため、時の経過に伴いのれんの残高は減少し減損リスクも小さくなりますが、IFRS会計基準では定期的にのれんの償却が行われないため、将来にわたって減損リスクが残り続けることになり、M&Aなどにより新たなのれんが発生すると、その都度のれんの残高は増加し続け、減損処理を行った際に当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、RCMにより投資限度額を設定することで、過度なリスクを取らない仕組みを設けるとともに、投資段階で主管部門及び専任部門による買収価格の妥当性審議を行い、投資後に収支計画の達成に向けたフォローアップ及び経営環境の定期モニタリングを実施しております。
(3) 業務面に関するリスク
当社グループでは、多数の企業や団体との業務提携を通じ、会員獲得やサービス商品販売チャネルの拡大・多角化を行っております。また、提携先の一部と出資関係を結んでおり、当社グループ及び提携先の顧客基盤等を双方で活かした事業展開を行っております。各提携先との事業は、当社グループの重要な事業戦略である一方、提携先の業績悪化や提携先との業務提携の条件変更や提携解消が行われた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、既存の提携先とのリレーションの強化を行うとともに、多様な業種・業界のパートナーと新規アライアンスを進めることで、特定の提携先に依存することのないビジネスモデルを構築してまいります。
a.システムリスク
当社グループの主要な事業は、コンピュータシステムや通信ネットワークを使用し、大量かつ多岐にわたるオペレーションを実施しており、システム不具合や通信回線障害、または外部委託先の障害、クラウドサービスの不具合等により機能不全が生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。さらに、障害の発生に伴って業務の停止や遅延、顧客対応の混乱が生じた場合、社会的信用の毀損や風評リスクにつながる可能性もあります。
このようなリスクに備え、当社グループは日頃よりシステムの安定稼働の維持に努めるとともに、重要システムのバックアップ確保や、業務継続計画(BCP)に基づいたコンティンジェンシープランを策定し、平常時から対応手順の整備及び定期的な訓練・シミュレーションを実施しております。システムの外部委託先の活用に際しては、社内規定に則りシステム委託先に対しての定期的な評価を実施し、管理の徹底を図っております。さらに、重大なシステム障害が発生した場合には、社内規定に従い危機管理委員会に速やかに報告し、全社を挙げた対応を行います。また、他社におけるインシデント発生事案を参考にした改善の取り組み、継続的なリスク低減を図っております。
b.情報セキュリティリスク
当社グループの主要な事業は、コンピュータシステムを使いカード会員情報等の個人情報を大量に保有しており、近年深刻化するサイバーセキュリティ上の脅威から、システム不具合や通信回線障害等による機能不全が生じた場合だけでなく、個人情報や機密情報などが漏えいする等のリスクがあります。仮に、このようにリスクが顕在化した場合、信用低下や損害賠償等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、情報セキュリティリスクへの対応として、経営陣主導のもと、全従業員が主体的に関与し、国際的、または、監督官庁が定めるガイドラインに準拠した対策を講じております。
その中で、情報セキュリティ管理体制を整備し、維持・運営する事と、有事の情報セキュリティインシデント時の対応を迅速かつ適切に行える体制を構築しております。
c.コンプライアンスリスク
法令等による影響
当社グループは、事業活動を行う上で、会社法をはじめとする会社経営に係る一般的な法令諸規制や、割賦販売法・貸金業法・銀行法・金融商品取引法・保険業法等の金融関連法令を含む国内外の法令諸規制の適用、さらには監督官庁の監督を受けております。また、当社においては、経済安全保障推進法が成立し、重要設備の導入・維持管理等の委託をする際には、国の事前審査に対応する必要があります。今後、仮に法令違反等が発生した場合には、行政処分やレピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、経営陣主導のもと、法令諸規制の遵守を徹底するために、コンプライアンス態勢の強化、社員教育の継続的な実施、業務遂行状況のモニタリング等の予防策を講じております。また、内部通報制度を整備し、法令遵守違反、経営者及び社員による不正行為、不祥事、潜在的な利益相反等を早期に発見し、迅速に対応する体制を整えてまいります。
なお、当社ではコンプライアンス委員会において、コンプライアンス遵守に係る社員教育等の承認及び実施状況の報告を行っております。
個人情報の漏えい等による影響
当社グループは、カード会員情報をはじめ、顧客情報や法人情報を含む多様なデータを大量に保有しております。そのため、個人情報の漏えいや不正利用などが生じた場合、損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損などにより、当社グループに対する信頼性を著しく低下させ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、個人情報保護法に基づき、個人情報の保護措置を講じるための体制を整備し、情報の適切な取り扱いを行っております。
マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対応による影響
国際的に核・ミサイルやテロの脅威が増す中、犯罪者・テロリスト等につながる資金を断つことは、日本及び国際社会にとって重要な課題です。マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(以下「マネロン対策」という。)が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等、業務停止や制裁金等の行政処分、レピュテーションの毀損等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、マネロン対策が経営の重要な課題と位置付けた上で、国内外の事業活動において法令諸規制を遵守する態勢を整備し、マネロン対策の更なる強化を継続的に実施しております。
訴訟に関するリスク
当社グループが国内外において提供する各種サービスの利用者に対し、システム障害やその他当社グループの責めに帰すべき事由によって損害を与えた場合や、第三者の知的財産権を侵害した場合等においては、当社グループにおいて訴訟を提起される可能性、又はその他の請求を受ける可能性があります。
当社グループでは、外部専門家及び監督官庁等との事前相談を通じ、適切なサービスの提供に努めておりますが、訴訟等の結果によっては、賠償金の支払いや、当該サービスの提供ができなくなる可能性など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
d.事務リスク
当社グループは、多種多様なサービスを提供しており、顧客の細かな要望に応えるための事務処理を行っております。ペイメント事業をはじめとする多くの業務において、DX・AIを活用した業務の省人化、業務効率、精度の向上を図っております。一方で、一部のプロセスでは社員による確認作業や手作業が依然として必要であり、これが事務ミスの一因となる場合があります。今後、仮に重大な事務リスクが顕在化した場合、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や業績及び財政状態に影響を及ぼすことがないよう、引き続き体制構築と対策を強化してまいります。
なお、当社ではコンプライアンス委員会において、発生した事務ミスの共有及び改善策の報告を行ってまいります。
当社グループでは、事務取扱マニュアルの制定・更新、事務処理状況の定期的な点検、継続した社員教育の実施及び業務実施状況のモニタリングなど、予防策を講じております。また、財務報告に関わる業務については、「財務報告に係る内部統制管理規程」等を定め、財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価のための態勢を整備するとともに、内部統制の有効性評価の重要性について、評価対象部門担当者への意識付けを行い、その実効性を高めております。さらに、業務プロセスのデジタル化領域のさらなる拡大に向けて、システム部門や関係部門が中心となり、業務プロセスの見直しや改善を推進し、データ処理自動化やワークフローの構築を進めることで、業務の効率化と精度向上に取り組んでおります。
e.人的リスク
当社グループは、顧客に付加価値の高いサービスを提供するとともに、先進的な商品・サービスを開発するために、多様な人材の採用・育成に努めております。当社グループに必要な人材の獲得が困難である場合や、人材の社外流出が生じた場合、業務運営や当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、施策や人材がグループ内の一部の会社に偏ることも、グループ全体の潜在的な力を引き出せない可能性があります。
当社グループでは、多様な人材を確保するため、社員のニーズに応じた働き方を選択できるようテレワークや短日・短時間勤務、副業認可などの制度を用意しております。また当社においては、雇用形態を統一し、すべての社員に公平な機会を提供する一方、スペシャリスト・エキスパート制度など社員それぞれの能力や特徴を活かせる人事制度を採用することで、優秀な人材の確保を行っております。加えて、ライフワークフルネスの実現に向け「自己啓発・自己研鑽」「不妊治療」のために活用できる休暇・休職制度も導入しております。人材育成・キャリア形成の面ではアセスメントプログラム、新規事業提案制度、手挙げ選択式の研修、年代別キャリア形成セミナー、公募による希望に基づいた人員配置など、さまざまな教育・支援制度を整備しております。これにより長期的かつ多角的な育成・キャリア形成に取り組める環境を整え、「挑戦する文化」の醸成を目指しております。また、グループ内での人事交流を推進するなど、シナジーの創出・パフォーマンスの最大化を目指しております。さらには、人事部門に「HRBP(Human Resource Business Partner)」を設置し、事業部門やグループ会社のパートナーとして「人と組織」に関わる課題解決を推進しつつ、事業成長を人事面から伴走型で支援しております。
f.風評リスク
当社グループに関するネガティブな評判や風評が拡散した場合、その内容の真偽にかかわらず、顧客の信頼低下や取引先との関係悪化を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、平時よりステークホルダーとの良好な関係構築に努めるとともに、SNSリスクリテラシーに関する社内研修を実施するなど、風評リスクに対する予防的取り組みを行っております。また、情報の早期把握を目的としたモニタリング体制を整備し、ネガティブ情報の発信源や影響度に応じて、迅速かつ適切な対応を行うことで、風評リスクが事業に与える影響の最小化に努めております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 外部環境に関するリスク
a.経済環境などの変化による影響
当社グループは、日本のみならず、インド、東南アジア、ラテンアメリカ地域において事業活動を展開しております。これらの地域における経済環境の変動、為替相場の変動、政治・法令諸規制、自然災害、サイバーセキュリティ、人的資源、環境規制等のリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業を展開している各国のリスク動向を継続的に監視し、適切なリスク管理体制を構築するとともに、柔軟な事業戦略を展開することで、リスクの低減及び持続的な成長の確保に努めております。
また、海外現地法人においては、経済状況や当局規制、法令等の変化について、現地の金融機関や弁護士事務所等と緊密に連携してモニタリングし、専門的知見を活用してリスクを回避・低減しております。
b.他社との競争による影響
ペイメント事業は、規制緩和及び技術の進展に伴い、異業種からの新規参入やコード決済・スマートフォン決済などの決済手段の多様化、競合他社によるポイント活用の顧客囲い込み戦略等により、厳しい競争環境に置かれております。
このような競争環境下において、当社グループでは、DX・AIを活用した業務の省人化、コスト削減を進めるとともに、富裕層・法人マーケット(SME=Small and Medium Enterprises:中小企業)における会員構造変革、収益基盤の強化、高稼動・高単価の顧客シェア拡大などにより、安定した収益確保とさらなる利益の拡大を目指してまいります。また、競争環境の変化に対応するため、顧客基盤の拡大や新たなサービスの開発を促進しつつ、コスト競争力の強化と業務効率化を図ってまいります。
ファイナンス事業は、不動産を中心としたファイナンス事業を展開しております。かかる不動産ファイナンス市場においては、多数のノンバンクを含む金融機関が参入しており、取引条件やサービス品質等において、厳しい競争環境に置かれております。
このような競争環境下において、当社グループは、顧客との契約手続における電子契約を導入し、さらなる利便性の向上と業務効率化を図っております。今後は、DXを一層加速させ、顧客及び提携先に対するサービスの高度化・差別化を進めてまいります。
グローバル事業においては、インド・東南アジア・ラテンアメリカ地域でレンディング(貸付)事業及びインベストメント(投資)事業を展開しております。各国における金融規制の変動、為替リスク、経済・政治の不安定性に加え、これらの市場では、現地の銀行、ノンバンク金融会社、フィンテック企業等、海外からのグローバルプレイヤーがアンダーサーブド層を対象とした金融事業を展開しており、当社グループの事業発展に影響を及ぼす可能性があります。
このような競争環境下において、当社グループでは業務プロセスのデジタル化とAIの活用を進め、国ごとの市場特性に応じた柔軟な事業運営を行い、事業の多角化を図り、収益性の向上、資産効率の向上を目指します。また、IHQ(国際統括本部)を主軸として、各国のガバナンス強化を目指し、推進してまいります。これにより、持続的な成長と安定した収益基盤の確立を推進してまいります。
c.各種規制及び法制度の変更による影響
当社グループは、事業活動を行う上で、会社法をはじめとする会社経営に係る一般的な法令諸規則や、割賦販売法・貸金業法・銀行法・金融商品取引法・保険業法等の金融関連法令を含む国内外の法令諸規制、監督官庁の指針、業界団体による自主規制等の適用を受けております。特に、新興国市場においては、規制の不透明性が高く、法令遵守が事業継続に不可欠となります。各国・各地域の法令諸規制の適用を受ける中で、これらの法令が将来においての改正、解釈の変更、厳格化、あるいは新たな規制の導入によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、業界団体や各種専門機関など、幅広い情報源から法令諸規制の制定や改正動向を把握することに努めております。弁護士事務所等と連携し、規制の変更等が発生した場合は、当該変更に則った社内体制、ルール、運用の検討、整備等を行ってまいります。
d.大規模災害発生による影響
当社グループは、国内外の各地域において事業を行っておりますが、これらの地域で地震等の大規模な自然災害が発生し、保有する資産への物理的な損害、社員への人的被害があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、不測の事態に備えたBCPを策定しており、定期的に実効性の確認、教育、訓練を実施しております。特に、ペイメント事業については、社会的インフラとして継続したサービス展開が必要であることを踏まえ、オーソリゼーションシステムを関東と関西に分散することでクレジットカードが利用できる環境を整備するなどの対応を実施しております。
また、重要業務を担うプロセシングセンター(東京ユビキタス及び関西ユビキタス)は免震機能を備え、長期停電に備えた非常用電源の設置など災害対策を講じており、今後も継続的に危機管理及びリスク管理に関する各会議体を通じたリスクの棚卸とコントロールを進めてまいります。
e.気候変動による影響
当社グループは、気候変動が地球環境や経済、社会に広範な影響を及ぼす重大な課題であり、持続可能な社会の実現に向けた最優先のテーマの一つとして認識しております。気候変動への適切な対応がなされない場合、規制強化や炭素税導入などによる事業環境の変化(移行リスク)、ならびに異常気象や自然災害等による資産毀損や業務中断(物理的リスク)を通じて、与信コストやオペレーションコストの増加、資産価値の減少、さらには社会的信頼の低下につながり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクを適切に把握・管理し、中長期的なレジリエンスを確保するため、当社グループでは、経営層が関与するサステナビリティ推進委員会の下に気候変動戦略推進ワーキンググループを設置し、グループ横断的な取り組みを進めております。また、TCFD提言に基づき、気候変動への対応に関する開示内容の拡充にも努めております。
(2) 財務面に関するリスク
a.流動性リスク(資金調達に関するリスク)
当社グループの主な資金調達方法は、銀行など金融機関からの借入金のほか、社債やコマーシャル・ペーパー(CP)の発行など資本市場からの調達になります。調達方法の中には、短期借入金やCPなど調達期間が一年以内のものが相当額あり、また一年以内に返済・償還予定の長期負債もあることから、当社グループ特有の要因(業績悪化や信用格付の格下げなど)や外部要因(経済・金融危機や自然災害など)によって流動性リスクが高まると、当社グループの業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、資金調達のうち長期化・固定化を一定割合維持するとともに、コミットメントラインなど流動性補完枠の設定や、社債・債権流動化などによる直接調達の多様化を推進し、流動性リスクの軽減に努めております。
b.市場リスク
当社グループは上場会社・非上場会社の株式、ベンチャー企業投資ファンド、債券、不動産及び不動産ファンドなどへの投資を行っております。これらの投資資産の価格が市場において下落した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。特に、不動産市場の悪化により、保有不動産の評価額が下落した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。資金調達においては、銀行などの金融機関からの借入れによる間接金融のほか、社債など直接金融を利用しておりますが、その中には変動金利による調達もあり、市場において金利が急激に上昇する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではRCM(リスクキャピタル・マネジメント)やALM(資産及び負債の総合的管理)を導入しており、これらの手法を活用することで、投資の方針や限度額を設けることや調達金利の長期化・固定化を一定割合に維持することで急激な金利上昇に備えることに加え、有価証券やデリバティブ取得時の事前審査、継続的なモニタリングを行っております。さらに、取締役会及びALM委員会において、短期的な視点に加え中長期的な視点から多角的な分析を行い、当社グループが保有する市場リスクを適切にコントロールしております。
c.信用リスク(金融商品の減損(貸倒引当金))
当社グループは、各事業においてさまざまな融資やその他の債権を保有し、また信用保証業務に伴う保証債務を負っております。これには、クレジットカードのショッピング利用債権、リース債権、ファイナンス関連債権などが含まれます。国内外の経済環境等の変化により、多くの顧客において契約条件に従った債権の返済がなされず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、信用リスクに関する管理諸規程に従い、債権内容の継続的健全化を図るとともに、与信限度額、信用情報管理、内部格付けなど与信管理に関する体制を整備し、運営していることに加え、月次で債権管理会議を実施するなど債権状況モニタリング等の与信管理体制を強化しております。これにより、貸出先の状況、担保価値の見積もりに基づいて金額を適切に見積もり、貸倒引当金を適切に計上しております。
なお、当社では信用リスクの低減策の一環として、クレジットカードの入会審査において機械学習モデルを活用した発行審査を導入しております。これにより、過去の取引情報や多様なリスク要因を分析し、より精緻な与信判断を行うことで、リスクの高い申込者の早期識別が可能となり、入会後の不良債権の発生を抑制しております。このような技術活用により、信用リスク管理の高度化と業務効率化を推進し、健全な債権ポートフォリオの維持に努めております。
また、グローバル事業においては、国内同様に海外現地法人各社で信用リスクに関する管理諸規程に従い債権内容の継続的健全化を図るとともに、インドやシンガポールを中心とした各国間での横断的な与信管理に関する体制の整備を進めております。さらに、その結果については、グローバル事業部が分析・確認し、月次でグローバル債権管理会議を実施するなど、各国の債権状況のモニタリングを行っております。
d.利息返還損失引当金
当社グループでは、国内において過去に弁済を受けた利息のうち、利息制限法に定められた上限金利を超過する部分について、顧客から不当利得として返還を請求される可能性があります。このリスクに備え、当社グループは利息返還損失引当金を計上しております。引当金の算定にあたっては、過去の返還実績に加え、将来の経済環境や請求動向、処理単価等の見通しも考慮しております。
ただし、今後、経済状況の大幅な変動や過払い請求件数・処理単価の想定を上回る増加、あるいは、法的規制の動向等により返還請求が想定以上に拡大した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
e.のれんの減損
当社グループは、連結財務諸表についてIFRS会計基準を適用しております。日本基準ではのれんの償却が規則的に行われるため、時の経過に伴いのれんの残高は減少し減損リスクも小さくなりますが、IFRS会計基準では定期的にのれんの償却が行われないため、将来にわたって減損リスクが残り続けることになり、M&Aなどにより新たなのれんが発生すると、その都度のれんの残高は増加し続け、減損処理を行った際に当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、RCMにより投資限度額を設定することで、過度なリスクを取らない仕組みを設けるとともに、投資段階で主管部門及び専任部門による買収価格の妥当性審議を行い、投資後に収支計画の達成に向けたフォローアップ及び経営環境の定期モニタリングを実施しております。
(3) 業務面に関するリスク
当社グループでは、多数の企業や団体との業務提携を通じ、会員獲得やサービス商品販売チャネルの拡大・多角化を行っております。また、提携先の一部と出資関係を結んでおり、当社グループ及び提携先の顧客基盤等を双方で活かした事業展開を行っております。各提携先との事業は、当社グループの重要な事業戦略である一方、提携先の業績悪化や提携先との業務提携の条件変更や提携解消が行われた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、既存の提携先とのリレーションの強化を行うとともに、多様な業種・業界のパートナーと新規アライアンスを進めることで、特定の提携先に依存することのないビジネスモデルを構築してまいります。
a.システムリスク
当社グループの主要な事業は、コンピュータシステムや通信ネットワークを使用し、大量かつ多岐にわたるオペレーションを実施しており、システム不具合や通信回線障害、または外部委託先の障害、クラウドサービスの不具合等により機能不全が生じた場合、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。さらに、障害の発生に伴って業務の停止や遅延、顧客対応の混乱が生じた場合、社会的信用の毀損や風評リスクにつながる可能性もあります。
このようなリスクに備え、当社グループは日頃よりシステムの安定稼働の維持に努めるとともに、重要システムのバックアップ確保や、業務継続計画(BCP)に基づいたコンティンジェンシープランを策定し、平常時から対応手順の整備及び定期的な訓練・シミュレーションを実施しております。システムの外部委託先の活用に際しては、社内規定に則りシステム委託先に対しての定期的な評価を実施し、管理の徹底を図っております。さらに、重大なシステム障害が発生した場合には、社内規定に従い危機管理委員会に速やかに報告し、全社を挙げた対応を行います。また、他社におけるインシデント発生事案を参考にした改善の取り組み、継続的なリスク低減を図っております。
b.情報セキュリティリスク
当社グループの主要な事業は、コンピュータシステムを使いカード会員情報等の個人情報を大量に保有しており、近年深刻化するサイバーセキュリティ上の脅威から、システム不具合や通信回線障害等による機能不全が生じた場合だけでなく、個人情報や機密情報などが漏えいする等のリスクがあります。仮に、このようにリスクが顕在化した場合、信用低下や損害賠償等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、情報セキュリティリスクへの対応として、経営陣主導のもと、全従業員が主体的に関与し、国際的、または、監督官庁が定めるガイドラインに準拠した対策を講じております。
その中で、情報セキュリティ管理体制を整備し、維持・運営する事と、有事の情報セキュリティインシデント時の対応を迅速かつ適切に行える体制を構築しております。
c.コンプライアンスリスク
法令等による影響
当社グループは、事業活動を行う上で、会社法をはじめとする会社経営に係る一般的な法令諸規制や、割賦販売法・貸金業法・銀行法・金融商品取引法・保険業法等の金融関連法令を含む国内外の法令諸規制の適用、さらには監督官庁の監督を受けております。また、当社においては、経済安全保障推進法が成立し、重要設備の導入・維持管理等の委託をする際には、国の事前審査に対応する必要があります。今後、仮に法令違反等が発生した場合には、行政処分やレピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、経営陣主導のもと、法令諸規制の遵守を徹底するために、コンプライアンス態勢の強化、社員教育の継続的な実施、業務遂行状況のモニタリング等の予防策を講じております。また、内部通報制度を整備し、法令遵守違反、経営者及び社員による不正行為、不祥事、潜在的な利益相反等を早期に発見し、迅速に対応する体制を整えてまいります。
なお、当社ではコンプライアンス委員会において、コンプライアンス遵守に係る社員教育等の承認及び実施状況の報告を行っております。
個人情報の漏えい等による影響
当社グループは、カード会員情報をはじめ、顧客情報や法人情報を含む多様なデータを大量に保有しております。そのため、個人情報の漏えいや不正利用などが生じた場合、損害賠償、行政処分、レピュテーションの毀損などにより、当社グループに対する信頼性を著しく低下させ、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、個人情報保護法に基づき、個人情報の保護措置を講じるための体制を整備し、情報の適切な取り扱いを行っております。
マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対応による影響
国際的に核・ミサイルやテロの脅威が増す中、犯罪者・テロリスト等につながる資金を断つことは、日本及び国際社会にとって重要な課題です。マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策(以下「マネロン対策」という。)が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等、業務停止や制裁金等の行政処分、レピュテーションの毀損等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、マネロン対策が経営の重要な課題と位置付けた上で、国内外の事業活動において法令諸規制を遵守する態勢を整備し、マネロン対策の更なる強化を継続的に実施しております。
訴訟に関するリスク
当社グループが国内外において提供する各種サービスの利用者に対し、システム障害やその他当社グループの責めに帰すべき事由によって損害を与えた場合や、第三者の知的財産権を侵害した場合等においては、当社グループにおいて訴訟を提起される可能性、又はその他の請求を受ける可能性があります。
当社グループでは、外部専門家及び監督官庁等との事前相談を通じ、適切なサービスの提供に努めておりますが、訴訟等の結果によっては、賠償金の支払いや、当該サービスの提供ができなくなる可能性など、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
d.事務リスク
当社グループは、多種多様なサービスを提供しており、顧客の細かな要望に応えるための事務処理を行っております。ペイメント事業をはじめとする多くの業務において、DX・AIを活用した業務の省人化、業務効率、精度の向上を図っております。一方で、一部のプロセスでは社員による確認作業や手作業が依然として必要であり、これが事務ミスの一因となる場合があります。今後、仮に重大な事務リスクが顕在化した場合、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や業績及び財政状態に影響を及ぼすことがないよう、引き続き体制構築と対策を強化してまいります。
なお、当社ではコンプライアンス委員会において、発生した事務ミスの共有及び改善策の報告を行ってまいります。
当社グループでは、事務取扱マニュアルの制定・更新、事務処理状況の定期的な点検、継続した社員教育の実施及び業務実施状況のモニタリングなど、予防策を講じております。また、財務報告に関わる業務については、「財務報告に係る内部統制管理規程」等を定め、財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価のための態勢を整備するとともに、内部統制の有効性評価の重要性について、評価対象部門担当者への意識付けを行い、その実効性を高めております。さらに、業務プロセスのデジタル化領域のさらなる拡大に向けて、システム部門や関係部門が中心となり、業務プロセスの見直しや改善を推進し、データ処理自動化やワークフローの構築を進めることで、業務の効率化と精度向上に取り組んでおります。
e.人的リスク
当社グループは、顧客に付加価値の高いサービスを提供するとともに、先進的な商品・サービスを開発するために、多様な人材の採用・育成に努めております。当社グループに必要な人材の獲得が困難である場合や、人材の社外流出が生じた場合、業務運営や当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、施策や人材がグループ内の一部の会社に偏ることも、グループ全体の潜在的な力を引き出せない可能性があります。
当社グループでは、多様な人材を確保するため、社員のニーズに応じた働き方を選択できるようテレワークや短日・短時間勤務、副業認可などの制度を用意しております。また当社においては、雇用形態を統一し、すべての社員に公平な機会を提供する一方、スペシャリスト・エキスパート制度など社員それぞれの能力や特徴を活かせる人事制度を採用することで、優秀な人材の確保を行っております。加えて、ライフワークフルネスの実現に向け「自己啓発・自己研鑽」「不妊治療」のために活用できる休暇・休職制度も導入しております。人材育成・キャリア形成の面ではアセスメントプログラム、新規事業提案制度、手挙げ選択式の研修、年代別キャリア形成セミナー、公募による希望に基づいた人員配置など、さまざまな教育・支援制度を整備しております。これにより長期的かつ多角的な育成・キャリア形成に取り組める環境を整え、「挑戦する文化」の醸成を目指しております。また、グループ内での人事交流を推進するなど、シナジーの創出・パフォーマンスの最大化を目指しております。さらには、人事部門に「HRBP(Human Resource Business Partner)」を設置し、事業部門やグループ会社のパートナーとして「人と組織」に関わる課題解決を推進しつつ、事業成長を人事面から伴走型で支援しております。
f.風評リスク
当社グループに関するネガティブな評判や風評が拡散した場合、その内容の真偽にかかわらず、顧客の信頼低下や取引先との関係悪化を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、平時よりステークホルダーとの良好な関係構築に努めるとともに、SNSリスクリテラシーに関する社内研修を実施するなど、風評リスクに対する予防的取り組みを行っております。また、情報の早期把握を目的としたモニタリング体制を整備し、ネガティブ情報の発信源や影響度に応じて、迅速かつ適切な対応を行うことで、風評リスクが事業に与える影響の最小化に努めております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03041] S100W4A7)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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