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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100JELE (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 アスクル株式会社 事業等のリスク (2020年5月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動


当有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当社グループでは、事業等のリスクを、将来の経営成績に与える影響の程度や発生の蓋然性等に応じて、「特に重要なリスク」「重要なリスク」に分類しております。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当有価証券報告書提出日(2020年8月7日)現在において判断したものであります。

「特に重要なリスク」

当社グループの事業活動を持続的に進化させるためにも、サプライチェーンの維持は極めて重要であり、そのサプライチェーンが寸断されるような物理的な次のリスクは、顕在化した場合には広域化、或いは長期化する可能性が高く、当社グループとしては、特に重大なリスクとして認識しております。

(1)気候変動および災害等におけるリスクについて

当社グループでは、東日本大震災での被災経験を踏まえ、また、直近では地球温暖化に伴う異常気象の頻発も勘案し、地震や台風、集中豪雨等の大規模な自然災害に備え、受注センター・お問合せセンター・物流センターを複数設置することで、リスク分散を図っております。また、事業、拠点、体制等の拡大や当社グループ内外の変化に応じて、事業継続計画の見直しを継続して行っております。しかしながら、自然災害の発生確率は依然として高いことから、想定以上の自然災害が発生し、事業所等が被害を受けた場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
また、自然災害以外の火災等の災害については、2017年2月に発生した「ASKUL Logi Park首都圏」(以下、「ALP首都圏」)の火災事故を受け、防火設備点検等の定期的な実施や物流センター運営体制の強化等により再発防止に努めておりますが、災害等が発生した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(2)新型コロナウイルス感染症に関するリスクについて

この度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生に当たり、当社グループとしてはリモートワークの積極的活用、ソーシャルディスタンスの確保および手指消毒の徹底などにより、各事業所における感染影響の回避に努めております。
しかし、今後このように新型コロナウイルス感染症の大規模な流行が発生した場合、物流センターや配送の現場においてスタッフの出勤が制限されるのみならず、サプライヤーにおいても生産や流通に影響が生じることで、当社グループのサプライチェーン全体に支障が生じる可能性があります。

(3)インターネットの障害等について

当社グループでは、「アスクル」「ソロエルアリーナ」「ソロエルエンタープライズ」および「LOHACO」等のサイトを通じてインターネットによる注文を受付けております。
インターネットの急速な普及と相俟って、当社グループにおけるインターネット注文比率は上昇しております。このような状況下、インターネットに特有な技術的または社会的なリスク要因が増大すると見込まれますが、当社グループではインターネットサーバーの増強、分散化、最新化および通信回線容量の増強を図るとともに、万一の障害や事故に備えた基幹システムの二重化およびリアルタイムのバックアップ体制の整備、不正アクセスやコンピュータウィルスを防御するネットワーク・セキュリティの強化を行う等、お客様にいつでも安心してサービスをお使いいただけるよう、安定稼働すべく運用を行っております。
しかしながら、基幹システムの障害やネットワークの障害、不測の事態によるインシデントや、外部からの攻撃、ウィルスの侵入等や急激なアクセスの増加等により情報システムの停止が引き起こされる可能性があり、当社グループの事業運営に重大な支障が発生する可能性があります。万一、このような事態が生じた場合には、社会的な信用の低下や損害賠償請求等による多額の費用の発生、または長時間にわたる業務の停止等により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。


(4)商品の調達リスクについて

商品に関して、サプライヤーとの間では当社グループの販売力に応じて安定した商品供給体制を整えていただくよう要請しております。しかしながら、グローバルな経済状況の変化、原産地およびサプライチェーンにおける地域紛争や災害・事故の発生、或いは当該商品の持続可能な原料調達に関わる環境問題等から生じる原材料の高騰や入手困難等による生産制限または製造原価の上昇や、為替レートの急激な変動等により安定した商品仕入ができない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループの販売数量が多い商品についてはサプライヤーの分散を図っておりますが、災害や事故等により特定のサプライヤーからの供給がストップした場合で速やかなサプライヤーの代替が困難なときは、販売に支障をきたす可能性があります。

「重要なリスク」

(1)当社の通信販売事業モデルについて

① 事業モデルを支えるコンセプト
当社グループの主たる事業である通信販売事業では、サプライヤーをはじめとして、情報システムの開発および保守・運用会社、運送会社、運営業務の委託先、BtoB通信販売事業モデル独自のエージェント、等多くの協力会社によって支えられております。それぞれの機能により、役割を分担・補完し合い、お互いにパートナーとして戦略的に連携(コラボレーション)し、業務や機能の重複、時間やコストの無駄を排除して顧客価値の最大化を図るバリューチェーンの考え方が当社グループの基本スタンスにあります。当社グループでは、事業モデルを支えるパートナー企業との良好な関係の維持に努めておりますが、各社の経営状況の変化等によって、提携による業務委託等の継続ができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② BtoB通信販売事業モデルにおけるカタログ発刊に関するリスク
当社グループの主たる事業である通信販売事業では、紙カタログを発刊しております。カタログ掲載商品の選定とカタログ制作におきましては、法令遵守のための専門組織を中心とする管理体制を設け細心の注意を払っておりますが、カタログの表示内容に重大な瑕疵が発生した場合には、内容訂正やお詫びをはじめとする様々な対応を行う事態が発生することが考えられます。その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ BtoBの通信販売事業モデルにおけるエージェントの役割
当社のBtoBの通信販売事業モデルにおいて、エージェント制度の採用が大きな特徴となっております。お客様への販売代金回収は、担当エージェント側でその回収リスクを負い、当社側ではエージェントに対する売掛金について回収リスクを負う体制であります。当社では、エージェントの成長力を維持・向上させるためのインセンティブプラン等によりエージェント活動の活性化を促す等の施策を実施しております。また、経済環境の悪化等によりエージェントに倒産等の事由が生じた場合には、当該エージェントが担当しているお客様は速やかに当社さらには後任の担当エージェントに引継がれますので、当社の経営成績に与える影響は限定的と考えられますが、潜在的な可能性として、エージェントの倒産等によって回収リスクが発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社はお客様開拓を優先するためにエージェントを無制限に増やすようなことはせず、エージェントの選定や契約に際して一定の基準および手続を設け、エージェントに対してアスクル事業を展開する財務基盤等を有しているかの確認をし、かつ当社の事業コンセプトへの理解を促しております。
④ BtoBの通信販売事業モデルにおける景気動向の影響について
当社のBtoBの通信販売事業は、国内の事業者を主要なお客様として物品を販売しております。当社のお客様は製造業、医療・介護施設、建設業、サービス業やオフィス等、多岐に渡っているため、特定の業種の業績悪化に起因する需要の低下が当社の業績に与える影響は限定的と考えております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を含め、同時に複数の業種の業績悪化により需要の低下が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(2)商品の調達コストおよび在庫リスクについて

商品に関して、需給の逼迫による世界レベルでの原材料価格や商品価格の高騰および為替レートの急激な変動により、仕入価格の上昇等の影響が発生する可能性がありますが、このような場合でもお客様に対し仕入価格の上昇分を充分に転嫁しきれない場合があります。これに対し、当社グループではコスト削減のための企業努力に注力いたしますが、企業努力によっても仕入価格の上昇分を補いきれない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、各商品につきましては、お客様の購買動向を「需要予測システム」にて分析し「SYNCHROMART(シンクロマート)」システムで、サプライヤーと在庫・需要予測情報を共有することにより、サプライヤー側で需要予測に応じた生産計画や在庫保有が可能となり、品切れによる販売機会ロスを減らし、お客様満足度の低下の極小化を目指しております。
しかし、新規取扱商品や夏場の飲料水等季節商品、感染症対策のための衛生用品、災害や事故等で一時的に需要に供給が追い付かない商品等で品切れが生じるケースもあります。さらにBtoC事業においては、一般消費者向け商品の嗜好は多岐にわたりかつトレンド変化が早いため、数多くの種類を取り揃えなければならないことから、今後さらに需要予測の精度向上を図り、サプライヤーとも充分な連携を行い、品切れリスクや偏在リスクをなくす等、適正在庫を維持するよう効率的なデマンドチェーン・マネジメントに努めますが、予測を誤った場合またはシステムトラブル等により在庫不足または過剰在庫となる可能性があります。これらの結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3)商品の安全性および品質水準の低下リスクについて

当社グループでは、商品品質の管理部署を設置し、商品の調達先および商品の選定・管理に最善を尽くしておりますが、商品の品質問題に起因するリコール等が発生した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、当社グループで製造している食品・飲料等の取扱商品については、食品衛生に関わる設備の充実、品質チェック体制の確立等、お客様に安全な商品をお届けできるよう努めておりますが、品質や商品情報等に瑕疵等が発生した場合、商品回収や製造物責任賠償が生じることもあり、その場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4)設備投資および固定資産の減損によるリスクについて

当社グループのコア・コンピタンスを支える基盤は、インターネットやAI、ロボティクスといった情報技術(IT)の活用によるところが多くあります。この分野における技術は著しく変化し、当社グループではそれらのテクノロジーにいち早く対応するために、ソフトウエアを中心に継続的投資を行っております。ITの進歩が著しく、投資したソフトウエア等の利用可能期間が、当初予定したものより短くなった場合、残存期間分の償却が一時に発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、継続的に実施しているソフトウエアの追加投資や大幅な改良を伴うシステムの再構築を行う場合、ソフトウエアのバグ等の要因による開発スケジュールの遅延や稼動後にソフトウエアの品質に問題が生じる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。ソフトウエアを対象とした投資に加え、業容拡大に伴う物流センターの新設や増改築等の投資を継続的に行うと共に、物流インフラや情報システムについて大規模な新規設備投資を進めております。いずれの設備投資の実施に際しましても、充分な投資対効果の検証を行った上で実施しておりますが、その効果が充分でない場合、またはその効果の発現が予測より遅れた場合には、固定資産の減損損失を計上する可能性があります。回収可能性の検討の結果を踏まえ、減損損失を計上することになった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(5)インターネット通信販売について

① 個人情報や機密情報の漏洩について
当社グループは、事業を展開する上で、お客様やお取引先の機密情報や個人情報および当社グループ内の機密情報や役員、従業員等の個人情報を保有しております。これらの情報が外部流出や破壊、改ざん等がないように、当社グループ全体で、委託先の管理を含め管理体制を構築しており、セキュリティ対策を行うとともに、役員、従業員等の教育を実施しております。また、当社グループでは、情報資産の管理を徹底すべく、情報セキュリティマネジメントシステム(JIS Q 27001)の認証を取得し、JIS Q 27001の要求事項に沿ったマネジメントシステムを確立し、お客様情報および個人情報の保護においても必要な管理体制を整えております。今後も引き続きネットワーク・セキュリティと情報管理に関しまして強化を図ってまいります。しかしながら、不測の事態によるインシデントや、外部からの攻撃、過失、盗難等により、これらの情報の流出、破壊もしくは改ざん等が引き起こされる可能性があります。万一、このような事態が生じた場合には、信用低下、被害を受けた方への損害賠償等の多額の費用の発生、または長時間にわたる業務の停止等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

② マーケットプレイス型サービス「LOHACO MALL(ロハコモール)」について
「LOHACO」のサービスの一つであるで「LOHACO MALL」は、出店企業に「LOHACO」をご利用するお客様との直接取引の場を提供することを目的とするいわゆる「マーケットプレイス型サービス」であり、売買契約はお客様と出店企業との間で成立し、当社グループは売買契約について責任を負わないことを定めています。また、出店企業については出店前に所定の審査を行うと共に、販売される商品についても所定の基準を設けて、定期的に出店状況を確認しております。しかしながら、出店企業の商品およびサービスについて、知的財産権侵害やその他の法的要求事項への違反行為等により、当社グループのブランドイメージが棄損された場合、更にはマーケットプレイス型サービスの提供者としての責任を問われた場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(6)物流サービスについて

① 物流サービス品質について
当社グループは、高品質なサービスの提供に努めておりますが、重大な荷物の破損、紛失等といった不具合が発生した場合や荷札等に記載されているお客様情報が管理の不徹底等により外部に流出した場合には、社会的な信用の低下や損害賠償請求を受ける可能性があり、この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 重大な交通事故の発生について
当社グループの配送業務における車両の利用に際しては、交通法規遵守のための教育や安全対策を実施しておりますが、重大な交通事故や法令違反が発生した場合、行政処分が行われたり、更には社会的信用が著しく低下する可能性があり、この場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ 燃料等の市況について
当社グループで取り組んでいる環境活動や無駄を排除する活動等により、効率的な配送を行っておりますが、車両に用いる燃料価格が高騰した場合や災害等により燃料の調達網が被害を受けた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④ eコマース普及に伴う配送業務の逼迫について
当社グループでは、配送パートナーの協力のもと最適な配送網を構築し、「当日配送、翌日配送(一部離島等を除く)」を遵守することでお客様のご支持を得てまいりました。一方、社会的なeコマースの急速な普及拡大に伴うドライバーの人手不足問題等(いわゆる宅配クライシス)により配送業務が逼迫し、国内物流業者による受託配送費の値上げおよび受託荷物の総量規制等が行われております。当社グループとしては、適切なコスト水準の維持とお客様とのお約束の遵守のため、国内物流業者の協力は引き続き得ながら、当社グループ配送ドライバーの増員やグループ会社の活用により、当社グループ配送網の強化を図ってまいります。しかしながら、お客様からのご注文量の増加に対応した配送網の構築や人材の確保が間に合わずお届けができない場合、或いはその対策の結果として配送費が大幅に増加した場合、また配送業務の逼迫を背景に国内物流業者による配送費の大幅値上げがあった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(7)法的規制への対応やコンプライアンス等について

① 薬機法をはじめとする関連法規等による規制について
当社グループは、医療・介護施設向け用品や医療機関向けの医療専門商材、一般消費者向けの医薬品、健康食品、酒類等をはじめ多岐にわたる商材を取り扱っております。これらの商材の販売および管理は、薬機法をはじめとする関連法規等により規制を受けるものもあり、必要な各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。その他、当社グループは、特定・一般建設業の許可、第一種貨物利用運送事業の登録、一般貨物自動車運送事業の許可、貨物軽自動車運送事業の届出、倉庫業の登録、その他各種許認可の取得、登録、届出等を行っております。
これらに関連する法令の規制の改正や新たな法的規制が設けられる場合、或いはこれらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの営業活動が制限され、業績が影響を受ける可能性があります。
② インターネット通信販売の法的規制について
当社グループは、通信販売業者として「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、医薬品等販売事業者として「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(「薬機法」)」、その他「個人情報保護法」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の規制を受けております。
かかる法令の施行または改正は予測不可能な場合があり、結果として、今後、これらの規制の改正や新たな法的規制が設けられる場合には、規制対応のための多額な費用負担や、その規制に適応し得ない場合にはビジネスからの部分的撤退が必要になる等、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
③ 環境保全における法的規制について
当社グループは、気候変動、大気汚染、水質汚染、有害物質、廃棄物、商品リサイクルおよび土壌・地下水の汚染等に関する種々の環境関連法令および規制等の適用を受けて、遵守して事業を行っており、法令遵守のために必要な資源を投下しております。また当社は、環境マネジメントシステム(JIS Q 14001)の認証を取得しており、同要求事項に沿ったマネジメントシステムを確立しております。
しかしながら将来の環境関連法令および規制等の遵守、環境改善取組みの追加的な義務、環境規制への適応が極めて困難な場合および不測の事態等による環境に関連する費用の増加、環境規制違反による事業停止、環境規制への未対応による顧客喪失等の可能性があり、これらのことが発生した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ コンプライアンスについて
当社グループは、事業を展開するにあたり、様々な法律や諸規制の遵守を求められております。当社グループは、役員、従業員共通の規範となる「ASKUL CODE OF CONDUCT」を定めるとともに、コンプライアンスに則した行動をするための体制や仕組みの構築を推進し、健全で公正かつ透明性の高い企業風土を醸成するよう努めております。
しかしながら、このような施策を講じても関連する規制への抵触や、役員、従業員による不正行為は完全には回避できない可能性があります。このような事象が発生した場合、当社グループの社会的な信用が低下し、多額の課徴金や損害賠償が請求される等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)カントリーリスクについて

当社グループは、輸出および輸入商品の取り扱いや中国等での商品販売の実施等、海外での取引を行っており、諸外国政府による規制や法令の改正、政治的、経済的な不安定さ、信用経済の発達度合いおよび資金移動の制約等に起因したカントリーリスクが存在します。カントリーリスクに対しては、案件ごとにその回避策を講じてリスク管理に努めておりますが、これらカントリーリスクを完全に回避できるものではなく、リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(9)人材の確保と定着におけるリスクについて

当社グループの事業は、物流センターの庫内業務や配送業務等労働集約型の業務がお客様との接点を支えており、質の高い人材を常に一定数確保することが重要であります。また、今後更なる事業拡大およびテクノロジーやサービスの進化に挑戦していく際には優秀な人材を採用、確保することと共に、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保も重要となっております。さらには人材育成を継続的に推進していくことも必要となっております。当社グループは、事業の継続的成長のために新卒採用や経験者の採用を実施し、人材を育成するための各種教育の実施等、社員のモチベーションを向上する仕組みを構築し人材の定着と育成に努力するとともに、「働き方改革」を進めて労働環境の整備を実施し社員の定着を図っております。人材の確保と定着は当社グループの成長には重要な要素となりますが、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、日本国内においては、少子高齢化や労働人口の減少等により、必要な人材が確保できなかった場合、或いは確保するために人件費が大幅に増加した場合、さらには特に需給が逼迫しているIT系の社員が他社に多数流出する等の事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(10)のれん・投資有価証券等の減損によるリスクについて

当社は、継続的な成長発展に向けて、当社事業とシナジー効果を有する企業への投資や、次世代のイノベーションを起こすために優れた技術・エンジニアを有するベンチャー企業への投資を実施しております。投資に際しては、財務・経営状態・事業計画等を精緻に検討し、投資後も投資先の事業の進捗、財務状況を随時把握するように努めておりますが、投資先の事業が計画通り進捗せずに、収益性の悪化等により価値が毀損されたことでのれんや投資有価証券の減損を実施する場合、投融資した金額等が回収できなくなる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。


(11)内部統制におけるリスクについて

当社グループは上場企業として、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制を整備し運用する必要があります。当社グループは効果的な内部統制システムの整備は極めて重要であると認識し、多くの管理、人材、その他資源を投下し整備に取り組んでおりますが、いかに緻密に整備していたとしても、判断の誤りや過失による限界を有しており、効果的かつ適切である保証はありません。内部統制上の重大な欠陥等が発見された場合、或いは改善に要する新たな資源投入により追加的コストが発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、財務報告に関わる内部統制に欠陥があり決算発表を延期せざるをえない等、市場における当社グループの評価が毀損する恐れが生じた場合、さらには欠陥の重大性や原因等の程度によって、法的責任が課せられた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)知的財産におけるリスクについて

当社グループは事業を行うにあたり、必要に応じて、特許権、商標権等の知的財産権を取得し保有しております。当社グループが保有し利用するこれらの知的財産権の保護が不十分な場合や、第三者が有する知的財産権の適切な利用許諾を得られない場合には、新規事業やサービスの提供が困難となる可能性があります。また当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう常に注意を払って事業を行っておりますが、第三者の知的財産権を侵害したとして、損害賠償請求および差止め請求等、訴訟を提起される可能性があり、賠償金の支払い等が必要となる場合があります。当社グループにおいて知的財産権に関する重大な係争問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(13)訴訟によるリスクについて

当社グループは、役員、従業員共通の規範となる「ASKUL CODE OF CONDUCT」を定め、顧客、取引先、株主、従業員を含む第三者の権利・利益に十分配慮した行動をするための体制や仕組みの構築を推進しております。しかしながら、このような施策を講じても、当社グループの事業が多岐にわたり、かつ権利義務関係が複雑化することなどにより、意図せずして第三者の権利・利益を侵害したとして、損害賠償などの訴訟を起こされる可能性があります。その結果、当社グループの事業展開に支障が生じたり、企業イメージが低下したりする可能性があるほか、金銭的負担の発生により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)Zホールディングス株式会社との業務・資本提携契約について

当社およびZホールディングス株式会社は、2012年4月27日付けで業務・資本提携契約を締結して以降、両社は事業運営の独立性をお互いに尊重し、イコールパートナーシップの精神の下、それぞれが有する集客能力、顧客、仕入先、決済システム、インターネットサービスに係るシステムおよびデザイン技術、物流・配送設備および物流・配送のオペレーション能力、ならびに、それらに関するノウハウ、人材その他のリソースを相互に提供し合い、「お客様に最高のeコマースを提供する」という壮大な目標を実現すべく、当社が運営する「LOHACO」をeコマース史上最も早い成長速度で立ち上げてまいりました。
両社は「LOHACO」をさらに大きく成長させるとともに収益性の向上を図るために、3年間培ってきた信頼関係をベースにさらなる発展および連携の強化を図ることが最善であると判断し、2015年5月19日付けで、業務・資本提携契約を更改いたしました。
当社は、更改された契約日以降、当社の株式の議決権希薄化行為(注)を行おうとする場合には、Zホールディングス株式会社に対して、議決権希薄化行為を行う旨およびその条件を書面にて通知した上で、議決権希薄化行為の直前の時点におけるZホールディングス株式会社の当社の株式に係る議決権割合を維持するために必要なあらゆる措置を適時かつ適切に講じるものとしております。加えて、当社は、当社の新株予約権その他の潜在株式の行使または株式への転換(以下「新株予約権行使等」という。)により、当該新株予約権行使等の直後の時点におけるZホールディングス株式会社の当社株式に係る議決権割合が、(a)2015年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるZホールディングス株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下し、かつ、(b)直前に上記措置を講じた時点におけるZホールディングス株式会社およびその子会社の当社の株式に係る議決権割合よりも100分の1以上低下した場合には、Zホールディングス株式会社に対して、その旨を書面にて通知した上で、2015年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるZホールディングス株式会社およびその子会社の当社株式に係る議決権割合を回復または維持するために必要なあらゆる措置を講じるものとしております。このため、当該措置を講じた場合、当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性があります。
なお、Zホールディングス株式会社は、更改された契約日以降、自らまたは第三者をして、当社の株式を追加取得(Zホールディングス株式会社または第三者が当社の株式を有するその他の第三者(有価証券報告書または四半期報告書の大株主の状況の記載により、当社の株式を有することが合理的に認知可能な第三者に限る。)の株式その他の持分を取得することにより、当社の株式を間接保有することとなる態様による取得を含む。)することを希望する場合は、事前に当社に対して書面により通知し、Zホールディングス株式会社および当社の書面による合意に基づいて実施するものとしております。
その他、Zホールディングス株式会社は、Zホールディングス株式会社および契約更改後にZホールディングス株式会社の子会社となった当該子会社(以下「Zホールディングスグループ」という。)の保有する当社の株式に係る議決権割合が、2015年8月27日の自己株式取得の終了時点におけるZホールディングスグループの保有する当社の株式に係る議決権割合の合計よりも100分の1以上上昇した場合には、速やかに、市場取引等により当社の株式を売却しまたは売却せしめることその他、Zホールディングスグループの当社の株式に係る議決権割合の合計を、本自己株式取得の終了時点におけるZホールディングス株式会社の議決権割合の合計に復するために必要な措置を講じるものとしております。但し、上記に定めるZホールディングス株式会社および当社の書面による合意に基づいて行われる取引により、または当社による自己株式取得その他Zホールディングスグループの作為によらずに、Zホールディングスグループの当社の株式に係る議決権割合の合計が上昇した場合は、この限りではありません。上記等により株価等に影響を及ぼす可能性があります。
(注) 当社の株式の議決権の希薄化が生じる可能性のある一切の行為(募集株式の発行、自己株式の処分、株式の発行を伴う組織再編等、議決権の希薄化が現に生じる行為のほか、新株予約権、議決権のある株式に転換可能な種類株式その他の潜在株式の発行等、将来議決権の希薄化が生じる可能性のある行為を含みます。但し、既に発行済の新株予約権の行使による当社の株式の発行若しくはそれに伴う自己株式の交付、または、当社の単元未満株式を有する株主から、会社法第194条第1項および当社の定款第10条に基づく単元未満株式の売渡請求がなされた場合において、当社がその保有する自己株式を当該株主に売り渡す行為を除きます。)を指します。

従業員の状況研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03363] S100JELE)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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