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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QTV0 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社セブン&アイ・ホールディングス 事業等のリスク (2023年2月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

当社は、経営の健全性と事業の効率性を確保しつつ、当社グループの永続的な維持・発展のため、事業継続に関わる各種リスクの適切な管理に取り組んでいます。この取り組みにより認識されたリスクのうち、リスクが顕在化する可能性の程度や時期及び影響の程度を踏まえて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクを以下に記しています。ただし、これらは、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、これらのリスクはそれぞれ独立したものではなく、ある事象の発生により、他の様々なリスクが増大する可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。


当社グループのリスク管理プロセスでは、管理すべきリスクをガバナンスリスク、業務リスク、B/Sリスク及び事業リスクの4つの大分類に分けて管理しております。有価証券報告書においては、投資者の判断に資する情報開示を目的に、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類し、それぞれ以下のように定義いたします。

「戦略リスク」
事業戦略の計画及び遂行により期待する成果に対して実現する成果が上振れまたは下振れする程度及びその発生可能性であり、戦略に大きく影響するリスク、または健全な範囲で敢えて選択して取るリスク。

「オペレーショナルリスク」
戦略遂行を支えるオペレーションに起因する損失額及びその発生可能性であり、発生を回避・低減すべきリスク。


当社グループは、自社のリスク管理全体を統括する部署を事務局とするリスクマネジメント委員会等の会議体を設置しています。リスクマネジメント委員会は、原則半期に1回開催され、各種リスク管理統括部署より自社のリスク管理状況に関する報告を受け、リスクの網羅的な把握、その評価・分析及び対策について協議し、今後の方向性を定めています。
一方、各種リスクについては、当社リスク管理統括部署を主体とするグループ横断の会議体等を通じて、該当するリスクに係わる対応の方向性や各社リスク低減の取り組み、さらにリスクが顕在化する兆候を示す社内外の各種事例等の共有を図っています。
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当社グループでは、グループ共通のリスク調査票をもとに、網羅的なリスクの洗い出しと定量化を行い、「リスクの評価と改善策の立案」「優先順位付け」「改善活動とモニタリング」を実施しています。
また各社監査室は、自社のリスク管理全体を担当する部署及び各種リスク管理統括部署に対する定期的な内部監査を通じ、独立した立場で、リスク管理が効果的に実施されていることを検証し、必要に応じて各部署に対し、リスク管理向上のために必要な助言を行っています。

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当社グループは食の強みを軸として、主に以下のような事業戦略を定めております。
・北米コンビニエンスストア事業
・グローバルコンビニエンスストア事業
・国内コンビニエンスストア事業
・スーパーストア事業
・金融関連事業


■ 戦略リスク
1.グループの成長戦略に関わるリスク
当社グループは、今般のグループ戦略の再評価を踏まえて、2030年に目指すグループ像を「セブン‐イレブン事業を核としたグローバル成長戦略と、テクノロジーの積極活用を通じて流通革新を主導する、「食」を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」 といたしました。この新たな2030年に目指すグループ像の達成に向けて、各種施策を着実に遂行するために、グループ重点戦略の進捗をモニタリングするとともに、最適なグループ事業構造・戦略的選択肢を継続的に検討する体制を構築すべく、独立社外取締役のみで構成される戦略委員会を設置いたしました。戦略委員会においては、グループ重点戦略に関する進捗状況のモニタリング、及び戦略実現のための最適なグループ事業構造・戦略的選択肢(IPO・スピンオフ等)に関する包括的且つ客観的な分析・検証を継続的に実施し、これらの検証結果を元に、当社グループの中長期的な企業価値向上のための助言を取締役会に対して行ってまいります。
北米コンビニエンスストア事業について、当社グループの海外コンビニエンスストア事業の中心である7-Eleven, Inc.は、オリジナル商品の強化、デジタル化とデリバリー事業の加速、7-Eleven, Inc.とSpeedwayの統合シナジーの創出、M&Aと新規出店による事業の拡大を推進しております。
オリジナル商品については、株式会社セブン‐イレブン・ジャパンから高度な商品開発知識と、製造ノウハウの伝達、及び専用工場の調理製造能力の向上を目的とした設備の近代化を進め、オリジナル商品のバリューチェーンを強化し、高荒利率のオリジナル商品の品質と品揃えの向上に取り組んでおります。店舗での商品販売は物流網またはサプライヤーによる供給により運営しておりますが、物流・輸送網において混乱等が発生した場合には商品輸送コストの増加や収益性の低下が想定されます。その結果、商品開発や店舗販売及び迅速な商品のお届けができないことによるバリューチェーンの弱化や売上低下による継続的な事業成長の妨げを招き、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、オリジナル商品の開発と販売の強化に伴い、食品安全上の問題が発生した場合には当社ブランドの価値が毀損されることも想定されます。更には、オリジナル商品に関する商標やその他の知的財産権を適切に取得・維持・保護できない場合にも、お客様の消費意欲の減退等による売上低下につながり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
デジタル化とデリバリー事業については、リアル店舗とデジタル・Eコマースプラットフォームのスピードと利便性を組み合わせる「7Rewards(ロイヤルティプログラム)」を通じ新たな体験価値と利便性を提供しておりますが、小売業の競争は激しく、常に変化するお客様のニーズと期待に基づいた新たな利便性を提供できない場合には、競合他社との差別化ができず、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、DXを活用したデリバリーサービス「7NOW」についても推進しております。店舗から2マイル以内でアメリカの人口の50%以上をカバーし、全国平均28分以内で迅速にお届け可能な価値提案を実現しており、今後も多様なサービスを提供する成長計画を策定しております。それらの達成に向けて、お客様のニーズを満たすために追加的なデジタル対応の製品やサービスを他社との提携や投資により行ってまいりますが、関連する顧客対応技術を適時に製造、改良、開発できない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
7-Eleven, Inc.とSpeedwayの統合シナジーの創出については、補完的な店舗基盤・店舗提供、戦略的な機会など様々なメリットをもたらすものと期待しております。米国Marathon Petroleum Corporation(以下、「MPC社」という。) から、同社が主にSpeedwayブランドにて運営するコンビニエンスストア事業及び燃料小売事業 (ただし、MPC社の小売部門のうちダイレクト・ディーラーに対する燃料小売事業等を除きます。) を運営する複数の会社の株式その他持分を2021年に取得するとともに、取得した店舗への今後15年間におけるガソリン供給契約を同社と締結いたしました。上記統合後の事業において、事業環境や競合状況の変化等により本件取引により取得した事業から得られる成長機会もしくは統合によるシナジー効果等が当初の想定通りに実現されない場合、多額ののれんや有形固定資産などの減損損失の計上により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、上記取引に必要な資金の調達のための金融機関からの多額の借入れを含め、当社は多額の債務を負っております。当初想定した利益の創出、その他資産の処分等を通じて、レバレッジの低下が速やかに実現されない場合には、信用格付けが引き下げられる可能性があり、その結果、既存の債務の借換えや新規借入れの条件にも影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループの債務には財務制限条項が付されているものがあり、かかる財務制限条項に抵触した場合には、債務の早期返済等により当社の財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
7-Eleven, Inc.は、店舗にガソリンスタンドを併設しガソリンの小売りと卸売事業を運営しております。ガソリン事業のリスクについては、サプライチェーンの垂直統合等により、ガソリン小売価格の変動に伴う利益率の低下リスクをヘッジしていますが、急激な価格の変動等、事業環境の予期しない変化により、売上低下や原価率上昇を招き、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、米国における自動車排出ガス規制や一部州での中長期的なガソリン車販売規制の方針等の影響及び電気自動車等の浸透等により、米国市場におけるガソリン需要が縮小する場合、ガソリン販売量の減少を招き、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
北米コンビニエンスストア事業では、引き続きM&Aや新規出店による継続的な事業成長を目指していく方針ですが、競争の激化、環境法規制などの変更による事業への影響、人財確保の難航化、訴訟などによって当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

グローバルコンビニエンスストア事業について、当社グループでは、7-Eleven, Inc.と株式会社セブン‐イレブン・ジャパンの連携強化を通じて、グローバル戦略の展開を推進するために2021年に7-Eleven International LLCを設立しました。日本及び北米を除く地域で2025年度までに5万店の店舗網を確立し、2030年度までに日本、北米も含めた全世界で30の国と地域での店舗出店を目指していく方針です。新規国の開拓のみならず、ライセンシーへの戦略的投融資を通じ、「食」の強みを含め、7-Eleven, Inc.と株式会社セブン‐イレブン・ジャパンがこれまで培ってきたノウハウを有機的に結合させ、ライセンシーの潜在的な成長性を引き出すことにより、利益の拡大を図ってまいります。また、新たな市場への進出を図るためには、状況が良好な市場を正しく特定、信頼できるパートナーに必要な専門知識とリソースを提供し、グローバル市場でのセブン‐イレブンブランドの価値向上のためにパートナーと相協力してグローバル成長戦略を加速してまいります。海外エリアのライセンシーに係るリスクの一部には、事業展開国での政治的・社会的不安定、為替・貿易等の経済変動、環境やデータ保護をはじめとする法規制の変更・強化などが想定されます。これらの要因により、当社の成長力が制限され、当初想定した効果や利益が実現されない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

国内コンビニエンスストア事業について、当社グループにおいて国内コンビニエンスストア事業の中核を担う株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、「セブンプレミアム」を中心とした「食」領域の強化、社会構造の変化に対応した新たな店舗形態の実現、店舗による商品・サービスを基盤として新規ビジネスを強化し事業競争力の一層の強化と利益成長を加速させてまいります。国内は、ライフスタイルの変化や価値観の多様性による影響に加え、人口動態をはじめとする社会構造が激しく変化し、消費の形態が大きく変化することが想定されます。この様な変化に対応すべく、生鮮品や冷凍食品、新しいカテゴリーの品揃えの充実が可能な新しいコンセプトの店舗フォーマットを作り、コンビニエンスストア事業と当社グループの食品事業で培ってきた知見やネットワークを融合することで、お客様の変化に対応してまいります。とりわけ、新コンセプト店舗においては、株式会社イトーヨーカ堂が育ててきたブランドである「顔が見える野菜。」「冷凍食品EASE UP」や、「セブンプレミアム」、新ブランドの「セブン・ザ・プライス」の拡充により品揃えを強化してまいります。これにより、変動する社会の中においても更なる食のニーズへの対応が可能となります。また、創業50周年を迎えることから「共創」をテーマとした商品や販売促進を強化し、当社の掲げるビジョンの浸透を図るとともに、フェアを実施してオリジナルフレッシュフードにより集客を図ることや、スイーツや加工食品等の分類育成と地域の活性化にも取組んでまいります。更に、必要な栄養成分も表示することで「シニア」「子ども」「働く女性」をはじめとする全ての世代のお客様の健康志向にも配慮することで更なる成長を目指せると考えております。新規ビジネスについては、デリバリーサービス「7NOW」とリテールメディアの活用を通じて「食」の強みを活かした店舗による商品・サービスを基盤とした新規ビジネスを強化してまいります。リテールメディアに関しては、当社グループ戦略の一環として広告ビジネスへの参入を開始しており、アプリ広告収入を中心に大きく成長させる計画となっております。これらの施策により、新たな成長軸を確立し、全体の利益成長を加速してまいりますが、お客様のニーズは絶えず変化しており、新たな価値を提供できなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

スーパーストア事業について、株式会社イトーヨーカ堂では、グループ戦略の軸である「食」にフォーカスするべく、自主アパレル事業からの完全撤退、首都圏へのフォーカス加速、首都圏事業の統合再編、プロセスセンターをはじめとする戦略投資インフラの整備、また、従前の事業構造改革における店舗閉鎖に加え、追加的に14店舗の閉鎖を行ってまいります。これらの施策については、外部変革エキスパートの起用による変革施策の完全実行と工程管理を行っていく想定です。
上述の主要施策について、事業の統合再編を実施し、注力する首都圏におけるシナジー及び運営効率を最大化いたします。あわせて、戦略投資インフラの整備については、プロセスセンター、セントラルキッチン、ネットスーパーセンターの活用により、更なる利益成長可能な収益構造を実現いたします。しかしながら、セントラルキッチンやプロセスセンター等のグループ共通インフラの構築やセンター化に向けたビジネストランスフォーメーションが想定通りに進まないなどの要因により、結果として当初期待した効果が得られず、戦略目的が達成できない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、スーパーストア事業の成長戦略であるネットスーパー事業については、当社グループでは、ライフスタイルの変化や価値観の多様性に対応し、商品とサービスを通じた新たな価値を提供するため、店舗にお客様をお迎えすることを前提とした販売だけでなく、お客様が希望する日時と場所に商品をお届けするラストワンマイルへの対応が今後ますます重要性を増すと考えております。当社グループの持つ安全・安心・新鮮な商品提供力と店舗を持つ強みを活かして、ネットスーパーにおいては大型センター化による事業規模拡大、専用アプリを活用したお客様接点の拡充と買物体験の向上、店頭受取や店内ロッカー等の受取方法の多様化に挑戦しております。移動販売においては株式会社とくし丸と連携し、日常のお買物にお困りの方へ、お買物体験を提供することで社会的意義・役割を果たすとともに、当社グループの価値向上を図っております。
しかしながら、お客様のニーズは絶えず変化しております。また、競合他社においてもそれぞれの顧客基盤や新しい技術を活用し、ラストワンマイルへの対応を強化しております。そのような環境下において、当社グループが現在の競争力を維持できない場合、売上の低下等により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

金融関連事業について、引き続きATMプラットフォーム事業を拡大するとともに、電子マネー事業及びクレジットカード事業等に注力してまいります。その一環として、バンキング事業・ノンバンク事業の一体運営を目的に、株式会社セブン・カードサービスを株式会社セブン銀行傘下へ集約し、金融関連事業を再編することといたしました。また、グループ金融戦略としては、当社グループの共通IDである「7iD」を基軸とした小売ならではの金融商品・サービスの開発・展開を図り、小売・金融一体でお客様との関係を深化させる事業構造改革などの実行力・推進力を強化してまいります。
当社グループの金融・決済関連システムについては、各種情報管理に関する規程類の整備やセキュリティ対策を講じておりますが、特に金融関連事業においては、お客様にご提供いただく情報の重要性を踏まえ、当社グループの基準も遵守しつつ、各金融事業会社においては当該事業領域に係る各種法令、ガイドライン等に基づく規程類の整備並びに十分な対策の構築・運用に努めております。
しかしながら、このような対策を行ったとしても、外部からの攻撃は日々多様化・高度化しており、また内部の人為ミスや委託先への管理不備などにより重要な情報が外部に流出するリスク、改ざんされるリスクは完全に回避できるものではなく、被害の規模によってはお客様やお取引先様などからの損害賠償請求や信用の失墜により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

上記成長戦略を支えるDXについて、当社グループではグループDX戦略マップを策定し、グループとして横断的に取り組む領域を定め、そのために必要な施策を推進しています。当社グループのお客様、ひいてはグループ全社を守るDX施策として、グループ共通でのセキュリティ対策やグループ共通インフラの整備等に取り組みながら、一方で運用の効率化やグループシナジーの発揮を目的とした基盤構築に向けた施策も実施しております。そうしたDX戦略を支える体制の更なる強化に向け、専門性の高い人財の獲得や既存人財に対するデジタルリテラシー向上施策等に継続的に努めております。
特に、お客様がグループ共通でご利用できるID「7iD」を通じ、お客様との接点を更に広げ深めることでライフ・タイム・バリューを向上させていくグループCRMについては、重要なDX施策のひとつと考えます。「7iD」会員数は、2023年2月末現在で約2,800万人の規模になります。これは、セブン‐イレブンアプリを中心に、便利なクーポンの提供や、決済手段の多様化にお応えするなど、新たな顧客体験価値を提供し続けてきたことに起因すると考えております。今後も、お客様との接点をより充実させることで、品揃えを最適化し、さらには好きな時間・場所で商品が受け取れるなど、お買物がいっそう便利になるような世界観をグループの「7iD」を基軸に展開し、更には金融戦略とも連携しながら、お客様のライフ・タイム・バリュー向上に繋げてまいります。なお、「7iD」会員数は、2025年度には5,000万人の規模を目指しております。
しかしながら、会員基盤等に係るサービスは競合他社それぞれが継続的に対応を強化しております。そのような環境下において、当社グループが現在の競争力を維持できない場合、登録会員目標の未達、グループCRMのグループ売上寄与率の低下等により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

2.既存事業リスク

当社グループの事業活動にとって、十分な品質の商品・原材料等を適時に必要なだけ調達することが不可欠であり、特定の地域・取引先・製品・技術等に大きく依存しないよう、その分散化を図っております。特に、気温上昇や降水・気象パターンの変化等の気候変動により、今後中長期的に農畜水産物の収量の減少や品質の低下、農産品の栽培適地や漁場の変化が生じる可能性もあります。これら変化への対応として分散調達と一次生産者との収穫量向上に向けた協働等に努めていますが、気温上昇や気象パターンの変化等の気候変動、或いは感染症拡大による工場生産停止等により、仕入ルートの一部が寸断した場合、それにより当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。
当社グループの取扱商品の中には、商品生産国や地域または事業展開国や地域における、政治・経済情勢の変動、テロ・紛争などによる治安状態の悪化や社会的混乱、感染症拡大による生産体制混乱、天候による需給の変化や原油等原材料価格変動の影響を受ける商品等、外的な要因により仕入価格が変動する商品があります。加えて、将来的に、商品製造段階における電力をはじめとするエネルギー価格が、気候変動に伴う規制・政策・紛争などにより高騰した場合にも仕入価格が影響を被る可能性があります。これら仕入価格の変動が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。


当社グループは、日本国内において主要な事業を行うほか、世界各地で事業を展開しています。そのため、日本及び事業を展開している国または地域の景気や個人消費の動向などの経済状態が悪化した場合、お客様の購買力又は消費意欲が減退し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。この点において、当社グループは、地域の特性を重視した商品開発と品揃えを強化し、お客様のニーズに的確に対応するべく、販売戦略に基づいて様々な分野のメーカー様やベンダー様とチームMD(マーチャンダイジング)による商品開発を行うほか、各社アプリ等を通じて当社グループの共通IDである「7iD」に登録されたお客様のお買物に関する様々なデータの収集・分析を行い、販促活動等を効果的に行っておりますが、経済政策や異常気象、感染症拡大等により予想外の消費行動の変化が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、お客様のニーズの変化に的確に対応していくため、より高品質で魅力的な商品開発を推進するとともに、お客様とのコミュニケーション強化、生産性の向上に取り組んでおります。
しかしながら、日本では少子高齢化による労働力人口減少などといった厳しい雇用環境が続き、店舗経営を取り巻く環境は激化しております。そのような環境下において、競合他社との価格競争に伴う商品・サービス価格低下圧力及び人件費をはじめとしたコスト上昇圧力に晒されることにより、当社の競争力が減退し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

3.環境リスク
当社グループは、これまでさまざまな社会環境の変化に対応し、価値ある商品やサービスの提供を通じて、お客様の豊かで便利なくらしへの貢献に努めてまいりました。一方、世界では気候変動、プラスチック問題などのさまざまな環境問題が顕在化しております。こうした社会の動きに対応するべく、当社グループは環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を策定し、「脱炭素社会」「循環経済社会」「自然共生社会」を目指すべき社会の姿と定めて、取り組みを推進しております。特に喫緊の課題である気候変動に関しては、2050年のCO2排出量ネットゼロを目指し、TCFDへの賛同と情報開示、RE100等へ参画しております。また、生物多様性の課題に対し、2023年1月にTNFDフォーラムへ参画をいたしました。
一方で、当社グループは、エネルギー使用の削減やCO2排出量の削減などの気候変動対策をはじめとして、食品廃棄物、プラスチック等の容器包装リサイクル、廃棄物処理などに関する様々な環境関連法令の適用を受けております。将来、これらの法令による規制は、例えば気候変動対策においては、温室効果ガス排出規制が強化されたり、炭素税などの新しい法規制・政策が導入される可能性があり、当社グループにとって、法令遵守に係る追加コストが生じたり、事業活動が制限されたりする可能性があります。加えて、規制強化によって電力・ガスなどエネルギー費用が変動することで、店舗運営に関わる費用が増加し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

4.人権に関するリスク
企業活動のグローバル化が進み、企業の人権への取り組みに対して、社会からの関心が高まっております。当社グループではセブン&アイグループ企業行動指針、お取引先サステナブル行動指針をベースに人権尊重に取り組んでまいりましたが、2021年10月、国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約)、労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関の宣言、「国連ビジネスと人権に関する指導原則」などをもとに、「セブン&アイグループ人権方針」を定めました。当社グループは、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、人権への悪影響を防止または軽減することに努めてまいります。
しかしながら、これらの方針を逸脱した行為が発生した場合には、当社グループに対するお客様及びお取引先様の信頼低下などにより、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

5.人事・労務関連リスク
当社グループが主要な事業を行う日本では、少子高齢化による労働力人口減少への対応が社会的課題である中、多くの店舗を展開する当社グループでは、店舗従業員の人数を確保することに加え、多様な人財に意欲をもって能力を発揮していただくために一人ひとりの従業員の主体的な能力向上を支援していくこと、さらには、これらを通して企業としての生産性の向上に結び付けていくことが重要な課題であると捉えております。人財育成にあたっては、「人財とともに成長する企業」という考え方に立ち、積極的に社員に成長機会を提供して、自ら学び続け、つねにスキルアップを図り続ける人財の育成を図り、社員と会社の相互成長を目指しております。また、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を掲げ、働く人々の多様性や違いを認め合う環境づくりや柔軟な働き方の実現に向けて積極的に取り組んでおります。
しかしながら、法令や制度の改正など何らかの事由により、その目的を達成できない場合に当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの各事業には、お客様をはじめとする様々なステークホルダーとの良好なコミュニケーション力を有する人財が不可欠ですが、今後、各事業分野及び地域における人財獲得競争の激化等により、人財を確保するため従業員の報酬・賃金水準が上昇し相応しい人財の獲得が困難となる場合や、人財の社外流出が生じた場合、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

6.市場リスク(為替・金利等)
当社グループでは、為替・金利等の変動リスクの軽減、資金調達コストの低減、将来のキャッシュフローを最適化するために為替予約及びスワップ等のデリバティブ取引を行っておりますが、金利の変動は受払利息や金融資産・負債の価値に影響を与え、当社グループの業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
海外のグループ会社の現地通貨建ての資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されます。また、当社グループの販売商品の中には、為替変動の影響を受ける海外開発商品があるため、為替相場の変動により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

7.法務リスク
当社グループは、日本及び米国をはじめとする世界各地で、それぞれの国・地域における消費者保護、公正競争、食品衛生、労働環境、環境等に法規制を遵守し、必要な許認可を得て事業を遂行しております。これら法規制の改正動向については目を配り、必要な対応を適切に実施するべく、体制を整えておりますが、関係する法解釈の相違等により、行政機関・司法機関から当社グループに不利な判断が下された場合等には、課徴金、損害賠償金その他の金銭負担の発生やブランドイメージの悪化等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、より厳格な法規制が導入されたり、行政機関・司法機関の法令解釈が厳格化の方向に変更されることなどにより、法令遵守するためのコストが増加する場合、当社グループの事業活動や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの店舗出店についても、各国で様々な法規制が存在し、例えば日本においては「大規模小売店舗立地法」「都市計画法」「建築基準法」に基づく法規制を受けております。店舗出店に際してはこれら関連法令を遵守して実施しておりますが、これらの法令の改正やこれらに関して各都道府県等が定めた規制の変更に伴い、当初策定した計画通りの新規出店や既存店舗の改装等を行うことが困難となった場合や、新たな対応コストが発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

8.資産リスク(固定資産等)
当社グループは、連結総資産に占める有形固定資産やのれん等の割合が高く、店舗等の収益管理を厳格に実施しております。
しかしながら、今後、店舗等の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

■ オペレーショナルリスク
9.情報管理リスク(個人情報含む)
当社グループは、小売業や金融事業をはじめとする各種事業において、お客様に新たな価値やサービスを提供するために、お客様やお取引先様などの個人情報や営業秘密情報など、業務に必要な重要情報を取り扱っております。これらの情報を正しく管理するため、情報管理に関する規程をグループ全体として整備するとともに、各社において情報管理統括責任者を任命し、情報管理委員会による重要情報の整備、及び人的、組織的、物理的、技術的な安全対策を統合的に実施しております。
当社グループではサイバー攻撃など情報セキュリティの脅威に対して、セキュリティに関するポリシー、ガイドライン等の環境の変化に応じた見直し、セキュリティについて専門性を有する人財のさらなる拡充を行いながら、セキュリティ意識をグループ内に浸透させるために階層別の専門教育、情報セキュリティマネジメントシステムのフレームワークの展開等の取り組みを進めております。特に、サイバーセキュリティへの対策強化として、サイバーセキュリティを担う専門組織において、情報システム及びその運用のセキュリティレビューを行うとともに、第三者機関による脆弱性診断や不正アクセスの監視、脆弱性への対応、標的型攻撃メール訓練など、セキュリティ事故を防ぐためのサイバーセキュリティ対策の強化に努めております。
また、グループの情報セキュリティに関する業務を統括する「グループセキュリティ統括室」においては、各社の推進事務局と連携して、国際規格であるISO27001への準拠や個人情報保護法を遵守した業務遂行の確保に取り組んでおります。
しかしながら、このような対策を行ったとしても、外部からの攻撃は日々多様化・高度化しており、また内部の人為ミスや委託先の管理不備などにより重要な情報が外部に流出するリスクや改ざんされるリスクは完全に回避できるものではなく、被害の規模によってはお客様やお取引先様などからの損害賠償請求や信用の失墜により当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

10.事業継続リスク(災害、パンデミック、感染症を含む)
当社グループの本社及び主要な事業の店舗等は日本にあるほか、世界各地で事業を展開しています。また、ライフラインの一翼を担う小売業を中核事業とする当社グループでは、大地震・風水害などによる被害が発生した場合、お客様や従業員等の人命・安全を確保した上で早期の店舗復旧及び営業再開が求められます。当社では大地震・風水害・富士山噴火・新型コロナウイルス感染症対策などの対策書を策定しており、当社及び当社の連結子会社一体となって事前対策会議を実施し、想定する被害状況、対策本部の設置及び営業継続判断等を検討する仕組みを運用しております。
しかしながら、地震、台風、洪水、津波、気候変動に伴う異常気象の頻発等の自然災害、火災、停電、原子力発電所事故、戦争、テロ行為等の違法行為により、サプライチェーンの寸断や店舗営業停止などの事業活動の停止、施設の改修に係る多額の費用の発生など、当社グループの事業運営に重大な支障が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、コンビニエンスストア事業やスーパーストア事業をはじめ主要な事業の店舗等が集中している首都圏において大きな災害等が発生した場合、その影響も大きくなることが予想されます。
また、2020年からの新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、当グループにおいても感染者の拡大状況によっては引き続き事業活動への影響が発生することが想定されます。ライフラインの一翼を担う小売業を中核とする当社グループとしては、引き続き衛生対策、感染対策に留意しながら、お客様や従業員等の人命・安全を確保した上で、地域及び社会への責任を果たすため、営業継続に努めてまいります。なお、営業継続に対してはお取引先様との緊密な連携体制の構築等によりサプライチェーンの維持を図り、合わせて感染拡大による差別や不当解雇の有無についても確認し、人権保護を推進いたします。
しかしながら、感染拡大や蔓延状況に応じて、店舗営業時間の短縮、店舗営業の停止、営業店舗の限定等の措置をとる可能性や、サプライチェーンの操業中断等により商品を提供できない状況も想定され、その場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、既に新型コロナウイルス感染症により生じている価値観・行動の変化(テイクアウト・宅配の拡大、オンライン消費の台頭、リモートワーク等)に対して、お客様の日々の暮らしに寄り添いながら、新たな顧客体験価値を創出することに努めておりますが、感染拡大の影響により、お客様の購買力又は消費意欲の減退、予想外の消費行動の変化等が生じた場合、売上の低下につながり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

11.商品の品質管理・表示リスク
当社グループは、関係法令の規制に基づき、食品衛生に関わる設備の充実、QC説明会等、お取引先様を含めた一貫した商品管理の徹底、CSR監査等のチェック体制の確立など、お客様に安全な商品と正確な情報を伝えるよう努めておりますが、当社グループの取組みを超えた問題が発生した場合には、それによる当社グループの商品に対する信頼の低下、対応コストの発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは、「セブンプレミアム」やグループ各社のオリジナル商品をさらに拡大して、新しい価値、上質の商品やサービスをお客様に提供し続けることに挑戦しておりますが、当社グループの取扱商品について重大な事故等が発生した場合、商品回収や製造物責任賠償が生じることもあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

12.システムリスク
当社グループは、事業活動を遂行するために多数のITシステムを保有しております。各種システムが適切に管理され安定的に稼働できるように、要件定義・設計段階からのレビュー、リリース前の十分なテスト、リリース後の運用状況のモニタリング等を実施しております。また、セキュリティ専門組織によるサイバー攻撃の監視・対応及びセキュリティリスク評価、事業を継続するための体制の整備、グループ全体のシステムリスク管理状況の定期的な確認に取り組んでおります。
しかしながら、これらの対策を講じていたとしても、台風、地震等の自然災害、当社グループが利用するクラウドサービスにおける障害、高度なサイバー攻撃等の不測の事態やヒューマンエラーにより、システム障害やセキュリティインシデント等が起こりえます。これらのシステムリスクが顕在化した場合、事業運営に支障をきたすことになり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

従業員の状況研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03462] S100QTV0)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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