株式会社ツルハホールディングス 対処すべき課題 (2016年5月期)

今後の経営環境につきましては、国内景気の緩やかな回復が期待されるものの、海外の経済情勢の見通し懸念などから消費者の生活防衛意識は継続するものと考えられます。ドラッグストア業界においては価格競争や出店競争の激化、および業界の垣根を越えたM&Aや業務・資本提携などの業界再編への動きが加速すると想定され、厳しい経営環境が続くものと思われます。
このような状況の中で、当社は「お客様の生活に豊かさと余裕を提供する」という経営理念のもと、美と健康に関する高い専門性を生かしたカウンセリングサービスの充実に引き続き取り組むとともに、プライベートブランド商品「M's one(エムズワン)・Medis' one(メディズワン)」をはじめとする良質でお求やすい商品の品揃えによる利便性の提供に努め、お客様に親しまれる身近で便利なドラッグストアを目指してまいります。
また、グループ内における法令遵守が維持された組織体制の構築を図ってまいります。
2017年5月期の重点方針は次のとおりです。
①収益性を重視した店舗展開戦略
店舗展開地域への集中出店によりドミナント戦略を推進するとともにM&Aを含めた新規地域への展開拡大を図ります。
②高齢化や競争激化による商圏縮小への対応
繁華街立地への出店を推進するほか、利便性の向上を目的として既存店舗の改装による食品部門の拡充に取り組みます。
③事業会社の経営効率の向上
物流センターの機能向上、店頭取扱品目の見直し等による店舗作業改善を引き続き推進し、人件費率の改善を図ります。
④グループ管理業務の集約による効率化
2016年5月16日付で、㈱ツルハグループマーチャンダイジングが㈱ウイングおよび㈱ツルハeコマースを吸収合併いたしました。商品調達・プライベートブランドの企画開発・通信販売の3事業を集約し、相互の業務連携により商品軸でのグループシナジーの最大化を図ります。
⑤プライベートブランド「M's one(エムズワン)・Medis' one(メディズワン)」のブランド力強化
既存商品の見直し・リニューアルを通じてお客様のニーズに応える商品質な商品の提供に努めるとともに、パッケージデザインの刷新等を通じてツルハグループを代表する商品としてのブランド力向上を図ります。
⑥調剤事業の強化
既存店舗への併設を中心とした調剤薬局の新規出店および薬剤師のスキルアップに努めるともに、薬局店頭での健康セルフチェック(自己採血)の実施などを通じて調剤事業の充実に取り組みます。
⑦海外事業展開の推進
業務提携先であるタイ国・サハグループとの合弁会社「Tsuruha(Thailand)Co.,Ltd.」によるタイ国での事業基盤を早期に確立すべく、収益の見込める好立地への出店を推進するとともに、管理業務・物流体制の効率化を図ります。

2017年5月期の出店計画は、新規出店125店舗、閉店23店舗、期末店舗数1,769店舗を計画しており、未出店地区への進出も含めてより一層のドミナント化を推進いたします。さらに、当社は中期目標である「2019年5月期 2,000店舗・売上高7,000億円」を達成かつ、高い成長性を維持するため、上記施策の確実な実行と、当社の方針に賛同していただける企業との資本・業務提携やM&Aも実施しながら、グループの企業価値の最大化に注力して行きたいと考えております。