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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QILX (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 サッポロホールディングス株式会社 研究開発活動 (2022年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当グループの研究開発は、さまざまな分野で培ってきたコア技術と強みとする素材とをかけ合わせ、さらにはオープンイノベーションも推進しながら、基盤研究から応用研究、商品技術開発までを協働して行い、世界に広がる『酒』『食』『飲』で個性かがやくブランドカンパニーを目指します。また、サステナビリティ重点課題の解決に向けて設定した中長期目標の達成に取り組んでいます。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は26億円です。

セグメントの状況は次のとおりです。

[酒類事業]
1.研究開発について
サッポロビール社は「価値創造フロンティア研究所」「原料開発研究所」「技術開発部」「商品・技術イノベーション部」及び「R&D企画推進部」の体制で研究開発を進めております。これら5部門で総勢約80名(うち約20名が女性)が研究開発に取り組んでおります(研究補助者は含みません)。
2022年8月に開催された2022年度日本味と匂学会第56回大会にて、サッポロビール社は日本味と匂学会(※1)から「ホップに由来する冷涼感寄与成分の探索:3成分の相互作用による新たな冷涼感形成メカニズムの発見」で「2022年度優秀発表賞」(※2)を受賞しました。近年、クラフトビールのブームに代表される多様なビールが求められる時代において、世界中で様々な香りのホップが育種、開発品種化されており、その中にはミントのような冷涼感をビールに与えることができる品種もあります。本発表は、このようなホップがメントール(※3)などの既知の冷涼感成分をほとんど含まず、単独の成分ではなく3つのホップの香り成分の相互作用によって冷涼感に寄与しているという新たなメカニズムを明らかにしたものです。同学会においてビール醸造技術をテーマとした発表の受賞は初めてであり、この受賞はビールの味わいの多様性につながる取り組みが評価されたものと考えています。
2022年4月、6月には「原料開発研究所」が育成し、2021年に品種登録したホップ品種「フラノマジカル」(商標名)の特長を活かした新商品「サッポロ クラシック 春の薫り」、「サッポロ セブンプレミアム上富良野大角さんのホップ畑から」がそれぞれ限定発売されました。「フラノマジカル」を含むホップの香り成分に着目した研究においても、2報の研究論文を発表しております(※4)。米国を中心にクラフトビールが発展を遂げる中、米国醸造家の間で人気を博したサッポロビール社開発品種「ソラチエース」やホップ香り成分の研究成果では、引き続き世界をリードし国際的にも高評価を得ております。
また、同研究所が開発したLOXレス大麦品種(※5)「CDC PlatinumStar」「CDC Goldstar」「きたのほし(商標名)」はカナダ及び北海道で協働契約栽培により生産されており、「旨さ長持ち麦芽」として「サッポロ生ビール黒ラベル」等のサッポロビール社商品で採用しております。また、豪州においても、新たに開発したLOXレス大麦品種の普及を計画しています。
サステナビリティ視点の研究では、「温暖化による降雨量増加への耐性とビールのおいしさを両立できる大麦の発見」について、2022年3月に開催された日本育種学会(※6)第141回講演会で発表しました。気候変動への対応策として、本研究成果も活用し、「気候変動に適応するための大麦・ホップ品種を開発し、2035年までに国内で実用化する」ことで、持続可能な原料調達に貢献することを目指してまいります。
これらの研究成果を商品開発技術に応用し、これからもビールテイスト飲料のさらなる魅力を引き出すことで、多様なビールの楽しみ方を提案してまいります。また、品質保証研究では、これまで以上にお客様の安全・安心志向や健康意識に応えるため、原料・製品の安全性分析及びそれを支える分析新技術の研究に継続して取り組んでまいります。
「R&D企画推進部」では、経営・商品開発・研究開発が三位一体の関係を形成できるような仕組みづくり及びグループ内各社の研究開発を横断的に結合する活動を行っております。

※1 「日本味と匂学会」は、1967年に始まった「味と匂のシンポジウム」を前身として、1991年に学会として設立された味と匂に関する科学の広汎な研究の進展を図ることを目的とする学会。国内の大学・研究所・企業・病院などに所属する多くの味覚・嗅覚研究者によって構成・運営されている。
日本味と匂学会ホームページ:http://jasts.com/
※2 日本味と匂学会の年次大会でポスター発表された一般演題から内容の優れたものに授与される賞。
※3 ミントの冷涼感のもととなっている成分。
※4 「フラノマジカル」の特長的な香りに関する研究論文について。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001954.000012361.html
※5 ビールの風味を劣化させる成分(LOX-1:脂質酸化酵素)を持たない大麦。
※6 「日本育種学会」は、1951年に設立された作物の育種に関する研究及び技術の進歩、研究者の交流と協力、および知識の普及をはかることを目的とする学会。国内の大学・研究所・企業などに所属する多くの育種関連の研究者によって構成・運営されている。日本育種学会ホームページ:https://jsbreeding.jp/
2.商品開発について
酒類の商品開発については、2020年に策定されたサッポロビール社の経営ビジョンのもと「お酒と人との未来を創る」商品をお届けすべく活動を行ってまいりました。
「サッポロ生ビール黒ラベル」は“麦のうまみと爽快な後味の完璧なバランス”を目指し、「フレッシュキープ製法」「旨さ長持ち麦芽」「泡品質を向上させる継続的な取り組み」はそのままに、「生のうまさ」へのこだわりをより一層進化させたリニューアルを2022年2月製造分から実施するなど、お客様の満足度向上に取り組んでまいりました。
ヱビスブランドでは、2021年からの新コンセプト「Color Your Time!」のもと、「ヱビス プレミアムホワイト」「ヱビス プレミアムメルツェン」「ヱビス ホップテロワール」など個性的な限定商品も積極的に展開し、「ひとりひとりの彩りあるビール時間を創るブランド」としてヱビスならではの多様なビールの味わいをご提案してきました。
「サッポロ生ビール黒ラベル」の麦芽と「ヱビスビール」のホップを一部使用し、サッポロビール社の技術と信念をつぎ込んだ新ジャンル「サッポロ GOLD STAR」が、新ジャンルの市場が縮小傾向にある中、2年連続前年超えを果たしました。さらにお客様の新しいアルコールの選択肢として、アルコール度数0.7%の微アルコールビールテイスト飲料「サッポロ The DRAFTY」を2021年9月に発売し、新しい市場の創造にも挑戦しました。
また、お客様との共創によるビールづくりを展開する「HOPPIN' GARAGE」は、定期的に新作ビールが届く会員制サービスを2021年4月に開始して以来、多くの魅力的な方々と当社の醸造技術を掛け合わせた共創を行ない、個性豊かなビールを皆さまにお届けしてきました。ブランドの主力サービスである「ホッピンおじさんの新作定期便」の登録人数は約3,000名となり、一般購入も含めた売上数量は前年比約2.5倍まで成長しました。
RTD(※1)では「サッポロ 濃いめのレモンサワー」のお客様支持が拡大しました。またグレフルサワー専門ブランド「サッポロ 三ツ星グレフルサワー」を発売するなど、RTD市場成長が鈍化する中、前年を超える当社史上最高1,219万ケース(※2)を販売しました。またRTS(※3)からは、レモンサワーの素に次ぐ濃いめブランドの新商品として「濃いめのグレフルサワーの素 500ml瓶」を発売し、好評をいただいています。
酒類事業の研究開発費の金額は15億円です。

※1 RTD:Ready to Drink の略。栓を開けてそのまま飲める低アルコール飲料
※2 250ml×24本換算
※3 RTS:Ready to Serve の略。氷やソーダ等で割るだけで楽しめるお酒

[食品飲料事業]
1.研究開発について
「おいしさを探す」一環として、ポッカサッポロフード&ビバレッジ社が、レモンの摂取による健康状態への効果を調査する研究を、国産レモンの産地である広島県の大崎上島町にて、ここ数年にわたって地元自治体や大学と協働して進めています。さらに同地では、国産レモンの省力化栽培・供給拡大を念頭に、ICT(情報通信技術)を活用して天候に応じて自動で最適な肥料や水やりを行うレモン栽培、休耕田のレモン栽培への活用等の研究開発を継続しております。また、アルビレックス新潟のU-18の選手を対象として、レモンと牛乳の摂取が骨の健康維持に及ぼす影響についての食育活動の試験を進めています。
さらに、レモン由来のモノグルコシルヘスペリジンの「むくみ」の改善効果を(一社)日本果汁協会主催の第63回果汁技術研究発表会にて発表を行い、本研究成果を具現化した機能性表示食品「キレートレモンMUKUMI」を発売しました。

2.商品開発について
食品飲料における商品開発については、ポッカサッポロフード&ビバレッジ社の経営ビジョン「おいしい以上の価値」のもと開発活動を行いました。
レモンでは、「キレートレモン」ブランドにて、レモン1個分の果汁(※1)、ビタミンC1,350mg、クエン酸1,350mgが入り、レモンの果皮から抽出されたレモン由来モノグルコシルヘスペリジンの働きで一時的に自覚する顔のむくみ感を軽減することができる、機能性表示食品「キレートレモンMUKUMI」を上市し、多くのお客様からの支持を得て好調に推移しています。
スープでは、主力ブランド「じっくりコトコト」シリーズにおいて、従来の「冷製缶スープ」が野菜を補給したい時の食事の一品や、小腹がすいた時の間食としても利用されることが多いことから、より野菜を摂取したい気持ちや小腹を満たしたいシーンに寄り添う「やさいのじっくりコトコト」シリーズとしてリニューアルしました。また、カップ入りタイプでは、従来の「じっくりコトコトこんがりパン1食分の野菜」シリーズを、スープをサラダ感覚でお召しあがりいただけるよう「じっくりコトコトこんがりパン温サラダ」と名前を変更し、中身設計も見直しました。「温かいサラダ」をコンセプトに、刷新前と比べ、使用している野菜の種類を増やし、野菜の濃厚さと美味しさ・野菜の食感と素材がより感じられる味わいへと魅力を高めました。“ほうれん草チャウダー”“ミネストローネ”“オニオンチャウダー”の3種類のラインナップで、すべて「1食分の野菜」(※2)入りです。また、「おうちスープ」は、大容量タイプの袋入りスープとして、2021年に数量・期間限定で販売しましたが、2022年8月より、定番の「コーン」と「ポタージュ」の2種類で上市しました。
植物性食品では、豆乳ヨーグルト「SOYBIO」ブランドにて、植物性のプロテインである大豆プロテイン8g(※3)が入っており、乳酸菌やイソフラボンなどの成分と一緒に手軽にプロテインを摂ることができる「SOYBIO豆乳ヨーグルト SOYPROTEIN」を上市しました。また、シチリア産レモン果汁を使用したレモンソース(※4)で仕上げた爽やかなレモン味をおいしく楽しむことができる「ソヤファーム 豆乳で作ったヨーグルト シチリアレモン」を上市しました。
飲料では、コロナ禍においてテレワーク等の普及や、オフィス需要が減少するなかで、日本において紙製飲料容器「カートカン」からは初となる水「Green Pack Water」を新たに発売しました。また、“顔缶”の愛称で親しまれている「ポッカコーヒー」から、ブラジル最高等級豆である「ブラジルNo.2」を100%使用した、ほどよい苦みと芳醇なコクのプレミアムタイプ「ポッカコーヒープレミアム微糖」を新たに上市しました。
神州一味噌社は即席みそ汁主力ブランドの「おいしいね!!」において、2022年春からカップみそ汁フタ薄肉化および3食入り袋の材質構成見直しによりプラスチック原料を年間約6.7トン削減しました。
食品飲料事業の研究開発費の金額は11億円です。

※1 レモン1個分は、レモン果汁約30mlとして1本当たり1個分以上の果汁が含まれています
※2 1日の野菜摂取目標量は350g(厚生労働省「健康日本21(第2次)」より)。本品ではその1/3量を使用しています(生野菜換算、日本食品標準成分表2020年版(八訂)より)。加工した野菜と生野菜の栄養価は異なります。
※3 大豆たんぱく質相当量(100g当たり)です。
※4 レモンソース中にシチリア産ストレートレモン果汁を12%使用しております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00393] S100QILX)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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