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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100L1A8 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 キリンホールディングス株式会社 研究開発活動 (2020年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


5 【研究開発活動】
当社グループでは、食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となることを目指しています。食から医にわたる領域での価値創造に向けては、既存事業の「食領域」(酒類・飲料事業)と「医領域」(医薬事業)に加え、2つの中間領域にあたる「ヘルスサイエンス領域」の立ち上げにつながるイノベーションの創造に取り組んでいます。当社グループの研究開発活動は、キリンホールディングス㈱R&D本部の3研究所及び各事業会社の研究所で行っています。ヘルスサイエンス領域におけるオープンイノベーションを加速するため、CVCファンド「KIRIN HEALTH INNOVATION FUND」を設立し、腸内細菌由来のアレルギー予防薬・治療薬の開発を行うSiolta Therapeutics Inc.に出資するなど、有望な技術の開発・応用・実用化を可能にするためにグループ内外のオープンイノベーションを積極的に推進しています。
当年度におけるグループ全体の研究開発費は645億円です。セグメントごとの主な研究開発成果は以下のとおりで、キリンホールディングス㈱R&D本部の研究開発費はに含まれております。

キリンビール㈱は、「一番搾り」ブランドから「キリン一番搾り糖質ゼロ」を2020年10月に新発売しました。本商品は、国内で初めて※1、ビールカテゴリーで糖質ゼロ※2を実現した商品です。「一番搾り製法※3」による“雑味のない澄んだ麦のうまみ”と、約5年の歳月をかけて350回以上の試験醸造を重ね、キリンビール㈱の技術力を結集させることで、国内で初めてビールカテゴリーで「糖質ゼロ」を実現しました。お客様がビールカテゴリーに期待する「おいしさ」「糖質ゼロ」を実現することで、既存のビールユーザーに加え、健康志向の高いお客様への期待にも応え、ビールの新たな魅力を広げていきます。
発泡酒カテゴリーでは、“ビールに近い飲みごたえを感じるおいしいゼロゼロ”がコンセプトの「淡麗」ブランド、「淡麗プラチナダブル」を2020年8月中旬からリニューアルしました。プリン体0×糖質0系のビール類市場は、お客様の継続した健康意識の高まりから堅調に推移※4しています。原材料配合の見直しと酵母から生成されるプリン体を抑制するキリン独自の発酵制御技術を新たに採用することで、原料・発酵由来の飲みごたえと爽快なキレをアップさせながら、「プリン体0」「糖質0」を実現しました。
新ジャンルカテゴリーでは、「本麒麟」を2020年1月中旬からリニューアルし、大麦を増量し、仕込過程に新技術を採用することで、「本麒麟」の強みである「ビールに近い卓越したうまさと品質」を一層強化しました。ベルリンインターナショナルビアコンペティション 2020 年「インターナショナル スタイルラガー部門」、ジャパン・フード・セレクション第 34 回(2020 年)で、それぞれ金賞を受賞しました。「本麒麟」は、“ビールに近い卓越したうまさと品質”を国内外で高く評価され、昨年 11 月の “金賞三冠” ※5からさらに 2つの金賞を受賞し、国内外のビールコンペティションにおいて、 キリンビール㈱史上初となる“金賞五冠”受賞となりました。
ノンアルコールカテゴリーでは、㈱ファンケルと両社として初めて共同開発した「キリン×ファンケル ノンアルコールチューハイ 氷零 カロリミット® レモン/グレープフルーツ」を2020年10月に新発売しました。女性を中心に高い支持を受けている㈱ファンケルの「カロリミット®」の強みと、キリンビール㈱の食事にぴったりな爽快な味わいを実現している「ノンアルコールチューハイ氷零」の強みという、両ブランドの特長を生かして共同開発しました。当商品は、難消化性デキストリンの働きにより「食事の糖や脂肪の吸収を抑える」機能性表示食品であり、「カロリミット®」ブランド史上初となるノンアルコールチューハイです。
RTDカテゴリーでは、「キリン・ザ・ストロング」シリーズを“うまさにこだわった麒麟特製ストロング”をコンセプトとして、中味・パッケージともに※6リニューアルし、2020年4月より発売しました。複数の果実を12時間以上煮詰め、うまみを凝縮させた麒麟特製「うまみエキス」により、アルコール9%でありながらも嫌なアルコール感がなく、飲みごたえと飲みやすさが両立した調和のとれた味覚を実現しました。

当事業に係る研究開発費は10億円です。
※1 ビールで糖質ゼロを実現した国内で初めての商品(Mintel GNPDを用いた当社調べ)
※2 100ml当たり糖質0.5g未満のものに表示可能(食品表示基準による)
※3 麦汁ろ過工程において最初に流れ出る一番搾り麦汁を使う製法
※4 当社調べ
※5 インターナショナル・ビアカップ 2018 年「フリースタイルライトラガー部門」金賞、モンドセレクション 2019 年「ビール、水&ノンアルコール飲料部門」金賞、メルボルンインターナショナルビアコンペティション 2019 年「インターナショナルスタイルラガー部門」金賞
※6 「ホワイトサワー」「グレープサワー」は、パッケージのみリニューアル

国内飲料事業は、キリンビバレッジ㈱が中心となり原料の選定から最終商品まで開発を一貫して行っています。
無糖茶市場では、近年の健康志向の高まりを背景に「キリン 生茶」を2020年3月にリニューアルしました。2000年3月に発売して以来、「生」が生み出すおいしさで緑茶の新たな可能性を広げ続けたことで、多くのお客様に好評を頂き、2020年に発売20周年を迎えました。「よりおいしい緑茶があるなら試したい」という緑茶ユーザーの期待に応えるため、従来の「まる搾り生茶葉抽出物※1」に加え、生茶葉のはたらきによる新製法を採用することで、まろやかでコクのある味わいはそのままに、新緑のような爽やかさと茶葉本来の甘みと香りが豊かな味わいへと進化しました。さらに、「生茶」ブランドから「キリン 生茶 ほうじ煎茶」を2020年9月に新発売しました。ほうじ茶は、昔から慣れ親しんだ和素材としての安心感に加えて、直近ではスイーツやラテで活用されるなど、和から洋まで楽しめる、嗜好性が高いトレンドの新素材としてもお客様の期待が集まっています。「生茶」ブランドらしい、生茶葉が生み出す “濃いのにすっきり”としたおいしさを追求するために試作を重ね、「まる搾り生茶葉抽出物」と茶葉の焙煎の工夫により、上品で香り高く、すっきりと軽やかな「生」ならではのおいしさを実現しました。
ロングセラーブランド「キリンレモン」ブランドから、「キリンレモン スパークリング 無糖」を2020年6月に新発売しました。発売当時の余計なものは何も含まない健康感と品質へのこだわりはそのままに、切りたてのレモンのような爽やかな味わいを、瀬戸内レモンエキスと純水を使用して強炭酸で仕上げました。人工甘味料・着色料・保存料不使用で、カロリーゼロの無糖炭酸水です。「キリンレモン スパークリング 無糖」は「摂りすぎない健康」をテーマに「無糖・微糖」カテゴリーの商品を充実させることでお客様の健康な毎日に貢献することを目指す、キリンビバレッジ㈱のビジョン「CSVの実践を軸とした成長による利益創出」を体現した商品の一つです。
㈱ファンケルと共同開発したフレーバーウォーター「キリン×ファンケル BASE ピーチ&ザクロ」を、2020年10月に新発売しました。長年人々の健康や美容に向き合ってきた㈱ファンケルと、おいしくて安全・安心な飲料を提供する当社グループが、お互いの強みを生かし、新発想の商品を創出しました。当商品は、㈱ファンケル独自の組み合わせである「HTCコラーゲン※2」、「バラつぼみエキス※3」に加え、1日不足分の「ビタミンC※4」を配合し、当社の飲料開発技術により誕生した新しいフレーバーウォーターです。両社は、忙しい女性が仕事や家事などの合間にうれしい成分を飲料で手軽に補給することができる、新しい美容習慣を提案しました。

当事業に係る研究開発費は9億円です。

※1 摘みたての生茶葉を芯まで凍らせてまるごと搾って作った抽出物で、新緑のような爽やか香りと甘みが詰まっている。生茶ブランドの「生」の由来
※2 コラーゲンの最小単位であるトリペプチドを多く含み、一般的なコラーゲンと比べ、吸収されやすい大きさのコラーゲン
※3 美しい花を咲かせる前の、最も生命力豊かなバラのつぼみから抽出した希少なエキス
※4 国が定める推奨量(日本人の食事摂取基準(2020年版))から、実際の平均摂取量(国民健康・栄養調査(2018年)20~49歳女性)を引いた量

オセアニア綜合飲料事業では、ライオン社で、オーストラリア及びニュージーランドの市場環境の変化に応じた商品中味や容器開発を、キリンホールディングス㈱の持つ技術を活用しながら取り組みました。

当事業に係る研究開発費は1億円です。

協和キリン㈱は、多様なモダリティを駆使して画期的新薬を生み出すプラットフォームを築く技術軸と、これまで培った疾患サイエンスを活かしつつ有効な治療法のない疾患に"only-one value drug"を提供し続ける疾患軸の両方を進化させ、競合優位性の高いパイプラインを構築し、Life-changingな価値をもつ新薬をグローバルに展開することを目指しております。
主な後期開発品の各疾患領域における進捗は、次のとおりです。

腎領域
KRN321(日本製品名:ネスプ)
・2020年6月に中国において血液透析施行中の腎性貧血を適応症として承認されました。

がん領域
KRN125(日本製品名:ジーラスタ)
・2020年2月に日本においてがん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制を適応症とした自動投与デバ
イス開発に関する第Ⅰ相臨床試験を開始しました。

ME-401(一般名:Zandelisib)
・北米、欧州、アジア、オセアニアにおいて濾胞性リンパ腫を適応症とした第Ⅱ相試験を実施中であります
(2020年4月にグローバルライセンス契約をMEI Pharma社と締結)。
・2020年10月に日本において再発/難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫(小リンパ球性リンパ腫、リ
ンパ形質細胞性リンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症を除く)を適応症とした第Ⅱ相臨床試
験を開始しました。

KW-0761(日本製品名:ポテリジオ、欧米製品名:Poteligeo)
・2020年12月に韓国において菌状息肉腫及びセザリー症候群を適応症とした承認申請を行いました。

免疫・アレルギー疾患領域
KHK4827(日本製品名:ルミセフ)
・2020年6月に中国において尋常性乾癬を適応症として承認されました。
・同年11月に日本において強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎を対象とした効能・効果
に関する承認事項一部変更承認を取得しました。

中枢神経領域
KW-6002(日本製品名:ノウリアスト、米国製品名:Nourianz)
・欧州においてウェアリングオフ現象を有する成人パーキンソン病患者におけるレボドパ含有製剤との併用療
法を適応症とした承認申請が審査中であります(2020年1月申請受理)。

その他
KRN23(日本製品名:クリースビータ、欧米製品名:Crysvita)
・2020年2月に米国において腫瘍切除不能または腫瘍の同定が困難な腫瘍性骨軟化症を適応症とした生物学的
製剤承認一部変更申請が受理され、6月に成人及び2歳以上の小児を対象とした腫瘍切除不能または腫瘍の
同定が困難な腫瘍性骨軟化症を適応症として承認されました。
・同年9月に欧州において青少年・成人のX染色体連鎖性低リン血症を適応症として承認されました。
・同月に韓国においてFGF23関連低リン血症性くる病及び骨軟化症を適応症として承認されました。
・同月に中国において腫瘍性骨軟化症を適応症とした承認申請を行いました。
・同年12月に欧州において腫瘍性骨軟化症を適応症とした生物学的製剤承認一部変更申請を行いました。

当事業に係る研究開発費は520億円です。

メルシャン㈱は、キリンホールディングス㈱飲料未来研究所と連携しながらワインの研究・技術開発並びに商品開発を実施しています。
発売25周年を迎える「ビストロ」シリーズを2020年3月中旬からリニューアルしました。「ビストロ」ブランドは「フードマッチ製法※1」を採用した、普段の食事に合わせやすいワインです。“気軽なレストラン”を意味するフランス語由来の商品名「ビストロ」のとおり、いつもの楽しい食卓を彩るデイリーワインとして、1995年の発売以来、多くのお客様に愛飲をいただいています。おいしさはそのままに、フレーバーごとにお客様の嗜好に合わせ、さらに飲みやすい味わいとなりました。
“新感覚”のクラフトスパークリングワイン「メーカーズレシピ スパークリング ウィズ ホップ」を、2020年6月に新発売しました。メルシャン㈱のワイン醸造技術・梅酒の浸漬技術と、キリングループのホップ活用技術を組み合わせ、今までにない香り、味覚、後口を実現しました。フローラルで華やかなホップの香りと、ブドウの爽やかでフルーティな味わい、すっきりとした後切れが特長です。
ノンアルコールのスパークリングワイン「メルシャンスパークリング アルコールゼロ」を2020年2月に新発売しました。ワインらしさを感じる柑橘香成分を多く含む特殊ブドウ果汁の開発に加え、果汁の持つ香り成分を強化し、味に膨らみや複雑さを与える製法を開発しました。鼻先から感じる香りだけではなく、口中で花開く香りが「戻り香」となり、ワインのような風味を実現しました。
新しい酵母や発酵技術の開発により、甘みを付与することで、やわらかくまろやかな味わいに仕上げた本格焼酎「八代不知火蔵 こめ焼酎 白水」が熊本国税局の2020年酒類鑑評会で優等賞を受賞しました。これからも豊かな自然に恵まれた八代の地から、みなさまの暮らしに生かす価値を発信し、地域の発展に貢献していきます。
世界全体に存在するワイナリーは数十万ヵ所ともいわれていますが、秀逸な「日本ワイン」を生産する「シャトー・メルシャン」椀子ワイナリーが、「ワールド・ベスト・ヴィンヤード2020」で世界第30位、ベスト・アジアに日本で初めて選出されました。

協和発酵バイオ㈱は、各種アミノ酸に加え、核酸やペプチドといった高付加価値製品の省資源・高効率な発酵生産プロセスの研究開発に引き続き注力しています。国内外の大学研究機関との共同研究を通して得られた機能性や安全性データに基づき、アミノ酸等、発酵生産物の栄養生理機能探索や用途開発を行い、製品の付加価値を高めています。キリングループ内での連携のもと、素材開発の知見を生かし、熟成ホップエキス等の新素材の開発に取り組んでいます。また、独自素材の中で事業化に近いものとして、ヒトミルクオリゴ糖の研究開発に取り組んでいます。

キリンホールディングス㈱の独自素材「Lactococcus lactis strain Plasma(以下、プラズマ乳酸菌)」を使用した商品が、機能性表示食品制度の「健康な人の免疫機能の維持をサポート」に関する表示で、免疫機能で初めて消費者庁に届出受理され、2020年8月に公表されました。「プラズマ乳酸菌」は、「免疫の司令塔」である「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」を活性化し、活性化された司令塔の指示・命令により、免疫細胞全体が活性化され、外敵に対する防御システムが機能します。キリンホールディングス㈱からは、サプリメントの「キリン iMUSE professional プラズマ乳酸菌サプリメント」、「キリン iMUSE プラズマ乳酸菌サプリメント」(15日分)、「キリン iMUSE プラズマ乳酸菌サプリメント」(7日分)を同年11月に新発売しました。キリンビバレッジ㈱からは、飲料の「キリン iMUSE ヨーグルトテイスト」、「キリン iMUSE レモン」※2、「キリン iMUSE 水」を同年11月に新発売しました。
乳由来の独自素材「βラクトペプチド※3」に関する研究について、一般社団法人 日本認知症予防学会(理事長 浦上克哉)の認定で「グレードA」を同年9月に取得しました。日本認知症予防学会のエビデンス創出委員会による審査にて、「βラクトペプチドの1つであるGTWYペプチド※4」の認知機能改善作用に関する情報は、1次予防※5に対する効果があると認定され、特定の食品成分の研究情報としては初めての認定取得となりました。

その他の事業及び全社(共通)に係る研究開発費は104億円です。

※1 魚介類と合わさることで生臭さを引き起こす物質を軽減する、メルシャン独自の製法
※2 果汁1%
※3 乳タンパク質に由来し、トリプトファン-チロシン(WY)のアミノ酸配列を含み認知機能改善作用を有するペプチドの総称
※4 「βラクトペプチド」の主要な1成分で、グリシン-トレオニン(スレオニン)-トリプトファン-チロシン(GTWY)という4アミノ酸配列のテトラペプチド
※5 一般社団法人 日本認知症予防学会が考える広義の予防の一つ。具体的には1次予防が認知症の発症予防、2次予防が認知症の早期発見、早期治療、早期対応、3次予防が認知症の進行予防

事業等のリスク株式の総数等


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