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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LN4K (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 味の素株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

味の素グループは、2030年に食と健康の課題解決企業に生まれ変わります。2020-2025中期経営計画ではその実現に向けて経営資源を集中します。研究開発に関しては、”Agile R&D”への変革に向け、これまで新規分野の研究開発や全社横断で技術支援をしてきた味の素㈱旧イノベーション研究所を、事業に沿ったR&D体制という観点から、2019年4月にバイオ・ファイン研究所、食品研究所、情報企画部などへ役割・機能毎に再編しました。また2021年4月に連結子会社である味の素冷凍食品㈱、味の素AGF㈱と連携した、グループ3社の食品に関わる国内R&D拠点を集約しました。事業に紐づくR&D体制のもと、基礎研究から製品開発、工業化までを一気通貫とし、当社グループの技術融合を加速させ、製品のさらなる高付加価値化と事業の構造強化に貢献し、持続的な成長を目指していきます。
食品領域においてはおいしさと栄養、そして生活者価値に基づく技術と商品開発を通じて、また、アミノサイエンス領域においては先端バイオ・ファイン技術を追求し新たな価値を創造することで、世界の食と人々の「こころとからだ」の健康課題を解決し、未来のより良い生活に貢献します。

当連結会計年度における味の素グループの研究開発費は25,900百万円です。
また、当社グループが保有している特許は国内外合わせて約4,100件です。
当連結会計年度の各事業区分における研究開発活動の概要とその成果は次のとおりです。

(1)調味料・食品セグメント
味の素㈱食品研究所が中心となり、味の素AGF㈱、上海味の素食品研究開発センター社(中国)をはじめとする国内外のグループ会社の研究開発部門とも密接に連携し、味、香り・風味、食感など、「おいしさを構成するすべての要素」を俯瞰した技術開発、商品開発、及びそのアプリケーション開発を行っています。また、日本国内の少子化・高齢化、世帯人数の減少、健康志向といった課題に対し、味の素グループの独自素材と技術及び斬新な発想による価値提案型の製品開発に取り組み、課題解決先進国の日本で磨いたモデルをグローバルに展開しています。国内R&D拠点集約が完了し、グローバルな製品開発体制のもと、マーケティング力、ブランド力を強みに、各国生活者の嗜好とニーズに適応した調味料、加工食品の開発に継続して取り組んでいます。

調味料、栄養・加工食品

2020年度の調味料事業商品は、栄養バランスの取れた多様なメニューとスマート調理を実現するため、「スペシャリティ」を持った新製品を開発・発売しました。
人々の「健康なこころとからだ」に貢献すべく、マヨネーズでは初めてとなる、開封後も鮮度を維持する2重構造ボトルを使用した「ピュアセレクト®マヨネーズ」新鮮キープボトル200gを通販サイト限定で発売しました。洋風合わせ調味料においては、お店で食べるようなメニューを、肉や野菜と炒めるだけで簡単につくれるソース「Bistro Do®」、、、を開発・発売しました。また、お肉をやわらかく仕上げる技術の入ったソースと圧力スチーム調理パウチで、簡単かつ短時間で肉メニューが楽しめる「スチーミー」にを、「鍋キューブ®」では生姜をしっかり効かせたやさしい味わいのを開発し、ラインアップを拡充・発売しました。
廃棄プラスチックによる地球環境課題に対して貢献すべく、うま味調味料「味の素®」の紙製容器包装入り新製品をEC限定発売しました。


事業展開している各国・地域の健康志向やライフスタイルの変化に対応した高付加価値製品のラインアップ拡充、デジタルを活用した生活者意識・行動解析による商品開発の高度化を推進しています。都市化やライフスタイルの変化が進む中、簡便で加工度の高い製品や健康価値を有す製品への需要も増加しています。味の素グループの減塩技術、新規独自素材の導入により、インドネシアの「Masako®」、タイの「Ros Dee®」、ブラジルの「Cardo Sazon®」は減塩を行うと同時においしさを向上させた製品を発売いたしました。
今後も当社グループの独自素材の活用や独自技術に裏打ちされたおいしさの追求とともに健康価値領域での製品開発を継続強化していきます。


2020年度の栄養・加工食品事業商品は、すぐに食べられ、生活者のこころの安らぎ、健康な生活を支える新製品を開発・発売しました。スープ市場においては、「クノール®カップスープ」26品を新規スペシャリティ原料、独自素材を活用して、おいしさを向上させるべく全面改訂を行いました。さらに、袋のまま電子レンジで温めるだけで、豆や野菜の栄養が摂れて身体に優しく、食べ応えのあるスープが楽しめるストレートタイプスープ「クノール®」ポタージュで食べる豆と野菜、、を発売しました。また、「クノール®スープグランデ®」では、なめらかクリーミーな味わいに仕上げたを開発し、ラインアップ拡充を行いました。更に、たっぷりのフリーズドライ具材とサッと溶ける風味豊かな“だし味噌”が入った即席味噌汁「具たっぷり味噌汁」、を開発し、自社通販およびECチャネルで発売しました。
健康志向ニーズが高まり、超高齢化が進む日本において、国、地方自治体は健康寿命延伸施策を積極的に進めています。当社においても、高齢者のフレイル(虚弱)、低栄養の予防改善に向け、当社のスペシャリティである「たんぱく質・アミノ酸栄養」の研究開発知見を活かした製品の開発を進めています。2020年度は従来の医療機関、介護施設向けのみならず在宅で療養される高齢者・ご家族、また介護予備軍とされる方々をも対象とした新製品の開発を進めました。
健康志向向けの市場においては、生活習慣や食生活の乱れにより不足しがちな栄養素をサプリメントで手軽に補うことができる栄養機能食品「マルチビタミン&ミネラル」と、目の潤いと手元のピント調節機能をサポートし、目の疲労感を緩和する成分と、目のコントラスト感度を改善する成分を配合した機能性表示食品「ブルーベリー&ルテイン」を開発・発売いたしました。また、中高年を対象に、加齢によって衰える認知機能の一部である注意力と、認知的柔軟性を維持し前向きな気持ちをサポートするアミノ酸含有食品が機能性表示食品として消費者庁に申請受理されました。


加工食品では、事業展開している国々の都市化やライフスタイルの変化に伴い需要が増大するおいしさと健康価値をターゲットに、味の素グループならではのコンセプトを持つプレミアムな製品を発売しています。拡大する個食・即食・健康ニーズへの対応を強化し、ブラジルでは「VONO®クッキングスープ」、トルコでは「Bizim Mutfak®スープ」と減塩製品を発売しました。また、タイでの「Birdy®缶入り(無糖タイプ)」、独自素材の活用により低コスト、低糖でおいしさを実現したペルーでの「MiskisimooTM」を発売しました。今後も当社グループの独自素材の活用や独自技術に裏打ちされたおいしさの追求とともに健康価値領域での製品開発を継続強化していきます。


コロナ禍における家庭用飲料市場ではコモディティの大容量化とパーソナル&プレミアムの2極化が進んでいます。20年秋の「ブレンディ®」スティック全面改訂においては主力のとに新たな味の素グループの独自素材を活用することにより更なるおいしさアップを実現、また、これまで培ってきた粉体冷水可溶技術を活用し、1包で1Lのピッチャードリンクが手軽に作れるスティックタイプの「ブレンディ®」ザリットルを開発、簡便性だけではなく、廃棄物問題解決型のゴミ極小化(抽出滓、包装容器減など)製品の開発にも取り組みました。また、伸長著しいECビジネス向けには、ナチュラルヘルシー志向を捉えた働く女性の休憩をサポートする製品として、不足しがちな食物繊維を配合した「ブレンディ®」スティックの開発や子供の成長をサポートするカルシウム、鉄、ビタミンDなどを配合した「ブレンディ®」ブランド初となる子供向けスティック「ブレンディ®とけた!」(ココア、いちご2品種)を導入。また、EC専用品としてスモールマス型の価値創造にもチャレンジし、多様化する働き方に合わせたこだわりのレギュラーコーヒー「AGF®ワークデザインコーヒー™」シリーズからの3つのオケージョン型コーヒーを上質なアラビカコーヒー100%で実現しました。


業務用では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛の影響を受けて、外食店ではランチメニューやテイクアウトメニューの拡充をすすめています。こうした活動をサポートし、また「オペレーションを簡略化したい」、「高単価メニューを採り入れたい」などのニーズにお応えするために、新製品5品、「Cook Do®」500mLで〈麻婆茄子用〉、〈干焼蝦仁用〉、〈黒酢酢豚用〉の3品種、「クノール®クイックサーブスープ」クラムチャウダー、ポテトサラダの「士幌ポテト」燻製チーズを発売しました。また、工場需要家に対しては、共通ニーズに合わせた天然系調味料の新製品2品、牛肉特有の呈味や甘い風味香を付与できる「牛肉テイスト調味料」や、減塩時に生じる先味の物足りなさを改善する「先味アップ調味料(塩味タイプ)」を発売しました。
世界複数拠点でうま味調味料「味の素®」や核酸系調味料を生産し、グローバルネットワークを活かして100か国以上でBtoB及びBtoCビジネスを展開しています。
2020年は海外拠点間に跨がる開発体制を構築し、環境負荷低減の取組みやプロセス改良による生産性の向上、更にはグローバルサプライチェーン適正化を進めました。今後もグローバルな連携を加速し、味の素グループ一丸となって、うま味事業を通じた社会価値と経済価値の共創に貢献していきます。


高甘味度甘味料市場は、多くの国で砂糖の過剰摂取による健康課題が深刻化する中、引き続きグローバルで伸張しています。当社は加工用事業において、サステナブルなアスパルテームの安定供給の更なる強化と共に、コスト競争力の強化も進めています。加えて、20年度に北米で新たにステビア甘味料を上市し、当社のおいしさ設計技術を組み合わせた付加価値型の甘味料製品の開発も進めています。
また、日本国内のコンシューマー事業についても、多様化する生活者ニーズに対応するべく、当社独自技術を活用した既存の低カロリー甘味料製品の改訂や、新製品開発を進めています。


ベーカリー製品では、ファストフード向けに焼き包餡パイ採用、量販店インストアベーカリー向けに冷凍生地を多品種採用頂きました。また、小麦粉同等比率で従来よりも多くの吸水量を含んだ多加水冷凍生地の開発、医療用向けの低たんぱくパンの開発等に着手し、新たな価値の創造・新規顧客獲得に向けた提案を積極的に取り組みました。

調味料・食品セグメントに係わる研究開発費は、6,472百万円です。

(2)冷凍食品セグメント
味の素冷凍食品㈱研究開発センターと海外グループ会社の開発部門を中心に、各国の嗜好とニーズに適応した商品開発に取り組んでいます。更に味の素㈱食品研究所との連携により、減塩等の健康価値の向上や、シェフ/パティシエの技の工業化に取り組んでいます。


リテール製品では、圧倒的においしい品質を実現した、「ザ★®」シリーズ第三弾の「ザ★®から揚げ」、厚みと弾力にこだわった皮(耳たぶ食感)の「水餃子」、専門店品質の大ぶりのエビがゴロっと入った「大海老焼売」を開発・発売しました。電子レンジで調理しても、まるで焼き立てのような香ばしい焼き目を実現した「レンジで焼き餃子」を首都圏・関東エリア限定で開発・発売しました。また、おいしさはそのままに、塩分40%カットを実現した「五目炒飯」を開発・発売しました。
フードサービス製品では、提供者のオペレーション課題解決への対応として、保形性高く経時変化に強い、お店だけなくデリバリー・テイクアウトでも使用できる「バスクチーズケーキ」、個包装プチカップケーキ等を、また、ベジタリアンメニューの拡充を継続し、「大豆ミートバーグ」等を開発・発売しました。


北米や欧州では、日本食人気の高まりやコロナ禍における新しい生活様式により、特にリテール製品におけるアジアン冷凍食品市場が成長しています。
北米では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により新商品の開発・上市は見合わせましたが、包装ラインの自動化など生産技術の進化を進めました。欧州では、テイクアウト/デリバリー需要に対応して焼済み餃子の開発・発売を行うと共に、家庭用の餃子のラインナップ拡大を行いました。更にアジアでは、インドネシア向けにHalal餃子を開発・発売しました。
今後も日本で培われた生産技術で簡便な調理、かつ美味しさを提供していくと共に、健康機能を付与した製品を市場投入する等、製品の付加価値を常に向上させながら、更なる事業拡大に貢献していきます。

冷凍食品セグメントに係わる研究開発費は、1,252百万円です。

(3)ヘルスケア等セグメント
味の素㈱バイオ・ファイン研究所、食品研究所、味の素バイオファーマサービス、味の素-ジェネチカ・リサーチ・インスティチュート社、味の素ファインテクノ㈱等の国内外の各グループ会社及びその技術開発部門とも連携し、世界中の人々の健康や生活に貢献するための商品及びソリューションを提供しております。
バイオの分野では、先端バイオ・ファイン技術を活かしたアミノ酸等の生産力、レギュレーション対応力、サービス提供力を強みに、世界中の医薬企業等への多様で特徴ある素材・原薬・技術の提供に取り組んでいます。また、アミノ酸の機能、有用性に関する知見、新規用途探索力をアミノ酸サプリメントの開発等に応用することで、生活者のQOL向上、快適な生活のサポートに貢献しています。
さらに、世界トップレベルのアミノ酸に関する知見、安全性の高い素材開発力や配合評価技術、グローバルネットワークを強みとし、電子材料、動物栄養などの幅広い事業領域における研究開発に取り組んでいます。当社ならではのスペシャリティによる顧客価値を創出し、事業拡大を図っています。


医薬用・食品用アミノ酸市場の伸びに対応するために、生産性の向上とコスト競争力の強化を目的とした発酵・精製プロセス開発と導入を継続して進めています。また、動物細胞培養用の培地事業は味の素ジェネクシン社をプラットフォームとし、国内外のバイオ医薬品メーカーとの開発を継続、拡大しています。
再生医療用培地では、iPS/ES細胞の汎用培地として「StemFit® Basic04」を、米国・欧州・中国・韓国他、海外向け製品として2019年5月より発売しました。また2019年11月には、間葉系幹細胞用培地「StemFit® For Mesenchymal Stem Cell」、分化誘導用サプリメント「StemFit® For Differentiation」の販売を開始しました。今後、再生医療に求められる、高性能かつ動物・ヒト由来原料不含の安全性の高い培地の製造・開発を推進していきます。


製薬メーカーからの原薬受託製造について、低分子医薬品原薬、高活性原薬(HAPI)、ペプチド/オリゴ核酸、タンパク医薬、抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate:ADC)などの幅広い開発・供給体制の充実を図り、継続的な案件の受注に繋げています。
低分子医薬品原薬製造においては、バイオ技術との融合による効率的かつ環境配慮型のプロセスの研究を進めています。タンパク質発現技術(「CORYNEX」技術)においては、味の素アルテア社と連携して、グローバル大手製薬企業とバイオ医薬品の開発・製造支援事業「CORYNEX®」を推進しています。オリゴ核酸の受託製造においては、㈱ジーンデザインと連携して固相合成を活用した少量多品種製造から「AJIPHASE®」の液相合成技術による大量製造までの開発体制を構築し、味の素アルテア社、味の素オムニケム社との連携も深めながら、味の素バイオファーマサービス事業全体としてオリゴ核酸製造受託事業を推進しています。


アミノインデックス®リスクスクリーニング(AIRS®)は、血液中のアミノ酸濃度のバランスから、三大疾病(がん、脳卒中、心疾患)等のリスクを一度に評価する当社独自の技術です。2020年4月には弘前大学COIに参画し、新たなデジタルリスクスクリーニングの確立と既存方法の強化を目的として「岩木健康増進プロジェクト」のデータ解析を開始しました。10月にはAIRS®に認知機能低下を予防するリスク評価サービスが追加されました。今後はAIRS®に加え、生活改善のソリューション提案のプラットフォームとして、スマートフォンアプリの開発、上市などを行い、AIRS®のサービスを発展させていきます。


電子材料につきましては、味の素ファインテクノ㈱と共同で、次世代PC、データセンター向けサーバー、5G通信ネットワーク用途向けに「味の素ビルドアップフィルム®(ABF)」の開発を推進しています。また、次世代機能性材料としてCPUの低消費電力化を実現する磁性材料の採用拡大に向け開発を加速しています。


乳牛用アミノ酸製剤「AjiPro®-L」などスペシャリティ事業にフォーカスした研究開発を推進しています。


スポーツ栄養科学研究に基づき、アミノ酸の独自配合の構築によるスポーツサプリメントの開発に取り組んでいます。こうした研究開発を通じて、トップアスリートの栄養課題に対応した「アミノバイタル®」2品種を開発し、2020年7月より日本代表選手団へ無償提供し、東京2020オフィシャルパートナーとして、コンディションとパフォーマンスの維持に不安を抱える選手たちの支援活動を強化しました。また、スポーツに取り組む多くの人々に向けて、アミノバイタル®に配合するアミノ酸の有用性に関する科学情報を届けるために、『アミノ酸スポーツ栄養科学ラボ』を2020年10月に開設しました。
今後も社外の研究機関等とのオープン&リンクイノベーションを積極的に推進しながら、アスリートやスポーツを愛する顧客のQOL向上にむけて取り組んでいきます。


2020年度は基幹商品「グリナ®」「アミノエール®」のパッケージの薄箱化改訂に加え、新製品としては幅広い顧客ニーズへの対応にむけた品揃えの強化として「マルチビタミン&ミネラル」(5月)、「ブルーベリー&ルテイン」(7月)を発売しました。
また、ECの拡大により個人宅配が急増し、ドライバーをはじめとした人材不足や過剰な再配達などの「物流クライシス」が問題となっていますが、パッケージの薄箱化改訂は、配送しやすいパッケージ形状にすることで、この物流負荷を軽減する取組みです。その結果、宅配便からポスト投函の比率を向上させ、コストや持ち戻りの削減に加え、コロナ渦においても、直接商品を受け取らなくてもよいことから顧客サービスの改善につながりました。
今後も、当社独自の健康・美容価値を有する製品や情報の提供を通じて、顧客のQOL向上にむけて取り組んでいきます。


香粧品素材につきましては、アミノ酸由来の洗浄剤、湿潤剤、メークアップ素材を中心に、独自の研究開発を行っています。2020年度は、DXの活用により処方開発や顧客提案等の更なる効率化を推進しました。また、味の素グループのバイオ・ファイン技術を活用し、スキンケアやメークアップ化粧品等に使用されているマイクロプラスチックビーズ代替品の開発に成功しました。2022年度上期の上市を予定しています。また、市場要請である低環境負荷に貢献するアミノ酸系香粧品素材の開発を引き続き進めていきます。

ヘルスケア等セグメントに係わる研究開発費は、8,257百万円です。

(4)その他
その他セグメントに係わる研究開発費は、87百万円です。

(5)全社
味の素グループが実現したい2030年の未来像「Picture of the Future」からバックキャストし、グループの将来を担うと期待される領域での事業展開を見据え、関係する研究テーマを全社研究とし、資源を集中的に投資し、開発を進めています。
全社研究では、味の素㈱食品研究所、バイオ・ファイン研究所が中心となり、国内外の研究機関と連携して進めている先端研究・技術を活用し、グループ内の各研究所とともに様々な事業に向けた新技術・独自素材の開発や、各事業分野に共通した基盤技術の強化に取り組んでいます。
食品・栄養領域では、食品中の栄養素をスコアで可視化する栄養プロファイリングシステム(The Ajinomoto Group Nutrient Profiling System: ANPS)を開発し、製品を対象とするシステム(ANPS-P)については日本を含む7か国の当社グループ9法人に導入され、グローバルな栄養改善活動をスタートしました。栄養に関するグローバルトップ企業及びWHO(世界保健機関)等の独立機関の推奨値を参考に栄養素の選定やスケールを設定し、製品自体に加えて、製品を使用したメニューを対象としたシステムの開発にも着手し高度化を図っています。
また、「健康寿命の延伸」への貢献にむけ、2020年4月に弘前大学と「デジタルニュートリション学講座」を開設しました。味の素㈱は生活者の健康状態を把握して適切なソリューションを提供するため、パーソナル栄養を含む新たな領域においてビジネスモデルの構築を目指しており、弘前市で2005年から実施している「岩木健康増進プロジェクト」で得られた健康ビッグデータを基に、アミノ酸代謝の解析等のデジタル技術を駆使して、日本の高齢者の課題や生活習慣病の予防につながるソリューションを開発し、生活者の健康増進/栄養改善への貢献を図ります。
「おいしさ設計技術®」と栄養設計に関する知見の深化や、サイエンスとデジタルによる顧客適合力を強化することで、ソリューションの提供を通じた社会価値の更なる創造と共に、世界トップレベルの品質と生産性を確立し、おいしさと栄養改善に貢献する当社グループにしか提供できない商品の開発に活用していきます。
ヘルスケア領域では、成長戦略の1つである先端バイオ医療周辺領域で抗体薬物複合体(ADC)製造技術である「AJICAP」技術がWorld ADC DigitalでBest Pre-Clinical Publication賞を獲得しました。また、味の素㈱とブライトピークセラピューティクス社は、新規免疫サイトカインを作成するための共同研究およびライセンス契約を締結しました。バイオファーマサービス事業を支える「AJIPHASE」技術、「CORYNEX」技術と合わせ、お客様の課題を解決すると共に、バイオ医薬品の普及に貢献していきます。
メディカルフード事業に関して2020年12月にアイルランドのサプリメント会社ニュアルトラ社を子会社化しました。味の素キャンブルック社と合わせ、米国、欧州に事業拠点を持ち、食品・アミノサイエンス事業で培った「おいしさ設計技術®」やアプリケーション技術、アミノ酸の生理機能に関する知見を適用することで、疾患による食事制限や加齢による栄養欠損に対する改善などユーザーのQOL向上に貢献します。
低炭素社会及び持続可能な資源循環型社会を目指して、新たな技術開発や新事業の創出にも継続して取り組んでいます。オープン&リンクイノベーションの取り組みにて、東京工業大学細野教授らと新規触媒を用いたアンモニア合成の検討を進め、2017年4月につばめBHB㈱を設立し、世界で初めてとなるオンサイト型のアンモニア合成システムを2022年頃の実用化を目指しています。
オープン&リンクイノベーションの推進では、2018年に開設したクライアント・イノベーション・センターにおける社内外の技術の融合や交流、グローバル・ベンチャーキャピタル/アクセラレーターのPlug and PlayやSmart Kitchen Summit JAPAN 2020への参加、2020年より開始したアクセラレータープログラム「Ajinomoto Group Accelerator」にて社外ベンチャーと協業等、社内外の各種ツールを積極的に活用しビジネスパートナーとのイノベーションの創出に取り組んでいます。また、2020年12月に「食と健康の課題解決企業」実現に向けた新事業モデル創出を達成するために、イノベーション探索、エコシステムの構築・強化、企業文化変革の牽引を実行するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の活動を開始し、当社グループの新たな価値・事業の共創に取り組んでいます。

全社に係わる研究開発費は、9,831百万円です。


事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00436] S100LN4K)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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