有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100FA6A
キユーピー株式会社 研究開発活動 (2018年11月期)
当社グループは、「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」を大切に、世界の食と健康に貢献するために、「調味料」、「タマゴ」、「サラダ・惣菜」、「加工食品」および「ファインケミカル」の各事業に関する研究開発に取り組んでいます。
研究開発は、主として当社研究開発本部および生産技術部、国内連結子会社ではアヲハタ株式会社、株式会社カナエフーズ、デリア食品株式会社、キユーピー醸造株式会社、コープ食品株式会社、株式会社サラダクラブなど、海外連結子会社ではQ&B FOODS, INC.、HENNINGSEN FOODS, INC.、Mosso Kewpie Poland Sp. z o.o.、北京丘比食品有限公司、杭州丘比食品有限公司、KEWPIE(THAILAND)CO.,LTD.、KEWPIE MALAYSIA SDN.BHD.、KEWPIE VIETNAM CO.,LTD.およびPT. KEWPIE INDONESIAなどの各研究開発部門が連携、協力して行っています。
特に当社研究開発本部は、グループの新たな挑戦で飛躍的成長を実現するために、オリジナリティのある技術や素材を創出し、世界のお客様が楽しく健やかな食生活を実現できるよう研究開発を行っています。
社外との連携においては、国内外の研究機関とのオープンイノベーションに積極的に取り組み、価値の高い研究開発を加速しています。
また、当連結会計年度は第9次中期経営計画に向けた新体制作りを進めました。2018年7月に、世界のお客様の食生活や健康に貢献するための研究開発を行う食創造研究所、世界のお客様への食と健康の価値創出や課題解決を実現するための技術研究を行う技術ソリューション研究所、研究開発機能の最大化をめざし国内外の開発拠点との連携の強化と研究開発の企画、推進を行うグループR&D推進部を創設しました。これらの部署の連携を通じて、研究開発におけるグループシナジーの発揮と付加価値創出力を強化しています。
これらの研究開発と並行して生産技術部門では、これまで築き上げた豊富な独自技術を活用して、研究部門の開発商品を品質第一で具現化するための設備開発を行っております。また、独創的な現場IT技術を駆使して、グループの生産効率向上や品質保証体制を高める生産環境の実現、標準化されたシステム開発を行っています。
なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、41億42百万円です。
また、報告セグメントにおける研究開発活動の概要とその成果は次のとおりです。
(1)調味料、タマゴ、サラダ・惣菜、加工食品、ファインケミカル
当連結会計年度において、研究開発活動の中で創出した研究成果は、31件学会で発表し、8件論文に投稿し掲載されました。以下の表には社内外との協働による代表的なものを示します。
ドレッシングでは、当連結会計年度発売60周年を迎えたキユーピードレッシングのリニューアルを行い、容量ラインアップを変更しました。180mlのドレッシングにおいては、新たに開発した容器の採用により、使いやすさの向上を図り、主力商品である「シーザーサラダドレッシング」、「すりおろしオニオンドレッシング」の風味の改良を行いました。容器の開発では、キユーピー独自の技術により瓶からプラスチックボトルへ変更し、「軽さ」、「開けやすさ」、「振りやすさ」、「注ぎやすさ」、「分別しやすさ」、「環境配慮」を実現しました。また、従来の瓶容器と比較し約100gの軽量化に成功し、原料調達、容器製造、容器輸送において、温室効果ガス(GHG)を約20%削減することを実現しました。この取り組みは公益社団法人日本包装技術協会(JPI)主催の2018日本パッケージングコンテストにおいて食品包装部門賞を受賞し、さらにワールドスター賞 CONSUMER PACKAGE 部門を受賞しました。
また、新商品として「マンゴードレッシング」、「深煎りごまピリ辛テイスト」を発売し、サラダの広がりと新しいおいしさを提案しました。また、健康志向やナチュラル志向の高まりから、素材の味を生かす調味料を好む人も増えていることから、粉末調味料である「キユーピーサラダソルト」により新しいサラダの楽しみ方を提案しました。
フードサービスにおいては、「キユーピー具だくさんドレッシング」を発売し、ドレッシングの用途をサラダから主菜に広げる提案を行い、この商品は日本食糧新聞社の業務用加工食品ヒット賞を受賞しました。
マヨネーズカテゴリーにおいては、おいしさと便利さ、市場の活性化、そして環境への配慮を意識した技術と商品開発を推進し、基幹カテゴリーの強化を図っております。新しい容器として、中身がスルッと流れ落ち、使い終わりの容器への付着残りを約60%減らすことができる「スルッとボトル」を東洋製罐グループと共同で開発しました。この容器を「キユーピーハーフ(300g)」に採用し、数量限定で発売しました。
連結子会社であるキユーピー醸造株式会社では、洋風酢の価値を引き出す商品開発を進め、業務用商品として「芳醇ビネガーソース」を2品発売しました。また、業務用の惣菜向け調味料として「黒酢にんにく醤油たれ」、野菜寿司をおいしく仕上げる調味料として「ベジタブルホットソース」と「ホースラディッシュソース」を発売しました。
家庭用市場においては、「キユーピーのたまご」ブランドの商品として、独自の卵加工技術を活かし、湯せんや電子レンジなどで温めるだけでプロのシェフが手作りしたようなおいしさを味わえる「ふわとろたまごのスクランブルエッグ」を発売し、売上伸張に寄与しました。
フードサービス市場においては、「スノーマン」ブランドの商品として、人手不足が顕著な外食・ホテル業態向けに、簡単にお使いいただける「スクランブルエッグ(ハイグレード)」、惣菜・外食業態向けに、これまでにない食味・状態を実現し、様々な料理にトッピングできる「ぷるぷるたまご(半熟風)」、具材感にこだわり、主に学校給食をターゲットにした「彩り野菜のたまごやき」を発売し、様々なお客様からご好評をいただいています。
さらに卵黄の色が白いタマゴ素材「ピュアホワイト®」を生かした商品開発を行い、即食できる商品として、「スノーマン」ブランドの「スクランブルエッグ(ホワイト)」、「オムライスシート(ホワイト)」を発売しました。卵の色の白さを活かしたメニューで、イースターイベントなどを中心に外食業態のお客様から好評をいただいています。
タマゴ素材においては、新たな技術で機能強化を行った「ふっくら仕上がる凍結全卵」を立ち上げ、主にコンビニエンスストアの惣菜や弁当ベンダーの要望にお応えし、物量増加に寄与しました。
また、昨年に引き続き、液全卵の商品である「エクセルエッグSP」の市場での検証と個別のアプリケーション開発を行い、既存の殺菌液卵で満足いただけなかったお客様のご要望にお応えすることができました。
なお、惣菜に使用される殻付卵の代わりとしてご好評いただいているツインパックシリーズの商品として、スチーム
コンベクションでの調理に適し、仕上がりの色味が良い「ツインパック(CR)」を発売し、売上伸張に寄与しました。
サラダ・惣菜においては、当社研究開発本部は連結子会社であるデリア食品株式会社および株式会社サラダクラブなどと密接に連携し、安全でおいしいサラダ・惣菜を提供する加工技術を研き、商品開発を行っています。
惣菜においては、新たな販売チャネル(宅配、事業所)のための商品、特にミールキットが拡大しました。また、
健康を意識されるお客様向けの惣菜(乳酸菌、GABAを配合したもの)が好調で、それぞれが売上の増加に貢献しました。
なお、野菜をおいしく食べる新しい提案を進めるため、1本で1食分の野菜と果実が摂れる「100%SALAD サラダ屋さんのスムージー」2品と、野菜のおいしさを引き出し、1袋で70gの野菜が摂れる「ベジタブルスープ」3品を新たに発売しました。
パッケージサラダ(カット野菜)においては、厚生労働省が推奨する一日野菜摂取量(350g)の半分を摂ることができる「1/2日分の野菜がとれる」シリーズが伸張しました。
また、新しい野菜の食べ方の提案として、キャベツの芯をお米サイズにカットした「キャベツライス」を発売しました。こちらの商品はキャベツの芯の甘さと、お米のような食感と風味が楽しめ、カロリーや糖質が気になる健康志向の高いお客様の注目度が高まっています。
業務用のLLサラダにおいては、「キユーピーのサラダ」ブランドとして「キャロットサラダ」、「ビーツ&オニオン」の2品を発売しました。「タラモサラダ」などの7アイテムのリニューアルも行い、お客様の嗜好にあった商品を発売しました。
また、資源の有効活用と環境保全の取り組みとして、グループで発生する野菜端材を乳牛用飼料への再生利用に成功しました。本活動は2018年度 リデュース・リユース・リサイクル 推進功労者等表彰において、最高賞である内閣総理大臣賞を受賞しました。
加工食品の商品開発は、グループ各社の開発部署と当社研究開発本部が密接に連携し、それぞれの強みを生かしながら短中長期の研究開発テーマに取り組んでいます。
当社研究開発本部は、介護食や育児食、病態食などの特殊技術を要する商品やNB商品の開発、新たな技術や素材の開発を伴う中長期的商品開発、あるいは次世代を担う新カテゴリーの創出などを主たる役割としています。
あえるパスタソースシリーズにおいては、茹でたパスタをソースとあえるだけでおいしさが実現できるよう独自製法と新しい素材を採用し、「ミートソース フォン・ド・ヴォー仕立て」、「たらこ」「からし明太子」をリニューアルしました。特に、「たらこ」においては、たらこのうま味とバターのコクを味わう黄金比で更なるおいしさを実現し、プロモーションと連動し、拡売に貢献しました。
また、国産コーンの風味を生かし、素材のレトルトパウチで便利さとおいしさを訴求した、「サラダクラブ 北海道コーン クリーム」を発売しました。
UDF(ユニバーサルデザインフード)である介護食「やさしい献立」シリーズにおいては、「舌でつぶせる」区分のラインアップ強化のため、「やわらかおじや 牛丼風」の他、おかずのメニュー2品、デザートのメニュー1品の合計4品を開発しました。
ベビーフードの瓶詰シリーズ「月齢7か月頃から」においては、パッケージを刷新するなど既存カテゴリーの強化を進めており、新たな商品として「白身魚と野菜のクリーム煮」を発売しました。
ファインケミカルでは、ヒアルロン酸、タマゴ成分、独自の機能性素材の可能性を最大限に引き出す研究と商品開発
を進めています。
当連結会計年度はヒアルロン酸を使用したキユーピー初の医療機器である、内視鏡用粘膜下注入材「ケイスマート」を開発しました。この商品は製造販売承認を取得し、オリンパス株式会社を通じて医療機関への販売を開始しました。また、第二弾の医療機器の開発にも着手しました。
原料販売においては、医薬用ヒアルロン酸の海外市場開拓のため、お客様が要望する規格の商品を開発し、積極的なサンプル提示を進めて取引拡大に取り組みました。
タマゴ成分においては、ノロウイルスの不活性化効果がある卵白由来の加熱変性リゾチームを配合したアルコール製剤「K Blanche」の容器を変更し、更なる使いやすさを実現しました。
また、粉末タイプ加熱変性リゾチーム製剤においては、アルコール製剤以外への使用範囲を広げるため、他社の商品への採用をめざし、共同開発を開始しました。
マヨネーズの原料であるお酢を生産する酢酸菌が持つアルコール分解酵素に注目した、世界で初めての酢酸菌酵素を活用した飲酒ケア食品「よいとき」は、更なる飲みやすさの実現をめざし製法の改良に着手しました。また、酢酸菌の新たな健康機能の可能性を探るための基礎研究にも着手しました。
海外の商品開発では、アメリカの子会社Q&B FOODS, INC.にて、Kewpieブランドの「YUZU&KOSHO Dressing」(ゆず胡椒ドレッシング)を発売しました。こちらの商品はSpecialty food associationのDressing 部門でGold賞を受賞し、パリで開かれたSIAL国際食品展示会にて展示されました。
西欧市場においては、協力会社にてグルテンフリーのKewpieブランドのドレッシング3品を開発し、発売しました。
東欧市場においては、Mosso Kewpie Poland Sp. z o.o.にて、Mossoブランドのごまドレッシングを始めとするドレッシング3品を開発し、発売しました。
東南アジア市場においては、KEWPIE (THAILAND) CO., LTD.の研究開発部門が、現地のフレッシュハーブの特徴を生かしたタイ風のドレッシング3品を開発し、発売しました。この商品は、これまでにないフレーバーのドレッシングとして好評をいただいており、今後はタイ以外の東南アジア市場でも発売する予定です。
また、PT. KEWPIE INDONESIAの研究開発部門が、フードサービス業態向けのKewpie Chef style Mayonnaiseを開発し、発売しました。この商品は独自の物性コントロール技術により現地の調味料のサンバルなどと混ぜやすい、独自の物性を実現しました。
中国市場においては、常温で流通できるソースの微生物制御技術を開発し、麺などに絡めて使用する新タイプのソースを現地の研究開発部門が開発し、発売しました。
(2)共通、物流システム
該当事項はありません。
研究開発は、主として当社研究開発本部および生産技術部、国内連結子会社ではアヲハタ株式会社、株式会社カナエフーズ、デリア食品株式会社、キユーピー醸造株式会社、コープ食品株式会社、株式会社サラダクラブなど、海外連結子会社ではQ&B FOODS, INC.、HENNINGSEN FOODS, INC.、Mosso Kewpie Poland Sp. z o.o.、北京丘比食品有限公司、杭州丘比食品有限公司、KEWPIE(THAILAND)CO.,LTD.、KEWPIE MALAYSIA SDN.BHD.、KEWPIE VIETNAM CO.,LTD.およびPT. KEWPIE INDONESIAなどの各研究開発部門が連携、協力して行っています。
特に当社研究開発本部は、グループの新たな挑戦で飛躍的成長を実現するために、オリジナリティのある技術や素材を創出し、世界のお客様が楽しく健やかな食生活を実現できるよう研究開発を行っています。
社外との連携においては、国内外の研究機関とのオープンイノベーションに積極的に取り組み、価値の高い研究開発を加速しています。
また、当連結会計年度は第9次中期経営計画に向けた新体制作りを進めました。2018年7月に、世界のお客様の食生活や健康に貢献するための研究開発を行う食創造研究所、世界のお客様への食と健康の価値創出や課題解決を実現するための技術研究を行う技術ソリューション研究所、研究開発機能の最大化をめざし国内外の開発拠点との連携の強化と研究開発の企画、推進を行うグループR&D推進部を創設しました。これらの部署の連携を通じて、研究開発におけるグループシナジーの発揮と付加価値創出力を強化しています。
これらの研究開発と並行して生産技術部門では、これまで築き上げた豊富な独自技術を活用して、研究部門の開発商品を品質第一で具現化するための設備開発を行っております。また、独創的な現場IT技術を駆使して、グループの生産効率向上や品質保証体制を高める生産環境の実現、標準化されたシステム開発を行っています。
なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、41億42百万円です。
また、報告セグメントにおける研究開発活動の概要とその成果は次のとおりです。
(1)調味料、タマゴ、サラダ・惣菜、加工食品、ファインケミカル
当連結会計年度において、研究開発活動の中で創出した研究成果は、31件学会で発表し、8件論文に投稿し掲載されました。以下の表には社内外との協働による代表的なものを示します。
タイトル | 学会 | 共同研究先 |
アマニ油含有マヨネーズの血圧上昇抑制効果 | 第15回 日本機能性食品医用学会 | 九州大学 熊本県立大学 |
高濃度・高分子量ヒアルロン酸発酵生産の メカニズムの解析 | 日本農芸化学会 2018年度大会 | 株式会社 ちとせ研究所 |
Characterization of koku taste in egg yolk type mayonnaise and the influence on the cells expressing calcium-sensing receptor | Association for Chemoreception Sciences (AChemS) | 韓国食品研究院 |
卵白ペプチド摂取はオロチン酸誘導性非 アルコール性脂肪性肝疾患の発症を抑制する | 第72回 日本栄養・食糧学会 | 九州大学 |
Effect of dried egg white powder on the rheological properties of gluten-free dough and texture properties of the bread | 2018 IFT Annual Meeting & Food Expo | ネブラスカ大学 |
泌乳牛における葉物野菜端材サイレージの飼料原料としての有用性 | 日本畜産学会 第124回大会 | 東京農工大学 |
Minimum effective dose of egg white peptides on anti-fatigue effects in middle-aged marathon runners | 17th International Society of Behavioral Nutrition and Physical Activity | 北海道教育大学 コロンビア内科 |
乾燥卵白加熱ゲルの高硬度化に関わる タンパク質凝集体の形成について | 日本食品科学工学会 第65回大会 | 東京農業大学 |
稲作における水田への卵殻施用肥が米飯の 理化学的特性に及ぼす影響について(第1報) | 日本食品科学工学会 第65回大会 | 東京農業大学 |
加工・業務用キャベツの プラスチックコンテナによる貯蔵 | 園芸学会 2018年度秋季大会 | 東京農業大学 麻布大学 |
卵黄レシチンを用いた自己乳化製剤の評価 | 日本薬剤学会 第33年会 | |
卵白ペプチドによる競技種目別の 抗疲労機能の検討 | 第65回 日本栄養改善学会 | 日本体育大学 |
Properties of egg yolk treated with protease and its application | 国際たまごシンポジウム | 京都女子大学 |
タイトル | 掲載雑誌 | 共同研究先 |
Regular egg consumption at breakfast by Japanese woman university students improves daily nutrient intakes: open-labeled observations | Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition | お茶の水女子大学 東洋大学 |
Effect of pH on Foam Formation of Spray-dried Egg White Dispersion by Whipping | Food Science and Technology Research | 静岡県立大学 |
Higher Vegetable Intake Improved Blood Glucose Level in Vietnamese With Type 2 Diabetes Mellitus | International Journal of Clinical Nutrition & Dietetics | ハノイ医科大学 十文字学園女子大学 |
Body odor aldehyde reduction by acetic acid bacterial enzymes | International Journal of Cosmetic Science | 株式会社 環境管理センター |
Enhancement of lymphatic transport of lutein by oral administration of a solid dispersion and a self-microemulsifying drug delivery system | European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics | 北海道大学 |
ドレッシングでは、当連結会計年度発売60周年を迎えたキユーピードレッシングのリニューアルを行い、容量ラインアップを変更しました。180mlのドレッシングにおいては、新たに開発した容器の採用により、使いやすさの向上を図り、主力商品である「シーザーサラダドレッシング」、「すりおろしオニオンドレッシング」の風味の改良を行いました。容器の開発では、キユーピー独自の技術により瓶からプラスチックボトルへ変更し、「軽さ」、「開けやすさ」、「振りやすさ」、「注ぎやすさ」、「分別しやすさ」、「環境配慮」を実現しました。また、従来の瓶容器と比較し約100gの軽量化に成功し、原料調達、容器製造、容器輸送において、温室効果ガス(GHG)を約20%削減することを実現しました。この取り組みは公益社団法人日本包装技術協会(JPI)主催の2018日本パッケージングコンテストにおいて食品包装部門賞を受賞し、さらにワールドスター賞 CONSUMER PACKAGE 部門を受賞しました。
また、新商品として「マンゴードレッシング」、「深煎りごまピリ辛テイスト」を発売し、サラダの広がりと新しいおいしさを提案しました。また、健康志向やナチュラル志向の高まりから、素材の味を生かす調味料を好む人も増えていることから、粉末調味料である「キユーピーサラダソルト」により新しいサラダの楽しみ方を提案しました。
フードサービスにおいては、「キユーピー具だくさんドレッシング」を発売し、ドレッシングの用途をサラダから主菜に広げる提案を行い、この商品は日本食糧新聞社の業務用加工食品ヒット賞を受賞しました。
マヨネーズカテゴリーにおいては、おいしさと便利さ、市場の活性化、そして環境への配慮を意識した技術と商品開発を推進し、基幹カテゴリーの強化を図っております。新しい容器として、中身がスルッと流れ落ち、使い終わりの容器への付着残りを約60%減らすことができる「スルッとボトル」を東洋製罐グループと共同で開発しました。この容器を「キユーピーハーフ(300g)」に採用し、数量限定で発売しました。
連結子会社であるキユーピー醸造株式会社では、洋風酢の価値を引き出す商品開発を進め、業務用商品として「芳醇ビネガーソース」を2品発売しました。また、業務用の惣菜向け調味料として「黒酢にんにく醤油たれ」、野菜寿司をおいしく仕上げる調味料として「ベジタブルホットソース」と「ホースラディッシュソース」を発売しました。
家庭用市場においては、「キユーピーのたまご」ブランドの商品として、独自の卵加工技術を活かし、湯せんや電子レンジなどで温めるだけでプロのシェフが手作りしたようなおいしさを味わえる「ふわとろたまごのスクランブルエッグ」を発売し、売上伸張に寄与しました。
フードサービス市場においては、「スノーマン」ブランドの商品として、人手不足が顕著な外食・ホテル業態向けに、簡単にお使いいただける「スクランブルエッグ(ハイグレード)」、惣菜・外食業態向けに、これまでにない食味・状態を実現し、様々な料理にトッピングできる「ぷるぷるたまご(半熟風)」、具材感にこだわり、主に学校給食をターゲットにした「彩り野菜のたまごやき」を発売し、様々なお客様からご好評をいただいています。
さらに卵黄の色が白いタマゴ素材「ピュアホワイト®」を生かした商品開発を行い、即食できる商品として、「スノーマン」ブランドの「スクランブルエッグ(ホワイト)」、「オムライスシート(ホワイト)」を発売しました。卵の色の白さを活かしたメニューで、イースターイベントなどを中心に外食業態のお客様から好評をいただいています。
タマゴ素材においては、新たな技術で機能強化を行った「ふっくら仕上がる凍結全卵」を立ち上げ、主にコンビニエンスストアの惣菜や弁当ベンダーの要望にお応えし、物量増加に寄与しました。
また、昨年に引き続き、液全卵の商品である「エクセルエッグSP」の市場での検証と個別のアプリケーション開発を行い、既存の殺菌液卵で満足いただけなかったお客様のご要望にお応えすることができました。
なお、惣菜に使用される殻付卵の代わりとしてご好評いただいているツインパックシリーズの商品として、スチーム
コンベクションでの調理に適し、仕上がりの色味が良い「ツインパック(CR)」を発売し、売上伸張に寄与しました。
サラダ・惣菜においては、当社研究開発本部は連結子会社であるデリア食品株式会社および株式会社サラダクラブなどと密接に連携し、安全でおいしいサラダ・惣菜を提供する加工技術を研き、商品開発を行っています。
惣菜においては、新たな販売チャネル(宅配、事業所)のための商品、特にミールキットが拡大しました。また、
健康を意識されるお客様向けの惣菜(乳酸菌、GABAを配合したもの)が好調で、それぞれが売上の増加に貢献しました。
なお、野菜をおいしく食べる新しい提案を進めるため、1本で1食分の野菜と果実が摂れる「100%SALAD サラダ屋さんのスムージー」2品と、野菜のおいしさを引き出し、1袋で70gの野菜が摂れる「ベジタブルスープ」3品を新たに発売しました。
パッケージサラダ(カット野菜)においては、厚生労働省が推奨する一日野菜摂取量(350g)の半分を摂ることができる「1/2日分の野菜がとれる」シリーズが伸張しました。
また、新しい野菜の食べ方の提案として、キャベツの芯をお米サイズにカットした「キャベツライス」を発売しました。こちらの商品はキャベツの芯の甘さと、お米のような食感と風味が楽しめ、カロリーや糖質が気になる健康志向の高いお客様の注目度が高まっています。
業務用のLLサラダにおいては、「キユーピーのサラダ」ブランドとして「キャロットサラダ」、「ビーツ&オニオン」の2品を発売しました。「タラモサラダ」などの7アイテムのリニューアルも行い、お客様の嗜好にあった商品を発売しました。
また、資源の有効活用と環境保全の取り組みとして、グループで発生する野菜端材を乳牛用飼料への再生利用に成功しました。本活動は2018年度 リデュース・リユース・リサイクル 推進功労者等表彰において、最高賞である内閣総理大臣賞を受賞しました。
加工食品の商品開発は、グループ各社の開発部署と当社研究開発本部が密接に連携し、それぞれの強みを生かしながら短中長期の研究開発テーマに取り組んでいます。
当社研究開発本部は、介護食や育児食、病態食などの特殊技術を要する商品やNB商品の開発、新たな技術や素材の開発を伴う中長期的商品開発、あるいは次世代を担う新カテゴリーの創出などを主たる役割としています。
あえるパスタソースシリーズにおいては、茹でたパスタをソースとあえるだけでおいしさが実現できるよう独自製法と新しい素材を採用し、「ミートソース フォン・ド・ヴォー仕立て」、「たらこ」「からし明太子」をリニューアルしました。特に、「たらこ」においては、たらこのうま味とバターのコクを味わう黄金比で更なるおいしさを実現し、プロモーションと連動し、拡売に貢献しました。
また、国産コーンの風味を生かし、素材のレトルトパウチで便利さとおいしさを訴求した、「サラダクラブ 北海道コーン クリーム」を発売しました。
UDF(ユニバーサルデザインフード)である介護食「やさしい献立」シリーズにおいては、「舌でつぶせる」区分のラインアップ強化のため、「やわらかおじや 牛丼風」の他、おかずのメニュー2品、デザートのメニュー1品の合計4品を開発しました。
ベビーフードの瓶詰シリーズ「月齢7か月頃から」においては、パッケージを刷新するなど既存カテゴリーの強化を進めており、新たな商品として「白身魚と野菜のクリーム煮」を発売しました。
ファインケミカルでは、ヒアルロン酸、タマゴ成分、独自の機能性素材の可能性を最大限に引き出す研究と商品開発
を進めています。
当連結会計年度はヒアルロン酸を使用したキユーピー初の医療機器である、内視鏡用粘膜下注入材「ケイスマート」を開発しました。この商品は製造販売承認を取得し、オリンパス株式会社を通じて医療機関への販売を開始しました。また、第二弾の医療機器の開発にも着手しました。
原料販売においては、医薬用ヒアルロン酸の海外市場開拓のため、お客様が要望する規格の商品を開発し、積極的なサンプル提示を進めて取引拡大に取り組みました。
タマゴ成分においては、ノロウイルスの不活性化効果がある卵白由来の加熱変性リゾチームを配合したアルコール製剤「K Blanche」の容器を変更し、更なる使いやすさを実現しました。
また、粉末タイプ加熱変性リゾチーム製剤においては、アルコール製剤以外への使用範囲を広げるため、他社の商品への採用をめざし、共同開発を開始しました。
マヨネーズの原料であるお酢を生産する酢酸菌が持つアルコール分解酵素に注目した、世界で初めての酢酸菌酵素を活用した飲酒ケア食品「よいとき」は、更なる飲みやすさの実現をめざし製法の改良に着手しました。また、酢酸菌の新たな健康機能の可能性を探るための基礎研究にも着手しました。
海外の商品開発では、アメリカの子会社Q&B FOODS, INC.にて、Kewpieブランドの「YUZU&KOSHO Dressing」(ゆず胡椒ドレッシング)を発売しました。こちらの商品はSpecialty food associationのDressing 部門でGold賞を受賞し、パリで開かれたSIAL国際食品展示会にて展示されました。
西欧市場においては、協力会社にてグルテンフリーのKewpieブランドのドレッシング3品を開発し、発売しました。
東欧市場においては、Mosso Kewpie Poland Sp. z o.o.にて、Mossoブランドのごまドレッシングを始めとするドレッシング3品を開発し、発売しました。
東南アジア市場においては、KEWPIE (THAILAND) CO., LTD.の研究開発部門が、現地のフレッシュハーブの特徴を生かしたタイ風のドレッシング3品を開発し、発売しました。この商品は、これまでにないフレーバーのドレッシングとして好評をいただいており、今後はタイ以外の東南アジア市場でも発売する予定です。
また、PT. KEWPIE INDONESIAの研究開発部門が、フードサービス業態向けのKewpie Chef style Mayonnaiseを開発し、発売しました。この商品は独自の物性コントロール技術により現地の調味料のサンバルなどと混ぜやすい、独自の物性を実現しました。
中国市場においては、常温で流通できるソースの微生物制御技術を開発し、麺などに絡めて使用する新タイプのソースを現地の研究開発部門が開発し、発売しました。
(2)共通、物流システム
該当事項はありません。
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- 連結経営指標等
- 提出会社の経営指標等
- 沿革
- 事業の内容
- 関係会社の状況
- 従業員の状況
- 事業等のリスク
- 経営上の重要な契約等
- 研究開発活動
- 株式の総数等
- 発行済株式総数、資本金等の推移
- 株価の推移
- 最近6月間の月別最高・最低株価
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- 役員の状況
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