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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YKG2 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 KDDI株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは「サテライトグロース戦略」を推進しております。同戦略は、5G通信をベースとし、データドリブンの実践と生成AIの社会実装を進めるコア事業を中心に、これと連携してKDDIの成長を牽引する事業領域「Orbit1(DXなど)」、および将来の成長分野である「Orbit2(モビリティ、宇宙など)」に取り組み、さらなる事業拡大を推進します。当社グループは、同戦略に関連する基盤技術および応用技術の研究開発に取り組んでおり、2025年度は同戦略の具現化や深化に資する研究開発を積極的に推進しました。あわせて、次世代事業の創出に向けた基礎技術の研究開発を推進しました。以下に、当社グループの主な研究開発活動について記載します。

(1)サテライトグロース戦略コア事業、Orbit1に関連する研究開発活動
当社はOpensignal社の通信体感分析において6部門で1位を獲得する(注1)など、高い通信品質を提供しております。その通信品質の一層の向上を図るため、通信基盤の高度化に関する研究開発として、以下の取り組みを実施しました。
・複数のAIが協調して基地局パラメーター(電波の放射方向、強度など)を自律的に最適化する技術を導入しました。本技術は、分散強化学習(注2)に基づき、複数のAIが協力して学習した結果を統合することで、最適な設定値を導出します。先行導入エリアでは低速通信の発生を25%改善するとともに、基地局パラメーターの最適化作業に要する期間を95%以上短縮しました。
・通信、サービスに関する障害の原因を迅速に特定する「復旧支援AIエージェント」の運用を開始しました。本AIエージェントは、サービスやシステム構成に関する情報を構造化した運用向けデジタルツイン(注3)を活用し、各システムの機能と通信サービスにおける役割の関係性を分析することで、障害の起点となる可能性が高いシステムを特定します。これにより、従来は初動対応において障害原因の特定に時間を要していたところを、即時に特定することが可能となりました。

また、AIの普及に伴うトラフィックの急増やニーズの多様化に対応するため、ネットワーク基盤の迅速な構築、処理能力の向上および省電力化を目的とする以下に取り組みました。
・DriveNets社とネットワークのオープン化を推進する戦略的パートナーシップを締結しました。同社のソフトウエアを主要4拠点のバックボーンネットワークに導入し、市場環境や技術の変化に迅速に対応可能なネットワークを構築します。
・5G仮想化ネットワークの高度化に向け、AMD社との技術提携に合意しました。同社のEPYC CPUは、最先端のチップレット技術(注4)を用いて複数の小型チップを一つのプロセッサーに統合し、従来の一体型デザインよりも多くのコアを搭載することで、高性能化と低消費電力化の両立を実現しています。当社は、同社の第4世代EPYC CPUを2026年度以降全国の商用ネットワークへ展開し、トラフィック処理能力の向上と省電力化の両立を実現します。

さらに、6G時代を見据えた通信基盤技術の高度化に向けて、以下を実施しました。
・KDDI総合研究所は、ノキア ベル研究所と6G実用化に向けた共同研究契約を締結しました。6Gの新規周波数候補である「FR3」(注5)を対象に、基地局の消費電力低減と通信品質向上を両立する技術、および災害時においても通信を維持できるレジリエント性の高いモバイルコア技術の共同研究を開始しました。

一方、AI社会実装を支える基盤として、データセンターの整備および関連技術の高度化を進めております。当社は2026年1月に大阪堺データセンターを開設、2025年6月にはTelehouse TOKYO Tama 5-2ndの建設を開始するとともに、これらに関連する以下の取り組みを実施しました。
・データセンターの電力消費増加に対応するため、KDDI Telehouse渋谷データセンターにおいて、高発熱なGPUサーバーを効率的に冷やす「水冷技術」の導入検証を進め、水冷方式に特化した設備設計・運用に関するガイドラインを確立し、大阪堺データセンターに適用しました。なお、KDDI Telehouse渋谷データセンターにおける取り組みは、東京都の「データセンター高効率化実装促進事業」に採択されました。

さらに、これらAI基盤を活用したDXやフィジカルAI(注6)の実現に向け、以下を推進しました。
・株式会社ローソンと連携し、ローソンの実店舗において「AIグラス」を活用した業務可視化の実証実験を行いました。本実証では、従業員が装着したAIグラスのカメラ映像から、AIが現場の作業内容や所要時間を分析し、業務の改善点を抽出しています。また、音声認識AIと対話しながら調理などの作業手順をハンズフリーで確認できる作業支援機能の検証も併せて実施しています。さらに、2025年11月に「ローソン S KDDI高輪本社店」において、AIとロボットを連携させた店舗業務の自動化に関する実証を行いました。店内を自律巡回するロボットが4Kカメラと画像解析AIを用いて商品の欠品状況を検知します。その欠品データとシステムからの言語指示をもとに、アームを搭載した別の品出しロボットが対象商品を自律的に棚へ補充する一連のオペレーションを検証しています。

また、社内業務へのAI活用として、以下の取り組みを実施しました。
・2025年11月、チャットのやり取りにおいて人間の応対を学習して高精度に再現するAIエージェントを開発し、auチャットサポート窓口に導入しました。自社開発のハルシネーション(注7)抑制技術により、過去の応対履歴から自律的に情報を収集・ファクトチェックすることで回答精度約90%を実現しました。これにより、難易度の高い質問への対応をAIが支援し、お客さま応対時間を約70%削減する見込みです。

(2)サテライトグロース戦略Orbit2に関連する研究開発活動
サテライトグロース戦略で「将来の成長分野」と位置付けているOrbit2のうち、モビリティや宇宙に関する以下の研究開発を推進しました。
・ドローンの活用拡大に伴う課題である、異なるドローン運航管理システム(UTMS)(注8)間の情報連携を目的に、複数ドローンが同一空域内で衝突を回避して安全に飛行する運用基盤の構築実証を実施しました。当社グループを含む各社のUTMS間を模擬的に連携させ、飛行計画の調整、フライトステータスのモニタリング、気象情報や空域情報の共有などが適切に機能し、システム全体が安定して稼働することを確認しました。本実証の成果を踏まえ、複数のドローンを活用した災害時の遭難者の早期発見や被災地への物流配送などを促進していきます。
・京都大学などと共同で、宇宙光通信向けの新たな周波数変調型フォトニック結晶レーザー(注9)を開発しました。本レーザーは内部に共振周波数の異なる2つの領域を持ち、注入電流を高速に増減させることで、発振周波数の変調効率を従来の2倍に向上させつつ、光強度変化を1/4に抑制しました。宇宙空間を模擬した通信実験において、静止軌道衛星と低軌道衛星間の距離(約3.6万km)を大きく上回る、約6万kmの通信を光増幅器なしで実証しました。今後、フォトニック結晶構造の大面積化・最適化を行ったデバイスを作製し、光出力の向上や伝送速度の高速化を実現することで、月・地球間の大容量宇宙光通信(38万km)に適用可能な光送信機用光源の開発を目指します。
・2026年3月より、月と地球間の高速大容量な光通信の確立に向けた技術検証を開始しました。月と地球間の通信回線のうち月側の光通信機を対象に、通信を確立し継続的に維持する「追尾技術」、通信相手を捉える「捕捉技術」、高速に動く衛星間の速度差による送受信光の角度ずれを補正する「光行差補正技術」(注10)を組み込んだ地上検証モデルが、月と地球間を模擬した条件下で問題なく動作することを検証します。また、月面の環境に対応する「光アンテナの設計・製造技術」を用いて製作した光アンテナが、設計通りに月面の広い温度範囲で所定の性能を発揮できることを確認します。

(3)次世代事業の創出に向けた基礎技術の研究開発活動
当社グループは、次世代の計算機技術である量子コンピューター技術の早期社会実装に向けた研究開発を推進しております。同時に、量子コンピューターの進展に伴う新たなセキュリティ脅威に備え、高度な耐量子セキュリティ技術の確立にも取り組んでいます。
・国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に採択され、国内10機関と共同で「AI・量子共通基盤」の研究開発を開始しました。専門知識を不要とする統合開発環境や、AIと量子の計算資源を自動で割り当てる技術などのミドルウエア開発を進め、2027年度末までに量子技術を容易に利用できるプラットフォームを確立します。
・2026年1月、大阪堺データセンターと大阪市内を結ぶ商用ネットワークにおいて、量子鍵配送(注11)と耐量子計算機暗号(注12)という2種類の耐量子セキュリティ技術を組み合わせた、国内初となるテラビット級の大容量データ伝送実証に成功しました。物理層とアプリケーション層(注13)の多層防御により、遅延を増加させることなく57.6Tbpsの大容量データを伝送しました。

(注1)2025年7月31日ニュースリリース「Opensignal社の国内5G SAにおける通信体感分析において、全6部門でauが1位を獲得」https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-674_4041.html
(注2)分散強化学習:多数のモデルを並列で動作させ、それぞれが収集した経験を中央で集約・共有することで、学習を劇的に高速化する技術。
(注3)デジタルツイン:物理的な資産、プロセス、システム、またはサービスの仮想的なレプリカを作成し、その動作やパフォーマンスを理解、予測、最適化するための技術。
(注4)チップレット技術:集積回路を構成するCPUやGPU、アクセラレータ等について、機能ごとの複数のチップに分割し、それらのチップをそれぞれ最適なプロセスを使って製造し、それらを組み合わせて一つのチップとしてパッケージ化する技術。
(注5)FR3:6G向けの新たな周波数帯域の候補(7GHz~24GHz帯など)のこと(FR3:Frequency Range 3)。
(注6)フィジカルAI:各種センサーで周囲の状況を捉え、判断結果を制御信号に変えてロボットや設備を動かすAI。生成AIが文章や画像などの情報を生成するのに対し、フィジカルAIは実世界における物理的な動作までを担う。
(注7)ハルシネーション:AIが誤った情報や無関係な内容を事実のように出力する現象。
(注8)ドローン運航管理システム(UTMS):ドローンの運航や飛行計画、運航者の登録管理、飛行ログの記録など、総合的な運航管理を支援するためのシステム(UTMS:Unmanned Aircraft System Traffic Management System)。
(注9)フォトニック結晶レーザー:フォトニック結晶と呼ばれる人工的な光ナノ構造を2次元状に配置した、2次元フォトニック結晶を有する半導体レーザー。通常の半導体レーザーと比較して、大面積で単一モード発振するため、高出力で狭い拡がり角のビームが得られる。
(注10)光行差補正技術:通信機同士の相対運動に起因する送受信光の角度ずれ(光行差)を補正する技術。
(注11)量子鍵配送:光子の量子的性質を利用して共通鍵を共有する方式。光を微弱にすることで量子性が現れ、盗聴を試みると光子の状態が変化して検知できるため、安全な鍵共有が可能となる。
(注12)耐量子計算機暗号:量子コンピューターによる解読にも耐えられるように設計された新しい暗号技術。
(注13)物理層とアプリケーション層:国際標準化機構(ISO)が策定したOSI参照モデルにおける、コンピューター通信機能の7つの階層のうち、機器同士の物理的な接続を担う階層(物理層)と、ソフトウエアの通信機能を担う階層(アプリケーション層)のこと。

これらの活動を通じて、当連結会計年度における研究開発費の総額は、39,995百万円となりました。なお、当社グループにおける研究開発活動は各セグメントに共通するものであり、各セグメントに関連づけて記載しておりません。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E04425] S100YKG2)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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