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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100XT05 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日清紡ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2025年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループでは、無線・通信事業において、ソリューションを通じて人びとの安心・安全を提供し、社会に貢献する「無線通信トータルエンジニアリングカンパニー」を目指し、研究開発活動に取り組んでいます。
マテリアル事業においては「Sustainable Smart Materials」を新コンセプトとして、従来の繊維・化学・摩擦材などの基盤技術を活かしつつ、脱炭素や電動化、通信、再生可能エネルギーなど成長分野に直結するエレクトロニクス向けの機能性素材へ軸足を移します。
当連結会計年度の研究開発費は23,262百万円であり、主な研究開発とその成果は次のとおりです。

(1)無線・通信
日本無線グループでは、コア技術であるセンシング、通信ネットワーク、データ分析にAIを融合し、DXやIoTに寄与すべく、各分野のソリューション技術に関する研究開発に注力してきました。
船舶分野においては、船舶の自動運航に関する研究開発において、公益財団日本財団の無人運行船プロジェクトMEGURI2040に引き続き参画し、陸上から複数船舶を遠隔で航行支援する移動型FOC(Fleet Operating Center)の構築や、船舶側の自動運行システムを搭載し、社会実装に向けた実証実験に取り組みました。また、大型商船におけるパラメトリックロール発生リスクの可視化・回避を支援し、事故リスクの低減と運航効率の最大化を実現するアンチ・パラメトリック・ローリング・システム(APRS)を開発し、市場提供を開始しました。
陸上においては、鉄道・建設機械等の安全性・効率性向上に寄与すべく、DXシステムおよびその共通基盤(プラットフォーム)の開発を進めています。
防災・減災や社会の安全確保に関連する取組みとして、ドローンシミュレータ、気象レーダ、入川者検知システムや、災害時における通信インフラの確保等の研究開発を進めています。ドローンシミュレータでは、国家資格(一等無人航空機操縦士)取得と操縦スキル習得を支援するため、実機の風や慣性まで再現した高精度シミュレーションソフトウェアを開発しました。気象レーダでは、積乱雲の発達初期に気象レーダで観測できる「ゲリラ豪雨のタマゴ」の検出処理を開発しました。今後、長野県内の自治体にゲリラ豪雨警報予測システムを実験的に設置し、意見集約と評価を実施していきます。入川者検知システムでは、ドローン搭載用小型エッジPCに物体検知AIモデルを実装し、河川上空映像からリアルタイムに「人」を検知する機能を開発しました。災害時における通信インフラの確保では、重要インフラの維持管理を支援するため、多拠点を常時監視する設備間使用衛星通信システムを開発しました。さらに、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)委託の「Beyond 5Gにおける衛星-地上統合技術」の開発により、静止・低軌道衛星×5Gネットワークにおける柔軟な経路選択等を活用した実証実験に成功し、広域地震災害等における高機能通信手段として有効な成果を上げました。
また、医療・ヘルスケア関連分野では、超音波センシング技術に関する研究開発を進めています。血管内超音波装置では、血管分岐部を効率的に検出する技術、血管内腔を検出する技術を開発しました。また、排尿ケアプローブや携帯型超音波診断プローブでは、用途特化型の画像処理技術を開発しました。

国際電気グループでは、コア技術である「センシング」「伝送」「AI解析」を活用して、各分野における現場で働く人を支援するための無線通信・映像ソリューションや、ソリューションを支える標準化されたプロダクトやソリューションを迅速提供するための共通プラットフォームに係る研究開発に注力してきました。
鉄道分野においては、鉄道事業者を支える列車無線の高度化や、映像や3DセンサとAIを組み合わせた監視システムの高度化に重点を置いた研究開発を行い、ワンマン化に向けた運転支援の取組みを推進しています。
また、防災・減災や社会の安全確保に資する取組みとして、災害に関わる情報を収集、一元管理して災害対応時の自治体職員の業務を支援する防災業務支援サービスの高度化や、生成AIを用いて映像解析や状況報告を行い、巡視業務を効率化するマルチモーダルAIの研究開発に取り組むとともに、複数のネットワーク監視カメラと組み合わせてAI画像認識を行う複数カメラ対応型AIエッジコントローラを開発し、重要施設等の広域エリアのセキュリティ向上に寄与する取組みを推進しています。

製造業のスマート化に向けては、現場データを収集・蓄積・分析して、現場管理者をDXで支援するSaaS型現場最適化ソリューションのラインナップ化に取り組み、製造現場の作業スペース管理を支援するスペーシングマネジメントを開発し、提供を開始しました。
通信インフラのインフラシェアリング普及に向けては事業者共用向けのアンテナ分散型システムの新製品として設置場所の柔軟性を高める高出力子機を開発し、提供を開始しました。放送のDX化に向けては、新技術を搭載したFPU(映像伝送装置)の研究開発や放送カメラの撮影用途に応じたコンテンツ制作支援機能の開発に取り組みました。
当セグメントに係る研究開発費は9,894百万円です。

(2)マイクロデバイス
マイクロデバイス事業では、電子デバイス製品やマイクロ波製品等の企画、設計から生産技術まで総合的な研究開発を行っています。
車載用途においては、車載カメラモジュールに最適なPMIC(Power Management Integrated Circuit 電源管理用集積回路)の量産を開始しました。車載カメラモジュールは多様な用途で活用され、搭載スペースの都合から小型・薄型化が強く求められています。本製品は4つのレギュレータを集約、スタンドアロンでのシーケンス設定とパワーグッド機能(リセットIC不要)を備えることで、周辺部品の削減と基板の省スペース化を実現します。
産業用センサ向けには、一次電源に最適な昇圧用DCDCコンバータの量産を開始しました。一次電池で駆動するセンサは低消費電力が求められ、特にスリープ時の消費電流が課題となっています。さらに、データ通信時には転送エラーを防ぐためのノイズ低減も求められます。本製品は業界トップクラスの超低消費電流Iq=70nA(当社従来品比1/4に低減)を実現し、ノイズ低減のために「低リップルモード」を搭載しており、センサの長時間動作、安定動作に貢献します。本製品はこれらの技術が評価され、モノづくり日本会議と日刊工業新聞社が主催する「“超”モノづくり部品大賞」において「電気・電子部品賞」を受賞しました。
海上やルーラルエリア(非都市圏)等、有線による通信インフラ構築が難しい地域・環境でニーズの高い衛星通信分野では、屋外設置送受信機の高周波化・高出力化を進め、高速化・大容量化といった社会の需要に対応しています。
また、ウエアラブル機器やヒアラブル機器向けに、1セルリチウムイオン電池保護ICの量産を開始しました。昨今のリチウムイオン電池保護回路は電池セルの多様化やホストとの通信性からハイサイドにFETを配置した保護回路を採用する機器が増えつつあります。日清紡マイクロデバイスグループではこれらの市場のニーズに向け、ハイサイドFET駆動及び、従来構成向けのローサイドFET駆動の2タイプの保護ICをリリースします。
さらに、マイクロ波・ミリ波センサでは引き続き水洗便座用センサユニットをより多くのラインアップや便座以外の用途に展開するための活動を継続しています。その他介護・見守りやセキュリティ・環境モニター用途など幅広い用途向けの開発も進めています。
当セグメントに係る研究開発費は7,009百万円です。
※2024年9月26日 日清紡マイクロデバイス㈱調べ

(3)ブレーキ
ブレーキ事業では、摩擦材に関する技術を極め、自動車の安全・快適・経済性・環境性能に貢献する製品・ソリューションを、グローバルに提供し続ける事を使命に開発に取り組んでいます。
R&D機能では、重要保安部品としての高い信頼性を堅持し、銅規制等に対応した環境負荷物質を低減する製品の開発では、①xEV化で静粛性が高まる新世代車への適合における音・振動事象の撲滅、②効きの安定性、③摩耗粉塵の排出を抑制する優れた摩耗特性、④高温・高負荷時にも高い摩擦係数を維持する等、お客様ニーズへの対応に重点をおいて活動しています。開発した材質は、お客様にご好評を頂いており、国内外の数多くの車両プログラムへの適用が決まり、量産化が進捗しています。

開発シーンでは、従来のモノづくりと評価を主軸としたPDCAサイクルに加え、CAEによる摩擦のシミュレーションや、分子シミュレーション、データマイニングを主体としたデータ駆動型研究開発を加えることにより、開発期間の短縮化、開発品の高性能化、省力化及び開発費の最小化=開発効率の最大化を目指しています。その実現を支えるため、RAGの構築、生成AIの活用、データプラットフォームを始めとした開発環境の整備に加え、デジタル人財育成を目指し教育プログラムを実行しています。
加えて、2050年にCO2排出量ゼロに向けて独自の目標を掲げ、材質および製造工程の研究開発への取り組みも実行しています。また、当社グループ内のコラボレーションにより車両の安全、自律運転を見据えた足廻りのセンシングに関するマーケティングと研究を推進しています。
当セグメントに係る研究開発費は3,611百万円です。

(4)精密機器
精密機器事業では、新製品開発と上市の加速を重点取組みテーマと位置づけ開発活動を行っています。
射出成形技術とエレクトロニクス技術をベースとした配線機能一体型成形品(IM-E:In Mold -Electronics)の開発を進めています。
また、医療分野では、優れた生体適合性等の高機能を備えたスーパーエンプラ樹脂を用いた新製品をはじめ、予防・予後・再生医療に貢献する製品の開発・上市を進めます。家電・住設分野においては、快適な居住空間や省エネに向けた空調機器用ファン等の開発に取り組んでいます。
さらに、再生可能エネルギーや社会インフラの整備等持続可能な社会に向けた製品の開発を進めており、新たな事業創出に向けた活動に取り組んでいます。
当セグメントに係る研究開発費は197百万円です。

(5)化学品
化学品事業では、既存の研究開発に加え、2025年1月及び4月に当社で実施していた開発の一部を日清紡ケミカル㈱へ移管し、環境問題解決やGXに貢献する技術・製品の研究開発に取り組んでいます。
燃料電池向けには、カーボンセパレータの量産化に向けた開発、ならびに同用途の触媒関連製品の研究開発を進めています。
また、次世代エネルギーの輸送及び貯蔵施設等、インフラの構築に貢献する高性能ウレタン断熱材の開発を進めています。
さらに、揮発性有機化合物や有害化学物質の使用削減に寄与する樹脂添加剤の開発を推進しています。プラスチックによる環境汚染の拡大防止に向けて、土壌及び海洋環境で生分解性プラスチックの分解スピードを促進・制御する添加剤の開発を進めています。
当セグメントに係る研究開発費は858百万円です。

(6)繊維
繊維事業では、「環境」と「健康」への貢献を重点テーマに掲げ、グループ内外の幅広いパートナーと連携しながら研究開発を進めています。
当連結会計年度は、ノーアイロンシャツで知られる「アポロコット」シリーズのラインアップを拡充するとともに、防汚、冷感、ノンホルマリンなど、環境に配慮した次世代型の高機能素材の開発に注力しました。さらに、防透、抗菌防臭、抗ウイルス、綿100%のストレッチ素材など、安心・安全と快適性の向上を両立する製品の拡充も進めています。
また、サーキュラーエコノミーの実現を目指し、廃棄されたシャツを再び繊維化して新たなシャツへ生まれ変わらせる「シャツ再生プロジェクト」を推進しています。当連結会計年度には、国内繊維メーカー5社とバイオ関連研究機関1社と共同で、NEDO「バイオものづくり革命推進事業」に採択されました。これまで培ってきた当社グループの技術や知見に加え、各社のノウハウを結集することで、廃棄衣料を繊維として再利用する“繊維 to 繊維”の資源循環システムの構築と、その社会実装に向けた研究開発・実証を進めています。
当セグメントに係る研究開発費は701百万円です。


(7)全社共通
日本無線グループおよび当社の研究組織を整理・統合し、研究開発体制を刷新することで、エレクトロニクス分野におけるビジネスイノベーションの創出と事業R&Dの推進を目的として、2025年4月1日付で「フューチャー・イノベーション本部(FI本部)」を発足しました。
FI本部では、各事業の未来社会におけるポジションや強みを明確化するとともに、データドリブン型の事業開発を通じて、新たな事業創出に取り組んでいます。
また、2025年11月には新宿に新たな拠点を開設し、マーケティングおよび戦略企画部門を移転しました。これにより、社外との連携を含むオープンイノベーションを加速させ、事業創出に向けた取り組みを一層推進しています。
さらに、マテリアルセグメントの事業価値向上につながる研究開発テーマの創出を目的として、経営戦略室内に「ケミカル素材開発グループ」を新設しました。エレクトロニクス分野においても課題となっているエネルギー問題に対応し、大幅な特性向上が期待できる新規電子部品用材料や、市場ニーズに紐づいた半導体関連部材の開発など、エレクトロニクス事業の発展に寄与する新素材開発に取り組んでいます。
なお、2025年3月まで実施していた研究開発項目については、以下のとおり整理しました。
水素社会実現に向けた取り組みとして進めてきた燃料電池用触媒および、当社グループの超音波技術を活用した水素ガスセンサについては、事業化を加速するため事業会社へ移管しました。
地球環境問題への対応として取り組んできた海洋生分解性プラスチックの開発についても、事業会社に移管し、事業化を推進しています。
一方、「完全閉鎖型植物工場」については、研究開発を終了するとともに、関連事業もすべて終了しました。
全社共通に係る研究開発費は990百万円です。

事業等のリスク株式の総数等


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