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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QE3N (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日清紡ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2022年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループでは、“環境・エネルギー”を軸とし、「モビリティ」、「インフラストラクチャー&セーフティー」、「ライフ&ヘルスケア」に関わる3つの分野を戦略的事業領域に定め、これらの分野において高性能・高品質かつ競争力のある製品・技術の開発に力を注いでいます。そのために、グループ横断的な研究開発活動を行っており、無線・通信、マイクロデバイス、ブレーキ、化学品といった、多岐にわたる保有技術を融合してイノベーションを創出し、持続可能な社会へ資する新たなバリューを提供していきます。
当連結会計年度の研究開発費は25,864百万円であり、主な研究開発とその成果は次のとおりです。

(1)無線・通信
無線・通信事業では、遠隔操船、自律航行、交通の運航管理等のモビリティの高度化に貢献すること、自然災害に対する防災減災、インフラストラクチャー管理の効率化等の社会の安全と社会基盤の高度化に貢献すること及びライフ&ヘルスケアの高度化に貢献することを目的にAI、IoT、クラウド等を用いた予測、分析、情報サービスに関する技術及びローカル5Gを使用した各種ソリューション技術を中心とした研究開発に注力してきました。
モビリティ分野に関しては、船舶の衝突を回避するための避航ルート生成技術の研究開発を進めています。他の船舶の衝突リスクを事前に知らせる衝突危険領域表示する機能(Safety Zone Viewer)を船舶レーダのオプションとして提供を開始しました。海上情報サービスについてはJ-Marine Cloudが革新的な取り組みとして日本海事協会の「イノベーションエンドースメント」認証を取得しました。今後もサービス内容を充実し運航の安全と効率化に貢献していきます。さらに陸上においては工事現場、農場、倉庫等で使用する作業車両の周囲をミリ波レーダとカメラからの情報からAIで判別することで監視する装置の開発を完了し提供を開始しました。この装置は小型で低消費電力ながら高速信号処理が可能になっています。航空においてはヘリコプターに搭載するテレビ画像伝送用の通信機器を開発しました。
インフラストラクチャー&セーフティー分野に関しては、道路の維持管理の効率化、通信設備のリモート故障診断と故障予測、通信システムの高度化等のインフラストラクチャー関連、及び防災減災、防犯等のセーフティー関連に対するソリューションをAI、センシング、通信等の技術を使用して研究開発を行っています。例えば路面の劣化状況を走行しながらカメラ映像をAIで自動診断する技術、山間部に設置されたテレビ送信機の運用状態や故障情報をセンサーからクラウド経由で把握するシステム、インターフェースの多様化と保守運用性が向上したマイクロ波帯の新型公共業務用多重無線装置、河川の映像から水位と危険状態をAIで判定する技術、水防災向け各種情報を安価かつ低消費電力で伝送できるLPWA(Low Power Wide Area)対応通信機等を開発しました。ローカル5G関係では、有効電波領域が高速道路に沿った範囲に限定する通信サービスシステムを首都高速道路株式会社と共同で開発を行っています。また、スタンドアロン(SA)構成のローカル5Gの無線局を自社の事業所に設置し利用技術とアプリケーションの研究と開発を進めています。
ライフ&ヘルスケア分野に関しては、介護者の負担軽減を目的とした要介護者見守りシステムの開発を完了し提供を開始しました。また、ポータブル超音波診断装置においては画質の鮮鋭化と尿量自動計測等の技術開発を進め、非接触バイタルセンシングでは患者や医療スタッフの負荷を軽減するために技術の高度化を進めています。
当セグメントに係る研究開発費は6,457百万円です。


(2)マイクロデバイス
マイクロデバイス事業では、電子デバイス製品やマイクロ波製品等の企画、設計から生産技術まで総合的な研究開発を行っています。
モビリティ分野に関しては、先進運転支援システム(ADAS)カメラ用パワーマネージメントICや、高精度測位システムを高感度に実現するGNSS(衛星測位システム)、マルチバンド対応RFフロンドエンドモジュール(FEM)などの量産を開始しました。
インフラストラクチャー&セーフティー分野に関しては、各種センサと信号処理を含んだカスタムセンサモジュール製品の開発を進めています。2022年は感染症対策や衛生面の向上に貢献可能な、ボタンをタッチレス化する光学式反射型センサ「Optton™」シリーズの量産を開始しました。海上やルーラルエリア(非都市圏)等、有線による通信インフラ構築が難しい地域・環境でニーズの高い衛星通信分野では、屋外設置送受信機の高周波化・高出力化を進め、高速化・大容量化といった社会の需要に対応しています。
ライフ&ヘルスケア分野に関しては、オーディオファンに"真実の音"を提供することを目的としたオーディオ専用デバイス「MUSES」シリーズにおいて、オペアンプMUSES05の一般販売を開始し、シリーズ初となる高音質電源ICの開発も進めています。また、マイクロ波・ミリ波センサでは水洗便座用センサユニットの新製品の量産を開始しました。更に介護・見守りやセキュリティ・環境モニタ用途など幅広い用途向けの開発も進めています。
当セグメントに係る研究開発費は8,302百万円です。

(3)ブレーキ
ブレーキ事業では、モビリティ分野においてコスト競争力のある差別化商品の提供と技術力の強化を目標に掲げ、自動車用摩擦材の開発に取り組んでいます。
R&D機能では、社会環境の変化とその要請にスピード感のある対応の実行を目的に、より効率的な運営と的確で有効なマネジメントを構想し、組織を適合開発部、ソリューション開発部、サステナブル開発部の3部体制に再編しました。重要保安部品としての高い信頼性を堅持し、銅規制等に対応した環境負荷物質を低減する製品の開発では、①xEV化で静粛性が高まる新世代車への適合における音・振動事象の撲滅、②効きの安定性、③摩耗粉塵の排出を抑制する優れた摩耗特性等、お客様ニーズへの対応に重点をおいて活動しています。開発した材質は、お客様にご好評を頂いており、国内外の数多くの車両プログラムへの適用が決まり、量産化が進捗しています。
開発シーンでは、シミュレーションやデジタル化の更なる進化と、AIを活用したデータ駆動型研究開発という新たなPDCAサイクルを開発に取り入れる事によって、更なる製品の性能向上や効率化を図っています。その実現を支えるためにデータサイエンティストを頂点とするデジタル人財の育成も重視し教育プログラムをスタートしました。加えて、2050年にCO2排出量ゼロに向けて独自の目標を掲げ、材質および製造工程の研究開発への取り組みも開始しています。また、当社グループ内のコラボレーションにより車両の安全、自律運転を見据えた足廻りのセンシングに関する研究を推進しています。
当セグメントに係る研究開発費は8,163百万円です。

(4)精密機器
精密機器事業では、新製品開発と上市の加速を重点取組みテーマと位置づけ開発活動を行っています。
モビリティ分野に関しては、射出成形技術、エレクトロニクス技術をベースにIMPC®(In-Mold Printed Circuit:立体配線成形技術)を合わせた配線機能一体型成形品の開発や、自動運転などの実現に貢献するセンサ関連の新製品開発を加速していきます。
ライフ&ヘルスケア分野に関しては、医療分野において、優れた生体適合性等の高機能を備えたスーパーエンプラ樹脂を用いた新製品をはじめ、予防・予後・再生医療に貢献する製品の開発・上市を進めます。家電・住設分野においては、快適な居住空間や省エネに向けた空調機器用ファンや高気密・高断熱窓枠等の開発に取り組んでいます。
なお、インフラストラクチャー&セーフティー分野に関しては、再生可能エネルギーや社会インフラの整備等持続可能な社会に向けた製品の開発を進めており、新たな事業創出に向けた活動に取り組んでいます。
当セグメントに係る研究開発費は122百万円です。


(5)化学品
化学品事業では、地球環境問題の解決に貢献する技術・製品の研究開発に取り組んでいます。
モビリティ分野に関しては、燃料電池事業において、モビリティ用燃料電池に使用されるカーボンセパレータの新生産方法や性能向上を重点に活動しており、新生産方法での量産化に向け開発を進めています。機能化学品事業では、カーボンニュートラルへの貢献を目的とし、自動車塗装工程の低温化を実現する水性架橋剤の開発を進めています。
インフラストラクチャー&セーフティー分野に関しては、断熱事業において、鉄道軌道用防振材の開発のほか、安全安心をテーマに不燃ノンフロンウレタンフォームの実用化を進めています。カーボン事業および機能化学品事業では、次世代・先端半導体向けの製品・添加剤の開発を進めています。
ライフ&ヘルスケア分野に関しては、機能化学品事業において、マイクロプラスチックによる海洋汚染の拡大防止に向けて、海洋環境で生分解性プラスチックの分解を促進する添加剤の開発を進めています。断熱事業では、次世代エネルギーである液化水素の輸送及び貯蔵施設向けの高性能断熱材の開発、きれいな水を守るための高性能水処理担体の開発を進めています。
当セグメントに係る研究開発費は379百万円です。

(6)繊維
繊維事業では、ライフ&ヘルスケア分野において「サステナブルな繊維事業への転換」を目指し、環境・健康社会への貢献を重点取り組み事項として掲げ、グループ内外と幅広く連携し、研究開発を進めています。
当連結会計年度はノーアイロンシャツに代表される「アポロコット」シリーズの商品を拡充し、環境配慮型の次世代商品として、防汚、冷感、ノンホルマリンなどの機能加工商品の開発にも注力しています。
また、安心・安全を提供できる防透、抗菌防臭、抗ウイルスなどの健康快適商品の充実を図り、さらに、当社グループ内のマイクロデバイス事業と連携し、胎児見守り腹帯や騒音職場通信デバイスなどのスマートテキスタイルの開発も取り組んでいます。
「サーキュラーエコノミー」の実現を目指した、廃棄シャツから再繊維化し新たなシャツに生まれ変わらせる「シャツ再生プロジェクト」については、当連結会計年度にNEDO※先導研究プログラムに採択され、信州大学と共同で基礎技術の確立に向けた研究開発を進めています。
当セグメントに係る研究開発費は679百万円です。

(7)全社共通
グループ内の研究開発においては、各事業セグメントを超えた連携によるシナジーにより、環境・エネルギーカンパニーとして地球環境問題・社会課題の解決に貢献する新たな事業の創出に取り組んでいます。
・水素社会実現のための取組み
レアメタルを使用しない燃料電池用触媒や水素生成用触媒などの部材開発に加え、燃料電池活用のためのシステム開発に取組んでいます。これら取組みの一部は、NEDO※事業に採択をされています。
当社グループの持つ超音波技術を活用した水素ガスセンサの開発は、携帯型水素ガス漏れ検知器「MoLeTELL®」の試験販売に加え、定置型漏れ検知器や水素濃度測定器など顧客ニーズに合わせた製品開発を進めています。
・地球環境問題への取組み
マイクロプラスチックによる海洋汚染の拡大防止に向けて、海洋生分解性プラスチックの開発に取組んでいます。本取組みの一部は、NEDO※事業に採択をされています。また、開発した微粒子はプラスチック微粒子代替材料として、ユーザーでの評価が進んでいます。
・安心・安全への取組み
食の安心安全・安定供給に向けて、「完全閉鎖型植物工場」「環境センサネットワークによる制御」「画像AIとロボットによる省力化」など、プラントファクトリーのスマート化に取組んでいます。
大容量化するデジタルコンテンツ情報をストレスなく送受信するための高速通信技術を活用した大容量のデータを瞬時に確実に伝送する「ミリ波通信システム」や、センサ及び通信技術を活用した「見守り機器・システム」などの開発、更にはこれらシステムを活用した「データ活用ビジネス」といったサービスへの取組みを強化しています。
全社共通に係る研究開発費は1,759百万円です。
※国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00544] S100QE3N)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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