有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YAUO (EDINETへの外部リンク)
住友化学株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
当社グループ(当社及び連結子会社)は、事業拡大と収益向上に寄与すべく、独自の優位性ある技術の確立を基本方針とし、各社が独自に研究開発活動を行っているほか、当社グループ全体としての効率性を念頭に置きながら、互いの研究開発部門が密接に連携して共同研究や研究開発業務の受委託等を積極的に推進しております。
当連結会計年度においては、2025年度から2027年度までの中期経営計画に従い、前期中期経営計画から引き続き、食糧、ICT、ヘルスケア、環境の4分野に研究資源を重点投入するとともに、異分野技術融合による新規事業の芽の発掘とその育成に取り組んでまいりました。
これに基づき、当連結会計年度に計上された研究開発費は、前連結会計年度に比べ5億円減少し、1,447億円となりました。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
アグロ&ライフソリューション分野では、世界の食糧増産、健康・衛生や環境の改善といった課題解決を通じてサステナブルな社会の実現に貢献するため、環境負荷低減効果を重視した技術による新製品やアプリケーション、競争力のある製造プロセスの開発を加速化し、コア事業のさらなる強化と周辺事業の拡大に取り組んでおります。
当連結会計年度において、国内農業関連事業については、「ピリダクロメチル」及びイミノクタジンアルベシル酸塩を含有する殺菌剤「フセキワイドフロアブル」を上市いたしました。「ピリダクロメチル」は、当社が独自に開発した新規作用性を有する有効成分であり、イミノクタジンアルベシル酸塩は、耐性菌発生リスクが低く、長年の実績を有する化合物です。この2つの有効成分の組み合わせにより、「フセキワイドフロアブル」はうどんこ病に加え、トマトの葉かび病・すすかび病、なすのすすかび病防除の基幹剤として長く安定的に使用することが可能であります。また、近年上市しました殺虫剤「アレス」、殺菌剤「カナメ/モンガレス」についても、新製品の開発を進めております。さらに、省力化・環境負荷低減技術の開発やDXの活用を通じて農業生産者への革新的なソリューションの提供を拡大すべく、農薬、肥料、コメ事業の製品ポートフォリオ拡充及び付随するサービスに関する研究開発を進めております。特に、DXの活用では、当社が運営する「農業でつながろう」をテーマとしたデジタルプラットフォーム「つなあぐ」を起点にデジタル技術を駆使して、農業関係者の課題解決に貢献するソリューションの開発に継続的に取り組んでおり、病害虫発生情報アプリ「むしきんコール」の新規公開、青果市況情報アプリ「YAOYASAN」の新機能「市況分析」の追加を行いました。海外農業関連事業においては、2024年にアルゼンチンにおいて世界で初めて上市いたしました「ラピディシル」を含む除草剤「エンペラ」の販売拡大及び、主要市場での登録取得に取り組んでおります。「ラピディシル」は、当社が独自に開発した除草剤有効成分で、速効性があり、幅広い広葉雑草やイネ科雑草に対して高い効果を発揮することから、リジェネラティブ(再生可能)農業の一つとして注目される不耕起栽培に適した性能を有しており、土壌保全と二酸化炭素排出量の削減によるカーボンニュートラルへの貢献が期待できます。こうした特長やグローバル市場での高い事業成長性が評価され、「ラピディシル」は2025年日経優秀製品・サービス賞 グローバル部門賞を受賞しました。また、有効成分「インディフリン」を含有する殺菌剤「エクスカリアマックス」をインドで初めて上市し、当社新規殺菌剤「パベクト」は欧州及び南米市場向けに鋭意開発を進めております。これら「ラピディシル」「インディフリン」「パべクト」はいずれもブロックバスターとなる有効成分と位置付けております。コルテバ・アグリサイエンス社との種子処理技術の開発、商業化プロジェクトにも引き続き取り組んでおります。
さらに、当社が戦略的分野と位置付けているバイオラショナル事業では、有効成分「ACC」含有する植物成長調整剤「アクシード」を南アフリカとメキシコで上市いたしました。また、バイオラショナル事業のさらなる強化・成長を目的として、2026年4月1日付で当社の米国組織体制を再編し、スミトモ バイオラショナル カンパニー LLCへと統合いたしました。スミトモ バイオラショナル カンパニー LLCは、当社バイオラショナルのイノベーションを推進する中核拠点として、グローバルに総合的かつ持続可能なソリューションを提供してまいります。当社は、化学農薬、バイオラショナルの強固な基盤をもとにリジェネラティブ農業への貢献を追求いたします。
生活環境事業については、重点強化領域の市場セグメントにおける新製品の開発と製品群の拡充を推進しております。引き続き強い市場ニーズのある天然物由来製品を強化すべく、2024年度に米国での登録を取得した新規ボタニカル有効成分「ベラトリン」の適用拡大に取り組んでおります。「ベラトリン」はユリ科の植物サバジラの種子からの抽出物で、幅広い害虫への作用が期待されます。また、近年米国で上市したハチ用エアゾールの「オンスロート パワーショット」の拡販を進めるとともに、さらなる新製品の開発に取り組んでおります。熱帯感染症対策資材分野では、長期残効性蚊帳、室内残留散布剤、蚊の発生源対策として幼虫防除用製品の普及を引き続き進めていくことに加え、抵抗性を持つ蚊に効果のある新規空間散布剤の開発普及を通じて、熱帯感染症を媒介する蚊に対する総合的な防除に取り組んでおります。また、抗菌・防カビ・アレル物質低減分野において製品の拡充を進め、抗バイオフィルム製品の開発にも取り組んでおります。
アニマルニュートリション事業については、飼料添加物メチオニンのプロセス改善等の合理化に加え、グローバルな販売ネットワークやロジスティクスに強みを持つ伊藤忠商事株式会社との販売業務提携を拡大し、同事業の競争力強化に取り組んでおります。また、機能性飼料添加物分野における製品ラインナップ拡充のため、飼料効率の改善と安心・安全な畜産物生産に貢献できる新規製品の開発も進めております。さらに、近年問題となっている家畜排泄物由来の温室効果ガス(GHG)の低減を目的として、国内研究機関等との共同研究プロジェクトに参画し、引き続きメチオニンを活用したアミノ酸バランス改善飼料の技術普及を推進しております。
なお、アグロ&ライフソリューションセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は316億円であります。
ICT&モビリティソリューション分野では、グローバルな技術・研究開発能力を結集し、AI時代の先端技術進化を支える新製品の開発に積極的に取り組み、高成長・高収益を目指してまいります。
当連結会計年度において、半導体分野においては、生成AIの普及と進化に伴う技術革新や投資拡大によって生じる新たな市場に対応すべく、研究開発リソースを重点的に投入しております。前工程用材料では、半導体集積度向上という命題に対し、微細加工分野において、EUV(極端紫外線)光源向けフォトレジストの開発を推進しております。従来の化学増幅タイプの実績を積み上げるとともに、次世代向けに当社独自の有機分子レジストによる性能向上にも戦略的に取り組んでおります。液浸ArFレジストについては、開発体制強化に向けた戦略投資を機動的に実行し、製品ラインナップの拡充を図ることで、先端レジスト分野におけるプレゼンスを一段と向上させてまいります。また、洗浄工程で使用される高純度ケミカルでは、プロセス・分析技術の高度化によってpptオーダーの不純物管理を含む品位向上を実現し、最先端半導体プロセスでの採用に向けた取り組みを着実に進展させております。一方、技術転換期にある後工程用材料については、多層配線用厚膜レジストや特殊プロセス向け洗浄剤などで実績を積み重ねるとともに、ラインナップ強化を通じて採用拡大を図っております。韓国をはじめとした海外拠点とのグローバルな連携により研究開発体制を一層強化し、次世代材料の開発・事業化を加速してまいります。
さらに、化合物半導体製造技術を基盤に、今後大きな成長が期待されている次世代パワー半導体用の大口径GaN(窒化ガリウム)基板について品位のさらなる向上に取り組むとともに、データセンターの爆発的な普及に伴って重要度を増している光通信用InP(インジウムリン)エピウェハの開発も推進してまいります。また、世界に先駆けて量産を開始した超微粒αアルミナについて、次世代半導体用の研磨材用途としての展開に加え、CPU/GPUの安定動作を確保するうえで重要となる放熱材料や、高強度・耐薬品性・透光性が求められる半導体製造装置用部材への応用開発も進めております。加えて、生成AI関連需要を背景に高まるデバイスの微細化・薄肉化及び高速伝送化の要求に応えるべく、スーパーエンジニアリングプラスチックである液晶ポリマー(LCP)のグレード開発にも精力的に取り組んでおります。
ディスプレイ分野においては、主にモバイル用途のOLEDディスプレイに対し、当社独自のキーコンポーネントである液晶塗布型位相差フィルムや液晶塗布型偏光子を用いた、薄型で耐久性や折り曲げ特性に優れた偏光フィルムを積極的に拡販しております。併せて、自動車の技術革新に伴って拡大する車載用ディスプレイ市場に向けて、次世代の高耐久・広視野角偏光フィルムの開発も強化しております。加えて、フォルダブルスマートフォンや超高精細OLEDディスプレイ等次世代ディスプレイ向けの低温硬化カラーレジストについても、市場展開を推進しております。引き続き、多様化が進むディスプレイ市場に対応する新規機能性フィルムや各種高機能材料の開発・事業化を加速してまいります。
成長著しいモビリティ及び高速通信分野においては、EVやHEVなどで求められる高い信頼性要求に対応し、液晶ポリマー(LCP)のグレード開発を強化するとともに、リチウムイオン二次電池用各種部材についても、性能向上の要請や需要拡大に応えるべく開発を推進しております。耐熱セパレータでは、性能向上とコスト削減を両立させる技術開発が進展し、当該技術の採用が拡大しております。2026年度からは、韓国SSLM社へ当該製品の製造及び関連機能を集約し、日本は次世代に向けた革新的材料の研究開発に集中する体制へ移行いたします。京都大学産学共同研究講座「固体型電池システムデザイン」では、新規固体電解質の実用化に向けた材料開発を進めており、日韓の役割分担と連携を通じて、電池材料の競争力を一段と高めてまいります。併せて、高速・大容量通信、省エネ、自動運転等の技術を支える高周波デバイス用各種エピウェハの設計開発にも力を入れるとともに、IoTや大容量・高速通信のニーズの拡大に応えるフィルムアンテナの開発と市場開拓も戦略的に進めております。
これらに加えて、培った材料や技術のライフ&ヘルスケア分野への展開も行っております。機能樹脂材料においては、ポリエーテルスルホン(PES)の、高機能膜向けの材料開発を積極的に進めるとともに、食器などの生活関連資材や医療関連資材への用途開拓にも力を入れております。また、世界初の固体ポリマー型温度調節材料を用いた繊維開発に成功し、接触・持続冷感性や持続温感性を活かした、温度調節が求められる衣服への実用化に取り組んでおります。無機材料においては、今後の市場拡大が見込まれる人工関節や歯科材料を対象に、超微粒αアルミナを活用したユーザーとの共創を積極的に進めております。
蓄積した事業ノウハウ・ネットワークを活かして、今後の成長が期待されるサーマルマネジメント分野などの新事業領域にも挑戦してまいります。革新的かつ高機能な製品の開発を通じて、ポートフォリオの高度化と価値創出に向けた取組みを一層強化いたします。
なお、ICT&モビリティソリューションセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は334億円であります。
アドバンストメディカルソリューション分野では、「高度な製造・管理・分析技術を駆使したソリューションの提供を通じ“化学とバイオの力”で世界中の人々の健康と未来を支える」ことをビジョンに据えて活動に取り組んでおります。このビジョンのもと、オーガニックな事業成長を推進するとともに先端医薬領域における飛躍的成長戦略を具体化し新たな当社事業の柱の一つとすべく、長期的な育成に取り組んでおります。
当連結会計年度において、高度化低分子CDMO事業については、当社の高度な有機合成技術を駆使した新薬の受託製造品目の拡充、ジェネリック原薬の製法開発、及び新規製造技術の開発に取り組んでおります。有望な複数の開発品・新製品に対して商業生産へ向けた準備を進めており、引き続き製販研一体で一層の事業拡大を追求いたします。
医療用オリゴ核酸CDMO事業については、当社が強みとする高純度な長鎖RNAのニーズが拡大しており、生産・出荷が本格化しております。2025年4月には米国マサチューセッツ州マールボロにCRO拠点を設立し、顧客が集中する米国への対応強化を進めております。今後、当該拠点から顧客要望に応じた長鎖RNAのサンプルを調製し提供することにより、コミュニケーションを密に取りながら顧客ニーズにスピーディに対応してまいります。
再生・細胞医薬CDMO事業については、S-RACMO株式会社が、2024年度にオリヅルセラピューティクス株式会社と共同で採択された国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の公募課題「再生・細胞医療・遺伝子治療産業化促進事業」に基づき製造プロセス開発を推し進めております。さらに当連結会計年度では、当該AMED公募課題の2025年度事業に当社連結子会社である株式会社RACTHERAと共同で採択され、ゲノム編集iPS細胞及び高機能網膜シートの製造プロセス開発を進めております。2025年7月に竣工した再生・細胞医薬製造第3棟「CRAFT」も活用し、顧客の再生・細胞医薬品の開発・商業化に貢献してまいります。
なお、アドバンストメディカルソリューションセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は38億円であります。
エッセンシャル&グリーンマテリアルズ分野では、炭素循環技術の社会実装、ライセンス技術の競争力強化、新規技術の創出及びサステナブル製品の市場投入を重点課題としております。これらの取り組みを通じて、エッセンシャル&グリーンマテリアルズコンプレックスの構築及び新規事業の創出を目指し、社内外との連携の下、技術・製品開発を推進しております。
炭素循環技術の社会実装においては、総合リサイクル企業リバー株式会社との業務提携契約に基づき、使用済み自動車由来の廃プラスチックのマテリアルリサイクルに関する共同技術開発を進めております。2023年に完成した高精度の選別及び異物除去プロセスを活用し、2025年度には顧客へのサンプル提供を通じたマーケティング活動を推進するとともに、実証実験を進行し、リサイクル製品の品質向上に向けた検討を進めてまいりました。
また、環境負荷低減技術として、当社独自のアクリル樹脂(PMMA)の高効率ケミカルリサイクル技術について、2024年5月にルーマス・テクノロジー社との協業契約を締結し、PMMA-CR技術のライセンス供与及び商業化に向けた取り組みを進めてまいりました。当社の愛媛工場(愛媛県新居浜市)に設置する実証設備での技術検証を経て、両社でスケールアップを含む商業化の検討・評価を実施した結果、商業化に必要な要件を満たすと判断し、2025年2月に商業スケールでのライセンス提供を開始しました。
包装用ポリオレフィン材料の開発では、素材メーカーとしての強みを活かし、剛性と耐熱性を単一樹脂で両立するモノマテリアル包材の開発を継続して推進しております。2025年度には、特に高剛性延伸フィルム向けポリプロピレンにおいて顧客評価が進展し、採用が拡大しました。
さらに、事業のグローバル競争力強化に向けて、モノマー製品の触媒・プロセス改良、合成樹脂の製造プロセス改良、既存素材の高性能化及び新規高付加価値製品の開発に注力しております。新規高付加価値製品としては、金属有機構造体(MOF)の開発を進めております。当社は、外部機関との連携を含めた研究開発を通じて、社会課題の解決に資するソリューションの創出を目指してまいります。
なお、エッセンシャル&グリーンマテリアルズセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は84億円であります。
住友ファーマでは、精神神経領域及びがん領域並びにその他領域において、人々の健康で豊かな生活に貢献するため、自社研究に加え、技術導入、ベンチャー企業やアカデミアとの共同研究等、あらゆる方法で最先端の科学と技術を駆使して研究開発活動に取り組んでおります。
当連結会計年度において、精神神経領域では、DSP-0378について、進行性ミオクローヌスてんかん及び発達性てんかん性脳症を対象としたフェーズ1b試験を開始しました。特長ある低分子の初期臨床開発品目群について、2030年代のグループ収益を支える優先品目を選抜し、次のフェーズへの移行に向けた取組を推進してまいります。
がん領域では、①enzomenib(開発コード:DSP-5336)について、日本及び米国において、急性白血病を対象とした併用療法のフェーズ1/2試験を推進し、2025年12月には米国血液学会(American Society of Hematology)(以下「ASH」という。)において最新の臨床データを発表しました。また、日本及び米国において検証的試験となる単剤療法のフェーズ2試験を開始しました。②nuvisertib(開発コード:TP-3654)について、日本及び米国において、骨髄線維症を対象とした単剤療法及び併用療法のフェーズ1/2試験を推進し、2025年12月にはASHにおいて最新の臨床データを発表しました。③SMP-3124について、日本及び米国において、固形がんを対象としたフェーズ1/2試験を推進しました。enzomenib及びnuvisertibに開発リソースを集中させ、日米に加えて欧州・アジアに治験施設を拡大することで、競合の激しいがん領域において、臨床試験を力強く推進し、最速上市を目指します。適応拡大などの価値最大化に向けては、適切なタイミングでの提携を軸に開発方針を検討してまいります。
その他領域では、ユニバーサルインフルエンザワクチン(開発コード:fH1/DSP-0546LP)について、住友ファーマ社が開発したTLR7アジュバント(免疫強化剤)を添加して作製した新規のユニバーサルインフルエンザワクチンのフェーズ1試験を推進し、中間解析を実施しました。なお、ユニバーサルインフルエンザワクチンの研究開発は、日本医療研究開発機構からの委託研究開発費を活用しております。
なお、住友ファーマセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は440億円であります。
全社共通及びその他の研究分野においては、当社が強みを持つアセットであるBX(バイオ)・DX(デジタル)・GX(グリーン)の3つのXを基軸とし、「食糧」「ICT」「ヘルスケア」「環境」の4つの重点分野において、事業部門とコーポレートの連携加速による「基盤技術の強化」と「次世代事業開発」を進め、社会課題解決の実現に向けた研究開発を推進しております。
また、2021年12月に公表した住友化学グループのカーボンニュートラル・グランドデザインに基づき、GHG削減及び炭素資源循環につながる各種の製品・技術の開発を行い、社会実装及びライセンスを通じたグローバル展開に取り組んでおります。
当連結会計年度において、食糧分野では、当社が持つ高度な分析力で天然素材の隠れた価値を見つけ、売り手と買い手をつなぐ日本発のデジタルサービス「Biondo(ビオンド)」の展開を加速しており、2026年3月末時点で、1,500を超える天然素材及び230以上の未利用・低利用資源を登録しております。また、市場開拓のモデルケースの一つとして、長岡市主導の「長岡バイオエコノミーコンソーシアム」に2025年9月から参画しております。地域が有する素材・資源の価値を「Biondo」で公開することで、地域の枠組みを超えた全国への情報発信を通じ、企業間マッチングや資源循環型社会、新産業創出の加速に貢献してまいります。
ICT分野では、東京科学大学、東京大学及び理化学研究所と共同で、次世代量子デバイスの重要材料の一つとして有望視される強相関材料の開発を推進しております。強相関材料は、強誘電性や強磁性等の複数の強物性を併せ持つ材料の総称であり、熱電変換や低エネルギー消費メモリ材料等の幅広い分野での応用が期待されております。強相関材料の応用先として期待される低消費電力メモリの領域において、低消費電力化に資する成果創出の進捗がありました(対外公表2件)。これらの成果は、超低消費電力で駆動する次世代メモリの実用化に大きく寄与するものであり、当社は本技術分野におけるトップランナーとして、研究成果のさらなる拡大及び早期の社会実装を目指してまいります。
ヘルスケア分野では、当社の連結子会社である株式会社RACTHERAにおいて、再生・細胞医薬事業のフロントランナーたる技術・知見を駆使して研究開発に取り組んでおります。他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞(販売名:アムシェプリ/一般的名称:ラグネプロセル)について、2025年8月、住友ファーマ社を申請者として国内における製造販売承認申請を行い、2026年3月、世界初となるiPS細胞由来の再生・細胞医薬品として、条件及び期限付承認を取得しました。本承認取得を目指し、製造販売後臨床試験及び使用成績調査を実施するとともに、米国においてもフェーズ1/2試験を着実に推進してまいります。これに加えて、他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞、他家iPS細胞由来網膜シート(立体網膜)などの先行剤に注力し、早期事業化・育成を進めてまいります。
環境分野では、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション(GI)基金事業において、エタノールからプロピレンを直接製造する新規プロセスのパイロット設備を千葉工場袖ケ浦地区に新設し、2025年7月から稼働を開始しました。本プロセスは、一工程でプロピレンを製造するため低コスト化が見込め、さらに水素を副生する利点も有する、石油化学産業の原料転換に大きく貢献しうる技術として、2030年代前半の事業化及び他社への技術ライセンス供与を目指してまいります。同じくGI基金事業において、株式会社OOYOOと共同で技術開発した分離膜モジュールを用いたCO2分離回収の実証試験を、JFEエンジニアリング株式会社と共同で進めております。2026年3月から川崎市浮島処理センターにおいて、ごみ焼却処理施設の排ガスに含まれるCO2を膜によって分離・回収する国内初の試験設備が稼働を開始しております。また当社は、2021年から京都大学 北川進特別教授と金属有機構造体(MOF)に関する共同研究を実施しております。非常に微細な多孔質材料であるMOFの特徴を活かし、より多くの水分子を吸着し、低エネルギーで取り出せる材料開発を進めております。砂漠など世界で深刻な水不足に陥っている地域や、高温多湿地域での湿度調整など、国を超えた社会課題や地球規模の環境課題の解決を目指してまいります。
なお、全社共通及びその他における当連結会計年度の研究開発費は235億円であります。
このように、新製品・新技術の研究開発及び既存製品の高機能化・既存技術の一層の向上に取り組みつつ、食糧、ICT、ヘルスケア、環境の4つの重点分野の社会課題をイノベーティブな技術で解決する企業(Innovative Solution Provider)を目指してまいります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00752] S100YAUO)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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