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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YIML (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日産化学株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社は、研究開発を成長の源泉と捉え、化学メーカーの中でも高水準の売上高研究開発比率を維持し、新製品・新技術の開発および新事業の創出に取り組んでおります。研究活動拠点として、国内に物質科学研究所、材料科学研究所、および生物科学研究所の3つの研究所を整備するとともに、韓国、台湾、中国にR&Dセンターを設置し、「未来のための、はじめてをつくる。」というコーポレートスローガンのもと、各所が緊密に連携しながら研究開発に取り組んでおります。
現中計Vista2027 StageIIでは、長い歴史の中で培った5つのコア技術である精密有機合成、機能性高分子設計、微粒子制御、生物評価、光制御に更に磨きをかけるとともに、事業領域の拡充に向けた新たなコア技術として、情報科学および微生物制御の獲得を目指しております。
情報科学については、2022年度より取り組んでまいりました研究員のデジタルリテラシー向上とコア人材の発掘・育成に続き、医農薬や機能性材料、エネルギー材料などの各研究分野において、機械学習や人工知能を用いたデータ駆動型研究を根づかせるべく、それぞれの研究テーマに適した取り組みを社内外の協力を得て進めております。また、微生物制御技術については、関係する研究要員を生物科学研究所に集約し、より効果的に研究開発を実行できるよう、体制の強化を図りました。生物科学研究所を中心に微生物の効果的な活用に向けた微生物制御技術の育成を進め、微生物由来の農業資材への適用やゲノム・代謝物のオミクス解析技術の拡充に取り組んでおります。
2025年度の研究開発活動の概要につきまして、化学品セグメントでは、自社製品や技術をベースに独自エポキシ製品を開発し、半導体実装用途や高周波基板用途に展開しております。また、優れた油脂分解力で食品工場の産業廃棄物削減に寄与する製品である、微生物製剤「ビーナス®オイルクリーン」の開発普及を進めております。
機能性材料セグメントでは、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイドで既存製品の高品質・高性能グレードに向けた検討を継続する一方、多様化する顧客ニーズに応えるべく、将来の主要事業になる新規材料の研究開発を進めております。ディスプレイ材料では光配向材の更なる高性能化に加え、OLEDやAR/VRデバイス、フレキシブルデバイス用材料の開発を、半導体材料では既存製品の高品質化とともに今後の世代で必要になる微細加工技術や実装技術向け材料の積極的な開発を、また、無機コロイドではシリカゾルの持つ強みを活かした材料開発を行っております。
農業化学品セグメントでは、当社オリジナルの水稲用除草剤原体「ジメスルファゼット」を含む各種製品の発売を開始し、また、新規除草剤有効成分「イプトリアゾピリド」のグローバル開発を進めております。スマート農業関連では、ドローン散布に適合した製品の開発・販売に取り組んでおります。
ヘルスケアセグメントでは、高生理活性医薬品のcGMP製造に対応すべく封じ込め設備を拡充し、高生理活性医薬品原薬の新規開発に注力しております。また、独自のペプチド製造技術SYNCSOL®を活用してジェネリック医薬品原薬の開発のみならず、新薬候補やDDS(ドラッグデリバリーシステム)リガンドといった幅広い領域において顧客ニーズに合致したソリューションを提供しております。創薬においては、株式会社三和化学研究所と共同開発している新規核酸医薬候補化合物(SK-2407/SN-001)の開発を推進しております。

なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は21,376百万円であります。

セグメント別の主な内訳は以下の通りであります。

(1) 化学品セグメント
市場ニーズを見据えた新製品の開発、開発品の新規市場開拓を進めております。例えば、油脂分解微生物製剤「ビーナス®オイルクリーン」は、油脂などの難分解性物質だけでなく、有機物を二酸化炭素と水に分解できるように最適化を図っており、臭気の大幅な削減も達成できております。すでに食品排水設備導入の実績があり、廃棄汚泥の大幅削減や排水全体のコスト改善などの効果が実証されています。また、「NFG®」は、脂肪酸とアミノ酸を結合させた脂質ペプチド分子を主成分とする、化粧品用プレミックスです。肌への親和性・安全性が高く、化粧品に添加することで有効成分の浸透を促進させます。スキンケア、ヘアケア用途での普及を進めております。「スターファイン®」は金属と樹脂との密着力を向上できる添加剤です。基質に合わせてラインナップも増やしており、塗料、接着剤、樹脂成型品など採用シーンが拡がっております。その他新製品開発では、自社製品をベースとした新たなファインケミカル製品の創出に取り組んでおります。
当セグメントに係る研究開発費は285百万円であります。

(2) 機能性材料セグメント
船橋、袖ケ浦、富山の3拠点を有する材料科学研究所において、ディスプレイ材料、半導体材料、無機コロイド、および将来の事業の柱となる新規材料の研究開発を進めております。
ディスプレイ材料では、市場・顧客動向を的確に把握し、これまで培ってきた独自技術をもとに、高性能化、多様化に対応した材料開発に取り組んでおります。特に、IPS/FFS用光配向材では、各種用途での要求に応じ、更なる高性能化を進めております。また、韓国、中国、台湾に設置したR&Dセンターにて、材料開発、評価技術、解析能力の充実度を高め、顧客ニーズにタイムリーに対応できるよう研究開発体制の強化を図っております。
半導体材料では、半導体デバイスの高集積化の進展に伴い、既存製品の高品質化を進めるとともに、先端リソグラフィー技術のEUVに対応した下層膜材料開発、および実装技術に対応する製品・材料の研究開発に注力しております。更なる開発力、品質対応力の強化を図るべく、昨年より富山第2分析棟の稼働を開始し、先端リソグラフィー、実装材料に対応した分析・評価技術基盤の拡充を進めております。また、新製品・新材料の創出に向け、各種コンソーシアムへの参加や、産官学およびベンチャー企業との連携に取り組んでおります。
無機コロイドでは、シリカゾルの持つ機能を活かし、研磨、金属表面処理、ハードコート等向けの製品開発や市場開拓を展開しております。シリカゾル以外では、ジルコニアやチタニアのゾルをスマートフォンやタブレット用の光学フィルムの屈折率調整用途や眼鏡用ハードコート用途向けに開発しております。また、近年はオイル&ガス分野での製品開発に取り組み、米国のみならずアジアや中東地域等への展開を図っております。
新規材料については、当社のコア技術を深化・発展させると同時に、社外との共同研究を活用して、本格的な市場拡大が進んでいるOLED向けの材料やディスプレイの表示性能を向上させる材料、ARグラス関連材料、フレキシブルデバイス向けの材料、イメージセンサ周辺材料など、次世代につながる材料の研究開発を進めております。
当セグメントに係る研究開発費は10,324百万円であります。

(3) 農業化学品セグメント
独自に創薬開発した殺虫剤原体「フルキサメタミド」を含有する製品として、日本では、野菜および茶用の「グレーシア®乳剤」、芝用の「イザナミ®フロアブル」、果樹用の「グレーシア®フロアブル」を販売し、現在、幅広い作物で使用して頂けるよう適用作物の拡大を進めています。海外では、アジア・中東・中米地域を中心に製品の登録作業を進め、2025年7月にはレバノンで登録を取得しました。また、南米では、農家需要に応える製品を提供するため、混合剤の開発を進めております。
抵抗性、難防除雑草に卓効を示す水稲用除草剤「ベルダー®(原体名:ジメスルファゼット)」を含有する製品として、日本では「ゼアス®」「銀河α®」を販売し、新規の混合剤を開発中です。また、韓国では昨年、原体登録を取得し、販売開始に向け製剤の登録認可を待っている段階です。グローバル展開を目指す新規水稲用除草剤「ライゾニック®(原体名:イプトリアゾピリド)」は、アジア・米州を中心に開発を進め、更に評価・開発する対象国を拡大しております。
水稲用除草剤「アルテア®(原体名:メタゾスルフロン)」を含有する製品として、日本では、ベルダー®も配合した一発処理剤「銀河α®」や中後期剤「レブラスギア®」「ゲパードギア®」を販売し、新しい混合剤を開発中です。海外では、2025年度にタイ、インドにおいて販売を開始しました。
非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップ®マックスロード」では、抵抗性雑草の問題を解決するための製品や、家庭用AL分野で枯らす力を更に高めた製品を開発中です。
その他海外開発では、当社初のバイオ剤、「バイオスター®*」の登録認可を2025年6月に中国で取得し、その販売を開始しました。「ライメイ®」は、ジャガイモの主要病害に対する安定した効果により欧州で販売が伸長しておりますが、新たに中東のレバノンでも登録が認可され、販売を開始しました。
また、スマート農業関連では、ドローン用散布に対応した農薬登録拡大を進めるとともに、水稲用除草剤製剤を開発・販売しております。
当社発明化合物フルララネルを含む、MSD Animal Health社(またはMerck Animal Health社)の製品はイヌ・ネコに寄生するノミ・マダニ防除用経口投与錠剤(ブランド名:Bravecto®**)を中心に日本を含め世界100か国以上で販売されております。近年では、内部寄生虫薬を含むネコ用混剤「Bravecto® PLUS」、8週齢以上のイヌ向けの「Bravecto® 1-Month Chews」、イヌ用注射剤「Bravecto® Quantum」等、ペット向け製品のラインアップを充実させております。家畜向け製品(ブランド名:Exzolt®**)としては、ニワトリに寄生するワクモ(吸血ダニの一種)防除用飲水添加剤が、日本を含むアジアのほか、欧州、南米、アフリカ、中東で承認され、登録国数は70か国を超えております(2026年3月現在)。また、ブラジル、メキシコを中心としたウシ向けノミ・マダニ防除剤、オーストラリア、ニュージーランドでのヒツジ向けシラミ防除剤としても販売されております。
当セグメントに係る研究開発費は4,530百万円であります。
*バイオスター®はサンアグロ株式会社の登録商標です
**ブラベクト®、Bravecto®、Exzolt®ならびにエクゾルト®は、Intervet International B.V.ならびにIntervet Inc.の登録商標です。

(4) ヘルスケアセグメント
当社独自技術を基盤として、将来の事業の柱となる新薬およびジェネリック医薬品原薬の研究開発を推進しております。
具体的には、100gから数kgまで製造可能な封じ込め設備の整備を完了し、高生理活性医薬品原薬の新規開発に取り組むとともに、研究・製造受託および新規ジェネリック医薬品原薬の開発に注力しています。
更に、独自の効率的なペプチド製造技術 SYNCSOL®*を活用し、新規ジェネリック医薬品原薬の開発を進めることで、本技術の実需化を図っております。本技術を第三者との協業に活用するとともに、創薬から商用までの製造・研究受託を通じて顧客の抱える課題の解決に貢献しております。
創薬については、株式会社三和化学研究所と共同開発を進めている新規核酸医薬候補(SK-2407/SN-001)の原薬供給を当社が担当し、その開発を推進しております。また、当社独自の修飾核酸MCEを活用し、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社(ADDP社)と共同で核酸医薬品の創薬研究支援サービスを展開しております。ADDP社とは、当社のDNAコード化ライブラリ(DEL)技術のライセンス契約を締結し、DEL技術を用いた創薬受託サービスの立ち上げに向けて協業を行っております。
当セグメントに係る研究開発費は673百万円であります。
* SYNCSOL®は、シリル保護技術(SIPS®)と無保護アミノ酸縮合(R-Coupling®)からなる独創的なペプチド液相合成技術のプラットフォームです。

(5) 全社共通及びその他の研究分野
情報通信分野においては、次世代半導体分野における新規電子材料、および高速通信分野を目指した光機能材料の企画と市場開発を行っております。半導体デバイスの熱マネジメントにおいて重要な役割を果たす放熱材料として、アリエカ社の開発した液体金属を用いた放熱材料に注目し、同社との共同開発に取り組んでおります。また、大容量信号処理かつ低消費電力を可能にする光電融合技術に向け、低伝搬損失と高信頼性を特長とする光配線材「SUNCONNECT®」の研究開発を進めてまいります。
環境エネルギー分野においては、リチウムイオン電池の性能向上を目的としたスラリー添加剤、水電解用を主目的とするPFASフリーイオン伝導ポリマー、次世代太陽電池材料としてペロブスカイト太陽電池の耐久性を向上可能なコーティング材料の開発を行っており、カーボンニュートラルに資するエネルギーデバイスへの材料提供に向けて鋭意進めてまいります。
ライフサイエンス分野においては、当社独自の核酸創薬基盤技術を確立しており、その技術を活用した製薬企業、アカデミアとの共同研究が順調に進捗しております。特に株式会社三和化学研究所との共同研究では、歯状核赤核・淡蒼球ルイ体萎縮症を対象とした治療薬候補化合物(SK-2407/SN-001)の創出に成功し、両社で国内開発を推進しております。また、同社とは包括的提携契約を締結しており、戦略的に複数の新規核酸医薬品の創製、開発に取り組んでまいります。更に生体物質付着防止材料 prevelex®や細胞培養材料 FCeM®などの再生医療材料の開発に注力しております。
アニマルヘルス分野においては、MSD Animal Health 社と、今後の動物用医薬品分野における両社の事業拡大を見据え、新規動物用医薬品創出に向けた共同研究開発を開始しております。
全社共通及びその他の研究分野に係る研究開発費は5,562百万円であります。

事業等のリスク株式の総数等


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