有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TSWT (EDINETへの外部リンク)
関東電化工業株式会社 研究開発活動 (2024年3月期)
2022年4月から始まりました第12次中期経営計画におきましては、サステナブルな次世代事業の技術開発を方針に掲げ、当社独自の技術によるケミカルチェーンの創生、省エネルギー・高効率生産プロセス技術の開発、環境対応技術・リサイクル技術の開発強化を目標に設定して活動を実施しております。
2023年度の研究開発活動につきましては、半導体事業および電池材料事業に重点を置きつつ、それらの周辺の製品・技術開発に注力してまいりました。半導体・液晶製造用特殊ガスの開発に関しては、事業本部半導体材料開発部に製造-販売-開発を集約して顧客密着型の活動を行ってきた結果、新規製品としてKSG-14を上市に至りました。また、韓国における研究開発拠点として、2023年11月から関東電化ファインプロダクツ内での研究開発業務を開始いたしました。電池材料に関しては、組織改編により設立した新事業開発推進部が中心となり、総合開発センター水島開発室および水島工場技術開発部門との間での連携による製品・技術開発を実施してまいりました。鉄系材料の開発に関しては、精密化学品第1部と総合開発センター渋川開室が連携して開発に努めてまいりました。基礎化学品事業分野の新規製品開発および有機機能材料製品の開発については、新事業開発推進部が中心となり、PFAS規制に配慮した新製品の開発に向けた活動を行ってまいりました。将来の柱となるような挑戦的な研究開発テーマにつきましては、大学をはじめとした外部機関との共同開発について開発企画部を中心に遂行してまいりました。知的財産活動につきましては、研究・知的財産部により開発戦略に沿った特許権利網の構築に取り組んでまいりました。
この第12次中期経営計画実行期間にあたる当連結会計年度の研究開発投資額は、1,367百万円でありました。
次に、今後の研究開発活動の方向性を説明します。
半導体・液晶製造用特殊ガスと電池材料の2分野での新製品の早期事業化を進めて参ります。半導体・液晶製造用特殊ガス分野においては、事業本部に編入した半導体材料開発部が中心となって、開発・製造・営業の一貫した業務体制で顧客の要望を迅速に取り込むことで、市場展開の促進を図っています。電池材料分野においては、新設した新事業開発推進部を中心に、広くマーケット情報を得ることで開発の多角化を図っています。それと並行して周辺領域の製品・技術開発や将来の柱となるような挑戦的な研究開発テーマを推進します。具体的には半導体、エネルギー関係、医療および環境対応分野において、当社の優位性・独自性を活かした製品・技術開発を目指してまいります。
さらには、環境対応を意識したリサイクル技術の開発について、LCA(ライフサイクルアセスメント)の構築を目指し、環境に配慮した3R(Reduce、Reuse、Recycle)活動を加速してまいります。また、PFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)規制に配慮した製品開発も併せて推進してまいります。
このような研究開発を加速させていくために、研究開発拠点の整備を推進してまいります。具体的には、2024年4月に水島地区に新研究棟が竣工し、続いて2026年度の竣工を目標に、渋川地区に新研究棟設置を計画しております。
(1) 半導体・液晶製造用の特殊ガス
現在、半導体・液晶市場ではNF3(三フッ化窒素)、CF4(四フッ化炭素)、C4F6(ヘキサフルオロブタジエン)およびWF6(六フッ化タングステン)等の各種フッ素系特殊ガスが、シリコン基板表面に回路パターンを刻むエッチング用途、および製造装置内面のクリーニング用途に使用されています。当社は、世界有数の製造能力と品質とを合わせもつ半導体・液晶用特殊ガスメーカーであり、当社独自の技術によりこれらの特殊ガス製品を開発してまいりました。年々微細化が進む半導体分野においては、微細エッチング用のガスとして、C4F6(ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエン)、COS(硫化カルボニル)やCH3F(モノフルオロメタン)等を開発し、市場に提供してまいりました。さらに、近年の3D化や地球温暖化防止に対応する新規ガスや、配線用途およびパワー半導体用途の新規材料開発についても注力していくとともに、順次半導体材料評価設備を導入中であり、評価体制の構築を目指してまいります。海外における事業展開としましては、2017年に韓国に拠点(関東電化ファインプロダクツ)を設置し、COS等の生産を開始しました。さらには、2023年11月からは研究開発業務を開始し、現地顧客に密着したタイムリーな開発の促進に努めて参ります。
(2) 電池材料
リチウムイオン二次電池(LiB)業界では、今後の飛躍的な成長が期待される車載用等の大型電池分野をターゲットに更なる高容量化、長寿命化、難燃化等の研究が盛んに行われており、当社でもLiB用電解質LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)の開発に成功し、1997年より製造販売を開始しました。また、LiPF6に続く新製品として、LiBF4(ホウフッ化リチウム)を2017年4月より市場に投入したことに続き、2022年4月にLiPO2F2(ジフルオロリン酸リチウム)の上市を行いました。現在は、車載用電池添加剤および全固体電池等の次世代電池材料の早期事業化を図っていく計画です。さらに、社外パートナーと連携し、使用済みリチウムイオン二次電池から、電池材料に再利用可能なリチウム化合物を高純度で再資源化する技術を開発しました。現在、2022年8月より化合開始したパイロット実証設備を用いて事業化検討を進めており、これらを手掛けることで電池材料事業の拡大を目指してまいります。
(3) 鉄系材料
当社では、導電性の鉄、フェライト、マグネタイト等のコア材表面に各種絶縁性樹脂をコーティングした現像剤用キャリヤーを複写機、プリンター等画像形成装置市場に提供しております。さらに、当社においてこれまでに培ってきた技術を活かした新規材料の開発、およびその用途開拓を推進することで鉄系事業の拡大を目指します。(4) 基礎化学品
基礎化学品事業の収益力強化を目的に、新規製品の開発に着手しております。環境規制対象となっている既存製品の代替を目指し、鋭意検討を進めております。(5) 有機機能性材料
高付加価値製品による収益拡大を目指すために、高機能用途への展開を図り、新規用途への採用が拡大しております。また、新たにライフサイエンス分野での新製品を想定し、PFAS規制に配慮しつつ、自社原材料・技術を利用した材料・素材開発を展開して成果を上げて行きたいと考えております。
(6) 次世代事業
将来の柱となるような挑戦的な研究開発テーマとして、当社の独自性を活かし、競合他社に対して優位性を発揮できる新規材料の創出と、当社の基盤技術から派生する新しい技術開発を推進しております。さらに、新規コア事業の創出を目的に、半導体産業、エネルギー関係、環境対応製品および医療分野における当社の独自技術を活かした製品開発に長期的視点で取り組んでおります。
また、サステナブルな技術開発につながるテーマの探索を行う目的で、PFAS規制に配慮し、環境対応技術やリサイクル技術の開発に焦点を合わせて、自社内外部門との連携により推進して参ります。
(7) 研究開発の効率化
研究開発の効率化に関する施策は、以下の通りです。研究開発の迅速化を目指し、研究開発拠点の準備を進めております。これまでに、2023年11月には韓国において関東電化ファインプロダクツ内で研究開発業務を開始しました。2024年4月には、水島地区において新研究棟が竣工し、続いて2026年の竣工を目標に、渋川地区に新研究棟設置を計画しております。
研究開発をはじめとした多種にわたる業務改善を図るためDX(デジタルトランスフォーメーション)の構築を目指してまいります。具体的には、AIによる材料設計プラットフォームを構築し、開発テーマへの展開や、計算ソフトによる分子設計や物性予測による開発支援を行っております。
また、新型コロナが終息しつつある状況に応じて、顧客との対面式面談とオンライン面談を適宜使い分けることで、より密度の濃い連携を推進しております。
同様に、最新の業界の動向を把握する目的で、学会・セミナーへの対面参加・オンライン参加を積極的に実施しております。
その他、社内外の開発リソースの効率的な運用による開発促進を目的に、大学など外部研究機関との共同開発も積極的に推進しております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00772] S100TSWT)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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