シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100OC2H (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 デンカ株式会社 研究開発活動 (2022年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループは、「チャレンジ&オープンイノベーション」をスローガンに、既存事業の強化、拡大を図るとともに、特に重点3分野である『ヘルスケア』『環境・エネルギー』『高付加価値インフラ』において、グローバルな視点で市場密着型の新しいニーズを把握し、複数の異種技術の融合により、新たな価値、次世代新規事業・製品の創出を加速していきます。そのために、組織の境界、領域を超えたデンカグループ全体のシナジー効果を発揮すべく、グループの総合力を活かす研究開発を推進しております。
デンカイノベーションセンターを中核拠点として、多くの国内外産学官とのオープンイノベーションを推進しております。物質材料研究機構(NIMS)とのNIMS-Denka次世代材料研究センター、山形大学および新潟大学との包括共同研究を展開する等、引き続き積極的な外部連携強化を推進致します。
これらの研究開発、製品化をさらに加速するため、「研究推進部」と「新事業開発部」が緊密に連携し、社内外のオープンイノベーションを戦略的、効率的且つ、スピーディーに進めます。事業部門との連携をこれまで以上に強化し、市場の動向を直視し、次世代の市場ニーズに確実かつ迅速に対応することで、早期の実需化につなげたいと考えております。
また、ESG(環境・社会・統治)の視点を常に意識し、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)を羅針盤として研究開発に注力致します。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は14,231百万円、研究要員は858名であり、当連結会計年度に国内で出願された特許は446件、国内で登録された特許(実用新案を含む)221件となりました。
当連結会計年度における各事業部門別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。

(1)電子・先端プロダクツ
電子部材分野では、市場が拡大するパワーモジュール、車両電動化向けなどの電子回路基板や放熱材料について、当社固有のセラミックスの開発技術や有機・無機材料の複合化技術をさらに進化させ、多様なニーズに合致するソリューションを提供すべく、高機能材料や新規部材の研究開発を産学官との連携も行いながら推進しております。
接着剤分野では、ハードロックSGA(高機能構造用接着剤)の新グレード、新規用途開発を推進するとともに、ハードロックOP/UVでは紫外線硬化技術を応用した特殊高機能接着剤の新製品開発や有機EL製造プロセスへの適用など新規市場開拓にも注力しております。
高機能フィルム分野では、当社保有の樹脂素材技術、有機・無機複合材料設計技術に加え、シートやフィルムの先端加工技術を活かし、電子部品・半導体搬送テープ、半導体ウェハやパッケージの保護・仮固定用粘着テープや5Gの伝送損失低減フィルムなど、最先端ニーズに対応した新規製品を供給すべく開発を進めております。
先端機能材料分野では、半導体封止材向け球状シリカ、放熱材料向け球状アルミナ等のフィラーの高性能化を行うとともに、液晶ディスプレイ・照明に用いるLED向けサイアロン蛍光体や放熱材料の特性向上に加え、5Gに対応する低誘電正接シリカなど先進的な各種機能性セラミックス粉体の開発を推進しております。
特殊導電材料分野では、高純度で導電性に優れるカーボンブラックのxEVに搭載されるリチウムイオン二次電池市場での事業拡大を目指し、最先端ニーズに対応した超高純度かつ高機能な新製品の開発と事業化に取り組んでおります。また、複数の研究機関とのオープンイノベーションを進め、開発促進を図っております。
当セグメントに係わる研究開発費は4,266百万円でした。

(2)ライフイノベーション
ヘルスケア分野では、ライフイノベーション研究所(東京都町田市)、五泉事業所(新潟県五泉市)、Denka Life Innovation Research (シンガポール)、Icon Genetics(ドイツ)の4拠点体制で、(ポテンシャル)ニーズ優先の研究開発に取り組んでおります。グローバルな視点で最先端の技術を積極的に導入しつつ、スペシャリティー事業の成長加速化を進めるため、予防・早期診断の取り組みに加え、がん領域および遺伝子領域をキーワードとする新規事業展開のための研究開発を推進しております。
2017年2月に米KEW社から導入したがん遺伝子変異検査技術について、薬事承認申請をめざした取り組みを、デンカ、KEW社、および両社のJVであるデンカ・キュー・ジェノミクスの連携により進めております。これに加えて、新潟大学と情報科学を駆使したデータ解析に関する共同研究を実施したほか、九州大学と次世代がんゲノム検査につながる共同研究を進めております。
また五泉事業所では、がん治療用ウイルス製剤「G47Δ(デルタ)」の実用化へ向けた大量生産技術の開発を進め、6月に製造販売業者である第一三共株式会社が製造販売承認を取得いたしました。これにより、がんウイルス療法という新たな医療技術の開拓を進めます。
さらに、戦略的パートナーである台湾PlexBio社の保有する迅速かつ簡便に同時多項目の細菌同定を可能とする測定技術IntelliPlex™を活用し、感染症領域での遺伝子検査システムの開発を推進しており、敗血症の検査薬は2023年度の上市を目標に取り組んでおります。
また、Icon Genetics社が保有する、遺伝子組み換え技術を駆使した植物によるタンパク産生技術magnICON ®を抗体・ワクチン抗原等の高分子タンパク質産生に活用し、ノロウイルスワクチン等の新規ワクチンや体外診断用医薬品原料の開発を進めており、ノロウイルスワクチンにつきましては、欧州ベルギーにて実施していた治験第Ⅰ相が終了し、ワクチンの安全性と免疫原性が確認できました。また、同技術の将来展開を見据え、Icon社周辺に新施設を建設すべく引き続き検討を進めております。
既存技術周辺においても、当社グループの開発リソースを集結させ、高品質ワクチンの開発、および感染症検査試薬や健康管理に欠かせない臨床生化学検査試薬や免疫検査試薬の新技術・新製品開発を推進しております。感染症分野では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断のために、抗原定性POCTを開発・上市し、更に高感度や短時間化などの改良を進めると共に抗体を検出するキットなどの開発に注力しております。
当セグメントに係わる研究開発費は4,173百万円でした。

(3)エラストマー・インフラソリューション
クロロプレンゴム、ERゴムなどのエラストマー分野においては、海外市場を含めた事業拡大のために、スペシャリティー製品の開発および生産技術の強化を進めております。特にクロロプレンゴムは世界トップシェア維持を確実なものとすべく、独自の技術で差別化した新規グレードを開発してラテックス事業の拡大を推進するとともに、米国デンカパフォーマンスエラストマー(DPE)社との、研究開発、生産技術を含む総合的なシナジー効果による一体運営の強化を図っています。また、エラストマー加工技術を保有するデンカエラストリューション社との連携も強化しております。
セメント・特殊混和材分野では、従来からの鉄道や道路などのトンネル建設向けコンクリート混和材に加え、コンクリート製品の製造時に二酸化炭素を吸収・固定化できる環境対応技術、3Dプリンティングやコンクリート二次製品の生産性向上といった省力化に繋がる技術、老朽箇所を修繕し、構造物の長寿命化に貢献する技術といった、次世代型技術・製品の技術開発と事業化に注力しております。また社会資本の維持補修に関する調査・診断ソリューションの研究開発として、3Dデジタル計測技術を活用した文化財等を含む建築構造物の設計・維持管理への応用展開に取り組んでおります。
無機製品分野では、無機材料設計の基盤技術を応用し、結晶質アルミナ短繊維と多孔質セラミック材料を複合した耐火炉用高断熱ボードを開発し、事業化を進めております。また、JSP社のビーズ法発泡ポリスチレン技術と当社の無機材料設計技術を融合した、不燃性・遮熱性・断熱性を併せ持つ軽量・不燃ボードを共同開発し、木造多層建築物等への適用を目指しております。
アグリプロダクツ分野では次世代農業資材の開発から圃場の維持管理技術、栽培技術および施肥技術をベースにした農業ソリューションビジネスへの展開を目指しております。次世代農業資材としては、従来の肥料開発で蓄積した製品技術と、遺伝子発現解析技術を基盤とした、高機能性バイオスティミュラント製品の開発を推進しております。
当セグメントに係わる研究開発費は3,018百万円でした。

(4)ポリマーソリューション
透明樹脂、耐熱樹脂、シュリンクラベル用樹脂など、特長あるスチレン系機能性樹脂の分野では、市場トレンドにマッチした新規用途展開並びに新規な高機能性樹脂の開発、そして更なる品質向上や生産技術の深耕をシンガポール子会社と一体となり推進しております。
さらに、新しい重合技術やポリマーアロイ技術を駆使した新規高分子材料の開発にチャレンジし、新規機能性樹脂の開発に取り組んでおります。
機能樹脂分野においては、ABS樹脂の耐熱性付与剤であるデンカIP®に関して、塗装性等の特性に優れる新規グレードデンカIPXシリーズを実績化しました。更に、他の樹脂系へ適用可能な新規耐熱性付与剤の開発を進めております。光学用途では、液晶テレビの高輝度化・高精細化に対応した導光板用透明樹脂の開発を推進中です。併せて、環境対応にフォーカスした各種研究テーマも進めております。
樹脂加工製品分野においては、市場のトレンドにマッチした頭髪用合成繊維、食品包装用の耐熱耐油性透明シート、電子レンジ対応容器等に用いる耐熱性透明シート、産業用高機能フィルムなどの製品群の開発を引き続き推進しております。
食品包装材料分野においては、環境負荷低減ニーズへの対応と食品容器としての更なる高機能化に注力しており、容器の軽量化に寄与する高強度薄肉シートを実績化しました。更に、バイオマス材料の活用等による各種環境対応新規製品、電子レンジ耐性や幅広い食材に対応可能な容器に寄与する製品、フードロス低減に対応した製品の開発を進めております。産業用高機能フィルム分野に関しても環境負荷低減ニーズに対応した製品の開発を進めています。頭髪用合成繊維分野に関しては、市場における最先端のトレンドにマッチした製品の開発を進めています。
当セグメントに係わる研究開発費は2,244百万円でした。

(5) その他事業
産業設備の設計・施工等を行なっているデンカエンジニアリング㈱では効率的な粉体の空気輸送設備の技術開発や廃水設備等の研究開発をおこなっている他、各事業所に設置している生産技術部を中心に、デジタル技術を活用して生産性向上について検討する等、研究段階から事業化を見据えたプロセス設計、開発の充実を図っております。
その他事業に係わる研究開発費は529百万円でした。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00774] S100OC2H)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。