有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100YB9P (EDINETへの外部リンク)
日本酸素ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2026年3月期)
当社グループ(当社及び連結子会社)では、「進取と共創。ガスで未来を拓く。The Gas Professionals」を企業理念として、産業ガス事業の拡大を進め持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。
技術開発において、独自のガステクノロジーを基盤とした、ガスアプリケーション、エレクトロニクス、ガス分離精製、医療・ライフサイエンス、ファインマテリアル、環境、先端技術分野に向けた新商品・新技術の開発に取り組むことで収益拡大に貢献しております。またオープンイノベーションによる海外を含めたベンチャー企業との事業提携を通じ、成長分野における先端技術の取込みと、コア技術を最大限に利用した商材開発を促進しております。
当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は5,741百万円であり、各セグメントの内訳は、日本で4,846百万円、米国で678百万円、欧州で169百万円、サーモスで46百万円となっております。主な技術開発活動の概要は次のとおりです。
〔日本〕
日本セグメントにおいては、大陽日酸株式会社(以下、「大陽日酸」という。なお、大陽日酸は、2026年4月1日付けで日本酸素株式会社へ商号変更しております。)つくば事業所、山梨事業所、SIイノベーションセンター、メディカル・テクニカル・サービスセンター及び京浜事業所の5拠点が連携して技術開発を実施しております。事業部門と開発部門の連携を強化し、工業ガスビジネス、エレクトロニクスガスビジネス、プラントビジネス、メディカルビジネス、新規事業開発に向けた基盤事業を支える技術開発を推進しております。カーボンニュートラルについてはグループ共通の重点課題として取り組んでおります。
カーボンニュートラルに向けた取組み
当社グループが所有する酸素燃焼技術をベースに、カーボンフリー燃料を利用する新たな酸素燃焼技術を開発し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
・カーボンフリー燃料である水素ガスに注目し、工業炉分野でのCO2排出削減への貢献に取り組んでいます。大陽日酸の酸素バーナのラインナップである高速酸素バーナランス「SCOPE-JETⓇ」、超低NOx酸素バーナ「Innova-JetⓇ」、自励振動型酸素バーナ「Innova-JetⓇ Swing」は、水素を燃料として利用することを可能にします。
・当連結会計年度では、欧州事業会社のNippon Gases Euro-Holding S.L.U.(以下、「Nippon Gases Euro-Holding」という。なお、Nippon Gases Euro-Holdingは、2026年4月1日付けでNippon Sanso Euro-Holding S.L.U.へ商号変更しております。)と共同し、欧州の鉄鋼会社ArcelorMittal,S.A.のOlaberria工場(スペイン)で、水素-酸素燃焼バーナ「Innova-JetⓇ Hydrogen」を設置した鉄鋼加熱炉の実証試験に世界で初めて成功いたしました。
・また、日本軽金属株式会社、日軽エムシーアルミ株式会社と三社共同で、酸素富化燃焼技術を適用したアルミニウム二次合金用溶解プロセスにおける実証試験を実施し、CO2排出量を通常の空気燃焼と比較して最大24.1%削減することを達成いたしました。
・国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「燃料アンモニア利用・生産技術開発/工業炉における燃料アンモニアの燃焼技術開発」に参画し、アンモニア-酸素燃焼技術の開発を進めています。当連結会計年度も引き続きAGC株式会社横浜テクニカルセンターのガラス溶融炉で、アンモニア-酸素燃焼技術の実証試験を継続し、技術実装の可能性検証を実施しております。
酸素燃焼技術に加え、CO2回収やグリーンエネルギーに関連する研究開発にも継続的に取り組んでいます。
・石灰製造炉などの高濃度CO2排出源をターゲットとして、10t/日規模のCO2回収装置(回収CO2濃度98%)を開発・商品化しております。中小規模排出源(排ガス量1,000Nm3/hクラス)向けの装置であり、ユニット化して導入・設置が容易に行えます。また当連結会計年度において、これまでターゲットとしていた石灰製造炉だけでなく、低濃度CO2の回収を効率的に行える技術の研究開発に取り組んでいます。国立大学法人鳥取大学の共同研究「中小規模CO2排出源向け省エネルギーCO2回収装置の開発」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に採択されました。
・加えて、東邦ガス株式会社と、大陽日酸が保有するCO2分離回収技術を組み合わせた一体型システムの開発に関する提携を開始いたしました。本提携を通じて、従来は対応が難しかった低濃度領域からのCO2回収を可能とし、多様な排出源に適用可能なCO2回収ソリューションの拡充を目指します。
・国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業/大規模外部加熱式アンモニア分解水素製造技術の研究開発」に参画し、大型の水素精製装置の開発を進めています。
工業ガス分野
産業ガスの使用に関する様々な工業製品を開発しております。
・溶接において特に作業能率が課題となるTIG溶接に対する解決として「サンアークⓇストリーム」を開発し、商品化いたしました。溶接速度の向上と、溶接品質の安定化が可能となり、労働人口減少に直面する製造業の溶接現場における生産性向上に貢献します。
・液体冷媒を液化窒素で冷却・循環・供給するクールマイスターⓇシリーズ(低温反応制御システム)に、「クールマイスターⓇAC」を商品化しております。窒素やヘリウムなどの不活性ガスを液化窒素で冷却し、-180~-60℃の任意温度の極低温不活性ガスを供給することで、材料試験や機器の環境試験における極低温環境形成に貢献します。
・産業用、自動車部品ゴムのバリ取りの自動化に対応し、大陽日酸独自の振動篩機構を搭載するとともに、コンパクト化と低価格化を両立した高精度な液化窒素式バリ取り装置「ソフトブラスターⓇSCS-CB-BS20」を開発し、2025年4月より同装置をラインナップに加えて販売を開始いたしました。
エレクトロニクス分野
社会のデジタル化の加速的な普及、カーボンニュートラルな社会を支えるエレクトロニクス産業の発展に貢献するために、電子材料ガスや関連機器の販売やサービスのグローバルな提供とともに、技術開発を強化しております。
・本分野では、先端半導体製造での使用が期待される材料開発、及びそれらの材料供給技術の開発に取り組んでいます。最先端半導体デバイス製造では、より反応性の高い化合物、又はより物性上性能の高い金属などが求められます。これらの要求に対して、次世代金属配線材料として期待されているMoO2Cl2の開発に取り組み、当連結会計年度は大陽日酸JFP株式会社(2026年4月1日付けで日本酸素JFP株式会社へ商号変更しております。)三重工場に新たにMoO2Cl2製造施設の設備投資を決定いたしました。主に、NANDフラッシュメモリで使用されているタングステン代替として、2026年10月より出荷開始の見込みです。
・Rasirc, Inc.と共同でTh-ALD成膜技術の低温化に取り組んでいます。2024年まで取り組んでいた窒化剤、酸化剤の変更による成膜実証に加えて、新たなシリコン化合物との組み合わせによる低温酸窒化膜プロセスの実証を行いました。従来プロセスではジクロルシラン(DCS)、ヘキサクロロジシラン(HCDS)のようなシリコン塩化物などが使用されていたプロセスに対して、ヨウ素を含むシリコン化合物としてジヨードシラン(DIS)を用いた成膜評価を行い、ヒドラジンを組み合わせることにより、プロセス温度450℃で良好なシリコン窒化膜が得られることを実証いたしました。
・半導体製造工程における環境負荷低減に貢献するため、ナノエレクトロニクスとデジタル技術における世界有数の研究・イノベーション拠点であるimec(Interuniversity Microelectronics Centre)が進める半導体業界全体の環境負荷低減に関する研究プログラムに参画し共同開発を進めます。
・加えて、エレクトロニクス産業向けの先端プロセスに対する材料とハンドリング技術の実現に向けて、革新的な製品と技術を創出する「エレクトロニクス先端材料開発棟」を建設いたします。完成予定は2027年3月です。
プラント分野
深冷空気分離プラントについては当社グループのコア技術の深化(高性能・高品質・低コスト)に取り組むとともに、プラント製作、工場操業、ロジスティックスに革新を起こすため、DXを推進しております。
・DX推進によって保安や品質管理、生産性の向上に努め、遠隔監視システムやプラント運転条件制御システムを深化させました。
・半導体工場向けに超高純度酸素とアルゴンを効率的に安定して併産可能な窒素製造装置(NGU)を開発しております。
メディカル分野
高品質の医療用ガスの安定供給を行うとともに、在宅酸素療法のためのさまざまな機器の開発・製造、機器の定期点検や遠隔監視システム、医療用ガスの24時間体制の緊急配送など、トータルサポートに貢献しております。さらに、当社グループの持つガステクノロジーを応用し、生体試料の凍結保存をはじめとするバイオ分野、SI(Stable Isotope 安定同位体)や混合ガス等を利用した高度診断・治療分野にも取り組んでいます。
・医療機器の遠隔モニタリングシステム「RingWell(リングウェル)」を開発し、展開しております。本システムは、医療機器の運転状況や患者の生体情報をリアルタイムで確認できるクラウド型プラットフォームです。患者の指導管理を行う医療従事者、機器の設置・点検・緊急対応を担うサービスプロバイダ(販売店)に必要な情報を提供し、それら利用者の業務効率化に貢献しております。
新規事業分野
当社グループでは、自社開発技術やオープンイノベーションにより獲得した製品・技術の事業化を加速しております。アディティブ・マニュファクチャリング(AM)事業、化合物半導体製造装置やSI(Stable Isotope 安定同位体)をはじめ、今後市場の発展が見込まれる分野の事業拡大を推進しております。
・アディティブ・マニュファクチャリング(AM)事業においては、技術の開発と造形物の品質安定化に寄与するソリューションの拡充に注力しております。大陽日酸は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)」に採択されており、焼結型積層造形とデジタルプロセス設計を組み合わせた金属3Dプリンタシステムの研究開発に2024年度から2028年度までの5年間にわたり取り組んでいます。本プロジェクトでは、大陽日酸が得意とするプロセス雰囲気ガス制御技術や金属AMに関する知見を活かし、造形条件の最適化技術及び製造条件探索システムの開発を通じて、金属AM技術の産業分野への事業展開を目指してまいります。
・半導体関連事業においては、ロジックやDRAM等の先端半導体分野向けに、Rasirc, Inc.の過酸化水素供給ソース「BRUTEⓇ Peroxide」などの材料展開を米国、日本及び欧州で継続しております。
・化合物半導体製造装置事業では、国際競争力の強化を意識し、先端技術ニーズに応えるべく、MOCVD装置及びHVPE装置を製造・販売するとともに、用途拡大・改良改善の開発に取り組んでいます。当連結会計年度においては、深紫外線ライトを使った除菌装置の開発・販売を手掛けているVisium(旧Lit Thinking)社に、大陽日酸製MOCVD(SR2000HT-RR)を納入しております。本装置はUVオプトエレクトロニクスのデバイス及びパワーエレクトロニクスの開発促進に必須となる高品質なアルミニウムガリウムナイトライド(AlGaN)の安定的な製造に用いられます。また、大陽日酸製MOCVD装置(型式:FR2000-OX)がスウェーデンLund大学に採用されました。本装置はワイドバンドギャップ半導体の新材料の一つである酸化ガリウム(β-Ga2O3)の高品質な成膜を可能とし、パワーエレクトロニクス向け酸化ガリウム半導体の開発に貢献することが期待されます。本装置は、初めて欧州地域に導入される大陽日酸製のⅢ族セスキ酸化物結晶成長装置です。大陽日酸は同大学と協力し、先進的な酸化ガリウム半導体デバイスの研究開発を支援することで、大陽日酸製MOCVD装置のグローバル市場に対する優位性が高まることを期待しております。さらに、ワイドバンドギャップ半導体において世界的に著名なオハイオ州立大学に対し、高性能な化合物半導体デバイスの製造に不可欠な窒化物用MOCVD装置(SR4000HT-RR-LV)と酸化物用HVPE装置を納入いたしました。
・SI事業では、世界初の酸素蒸留による酸素安定同位体(17O、18O)濃縮技術を開発し、水や酸素ガス、それらを使用した同位体標識化合物を製造・販売しております。
・新規事業として無細胞タンパク質合成技術を活かし、クロマトグラフィー技術に強みを有する株式会社ワイエムシィと共同で、バイオ医薬分野で需要が見込まれる難発現タンパク質の合成から精製までの一貫した開発に取り組んでいます。当連結会計年度においては、公益財団法人木原記念横浜生命科学振興財団が管理する木原横浜バイオ産業センター内に開設した横浜ラボにて、無細胞タンパク質合成精製技術のスケールアップを推進し、細胞成長因子製品IL-1βとOncostatinMの生産に成功いたしました。
〔米国〕
Matheson Tri-Gas, Inc.(以下、「Matheson Tri-Gas」という。なお、Matheson Tri-Gasは、2026年4月1日付けでNippon Sanso Matheson, Inc.へ商号変更しております。)の米国における研究開発活動は、コロラド州ロングモントにあるアドバンスト・テクノロジー・センターで行われております。同施設において、Matheson Tri-Gasは技術力の強化、顧客サポートの充実、そして特にエレクトロニクス分野を中心とした既存市場でのプレゼンス拡大に向けて、引き続き投資を行っております。
当連結会計年度、研究開発チームは、半導体用ガスの高度な精製プロセスの開発、腐食性物質向けのパッケージングソリューションの改善、及び精製装置の性能を評価するための新たな手法の確立に注力してきました。また、同テクノロジー・センターは、既存製品に関連する技術的な問題の特定や解決を含め、従来製品のサポートや運用においても重要な役割を果たしております。
当連結会計年度の主な焦点は、半導体製造に適したより高い純度レベルを達成するため、既存のガス供給源向けの精製プロセスの開発にありました。Matheson Tri-GasのWF6製造能力と経験を活かし、研究開発チームは、低グレードのHFを低温エッチングやクリーン用途に適した半導体グレードのHFへ変換することに注力してきました。
これと並行して、研究開発グループは、リソグラフィ工程を含む複数のユースケースに対応した、大容量のフッ素除去ソリューションの開発を完了いたしました。この除害技術は、追加のインフラを必要とせずに、環境への悪影響を効果的に排除いたします。
除害技術に加え、研究開発チームは、腐食性のある半導体ガス向けのパッケージングソリューションの改善が必要であると判断いたしました。これは、既存の選択肢では顧客の仕様や要求される保存期間の基準を満たせなかったためです。複数の包装設計とパッシベーションプロセスを評価した結果、コストと性能の両方の基準を満たす有望な候補がいくつか選定されました。現在進行中の試験により、来年度における顧客への導入が支援される見込みです。
さらに、当連結会計年度は新しい精製装置の開発において大きな進展が見られましたが、ますます厳格化する顧客要件に対してその性能を検証するための堅牢な試験プロトコルの確立という重要な課題が残されております。
研究開発チームは、酸性、難分解性、及び有機不純物に対して1兆分の1(ppt)未満の精製効率を実証可能な高度な試験手法を開発・導入いたしました。チームは、より広範な汚染物質に対して、さらに高いレベルの精製器性能を検証するための新技術への投資を継続しております。
研究開発チームは、積層造形、燃料電池、バルクガスなどの新規市場向けに、新たな精製装置の開発を続けております。アディティブ・マニュファクチャリング向けの最新製品は、不純物を厳密に管理しつつ、プリンターの準備時間を短縮します。これらの技術は現在、主要なアディティブ・マニュファクチャリング装置を用いて試験中です。燃料電池市場においては、水素から酸素を除去する「FCX」シリーズの精製装置を開発いたしました。
最後に、バルクガス市場向けには、最大6000psigの圧力と20000slpmの流量に対応可能な「Trident™」シリーズの精製装置を提供しております。
〔欧州〕
欧州セグメントにおける研究開発活動は、カーボンニュートラルなガス利用、デジタル化、シミュレーションに重点を置いており、現地の産業に高品質なガスソリューションを提供することを目的としております。
主な研究開発拠点はスペインのエルナニにあるHernani Centerにあり、ここでは水・廃水処理技術の開発、バイオCO2回収を伴うバイオガスからバイオメタンへのアップグレード、及び産業用ガスアプリケーションのモニタリングや高度な数理モデリングに向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)の取組みが行われています。並行して、北欧の研究開発センターでは、水産養殖用途向けの技術開発に注力しております。さらに、イタリアの持分法適用関連会社であるHysytech S.r.l.との協業により、カーボンニュートラルを強く重視した技術開発プロジェクトも実施されております。
その他の欧州諸国では、燃焼技術、食品冷凍、金属加工、水産養殖、金属積層造形(3Dプリンティング)などの分野において、ガス応用に関する顧客のニーズに応える技術と製品の開発を進めております。
当連結会計年度、Nippon Gases Euro-Holdingのスペイン子会社であるOximesa S.L.U.(以下、「Oximesa」という。)は、Esteve Teijin Healthcare, S.L.(以下、「ETH」という。なお、ETHは、企業結合と同時にNippon Sanso Homecare España, S.L.U.へ商号変更しております。)の買収を完了いたしました。ETHはスペインにおいて在宅呼吸療法サービスを提供しております。Oximesaもまた、スペインで在宅呼吸療法サービスを提供しております。この提携により、両社はそれぞれの豊富な経験と知見を結集し、より効果的で、より身近な、そして患者に寄り添う在宅ケアを提供できるようになります。
こうした取組みは、欧州地域のニーズに応えるための技術開発を推進するとともに、前述の分野における当社グループの技術力を強化するものです。
〔サーモス〕
サーモスセグメントにおいては、「人と社会に快適で環境にもやさしいライフスタイルを提案します」という企業理念に従い、「利便性」と「環境保護」を両立させることを使命と考え、保有する断熱技術をはじめとしたさまざまな技術と創造力で省エネルギーに貢献するとともに、快適なライフスタイルを実現する新しい価値を提供できるような商品開発を推進しております。
当連結会計年度においては、記録的な暑さが続く中、水分補給の大切さを周知する情報提供を行うとともに、従来の「水を飲む習慣」をアップデートし、新しい水分補給スタイルを発信する新プロモーション「ハイドレ ~好きに楽しむHYDRATION~」を開始するなど、水筒の重要性について積極的に情報発信いたしました。また、フリップアップ式のストロー搭載のFKBシリーズや中身が見えるダブルウォールの樹脂製ボトルNPGシリーズを開発し、これまでの当社の商品にないさまざまな方法での水分補給を提案いたしました。
携帯用まほうびんシリーズでは、サーモス株式会社として初めて水筒内面にセラミック加工を施した「セラクリーンコート」を開発し、その加工を採用した真空断熱ケータイマグJPBシリーズを発売いたしました。汚れが落ちやすく乾きやすい特長を持ち、全パーツが食洗機に対応しておりますため、日常のお手入れが簡単になり、他の食器などと一緒に手間なく洗浄いただけます。
フライパンシリーズや調理器具からなるキッチンプラスシリーズでは、「セラプロテクトシリーズのフライパン」を開発し、高い硬度で傷がつきにくく耐久性が高い「セラプロテクトコート」をフライパンで初めて採用しております。フライパン本体の内面にハンドルを取り付ける留め具がないリベットレス仕様になっており、汚れが溜まらず洗いやすくなっております。さらに成形方法として、ダイキャスト製法を採用することで軽量化を実現しており、機能性の高い製品に仕上げました。
2024年9月の発売以来多くのお客様にご好評いただいている、アパレル小物を展開する新サブブランド「&ONDO(アンドオンド)」では、サーモス独自の極起毛を使用した「起毛であったかルームソックス」に、ショート丈を追加するとともに、足首やふくらはぎをカバーするレッグウォーマーや、チタンコートあったかビーズを配合した足首ウォーマーなど、足元に温かさをプラスする新アイテムを開発いたしました。また、2026年の春夏アイテムとして、「温度を、味方に。」というブランドコンセプトのもと、日傘やハットなど、日々の暮らしをより快適にするアイテムを開発いたしました。「COOL遮熱日傘(2種)」は、遮熱・遮光・UVカット・近赤外線カットといった夏を快適に過ごす機能を備え、晴雨兼用で使用可能な日傘となっております。特に遮熱が強みである&ONDOの日傘は、遮光率100%、UVカット率100%(UPF50+)、近赤外線カット率99.9%以上に加え、高遮熱モデルで遮熱率60%以上、軽量モデルで遮熱率40%以上を有しております。「COOL遮熱ハット(SG-C603F)」、「COOL遮熱キャップ(SG-C604F)」も、全カラーで遮熱率45%以上、遮光率100%、UVカット率100%(UPF50+)、近赤外線カット率99.9%以上の高い性能と湿気を逃がすベンチレーション仕様で、強い日差しの下でも快適な着用環境を実現いたしました。
このように引き続き積極的に新商品を投入し、お客様に快適なライフスタイルを提案しております。
技術開発において、独自のガステクノロジーを基盤とした、ガスアプリケーション、エレクトロニクス、ガス分離精製、医療・ライフサイエンス、ファインマテリアル、環境、先端技術分野に向けた新商品・新技術の開発に取り組むことで収益拡大に貢献しております。またオープンイノベーションによる海外を含めたベンチャー企業との事業提携を通じ、成長分野における先端技術の取込みと、コア技術を最大限に利用した商材開発を促進しております。
当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は5,741百万円であり、各セグメントの内訳は、日本で4,846百万円、米国で678百万円、欧州で169百万円、サーモスで46百万円となっております。主な技術開発活動の概要は次のとおりです。
〔日本〕
日本セグメントにおいては、大陽日酸株式会社(以下、「大陽日酸」という。なお、大陽日酸は、2026年4月1日付けで日本酸素株式会社へ商号変更しております。)つくば事業所、山梨事業所、SIイノベーションセンター、メディカル・テクニカル・サービスセンター及び京浜事業所の5拠点が連携して技術開発を実施しております。事業部門と開発部門の連携を強化し、工業ガスビジネス、エレクトロニクスガスビジネス、プラントビジネス、メディカルビジネス、新規事業開発に向けた基盤事業を支える技術開発を推進しております。カーボンニュートラルについてはグループ共通の重点課題として取り組んでおります。
カーボンニュートラルに向けた取組み
当社グループが所有する酸素燃焼技術をベースに、カーボンフリー燃料を利用する新たな酸素燃焼技術を開発し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。
・カーボンフリー燃料である水素ガスに注目し、工業炉分野でのCO2排出削減への貢献に取り組んでいます。大陽日酸の酸素バーナのラインナップである高速酸素バーナランス「SCOPE-JETⓇ」、超低NOx酸素バーナ「Innova-JetⓇ」、自励振動型酸素バーナ「Innova-JetⓇ Swing」は、水素を燃料として利用することを可能にします。
・当連結会計年度では、欧州事業会社のNippon Gases Euro-Holding S.L.U.(以下、「Nippon Gases Euro-Holding」という。なお、Nippon Gases Euro-Holdingは、2026年4月1日付けでNippon Sanso Euro-Holding S.L.U.へ商号変更しております。)と共同し、欧州の鉄鋼会社ArcelorMittal,S.A.のOlaberria工場(スペイン)で、水素-酸素燃焼バーナ「Innova-JetⓇ Hydrogen」を設置した鉄鋼加熱炉の実証試験に世界で初めて成功いたしました。
・また、日本軽金属株式会社、日軽エムシーアルミ株式会社と三社共同で、酸素富化燃焼技術を適用したアルミニウム二次合金用溶解プロセスにおける実証試験を実施し、CO2排出量を通常の空気燃焼と比較して最大24.1%削減することを達成いたしました。
・国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「燃料アンモニア利用・生産技術開発/工業炉における燃料アンモニアの燃焼技術開発」に参画し、アンモニア-酸素燃焼技術の開発を進めています。当連結会計年度も引き続きAGC株式会社横浜テクニカルセンターのガラス溶融炉で、アンモニア-酸素燃焼技術の実証試験を継続し、技術実装の可能性検証を実施しております。
酸素燃焼技術に加え、CO2回収やグリーンエネルギーに関連する研究開発にも継続的に取り組んでいます。
・石灰製造炉などの高濃度CO2排出源をターゲットとして、10t/日規模のCO2回収装置(回収CO2濃度98%)を開発・商品化しております。中小規模排出源(排ガス量1,000Nm3/hクラス)向けの装置であり、ユニット化して導入・設置が容易に行えます。また当連結会計年度において、これまでターゲットとしていた石灰製造炉だけでなく、低濃度CO2の回収を効率的に行える技術の研究開発に取り組んでいます。国立大学法人鳥取大学の共同研究「中小規模CO2排出源向け省エネルギーCO2回収装置の開発」が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に採択されました。
・加えて、東邦ガス株式会社と、大陽日酸が保有するCO2分離回収技術を組み合わせた一体型システムの開発に関する提携を開始いたしました。本提携を通じて、従来は対応が難しかった低濃度領域からのCO2回収を可能とし、多様な排出源に適用可能なCO2回収ソリューションの拡充を目指します。
・国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業/大規模外部加熱式アンモニア分解水素製造技術の研究開発」に参画し、大型の水素精製装置の開発を進めています。
工業ガス分野
産業ガスの使用に関する様々な工業製品を開発しております。
・溶接において特に作業能率が課題となるTIG溶接に対する解決として「サンアークⓇストリーム」を開発し、商品化いたしました。溶接速度の向上と、溶接品質の安定化が可能となり、労働人口減少に直面する製造業の溶接現場における生産性向上に貢献します。
・液体冷媒を液化窒素で冷却・循環・供給するクールマイスターⓇシリーズ(低温反応制御システム)に、「クールマイスターⓇAC」を商品化しております。窒素やヘリウムなどの不活性ガスを液化窒素で冷却し、-180~-60℃の任意温度の極低温不活性ガスを供給することで、材料試験や機器の環境試験における極低温環境形成に貢献します。
・産業用、自動車部品ゴムのバリ取りの自動化に対応し、大陽日酸独自の振動篩機構を搭載するとともに、コンパクト化と低価格化を両立した高精度な液化窒素式バリ取り装置「ソフトブラスターⓇSCS-CB-BS20」を開発し、2025年4月より同装置をラインナップに加えて販売を開始いたしました。
エレクトロニクス分野
社会のデジタル化の加速的な普及、カーボンニュートラルな社会を支えるエレクトロニクス産業の発展に貢献するために、電子材料ガスや関連機器の販売やサービスのグローバルな提供とともに、技術開発を強化しております。
・本分野では、先端半導体製造での使用が期待される材料開発、及びそれらの材料供給技術の開発に取り組んでいます。最先端半導体デバイス製造では、より反応性の高い化合物、又はより物性上性能の高い金属などが求められます。これらの要求に対して、次世代金属配線材料として期待されているMoO2Cl2の開発に取り組み、当連結会計年度は大陽日酸JFP株式会社(2026年4月1日付けで日本酸素JFP株式会社へ商号変更しております。)三重工場に新たにMoO2Cl2製造施設の設備投資を決定いたしました。主に、NANDフラッシュメモリで使用されているタングステン代替として、2026年10月より出荷開始の見込みです。
・Rasirc, Inc.と共同でTh-ALD成膜技術の低温化に取り組んでいます。2024年まで取り組んでいた窒化剤、酸化剤の変更による成膜実証に加えて、新たなシリコン化合物との組み合わせによる低温酸窒化膜プロセスの実証を行いました。従来プロセスではジクロルシラン(DCS)、ヘキサクロロジシラン(HCDS)のようなシリコン塩化物などが使用されていたプロセスに対して、ヨウ素を含むシリコン化合物としてジヨードシラン(DIS)を用いた成膜評価を行い、ヒドラジンを組み合わせることにより、プロセス温度450℃で良好なシリコン窒化膜が得られることを実証いたしました。
・半導体製造工程における環境負荷低減に貢献するため、ナノエレクトロニクスとデジタル技術における世界有数の研究・イノベーション拠点であるimec(Interuniversity Microelectronics Centre)が進める半導体業界全体の環境負荷低減に関する研究プログラムに参画し共同開発を進めます。
・加えて、エレクトロニクス産業向けの先端プロセスに対する材料とハンドリング技術の実現に向けて、革新的な製品と技術を創出する「エレクトロニクス先端材料開発棟」を建設いたします。完成予定は2027年3月です。
プラント分野
深冷空気分離プラントについては当社グループのコア技術の深化(高性能・高品質・低コスト)に取り組むとともに、プラント製作、工場操業、ロジスティックスに革新を起こすため、DXを推進しております。
・DX推進によって保安や品質管理、生産性の向上に努め、遠隔監視システムやプラント運転条件制御システムを深化させました。
・半導体工場向けに超高純度酸素とアルゴンを効率的に安定して併産可能な窒素製造装置(NGU)を開発しております。
メディカル分野
高品質の医療用ガスの安定供給を行うとともに、在宅酸素療法のためのさまざまな機器の開発・製造、機器の定期点検や遠隔監視システム、医療用ガスの24時間体制の緊急配送など、トータルサポートに貢献しております。さらに、当社グループの持つガステクノロジーを応用し、生体試料の凍結保存をはじめとするバイオ分野、SI(Stable Isotope 安定同位体)や混合ガス等を利用した高度診断・治療分野にも取り組んでいます。
・医療機器の遠隔モニタリングシステム「RingWell(リングウェル)」を開発し、展開しております。本システムは、医療機器の運転状況や患者の生体情報をリアルタイムで確認できるクラウド型プラットフォームです。患者の指導管理を行う医療従事者、機器の設置・点検・緊急対応を担うサービスプロバイダ(販売店)に必要な情報を提供し、それら利用者の業務効率化に貢献しております。
新規事業分野
当社グループでは、自社開発技術やオープンイノベーションにより獲得した製品・技術の事業化を加速しております。アディティブ・マニュファクチャリング(AM)事業、化合物半導体製造装置やSI(Stable Isotope 安定同位体)をはじめ、今後市場の発展が見込まれる分野の事業拡大を推進しております。
・アディティブ・マニュファクチャリング(AM)事業においては、技術の開発と造形物の品質安定化に寄与するソリューションの拡充に注力しております。大陽日酸は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)」に採択されており、焼結型積層造形とデジタルプロセス設計を組み合わせた金属3Dプリンタシステムの研究開発に2024年度から2028年度までの5年間にわたり取り組んでいます。本プロジェクトでは、大陽日酸が得意とするプロセス雰囲気ガス制御技術や金属AMに関する知見を活かし、造形条件の最適化技術及び製造条件探索システムの開発を通じて、金属AM技術の産業分野への事業展開を目指してまいります。
・半導体関連事業においては、ロジックやDRAM等の先端半導体分野向けに、Rasirc, Inc.の過酸化水素供給ソース「BRUTEⓇ Peroxide」などの材料展開を米国、日本及び欧州で継続しております。
・化合物半導体製造装置事業では、国際競争力の強化を意識し、先端技術ニーズに応えるべく、MOCVD装置及びHVPE装置を製造・販売するとともに、用途拡大・改良改善の開発に取り組んでいます。当連結会計年度においては、深紫外線ライトを使った除菌装置の開発・販売を手掛けているVisium(旧Lit Thinking)社に、大陽日酸製MOCVD(SR2000HT-RR)を納入しております。本装置はUVオプトエレクトロニクスのデバイス及びパワーエレクトロニクスの開発促進に必須となる高品質なアルミニウムガリウムナイトライド(AlGaN)の安定的な製造に用いられます。また、大陽日酸製MOCVD装置(型式:FR2000-OX)がスウェーデンLund大学に採用されました。本装置はワイドバンドギャップ半導体の新材料の一つである酸化ガリウム(β-Ga2O3)の高品質な成膜を可能とし、パワーエレクトロニクス向け酸化ガリウム半導体の開発に貢献することが期待されます。本装置は、初めて欧州地域に導入される大陽日酸製のⅢ族セスキ酸化物結晶成長装置です。大陽日酸は同大学と協力し、先進的な酸化ガリウム半導体デバイスの研究開発を支援することで、大陽日酸製MOCVD装置のグローバル市場に対する優位性が高まることを期待しております。さらに、ワイドバンドギャップ半導体において世界的に著名なオハイオ州立大学に対し、高性能な化合物半導体デバイスの製造に不可欠な窒化物用MOCVD装置(SR4000HT-RR-LV)と酸化物用HVPE装置を納入いたしました。
・SI事業では、世界初の酸素蒸留による酸素安定同位体(17O、18O)濃縮技術を開発し、水や酸素ガス、それらを使用した同位体標識化合物を製造・販売しております。
・新規事業として無細胞タンパク質合成技術を活かし、クロマトグラフィー技術に強みを有する株式会社ワイエムシィと共同で、バイオ医薬分野で需要が見込まれる難発現タンパク質の合成から精製までの一貫した開発に取り組んでいます。当連結会計年度においては、公益財団法人木原記念横浜生命科学振興財団が管理する木原横浜バイオ産業センター内に開設した横浜ラボにて、無細胞タンパク質合成精製技術のスケールアップを推進し、細胞成長因子製品IL-1βとOncostatinMの生産に成功いたしました。
〔米国〕
Matheson Tri-Gas, Inc.(以下、「Matheson Tri-Gas」という。なお、Matheson Tri-Gasは、2026年4月1日付けでNippon Sanso Matheson, Inc.へ商号変更しております。)の米国における研究開発活動は、コロラド州ロングモントにあるアドバンスト・テクノロジー・センターで行われております。同施設において、Matheson Tri-Gasは技術力の強化、顧客サポートの充実、そして特にエレクトロニクス分野を中心とした既存市場でのプレゼンス拡大に向けて、引き続き投資を行っております。
当連結会計年度、研究開発チームは、半導体用ガスの高度な精製プロセスの開発、腐食性物質向けのパッケージングソリューションの改善、及び精製装置の性能を評価するための新たな手法の確立に注力してきました。また、同テクノロジー・センターは、既存製品に関連する技術的な問題の特定や解決を含め、従来製品のサポートや運用においても重要な役割を果たしております。
当連結会計年度の主な焦点は、半導体製造に適したより高い純度レベルを達成するため、既存のガス供給源向けの精製プロセスの開発にありました。Matheson Tri-GasのWF6製造能力と経験を活かし、研究開発チームは、低グレードのHFを低温エッチングやクリーン用途に適した半導体グレードのHFへ変換することに注力してきました。
これと並行して、研究開発グループは、リソグラフィ工程を含む複数のユースケースに対応した、大容量のフッ素除去ソリューションの開発を完了いたしました。この除害技術は、追加のインフラを必要とせずに、環境への悪影響を効果的に排除いたします。
除害技術に加え、研究開発チームは、腐食性のある半導体ガス向けのパッケージングソリューションの改善が必要であると判断いたしました。これは、既存の選択肢では顧客の仕様や要求される保存期間の基準を満たせなかったためです。複数の包装設計とパッシベーションプロセスを評価した結果、コストと性能の両方の基準を満たす有望な候補がいくつか選定されました。現在進行中の試験により、来年度における顧客への導入が支援される見込みです。
さらに、当連結会計年度は新しい精製装置の開発において大きな進展が見られましたが、ますます厳格化する顧客要件に対してその性能を検証するための堅牢な試験プロトコルの確立という重要な課題が残されております。
研究開発チームは、酸性、難分解性、及び有機不純物に対して1兆分の1(ppt)未満の精製効率を実証可能な高度な試験手法を開発・導入いたしました。チームは、より広範な汚染物質に対して、さらに高いレベルの精製器性能を検証するための新技術への投資を継続しております。
研究開発チームは、積層造形、燃料電池、バルクガスなどの新規市場向けに、新たな精製装置の開発を続けております。アディティブ・マニュファクチャリング向けの最新製品は、不純物を厳密に管理しつつ、プリンターの準備時間を短縮します。これらの技術は現在、主要なアディティブ・マニュファクチャリング装置を用いて試験中です。燃料電池市場においては、水素から酸素を除去する「FCX」シリーズの精製装置を開発いたしました。
最後に、バルクガス市場向けには、最大6000psigの圧力と20000slpmの流量に対応可能な「Trident™」シリーズの精製装置を提供しております。
〔欧州〕
欧州セグメントにおける研究開発活動は、カーボンニュートラルなガス利用、デジタル化、シミュレーションに重点を置いており、現地の産業に高品質なガスソリューションを提供することを目的としております。
主な研究開発拠点はスペインのエルナニにあるHernani Centerにあり、ここでは水・廃水処理技術の開発、バイオCO2回収を伴うバイオガスからバイオメタンへのアップグレード、及び産業用ガスアプリケーションのモニタリングや高度な数理モデリングに向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)の取組みが行われています。並行して、北欧の研究開発センターでは、水産養殖用途向けの技術開発に注力しております。さらに、イタリアの持分法適用関連会社であるHysytech S.r.l.との協業により、カーボンニュートラルを強く重視した技術開発プロジェクトも実施されております。
その他の欧州諸国では、燃焼技術、食品冷凍、金属加工、水産養殖、金属積層造形(3Dプリンティング)などの分野において、ガス応用に関する顧客のニーズに応える技術と製品の開発を進めております。
当連結会計年度、Nippon Gases Euro-Holdingのスペイン子会社であるOximesa S.L.U.(以下、「Oximesa」という。)は、Esteve Teijin Healthcare, S.L.(以下、「ETH」という。なお、ETHは、企業結合と同時にNippon Sanso Homecare España, S.L.U.へ商号変更しております。)の買収を完了いたしました。ETHはスペインにおいて在宅呼吸療法サービスを提供しております。Oximesaもまた、スペインで在宅呼吸療法サービスを提供しております。この提携により、両社はそれぞれの豊富な経験と知見を結集し、より効果的で、より身近な、そして患者に寄り添う在宅ケアを提供できるようになります。
こうした取組みは、欧州地域のニーズに応えるための技術開発を推進するとともに、前述の分野における当社グループの技術力を強化するものです。
〔サーモス〕
サーモスセグメントにおいては、「人と社会に快適で環境にもやさしいライフスタイルを提案します」という企業理念に従い、「利便性」と「環境保護」を両立させることを使命と考え、保有する断熱技術をはじめとしたさまざまな技術と創造力で省エネルギーに貢献するとともに、快適なライフスタイルを実現する新しい価値を提供できるような商品開発を推進しております。
当連結会計年度においては、記録的な暑さが続く中、水分補給の大切さを周知する情報提供を行うとともに、従来の「水を飲む習慣」をアップデートし、新しい水分補給スタイルを発信する新プロモーション「ハイドレ ~好きに楽しむHYDRATION~」を開始するなど、水筒の重要性について積極的に情報発信いたしました。また、フリップアップ式のストロー搭載のFKBシリーズや中身が見えるダブルウォールの樹脂製ボトルNPGシリーズを開発し、これまでの当社の商品にないさまざまな方法での水分補給を提案いたしました。
携帯用まほうびんシリーズでは、サーモス株式会社として初めて水筒内面にセラミック加工を施した「セラクリーンコート」を開発し、その加工を採用した真空断熱ケータイマグJPBシリーズを発売いたしました。汚れが落ちやすく乾きやすい特長を持ち、全パーツが食洗機に対応しておりますため、日常のお手入れが簡単になり、他の食器などと一緒に手間なく洗浄いただけます。
フライパンシリーズや調理器具からなるキッチンプラスシリーズでは、「セラプロテクトシリーズのフライパン」を開発し、高い硬度で傷がつきにくく耐久性が高い「セラプロテクトコート」をフライパンで初めて採用しております。フライパン本体の内面にハンドルを取り付ける留め具がないリベットレス仕様になっており、汚れが溜まらず洗いやすくなっております。さらに成形方法として、ダイキャスト製法を採用することで軽量化を実現しており、機能性の高い製品に仕上げました。
2024年9月の発売以来多くのお客様にご好評いただいている、アパレル小物を展開する新サブブランド「&ONDO(アンドオンド)」では、サーモス独自の極起毛を使用した「起毛であったかルームソックス」に、ショート丈を追加するとともに、足首やふくらはぎをカバーするレッグウォーマーや、チタンコートあったかビーズを配合した足首ウォーマーなど、足元に温かさをプラスする新アイテムを開発いたしました。また、2026年の春夏アイテムとして、「温度を、味方に。」というブランドコンセプトのもと、日傘やハットなど、日々の暮らしをより快適にするアイテムを開発いたしました。「COOL遮熱日傘(2種)」は、遮熱・遮光・UVカット・近赤外線カットといった夏を快適に過ごす機能を備え、晴雨兼用で使用可能な日傘となっております。特に遮熱が強みである&ONDOの日傘は、遮光率100%、UVカット率100%(UPF50+)、近赤外線カット率99.9%以上に加え、高遮熱モデルで遮熱率60%以上、軽量モデルで遮熱率40%以上を有しております。「COOL遮熱ハット(SG-C603F)」、「COOL遮熱キャップ(SG-C604F)」も、全カラーで遮熱率45%以上、遮光率100%、UVカット率100%(UPF50+)、近赤外線カット率99.9%以上の高い性能と湿気を逃がすベンチレーション仕様で、強い日差しの下でも快適な着用環境を実現いたしました。
このように引き続き積極的に新商品を投入し、お客様に快適なライフスタイルを提案しております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00783] S100YB9P)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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