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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TSUE (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 アイカ工業株式会社 研究開発活動 (2024年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループの研究開発活動は、主として有価証券報告書提出会社であるアイカ工業株式会社にて行っております。その内容は、以下のとおりであります。
当社は、オリジナル性の高い技術開発を進め、安全・安心・健康、省エネルギーに配慮しながら、国内外アイカグループの持続的成長に向け、様々な社会課題を解決する製品群や脱炭素社会に対応する製品の拡充による国内建築建設分野の成長持続、非建設分野向けの機能材料事業の飛躍的成長や海外事業の展開加速に向けた研究開発活動を推進しています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は4,072百万円であり、主な研究開発の概要とその成果は、次のとおりであります。

(1)化成品
化成品分野におきましては、「高機能」「省工程化」「気候変動対応」をキーワードとする研究開発を進めております。
接着剤系商品では、「歩行路用ゴム、ウッドチップ用ウレタン樹脂系バインダー」を発売しました。本製品を使用して施工された歩行路は、歩行感・耐久性に優れ、廃材となるゴムやチップの再利用につながる商品になります。ゴム系溶剤形接着剤では、「耐熱ハケ用アイカエコエコボンドRQ-V1」をリニューアルしました。気候変動対応にも配慮し、環境負荷を低減した製造方法を適用しております。ホットメルト商品では、使用量削減が可能となる発泡性に優れた「発泡ホットメルト」を開発いたしました。高機能化とともに気候変動に対応した製品開発を進めてまいります。
建設樹脂系商品では、外壁タイルの意匠性を活かしながら劣化対策を行うことが可能な「ダイナミックレジン タフレジン クリアガードHD工法2L仕様」を市場投入しました。従来工法と比較し、当社独自の樹脂設計技術により、省工程化を実現し、透明度と耐候性が高いため、建築物の長寿命化につながります。
塗り壁材では、湿式外断熱工法「パッシブウォール」の断熱材張り工程を省力化した仕様を開発しました。外壁を断熱材で保護することで長寿命化につながり、コンクリートのもつ高い蓄熱性を活かし室内空調温度を有効に活用できるため、省エネルギーな建物となります。
塗り床材では、建設業界で深刻化する職人不足問題に対応した、省工程帯電防止厚膜型エポキシ樹脂系塗り床材「ジョリエースEドーデン流しのべNCP工法」の採用拡大を推進し、電子部品工場や精密機械工場などで採用につながりました。今後も市場ニーズに対応した塗り床材の製品開発を進めてまいります。
フェノール樹脂商品では、バイオマス原料であるリグニンを活用した合板・LVL用接着剤を市場投入し、通年での使用実績を得ることができました。バイオマス原料の更なる活用に向けた取り組みを実施しており、工業用の用途でもフェノール樹脂と遜色のない特性が得られるようになってきました。今後もフェノール樹脂の脱石油化を積極的に進めてまいります。
電子材料商品では、自動車内装の大型ディスプレイ向け「ルミアート反射防止フィルム」の採用が拡大しました。内装ディスプレイは年々大型化が進んでおり、外光による映り込みにより視認性が低下する課題があります。樹脂技術と精密塗工技術の組み合わせにより、硬度や摩耗性など表面性能を維持しつつ反射防止性能のレベルアップを実現し、採用拡大につながりました。性能及び耐久性の向上や機能性付与などにより更なる拡大を目指します。自動車内外装の塗装代替フィルム「ルミアート3次元加飾ハードコートフィルム」は自動車内装パネル向けで多くの車種に採用されました。外装向け塗装代替フィルムも市場で評価が進み、採用が内定・量産開始が見込まれています。今後も気候変動に対応したフィルム製品開発を進めてまいります。
有機微粒子商品では、化粧品用途向けに開発した天然由来原料を使用した地球環境や人に優しい有機微粒子製品(ポリ乳酸、セラック樹脂、ステアリン酸)の採用拡大を進めています。それぞれの製品が持つ特徴のある感触に好評を得ております。また、工業用途では自動車用、電材用途向けの次世代、次々世代向け有機微粒子製品開発を進め時代のニーズに対応してまいります。
今後も国内外での販売拡大と市場動向にマッチする新商品開発に努めてまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は3,044百万円であります。

(2)建装建材
建装建材分野におきましては、「高機能」「意匠/デザイン」「省施工」「加工技術」「SDGsに資する技術」をキーワードに研究開発を進めております。
高機能では、123期に開発した防カビ天井材「カビテクト」の調湿性能についての検証を進め、(一社)日本建材・住宅設備産業協会にて“調湿建材”の登録を行いました。冷蔵ケースを多用するスーパーマーケットや食品工場などでは、天井裏に流れ込んだ暖気が天井付近で冷やされることで結露が生じ、カビが発生しやすい環境になっています。カビテクトは表面の防カビ機能付与と製品基材の調湿性能との相乗効果により、天井のカビ問題の解決に貢献してまいります。
高意匠では、ホテル、オフィスビル、商業施設の内装壁面など、高いデザイン性が求められる部位にも採用され、当社の不燃化粧板の用途を大幅に拡大している「セラールセレント」に新柄4点を追加し、また、「セラールセレント」の意匠感に合わせたシーリング材「抗菌・防カビ変成シリコーン マットタイプ」を開発しました。新柄は清潔感あふれるホワイト系大理石柄と高級感あるジュラストーン柄で、従来のセラールで表現できなかった素材感を実現しています。「抗菌・防カビ変成シリコーン マットタイプ」は骨材を加えることにより、マットで高質感なモルタル目地を再現しており、セラールセレントの目地部分をより美しく施工することができます。
施工では、化粧けい酸カルシウム板の端材をマテリアルリサイクルできるようにした、不燃壁面材「Rニース」を開発しました。加えて、設計施工会社や処理施設と共同で、確実にリサイクルされる資源循環システムを構築しました。新築・改装の施工時に生じた端材を、中間処理施設が収集・粉砕した上で再資源化施設が処理し、セメント原料の一部として使用されます。リサイクル可能な化粧けい酸カルシウム板製品の開発と、リサイクルを実現するスキームの構築に同時に取り組んだことで、集めた端材については100%がリサイクルされる仕組みとなっています。リサイクルシステムを共同開発した設計施工会社からの提案により、大手コーヒーショップチェーン店で採用されています。現在は施工時に生じる端材のみがリサイクルの対象となりますが、解体時に生じたRニースもリサイクルできるよう、検討してまいります。
加工技術では、深みのある流れ模様やマットな質感が印象的なラバトリーボウル「カラフィ」を開発しました。洗面ボウルには陶器製が多い中、カラフィは人工大理石のトップブランドであるデュポン™コーリアン®※を加工することで、やわらかく光を反射するマットな質感を実現しています。流行のオンボウルデザインとベッセルボウルデザインをラインナップしており、住宅からホテル・店舗・オフィスなどの非住宅まで広くお使いいただけます。近年、住宅、非住宅ともに洗面空間における意匠性の重要度が増していく中で、今後もワンランク上の空間を演出できる加工技術の開発を進めてまいります。
SDGsに資する環境対応技術としては、2種類の廃材を活用した製品の開発に成功しました。1つは、メラミン化粧板の製造工程で生じる製品端材や不良品を粉砕し、原材料の一部に活用したメラミン化粧板です。端材・不良品の一部はサーマルリサイクルしているものの全量の活用は難しく、一定量を産業廃棄物として処理していますが、本製品が実用化すれば、産業廃棄物の削減につながります。将来的には製品として使用されたメラミン化粧板を回収・再利用することも視野に入れており、水平リサイクルの実現に向けた第一歩としてこのたびの開発に至りました。もう1つは、古紙や廃棄衣類などが再資源化されたものを意匠層に活用したメラミン化粧板です。特に大量の衣類廃棄物が社会問題となる中で本製品が実用化すれば、それらの廃棄物の利活用方法拡大につながり、循環型社会の推進・実現に寄与します。今後、これらの開発技術は量産化にて実用化を目指し、SDGsの達成とサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は1,027百万円であります。

※デュポン™、コーリアン®は、DuPont de Nemours, Inc.の関連会社の商標あるいは登録商標です。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00824] S100TSUE)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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