有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100TKYY (EDINETへの外部リンク)
株式会社奥村組 研究開発活動 (2024年3月期)
当社グループは、建設構造物の更なる品質や安全性の向上、さらには脱炭素社会の実現など多様化する社会のニーズに柔軟に対応すべく、建設に関する技術の研究開発を推進しているなか、2023年10月に産官学民の技術者等との分野を超えた交流・連携の拠点として東京丸の内にクロスイノベーションセンター(通称:クロスアイ)を開設し、技術開発の促進に加え、ベンチャー企業等との交流による新技術の開拓を積極的に進めています。
当社グループの当連結会計年度における研究開発に要した費用の総額は1,804百万円です。
セグメントごとの研究開発活動について示すと次のとおりです。
山岳トンネル工事において、切羽(掘削の最先端部分)での肌落ち(トンネルを掘削した面から岩石等が落下すること)災害の防止を目的に、切羽鏡面(掘削方向に対する垂直面)に吹付けたコンクリートのひび割れを検出して肌落ちの予兆を知らせる「肌落ち監視システム」を㈱システム計画研究所と共同で開発しました。
本システムは、カメラで撮影した切羽画像から、切羽鏡面の吹付けコンクリートに発生したひび割れをAIで検出し、肌落ちの予兆を警告するシステムです。吹付けコンクリート供試体や切羽鏡面の吹付けコンクリートなどのひび割れ画像を教師データとして作成したAI学習モデルを用いて、高い精度でひび割れを検出することができます。長崎県発注の山岳トンネル工事に適用し、切羽監視責任者が切羽に極力接近することなく、短時間でひび割れ検出結果を表示でき、肌落ち監視を補助するシステムとして有効であることを確認しました。
今後は、施工の安全性向上に寄与するシステムとして積極的に現場適用していくとともに、本システムの更なる高度化を図ります。
(2) 「下水道内部の水位モニタリングシステム」を開発
下水道管路の老朽化対策や局所的な豪雨などによる内水氾濫(雨水が排水できなくなり浸水する現象)の軽減を目的に、管路内部の水位データを広域かつ効率的に取得・管理できるモニタリングシステムを㈱コアシステムジャパンと共同で開発しました。
本システムは、①センサ技術、②通信技術、③水位計の固定治具の3項目を工夫することにより、省電力・高耐久・機器設置の簡便性を実現するものです。これにより効率的でコストを抑えた下水道管路内部のモニタリングシステムを確立しました。①センサ技術は、腐食に強く耐雷性にも優れた光ファイバを用いた「ヘテロコア光ファイバ水位計」を採用しました。従来型の水位計よりも低コストであることから多数の設置が可能となります。②通信技術は、従来のLTE通信に加え、消費電力が少ないLoRa通信も採用しました。LoRa通信ではクラウドへのデータ転送を行わないため、マンホール下に設置した送信機から受信機を搭載した点検車が走行しながらデータを取得することとしました。主要なマンホールに設置するメイン機器はリアルタイムに計測できるLTE通信を用い、メイン機器を補完する位置に設置するバックアップ機器はLoRa通信を用います。これにより、LTE通信のみを使用する場合と比べ、消費電力と通信料の大幅な低減を実現しました。③水位計の固定治具は、アンカーレスで容易に着脱が可能な「水位計一体型固定治具」(自社開発技術(特許取得済み))を採用することで、設置時間を従来の25%に短縮し、機器設置の効率化を実現しました。
今後は、自治体等の管理する供用中の下水道管路に本システムを適用・運用し、効果の検証を行います。また、運用によって得られた知見から、機器の改良を行い、更なる機能向上を図ります。
VODは、免震層に生じた水平変位に応じて減衰力(地震のエネルギーを吸収し揺れを小さくする力)が自動で無段階に切り替わります。地震による揺れが続いている間は、性能変化により増加した減衰力を維持することで建物の水平変位を抑制するため、上部構造に作用する最大地震力を従来型のダンパーと同等に抑えられるとともに、長周期地震動作用時に免震層の最大水平変位を抑制することができます。
今後は、長周期地震動作用時に擁壁への衝突が危惧される既存の免震建物のほか、水平クリアランスを十分に確保できない狭小敷地における免震建物の建設にも本技術を適用していきます。
本工法では、扁平梁を補強筋等で適切に補強することにより、剛性や耐力を確保しつつ、柱幅に対する梁幅の比(扁平率)を最大3倍まで広げ、梁せいを最大で柱幅の半分まで小さくすることが可能です。これにより、住戸内の有効天井高や窓開口を大きく確保できるため、設計の自由度が高まります。
今後は、主に高層・超高層の集合住宅等への適用を積極的に進めていきます。
当社グループの当連結会計年度における研究開発に要した費用の総額は1,804百万円です。
セグメントごとの研究開発活動について示すと次のとおりです。
(土木事業)
土木事業では、顧客ニーズに対応した、施工の高度化や持続可能な社会の実現に寄与する技術などの研究開発を進めています。また、自然災害への対応や社会インフラの維持更新に関わる技術などの開発にも取り組んでいます。
(1) 山岳トンネル工事の安全対策として「肌落ち監視システム」を開発山岳トンネル工事において、切羽(掘削の最先端部分)での肌落ち(トンネルを掘削した面から岩石等が落下すること)災害の防止を目的に、切羽鏡面(掘削方向に対する垂直面)に吹付けたコンクリートのひび割れを検出して肌落ちの予兆を知らせる「肌落ち監視システム」を㈱システム計画研究所と共同で開発しました。
本システムは、カメラで撮影した切羽画像から、切羽鏡面の吹付けコンクリートに発生したひび割れをAIで検出し、肌落ちの予兆を警告するシステムです。吹付けコンクリート供試体や切羽鏡面の吹付けコンクリートなどのひび割れ画像を教師データとして作成したAI学習モデルを用いて、高い精度でひび割れを検出することができます。長崎県発注の山岳トンネル工事に適用し、切羽監視責任者が切羽に極力接近することなく、短時間でひび割れ検出結果を表示でき、肌落ち監視を補助するシステムとして有効であることを確認しました。
今後は、施工の安全性向上に寄与するシステムとして積極的に現場適用していくとともに、本システムの更なる高度化を図ります。
(2) 「下水道内部の水位モニタリングシステム」を開発
下水道管路の老朽化対策や局所的な豪雨などによる内水氾濫(雨水が排水できなくなり浸水する現象)の軽減を目的に、管路内部の水位データを広域かつ効率的に取得・管理できるモニタリングシステムを㈱コアシステムジャパンと共同で開発しました。
本システムは、①センサ技術、②通信技術、③水位計の固定治具の3項目を工夫することにより、省電力・高耐久・機器設置の簡便性を実現するものです。これにより効率的でコストを抑えた下水道管路内部のモニタリングシステムを確立しました。①センサ技術は、腐食に強く耐雷性にも優れた光ファイバを用いた「ヘテロコア光ファイバ水位計」を採用しました。従来型の水位計よりも低コストであることから多数の設置が可能となります。②通信技術は、従来のLTE通信に加え、消費電力が少ないLoRa通信も採用しました。LoRa通信ではクラウドへのデータ転送を行わないため、マンホール下に設置した送信機から受信機を搭載した点検車が走行しながらデータを取得することとしました。主要なマンホールに設置するメイン機器はリアルタイムに計測できるLTE通信を用い、メイン機器を補完する位置に設置するバックアップ機器はLoRa通信を用います。これにより、LTE通信のみを使用する場合と比べ、消費電力と通信料の大幅な低減を実現しました。③水位計の固定治具は、アンカーレスで容易に着脱が可能な「水位計一体型固定治具」(自社開発技術(特許取得済み))を採用することで、設置時間を従来の25%に短縮し、機器設置の効率化を実現しました。
今後は、自治体等の管理する供用中の下水道管路に本システムを適用・運用し、効果の検証を行います。また、運用によって得られた知見から、機器の改良を行い、更なる機能向上を図ります。
(建築事業)
建築事業では、建築物の資産価値を維持し安全性を確保する免震・制振技術や、快適性を高める室内環境技術、SDGs達成にも貢献する省エネ・省資源・環境配慮技術などの開発、さらには企画・設計・施工の各フェーズにおける合理化などに取り組んでいます。(1) 免震層の過大な水平変位を抑える「性能可変オイルダンパー」を開発
免震建物において長周期地震動の影響を受けた際に生じる過大な水平変位を抑制し、建物が擁壁に衝突することを防ぐ「性能可変オイルダンパー(以下、VOD)」を東北大学、(有)シズメテックと三者共同で開発しました。まずは、既存免震建物である奥村組名古屋支店に設置されているダンパーをVODに取り替える(2024年8月予定)こととしており、 2024年1月に「奥村組名古屋支店に用いる性能可変オイルダンパー」として、(一財)日本建築センターから評定(BCJ評定-IB0041-01)を取得しました(特許出願中)。VODは、免震層に生じた水平変位に応じて減衰力(地震のエネルギーを吸収し揺れを小さくする力)が自動で無段階に切り替わります。地震による揺れが続いている間は、性能変化により増加した減衰力を維持することで建物の水平変位を抑制するため、上部構造に作用する最大地震力を従来型のダンパーと同等に抑えられるとともに、長周期地震動作用時に免震層の最大水平変位を抑制することができます。
今後は、長周期地震動作用時に擁壁への衝突が危惧される既存の免震建物のほか、水平クリアランスを十分に確保できない狭小敷地における免震建物の建設にも本技術を適用していきます。
(2) 梁せいを小さく抑えて、設計自由度を高める「奥村式扁平梁工法」を開発
鉄筋コンクリート造建築物において、梁幅を柱幅より広くし、一般的な梁よりも梁せい(梁の高さ)を小さく抑えた扁平梁を適用する「奥村式扁平梁工法」を開発し、(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC性能証明 第19-13号改1)を取得しました。本工法では、扁平梁を補強筋等で適切に補強することにより、剛性や耐力を確保しつつ、柱幅に対する梁幅の比(扁平率)を最大3倍まで広げ、梁せいを最大で柱幅の半分まで小さくすることが可能です。これにより、住戸内の有効天井高や窓開口を大きく確保できるため、設計の自由度が高まります。
今後は、主に高層・超高層の集合住宅等への適用を積極的に進めていきます。
(投資開発事業)
研究開発活動は特段行われていません。(その他)
研究開発活動は特段行われていません。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00083] S100TKYY)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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