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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LLCD (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 帝人株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

帝人グループは、「たゆまぬ変革と挑戦」によって新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現に向けてソリューションを提供することで「未来の社会を支える会社」になることを目指しています。研究開発活動においても、重要社会課題として取り組む「気候変動の緩和と適応」「サーキュラーエコノミーの実現」「人と地域社会の安心・安全の確保」「人々の健康で快適な暮らしの実現」に対して、人を中心に考え、Quality of Lifeを向上させる「環境価値」、「安全・安心・防災」、「少子高齢化・健康志向」の3つのソリューションを中心に価値を社会に提供することを目指しています。また、事業活動に伴う環境、社会への負の影響を最小限とする取り組みも続けています。
中期経営計画2020‐2022「ALWAYS EVOLVING」では、イノベーションの創出基盤を強化し、事業機会の創出を加速することを経営基盤強化の基本方針の1つに掲げています。
イノベーション創出に向け、研究開発においては、マテリアル、ヘルスケア、繊維・製品およびIT事業を併せ持つ帝人グループの特徴を生かしたグローバル視点での技術の連携・活用と融合・複合化により、グループとしての総合力・機動力を発揮することを推進しています。また、帝人グループ内の技術や人財だけではなく、外部技術の積極的な活用により開発のスピードアップを推進し、IoTモニタリング技術、機械学習やAI技術、またマテリアルズインフォマティックスの利活用による研究開発力の強化にも取り組んでいます。
研究開発体制については、国内12カ所、海外12カ所の拠点からなるグローバルなネットワークを有しており、グループ各社の連携を強化して組織を活性化するとともに、コーポレート組織に新規事業の探索・立ち上げおよびイノベーション創出のための環境整備を実行する組織体制を作り、多様な人財が能力を発揮してイノベーション創出を加速する仕組みを取り入れています。
帝人グループの知的財産活動においては、経営戦略、事業戦略に対応した適切な知財戦略の提案と実行支援を最重点項目として掲げています。また、経営・事業に資する知的財産の解析、評価と見える化を実施するために、IPランドスケープ等の手法も取り入れ、ICTツールを駆使し特許情報のみならず非特許情報を基に技術動向や競争優位性を解析しています。さらに、詳細な事業環境分析の結果に基づいて、事業のコンピテンシーとなり得るコア技術を中心に知的財産権を戦略的に確保し、競合他社の市場参入を阻止して競争優位性を確保するとともに、それを活用するための強固な知財ポートフォリオを構築しています。
なお、当連結会計年度の研究開発費は327億円(前期比18億円減)でした。
また、報告セグメントごとの研究開発活動の概要は次のとおりです。


持続可能な社会の実現に向け、LCA(Life Cycle Assessment)による環境負荷の評価、Well to WheelでのEmission削減を目指します。具体的には航空機や自動車向けに高性能な軽量化素材や部材を開発し、燃費を向上させることで、CO2排出量削減に貢献する研究開発に取り組んでいます。次世代自動車に係る軽量化に対しては、環境先進地域である欧州において、自動車向け複合成形材料のデザイン、マルチマテリアル設計・プロトタイピングの機能を担う拠点として「TACE」(Teijin Automotive Center Europe GmbH)を立ち上げ、開発を推進しています。また、クリーンエネルギー化に向けて、水素ガス用軽量高圧容器や水素用パイプライン、次世代電池用部材の開発や、ケミカルリサイクル、複合材料のリサイクル技術に取り組んでおり、環境対応分野に注力した「European Sustainable Technology Innovation Center」(欧州サステナブル先端技術開発センター)を2021年1月に開設しました。これによりサーキュラーエコノミーに貢献する研究開発を推進しています。
アラミド事業分野では、ライフプロテクション、プロテクティブアパレル、オートモーティブ、エアロスペース、インダストリーの5つを主力テーマとして、アラミド繊維製造技術および新商品の開発に取り組んでいます。高強度、かつ軽量で高い耐久性を有するパラ系アラミド繊維「トワロン」はグローバル市場における需要の拡大に対応するため、2022年度までに生産能力を25%以上増強する計画を進めています。また今回の増強において、CO2排出量削減技術の導入を予定しており、これにより社会と企業の持続的な発展を目指します。またアラミド繊維は、その高い機能性を活かして自動車、航空用コンテナ、消防服、ロープやケーブル補強など幅広い分野に使用されています。その中で海洋ロープ用途開発では、パラ系アラミド繊維である「トワロン」や「テクノーラ」を用い、安全性が高く、かつリサイクル可能なロープ開発を進め、また防護衣料用途でも製品寿命の延長による環境負荷低減技術の開発に着手するなど、環境に配慮した製品づくりに取り組んでいます。
樹脂事業分野では、今後成長が見込まれる第5世代移動通信システム(5G)および自動車の先進化に対応する高機能材料の研究開発を行っています。高度な分子設計技術、組成品設計技術、加工技術を活かして、高屈折率化・低複屈折化が要求されているスマートフォンカメラレンズ向け樹脂、高耐薬・高耐熱・高硬度・摺動性・低臭・低VOC(揮発性有機化合物)などの機能を持つ組成品、車載ディスプレイ大型化に対応するシート・フィルムの開発を行っています。また、これらの樹脂材料開発においては、マテリアルズインフォマティックスを導入し研究の高速化、高度化を進めております。さらに、持続可能な社会の実現に向けてはリサイクル技術を活用した環境対応材料の開発を進めています。
炭素繊維事業分野では、高収益・高成長分野での事業拡大を進めるとともに、環境規制の高まりに伴う低燃費化の要請に応え、環境ソリューションとして「軽くて強い」高機能素材の拡大を図っています。特に未来の最新鋭航空機に向けたソリューションとして、炭素繊維原糸から織物基材、熱可塑性及び熱硬化性樹脂を使用した中間材料や工法の開発に積極的に取り組んでおり、幅広い潜在ニーズに応える製品のグローバル展開をより一層強化しています。また、航空機や人工衛星などの用途に使用する技術を用いた炭素繊維中間材料を、スポーツ用途に向けて展開する新たなブランドを立ち上げました。パワーやスピードを求めるユーザーに向けたブランド「TENAX PW」(テナックス パワーシリーズ)、及び、コントロールを求めるユーザーに向けたブランド「TENAX BM」(テナックス ビームシリーズ)の両ブランドの展開を進めるとともに、炭素繊維製品の開発をさらに強化し、革新的な高性能材料とソリューションを提供していきます。
複合成形材料事業分野では、顧客要求に沿ったコンポジット製造技術を他社に先駆けて構築することにより、自動車部品の軽量化、高強度化を中心とした社会に必要とされる環境、安全ソリューションの提供に向け、グループ内外の素材や技術を結集し、提案力の強化を推進しています。2020年に開発したバッテリーボックスは、これまで帝人が培ってきたマルチマテリアル技術を駆使し、複合材料と金属材料を最適条件で組み合わせて設計したもので、トレイやカバーを複合材料の一体成形とすることでシール性確保による安全性や製造コスト最適化を、フレームに金属を用いることにより剛性、耐衝撃性を実現します。今後、米欧中の各拠点及び国内の設備や人財を活用し、顧客ニーズに沿った最適な設計や改良を行うことにより2025年からの量産開始を目指します。
また、新事業分野では、上海恩捷新材料科技股份有限公司との間で、リチウムイオン二次電池(LIB)に使用される溶剤系コーティングセパレータの製造に関し、昨年12月に包括的な技術ライセンス契約を締結しました。従来のフッ素系化合物に加え、耐熱性に優れるアラミドのコーティングセパレータを対象として追加し、またこれまで取り組んできた車載用に加えて、スマートフォンなどの電子機器用や、電力貯蔵システム用も含む幅広い用途への展開を企図しています。
当セグメントに係る研究開発費は130億円です。



骨・関節、呼吸器、代謝・循環器の3領域に特化し、医薬品と在宅医療のシナジーも生かしながら、患者さんのQuality of Life 向上、新たな治療選択肢の提供につながる医薬品、医療機器、そして付加価値サービスを生み出すために、積極的な研究開発を行っています。また、デジタルヘルスケア、機能性食品素材などの分野で、未病~疾病~介護の全てに対応するヘルスケア事業基盤の構築、情報プラットフォームを活用した新規事業の創出に注力していきます。
医薬品分野では、「オスタバロ皮下注カートリッジ3mg」(一般名:アバロパラチド酢酸塩、開発コード:ITM-058)について、2020年5月に「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を効能・効果として製造販売承認を申請し、2021年3月に承認を取得しました。なお、本剤は、新医薬品の処方日数制限に対応する製剤を開発中であるため、上市時期は未定です。独メルツ社から導入し開発を進めている「ゼオマイン®筋注用50単位、100単位、200単位」(一般名:インコボツリヌストキシンA、開発コード:NT 201)について、2020年6月に「上肢痙縮」を効能・効果とした製造販売承認を取得し、同年12月に販売を開始しました。また、本剤は同年8月に「下肢痙縮」の適応追加に対する一部変更承認を申請しました。加えて、「ソマチュリン*」の適応拡大として、2020年12月に「甲状腺刺激ホルモン産生下垂体腫瘍」の効能・効果の追加承認を取得しました。また、2020年12月に、TransThera Biosciences社と新薬開発のための共同研究及びライセンスの契約を締結しました。
* ソマチュリン®/Somatuline®は、Ipsen Pharma(仏)の登録商標です。
在宅医療分野では、当社独自技術により40%酸素の制御を可能とした酸素濃縮装置「マイルドサンソ 40i」の開発を進め、薬事承認を申請しました。既に展開中の統合型濃縮器「ハイサンソi」と同様の見やすい液晶表示や通信機能の搭載によって、よりきめ細やかにアドヒアランスの確認をサポートできる製品であり、「マイルドサンソTO-40S」の後継機種として上市準備を進めています。引続き、周辺機器を含めた製品ラインナップの充実のため研究開発を進めます。また、2020年4月より米国ヘルスケアベンチャーキャピタルファンドであるMedtech Convergence Fundと本格的に活動を開始しました。投資活動及びインキュベーション活動とも順調に進んでおり、医療機器・サービスに関連した帝人グループの研究開発機能の活性化を目指します。また、オープンイノベーションの一環として、2020年度も帝人ファーマ×アドライト アクセラレータープログラムを開催しました。本プログラムにおいてHome Healthcare Awardを受賞したジョリーグッド社とは共同開発契約を締結しました。今後、VRを利用したうつ病の治療補助システムの共同開発を目指します。
新事業分野では、医療機器分野において、大阪医科大学、福井経編興業㈱との3社で共同開発を進めている心・血管修復パッチ「 OFT-G1(仮称)」について、その臨床試験で目標としていた症例数の被験者登録を完了しました。承認申請および上市を目指して開発を継続して進めます。
当セグメントに係る研究開発費は172億円です。



衣料製品や産業資材をはじめとする様々な用途で付加価値の高い繊維製品を開発し、人々の暮らしを進化させていくとともに、環境問題をはじめとする様々な社会課題に対するソリューションを提供していきます。未来に向かって、豊かな暮らしと、サステナブルな社会を支えていくことが重要な課題です。
ヘルスケア分野では、医療従事者の声を反映した医療用ガウンを大学と共同開発し、抗菌防臭機能や、清涼性、フィルター性能をあわせ持ち、洗濯して繰り返して使用できるマスクを開発しました。
新事業分野では、電気の力で抗菌性能を発揮する圧電繊維「PIECLEX」を㈱村田製作所と共同で開発し、ウエアラブルモーションセンシング技術を用いたデジタルゴルフレッスン「MATOUS GOLF」を上市するとともに、センシングデバイスで睡眠の質を評価・アドバイスする睡眠サービス「Sleep Concierge」を㈱FiNC Technologiesと共同開発しました。
また、新たに環境戦略「THINK ECO」を掲げ、植物由来ポリエステルとリサイクルポリエステルを使用した複合繊維「SOLOTEX ECO-Hybrid」や、マイクロプラスチックの発生を抑制する衣料用保温素材「Thermo Fly」、燃料電池自動車向けの立体成型吸音材など、環境価値向上に貢献する素材・部材を開発しました。
当セグメントに係る研究開発費は16億円です。




ネットビジネス分野において、電子コミック配信サービス「めちゃコミック」へのAIの適用について、またITサービス分野において、ヘルスケア領域等でのデータ活用・AI活用について研究開発を行いました。さらに、AR/VRを活用した新規ビジネスの創出・事業化に向けた調査・研究を行いました。
当セグメントに係る研究開発費は3億円です。

上記セグメントに属さない研究開発活動として、グループ共通の基盤技術の向上やエンジニアリング分野に関する研究開発等を行っています。これに係る研究開発費6億円です。

事業等のリスク株式の総数等


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