シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100VYM0 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社ADEKA 研究開発活動 (2025年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社の研究開発体制は、事業部が統括する7つの開発研究所(樹脂添加剤開発研究所、情報化学品開発研究所、電子材料開発研究所、機能化学品開発研究所、機能高分子開発研究所、電池材料開発研究所、食品開発研究所)と、コーポレート研究及び事業間の技術融合やイノベーション創出を担う研究企画部により構成されています。
国内の連結子会社である日本農薬㈱、ADEKAクリーンエイド㈱、ADEKAケミカルサプライ㈱、及びADEKA総合設備㈱でも、独自の研究開発を行っています。また海外拠点においては、国内の研究所と連携しつつ研究開発のローカライゼーションを推進しています。
なお、2025年4月1日付の組織改定に伴い、情報化学品開発研究所及び電子材料開発研究所を廃止し、半導体材料開発研究所を、機能化学品開発研究所及び機能高分子開発研究所を廃止し、環境材料開発研究所をそれぞれ新設しました。また研究企画部は、研究技術企画部、技術情報管理部、先進技術開発部へ再編し、新設した研究技術統括本部に組み入れました。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、17,569百万円です。

(1) 化学品事業

① 樹脂添加剤分野
ポリプロピレン(PP樹脂)において世界最高レベルの透明性を実現する新規高性能透明化剤アデカトランスパレックスを開発しました。PP樹脂の可能性を更に広げることで、カーボンフットプリントの低いPP樹脂への転換やリサイクルしやすいモノマテリアル化への貢献を通じて事業の拡大につなげるべく、様々な新規用途への展開を推進しています。また、高性能イントメッセント系難燃剤や、アデカシクロエイドシリーズでは、バイオマス原料を活用した塩ビ用可塑剤、リサイクルプラスチックに従来と同等以上の機能を付与する添加剤パッケージの開発を更に進めています。
② 電子材料分野
電子材料本部のあるべき姿として「サステナブル社会を支えるSociety5.0の実現に向け、基盤技術である最先端半導体を素財でリードする」ことを掲げ、以下の製品群を中心とした研究開発活動を推進しました。
(ⅰ) メモリ半導体材料
DRAMやNANDメモリの微細化・高容量化・省電力化の実現を目指し、素子構造の変化に対応した最先端ALD材料の開発を進めました。
(ⅱ) ロジック半導体材料
トランジスタ素子や配線構造の変化を見据え、業界トップ企業や半導体装置メーカーと新規ALD材料の共同開発を進めました。
(ⅲ) 半導体リソグラフィ材料
ArF・EUVといった先端リソグラフィにフォーカスした研究開発を行い、EUVレジスト用光酸発生剤や次世代レジスト材料などの採用が拡大しました。
(ⅳ) 半導体後工程材料
当社の基板技術や既存製品を半導体後工程分野に応用展開する研究活動を進め、シードエッチング剤、放熱樹脂シート、絶縁接着フィルム、銅ペーストなどの性能評価が各ユーザーで進展しています。
(ⅴ) ディスプレイ材料
中国市場にフォーカスして研究開発を進め、ブラックマトリクスレジストや光学フィルム向け光硬化樹脂などの採用が拡大しました。また、中国での技術サポート体制を拡充しました。
③ 環境材料分野
モビリティ・エレクトロニクス・環境関連市場へ経営資源の集中と当社化学品の基盤技術・ノウハウを結集し、戦略製品・環境貢献製品を中心とした主製品群の拡大・新規事業の創出に向けて研究開発に注力しています。
機能化学品開発研究所及び機能高分子開発研究所では、潤滑油添加剤・接着材料・化粧品原料などの新製品開発を進めました。「アデカレミロップ」シリーズでは、省エネルギー・高接着力を特徴とするエレクトロニクス向け接着剤の開発を進めています。また、接着材料分野において当社研究員が合成樹脂工業協会賞・学術賞を受賞しました。化粧品原料では、バイオマス原料を活用し100%自然由来の化粧品用グリコール「アデカノール EHG eco」を開発しました。自然派化粧品のトレンドを受け国内外からサンプルの引き合いを頂いています。電池材料開発研究所では、モビリティー用途を中心にSPANとグラフェンの市場開発を進めています。SPANの研究開発では、顧客・産学連携のもと樹脂箔を用いた軽量リチウム-硫黄二次電池の試作に成功しました。

(2) 食品事業

人々の健康で豊かな暮らしに貢献する食品の創造を目標に掲げ、サプライチェーン全体での環境負荷の低減や食品ロスの削減、労働力不足への対応といった社会課題や、消費行動の変化を捉えた新製品開発を推進しています。
2025年3月には、『Healthy & Sustainable ~世界の食卓のあたり前に~ 』をテーマとして、以下の製品を中心とした新製品8品を発表しました。年度新製品で原料にパーム油を配合している製品は、RSPO認証製品となります。
① プラントベースフード「デリプランツ」シリーズ
非動物性原料のみで“プラントベースフードの常識を覆すおいしさ”を実現した「デリプランツ」シリーズに以下4品を拡充しました。
(ⅰ) オーツ麦のおいしさを活かした、冷凍耐性のあるホイップクリーム「デリプランツ ホイップEX」
及び手軽にお使いいただけるホイップ済みの冷凍三角袋タイプ「デリプランツ フローズンホイップ」
(ⅱ) 加熱、非加熱の両用途でお使いいただけるシュレッドタイプ「デリプランツ チーズ(シュレッド)」
(ⅲ) 卵不使用でもふんわりとした焼き菓子が作れる練込素材「デリプランツ EG-W」
② 練込油脂
パンの経時的な品質低下を抑制することで消費期限を延長し、食品ロス削減に貢献する機能性練込油脂「マーベラス」シリーズに、多様な粉原料を配合したパンの品質を向上させる練込油脂「マーベラス LG」を追加しました。
③ ホイップクリーム
多量の液体原料を混合可能であり、素材を活かした多様なホイップを作ることが出来る、新しいコンセプトの機能性クリーム「フレシオホイップ」に、洋菓子店舗、ホテル、レストランでも使いやすい1L品を追加しました。
上記製品を加え、より多彩となったラインナップでターゲット市場の拡大と展開を進めてまいります。

(3) ライフサイエンス事業

連結子会社である日本農薬㈱では、新規剤創出に向けた創薬力基盤強化と新規事業分野(作物保護資材、医薬・動物薬、新生産技術)の研究開発力向上を目標に掲げ、探索研究では化学農薬パイプライン剤の拡充とそれらの最速ステージアップに注力しました。また、将来を見据え、DX推進やAI活用を含むデータ駆動型創薬を精力的に展開しています。開発研究では、新規開発剤の価値最大化に向け、これまでに構築した世界同時開発・登録体制を実践に移すとともに、既存剤の販売維持・拡大を含め、海外グループ会社とも連携して戦略的かつグローバルな研究活動を継続しています。
当期における主な成果は以下のとおりです。
① 新規汎用性殺虫剤シベンゾキサスルフィル(開発コード:NNI-2101)
本年度も一般社団法人日本植物防疫協会が実施する新農薬実用化試験に供試し、農薬登録申請に必要な有効な試験事例を集積しました。これら知見により幅広い殺虫スペクトル、既存剤に感受性の低下した害虫に対する有効性、優れた浸透移行性など、本剤の特長を示すことができたと考えています。また、多くの害虫や作物を対象に散布に加えて灌注処理での実用性が確認され、利便性の高い害虫防除剤として2025年に農薬登録を申請予定です。本剤はグローバル市場でも広く開発を検討しており、韓国やインドなど登録性や市場性の見込まれる国や地域から開発を開始しています。さらにこれに続く新規パイプライン候補として2剤を開発検討中です。
② 水稲用殺虫剤ベンズピリモキサン
日本ではオーケストラフロアブルに加えて混合剤(オーケストラロムダンモンカットエアー、オーケストラスタークルエアー、オーケストラロムダンモンカット粉剤DL)の販売を開始し、これら製品ラインアップにより本分野の市場シェア拡大及び水稲本田散布剤としてのブランド確立を進めています。また、水稲の農薬市場が大きいインドでは、既に販売を開始したOrchestra剤に加え、速効性に優れるピメトロジンとの混合剤Orchestra Duetの販売を開始し、本剤ビジネスの最大化を目指した混合剤開発を継続してまいります。他の国ではベトナム(2023年12月登録)に加え、水稲栽培の盛んなアジア広域において市場ニーズに合わせて単剤及び混合剤の開発を進めてまいります。
③ 汎用性園芸殺菌剤ピラジフルミド
国内では無人航空機散布やセルトレイ処理など幅広い処理法での適用拡大(登録内容の拡大)を進め、市場拡大を目的とした混合剤の開発を進めました。また、カナダ、ペルーでは販売開始に向けた準備を進めており、ベトナム(2025年2月登録)、ウクライナ(2024年7月登録)では新規に登録を取得しました。米国、エジプト、シリア、パキスタン、ブラジル、コロンビア、チュニジアでは登録申請中であり、インドでは混合剤を開発中です。今後もさらなるビジネス拡大を目指し、その他の地域でも開発の可能性を検討してまいります。

(4) 新規事業の推進
ライフサイエンス及びカーボンニュートラル実現に資する研究開発を推進しています。ADEKAグループの強みと将来ニーズを意識し、組織の壁を越えた技術の融合とオープンイノベーションにより、早期事業化に向けて取り組んでいます。
ライフサイエンス分野では、脱細胞化材料の研究開発や、日本農薬㈱との動物用医薬品創出を目指した共同研究を継続しています。カーボンニュートラル実現に資する研究では、各種バイオマスの資源化や高付加価値化、CO2の利活用、GHG排出量の削減を意識した製造プロセスの開発に取り組んでいます。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00878] S100VYM0)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。