有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100W2OA (EDINETへの外部リンク)
 川田テクノロジーズ株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)
川田テクノロジーズ株式会社 研究開発活動 (2025年3月期)
		
		 当社グループでは、社会のニーズに対して高い技術で応えるため、研究開発活動を積極的に推進し、新しい技術の開発や知見の獲得に努めています。研究開発体制としては、川田テクノロジーズ㈱がグループを跨いだ生産性向上技術や新しい市場を目指した技術開発を担当し、グループ各社が事業活動に直結する研究開発を担当しています。
当連結会計年度における研究開発費は1,555百万円であり、セグメント別の主な内容は次のとおりであります。
(鉄構セグメント)
主に川田工業㈱の橋梁事業部が、鋼構造・複合構造に関する研究開発を推進しています。当連結会計年度における研究開発費は574百万円であり、材料・構造・施工・保全などに関する新技術の開発・改善を行っています。主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 複合構造に関する研究開発
当社グループが得意とする鋼材とコンクリートを用いた複合構造物において、合成床版やプレビーム合成桁等の製品で多くの実績を収めています。合成床版に関しては、施工性や耐久性を大幅に向上させた「SCデッキ・スタッドレス」において、現場での施工性を向上させるワンサイド施工用の樹脂ナットを開発し、防錆仕様の策定と施工方法の確立を図っています。また、多機能突起リブを用いた新型合成梁の開発では、同構造の優れた耐震性能を確認しており、土木、建築分野での製品化を進めています。
② 橋梁保全技術に関する研究開発
高速道路の高架橋から地方自治体の一般橋梁まで、「最小限の労力と費用で適切な維持管理が可能な保全アイテムの創造」をコンセプトに継続的な開発を進めています。鋼床版桁や鉄道軌道桁の支点上補剛材への疲労き裂抑制対策については検証試験及び施工検討が概ね終了し、実構造物への適用を順次進めています。また、腐食が著しいボルト継手部における防錆能力向上を目的に開発したフィルム・キャップについては、特許を取得し、NETIS登録を完了しました。更に高周波加熱装置を用いたリベット取替え工法については、施工法の確立と効率化に向けた施工機器の開発を進めています。今後ますますニーズが高まる保全事業に備え、多種多様なラインナップを整えています。
③ 生産技術に関する研究開発
溶接施工においては、新たなMAG溶接法の開発、溶接部の疲労強度を高める施工法の開発、溶接の可視化による溶接現象の解明などを進めています。また、川田テクノロジーズ㈱と共同で、溶接士のハイダイナミックレンジ視野画像を用いた溶接中管理システムの開発も進めています。さらに工場製作においては、精度の高い最新の点群データ取得機器(レーザートラッカー、3Dスキャナー)を使用し、出来形の高精度な計測と管理を行うことで仮組立作業の省力化を進めています。
④ 生産性向上に関する研究開発
橋梁の製作・架設現場において、これまでの労働集約的な作業の機械化、自動化に資する様々な技術の開発に取り組んでいます。川田テクノロジーズ㈱と共同で開発した「自動塗装ロボット」と「自動搬送装置」を組み合わせて、川田工業㈱の主力製品である合成床版(SCデッキ)を対象に工場塗装のさらなる品質向上と生産性向上に取り組んでまいります。
(土木セグメント)
川田建設㈱が、コンクリート構造物に関する研究開発を推進しています。当連結会計年度における研究開発費は223百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 新設橋梁の品質・耐久性向上技術に関する研究開発
各種施工管理システムの高精度化・全自動化を目的として研究開発を推進しています。ジャッキの油圧ポンプ操作を含めてタブレットで集中管理できる全自動緊張管理システムを高速道路会社発注の工事で適用し、実績が7橋に積み上がったことで、使用頻度が多い定着具・PC鋼材径で実績を作ることができました。また、高炉スラグ微粉末やフライアッシュを配合した高品質・高耐久性コンクリートの研究開発を継続実施しており、蒸気養生を工夫することでセメントを70~80%置換したコンクリートをプレテンション桁に適用できることが確認できました。
② 更新技術に関する研究開発
今後需要が増大する橋梁の改修・更新技術に着目して、更新用プレキャストPC床版とPC中間定着システムの研究開発を継続して推進しています。前者については、ウォータージェット搭載台車・水分離装置等で構成される鋼桁ケレン装置システムを川田テクノロジーズ㈱と共同で開発し、人力に頼っていた鋼桁ケレンの作業効率化と品質均等化を図りました。後者については各種のPC鋼線やPC鋼棒の実績が積み上がっている中、取得した特許技術により減肉したPC鋼棒の長期定着効率が低下しないことを確認しています。
③ 保全技術に関する研究開発
既設PC橋梁の維持管理をターゲットにした非破壊検査技術、延命化・長寿命化技術については、大学や専門会社と共同して基礎的な研究開発を継続しています。非破壊検査技術は、超音波法によってPC橋の応力度を簡易的に把握できることを確認できました。また、長寿命化技術は、KKグラウト注入工法が完成し、少量のグラウト再注入に適したポンプや容易に脱着が可能な注入・排出孔治具の有効性をデモ実験で確認できました。さらに、支承交換の補修技術は、アンカー削孔を伴わずに橋脚にブラケットを設置する工法の実証実験で、上部工重量を安全に支持できることが確認でき、今後は実橋での工事に適用する予定です。
(建築セグメント)
川田工業㈱の建築事業部と事業企画部が建築分野に関する研究開発を推進しています。当連結会計年度における研究開発費は52百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 建築設計業務におけるDX推進に関する研究開発
DX推進に向け、BIM及び構造最適化ソフトの導入に向けた環境整備を進めています。BIMについては、設計業務だけでなく積算業務への利用拡大や確認申請におけるBIM図面審査に向けた調査を行いました。構造最適化ソフトについては、設計条件をパラメータとする部材検証を自動で数千パターン行い、従来の設計方法から鋼重削減効果を確認しました。設計条件の最適化を進めることで、経験の差による技術のバラツキが低減でき、高水準で経済設計が実現できると考えています。これらの活用を進め、業務の効率化、成果物の品質向上を目指します。
② 土間工事の工数削減に向けた研究開発
土間床のコンクリート工事は、打設から仕上げまでを同日中に完了する必要があり、作業員10名で1日あたり1,000㎡程度の施工が限界です。また、作業員や監督員の拘束時間が長く、冬場には早朝から深夜まで作業が続くことがあります。これらの背景から、施工性の高い自己充填コンクリートに着目し、大学と共同で高効率化を図る配合を検討しています。本研究開発は、人手不足や長時間労働の対策として省力化を目指すとともに、高効率化による1日あたりの施工面積の拡大も目指しています。
③ 環境事業に関する研究開発
水やりが基本的に不要な屋上緑化システム「みどりちゃん」は、引き続きインド、サウジアラビア、タイ、シンガポールなどの海外地域で実証実験を実施し、各国における植生の育成状況を確認するとともに、再生炭等の材料の現地調達に関する調査を行いました。特に乾燥地域であるサウジアラビアでは、半年間のモニタリングを経て想定を上回る成果が得られ、乾燥地向けの市場展開に向けた足掛かりとなる結果が得られています。
また「みどりちゃん」の雨水流出抑制効果についても、屋外での検証試験を実施し、再生炭を含む土壌が降雨後の体積含水率をより高く維持する傾向が確認されました。これは異常気象による都市型洪水の抑制対策や、植物の安定育成に資する成果として、今後の製品アピールに活用していく予定です。
また、壁面緑化システム「Stand by みどりちゃん」の室内利用についても研究を行い、潅水量を最小限に抑えた実験を通じて、観葉植物においては一定の育成効果が確認されました。一方、排水循環に関する構造的課題や土壌代替素材の選定など、屋内利用における課題も明確となりました。実験結果をもとに他製品との差別化に向けた検討を進めてまいります。
(ソリューションセグメント)
川田テクノシステム㈱が建設向けソフトウエアソリューションに関する研究開発を、カワダロボティクス㈱が産業用双腕ロボットに関する研究開発を実施しています。当連結会計年度における研究開発費は516百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 自然言語系AIの研究
人手不足が深刻なヘルプデスク業務に関して自然言語系AIを用いて応答する研究を行っています。川田テクノシステム㈱では、システムに関する様々な情報をセキュリティで保護された領域に学習をさせ、学習した様々な質問に対して正しく応答ができるか実証実験を行っています。学習においては、文字だけでなく、表やグラフ、図、写真なども併せて行う独自のアルゴリズムを使用して行っています。将来、一定レベルの成果が発揮できれば、同業他社や当社の顧客へ販売できる事業になると考えています。
② 画像解析AIの研究
撮影動画から物体検知及び顔認証を行うAIを構築しています。事前に撮影した動画やライブカメラ映像から車、人、自転車など様々な物体を検知し、また顔認証も行うことが可能であることから、この2つの要素を合わせることで特定のエリア内の行動パターンや物体の数量の時間的推移を検知します。交通量調査や倉庫、建物内の移動検知、分析に貢献するシステムを目指しています。
③ ヒト型協働ロボットに関する研究開発
川田テクノロジーズ㈱と共同でヒト型協働ロボット(双腕ロボット)「NEXTAGE」のハードウエア及びソフトウエアの性能・機能、拡張性向上を目的とした要素技術開発を継続して実施しています。当連結会計年度の成果としては、新機能となる衝突検知オプションのリリースを行いました。また、アプリケーションパッケージの製品化に向けて20種類のデモ開発を行いました。
さらに外部機関との連携に関しては、日本国内の大学・研究機関との共同研究を実施しつつ、テクナリア(スペイン)を含む欧州の15の研究機関と共同でEU HORIZON PROJECTに継続参加するとともに、東京理科大と共にカナダとのJST共同研究へ参画し、「人と働くヒューマノイドロボット」の市場価値を高めるための技術開発を継続して実施しています。
この他、特定のセグメントに関連付けされない研究開発も実施しています。当連結会計年度における研究開発費は189百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
川田工業㈱は、2022年度より国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託を受け、岐阜大学と共同で「大気圧プラズマを利用する新規CO₂分解・還元プロセスの研究開発」を実施し、当連結会計年度をもってプロジェクトは終了いたしました。2025年度からは、3年間をかけて、実用化に向けた新しい研究プロジェクトの受託が決定しています。
川田テクノロジーズ㈱では、㈱オリィ研究所(本社:東京都中央区、代表取締役:吉藤健太朗)と共同で、外出困難者の社会参加を目指した遠隔操作ロボットの開発を行っています。当連結会計年度には、カワダロボティクス㈱製「NEXTAGE」と㈱オリィ研究所製「OriHime」を使った、遠隔地からの作業が可能な分身ロボットシステム「Tele-Barista」に「Tele-Bartender」としての機能を追加し、実証実験を行いました。今後は分身ロボットカフェでの運用に向けた準備を行い、一般公開を開始する予定です。
当社グループは、引き続きサステナブル社会の実現に向け、関係機関と協力しながら研究開発を続けてまいります。
		
当連結会計年度における研究開発費は1,555百万円であり、セグメント別の主な内容は次のとおりであります。
(鉄構セグメント)
主に川田工業㈱の橋梁事業部が、鋼構造・複合構造に関する研究開発を推進しています。当連結会計年度における研究開発費は574百万円であり、材料・構造・施工・保全などに関する新技術の開発・改善を行っています。主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 複合構造に関する研究開発
当社グループが得意とする鋼材とコンクリートを用いた複合構造物において、合成床版やプレビーム合成桁等の製品で多くの実績を収めています。合成床版に関しては、施工性や耐久性を大幅に向上させた「SCデッキ・スタッドレス」において、現場での施工性を向上させるワンサイド施工用の樹脂ナットを開発し、防錆仕様の策定と施工方法の確立を図っています。また、多機能突起リブを用いた新型合成梁の開発では、同構造の優れた耐震性能を確認しており、土木、建築分野での製品化を進めています。
② 橋梁保全技術に関する研究開発
高速道路の高架橋から地方自治体の一般橋梁まで、「最小限の労力と費用で適切な維持管理が可能な保全アイテムの創造」をコンセプトに継続的な開発を進めています。鋼床版桁や鉄道軌道桁の支点上補剛材への疲労き裂抑制対策については検証試験及び施工検討が概ね終了し、実構造物への適用を順次進めています。また、腐食が著しいボルト継手部における防錆能力向上を目的に開発したフィルム・キャップについては、特許を取得し、NETIS登録を完了しました。更に高周波加熱装置を用いたリベット取替え工法については、施工法の確立と効率化に向けた施工機器の開発を進めています。今後ますますニーズが高まる保全事業に備え、多種多様なラインナップを整えています。
③ 生産技術に関する研究開発
溶接施工においては、新たなMAG溶接法の開発、溶接部の疲労強度を高める施工法の開発、溶接の可視化による溶接現象の解明などを進めています。また、川田テクノロジーズ㈱と共同で、溶接士のハイダイナミックレンジ視野画像を用いた溶接中管理システムの開発も進めています。さらに工場製作においては、精度の高い最新の点群データ取得機器(レーザートラッカー、3Dスキャナー)を使用し、出来形の高精度な計測と管理を行うことで仮組立作業の省力化を進めています。
④ 生産性向上に関する研究開発
橋梁の製作・架設現場において、これまでの労働集約的な作業の機械化、自動化に資する様々な技術の開発に取り組んでいます。川田テクノロジーズ㈱と共同で開発した「自動塗装ロボット」と「自動搬送装置」を組み合わせて、川田工業㈱の主力製品である合成床版(SCデッキ)を対象に工場塗装のさらなる品質向上と生産性向上に取り組んでまいります。
(土木セグメント)
川田建設㈱が、コンクリート構造物に関する研究開発を推進しています。当連結会計年度における研究開発費は223百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 新設橋梁の品質・耐久性向上技術に関する研究開発
各種施工管理システムの高精度化・全自動化を目的として研究開発を推進しています。ジャッキの油圧ポンプ操作を含めてタブレットで集中管理できる全自動緊張管理システムを高速道路会社発注の工事で適用し、実績が7橋に積み上がったことで、使用頻度が多い定着具・PC鋼材径で実績を作ることができました。また、高炉スラグ微粉末やフライアッシュを配合した高品質・高耐久性コンクリートの研究開発を継続実施しており、蒸気養生を工夫することでセメントを70~80%置換したコンクリートをプレテンション桁に適用できることが確認できました。
② 更新技術に関する研究開発
今後需要が増大する橋梁の改修・更新技術に着目して、更新用プレキャストPC床版とPC中間定着システムの研究開発を継続して推進しています。前者については、ウォータージェット搭載台車・水分離装置等で構成される鋼桁ケレン装置システムを川田テクノロジーズ㈱と共同で開発し、人力に頼っていた鋼桁ケレンの作業効率化と品質均等化を図りました。後者については各種のPC鋼線やPC鋼棒の実績が積み上がっている中、取得した特許技術により減肉したPC鋼棒の長期定着効率が低下しないことを確認しています。
③ 保全技術に関する研究開発
既設PC橋梁の維持管理をターゲットにした非破壊検査技術、延命化・長寿命化技術については、大学や専門会社と共同して基礎的な研究開発を継続しています。非破壊検査技術は、超音波法によってPC橋の応力度を簡易的に把握できることを確認できました。また、長寿命化技術は、KKグラウト注入工法が完成し、少量のグラウト再注入に適したポンプや容易に脱着が可能な注入・排出孔治具の有効性をデモ実験で確認できました。さらに、支承交換の補修技術は、アンカー削孔を伴わずに橋脚にブラケットを設置する工法の実証実験で、上部工重量を安全に支持できることが確認でき、今後は実橋での工事に適用する予定です。
(建築セグメント)
川田工業㈱の建築事業部と事業企画部が建築分野に関する研究開発を推進しています。当連結会計年度における研究開発費は52百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 建築設計業務におけるDX推進に関する研究開発
DX推進に向け、BIM及び構造最適化ソフトの導入に向けた環境整備を進めています。BIMについては、設計業務だけでなく積算業務への利用拡大や確認申請におけるBIM図面審査に向けた調査を行いました。構造最適化ソフトについては、設計条件をパラメータとする部材検証を自動で数千パターン行い、従来の設計方法から鋼重削減効果を確認しました。設計条件の最適化を進めることで、経験の差による技術のバラツキが低減でき、高水準で経済設計が実現できると考えています。これらの活用を進め、業務の効率化、成果物の品質向上を目指します。
② 土間工事の工数削減に向けた研究開発
土間床のコンクリート工事は、打設から仕上げまでを同日中に完了する必要があり、作業員10名で1日あたり1,000㎡程度の施工が限界です。また、作業員や監督員の拘束時間が長く、冬場には早朝から深夜まで作業が続くことがあります。これらの背景から、施工性の高い自己充填コンクリートに着目し、大学と共同で高効率化を図る配合を検討しています。本研究開発は、人手不足や長時間労働の対策として省力化を目指すとともに、高効率化による1日あたりの施工面積の拡大も目指しています。
③ 環境事業に関する研究開発
水やりが基本的に不要な屋上緑化システム「みどりちゃん」は、引き続きインド、サウジアラビア、タイ、シンガポールなどの海外地域で実証実験を実施し、各国における植生の育成状況を確認するとともに、再生炭等の材料の現地調達に関する調査を行いました。特に乾燥地域であるサウジアラビアでは、半年間のモニタリングを経て想定を上回る成果が得られ、乾燥地向けの市場展開に向けた足掛かりとなる結果が得られています。
また「みどりちゃん」の雨水流出抑制効果についても、屋外での検証試験を実施し、再生炭を含む土壌が降雨後の体積含水率をより高く維持する傾向が確認されました。これは異常気象による都市型洪水の抑制対策や、植物の安定育成に資する成果として、今後の製品アピールに活用していく予定です。
また、壁面緑化システム「Stand by みどりちゃん」の室内利用についても研究を行い、潅水量を最小限に抑えた実験を通じて、観葉植物においては一定の育成効果が確認されました。一方、排水循環に関する構造的課題や土壌代替素材の選定など、屋内利用における課題も明確となりました。実験結果をもとに他製品との差別化に向けた検討を進めてまいります。
(ソリューションセグメント)
川田テクノシステム㈱が建設向けソフトウエアソリューションに関する研究開発を、カワダロボティクス㈱が産業用双腕ロボットに関する研究開発を実施しています。当連結会計年度における研究開発費は516百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
① 自然言語系AIの研究
人手不足が深刻なヘルプデスク業務に関して自然言語系AIを用いて応答する研究を行っています。川田テクノシステム㈱では、システムに関する様々な情報をセキュリティで保護された領域に学習をさせ、学習した様々な質問に対して正しく応答ができるか実証実験を行っています。学習においては、文字だけでなく、表やグラフ、図、写真なども併せて行う独自のアルゴリズムを使用して行っています。将来、一定レベルの成果が発揮できれば、同業他社や当社の顧客へ販売できる事業になると考えています。
② 画像解析AIの研究
撮影動画から物体検知及び顔認証を行うAIを構築しています。事前に撮影した動画やライブカメラ映像から車、人、自転車など様々な物体を検知し、また顔認証も行うことが可能であることから、この2つの要素を合わせることで特定のエリア内の行動パターンや物体の数量の時間的推移を検知します。交通量調査や倉庫、建物内の移動検知、分析に貢献するシステムを目指しています。
③ ヒト型協働ロボットに関する研究開発
川田テクノロジーズ㈱と共同でヒト型協働ロボット(双腕ロボット)「NEXTAGE」のハードウエア及びソフトウエアの性能・機能、拡張性向上を目的とした要素技術開発を継続して実施しています。当連結会計年度の成果としては、新機能となる衝突検知オプションのリリースを行いました。また、アプリケーションパッケージの製品化に向けて20種類のデモ開発を行いました。
さらに外部機関との連携に関しては、日本国内の大学・研究機関との共同研究を実施しつつ、テクナリア(スペイン)を含む欧州の15の研究機関と共同でEU HORIZON PROJECTに継続参加するとともに、東京理科大と共にカナダとのJST共同研究へ参画し、「人と働くヒューマノイドロボット」の市場価値を高めるための技術開発を継続して実施しています。
この他、特定のセグメントに関連付けされない研究開発も実施しています。当連結会計年度における研究開発費は189百万円であり、主な研究開発の状況は次のとおりであります。
川田工業㈱は、2022年度より国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託を受け、岐阜大学と共同で「大気圧プラズマを利用する新規CO₂分解・還元プロセスの研究開発」を実施し、当連結会計年度をもってプロジェクトは終了いたしました。2025年度からは、3年間をかけて、実用化に向けた新しい研究プロジェクトの受託が決定しています。
川田テクノロジーズ㈱では、㈱オリィ研究所(本社:東京都中央区、代表取締役:吉藤健太朗)と共同で、外出困難者の社会参加を目指した遠隔操作ロボットの開発を行っています。当連結会計年度には、カワダロボティクス㈱製「NEXTAGE」と㈱オリィ研究所製「OriHime」を使った、遠隔地からの作業が可能な分身ロボットシステム「Tele-Barista」に「Tele-Bartender」としての機能を追加し、実証実験を行いました。今後は分身ロボットカフェでの運用に向けた準備を行い、一般公開を開始する予定です。
当社グループは、引き続きサステナブル社会の実現に向け、関係機関と協力しながら研究開発を続けてまいります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E21955] S100W2OA)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
	
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。




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